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2014年
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2月:1,2
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
5月:1,2,3,4,5
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2013年
1月:1,2,3
2月:1,2,3,4
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
5月:1,2,3,4,5
6月:1,2,3,4
7月:1,2,3,4
8月:1,2,3,4,5
9月:1,2,3,4
10月:1,2,3,4
11月:1,2

2012年
1-1,1-2,1-3,1-4
2-1,2-2,2-3,2-4
3-1,3-2, 3-3
5月:1,2,3,4
6月:1,2,3,4
7月:1,2,3,4
8月:1,2,3,4
9月:1,2,3,4,5
10月:1,2,3,4
11月:1
2014.5.12(月) 日本(沖縄)
トキ帰還でお母さん盛り上がる!

 トマトの収穫作業は全員で行った。というのも、他の作業ができないくらいの豪雨が降ったからだ。

 沖縄の梅雨というのは私が知っている関東のそれとは大分、趣が違う。シトシトと篠突く雨が降る梅雨を連想していたら、沖縄では東南アジアの亜熱帯のスコールばりの土砂降りがマレーシアやタイのスコールよりも長時間続く。

 雨季のスコールは1時間も降ったら嘘のように青空が見えたりするが、沖縄では雨がやんでも曇り空。豪雨で曇り空。なかなか手厳しいのだ。

 そんな鬱陶しい天気の中、以前、ここに滞在していた日本人とイタリア人の両親を持つトキが戻ってくるというニュースが飛び込み、中でもトキが大好きなお母さんの心は真夏の沖縄の空(まだ体験してないけど)のように晴れ晴れとしているようだった。数日前からトキを迎えるために、那覇近くに住んでいる息子に連絡して時を迎えに行ってここまで連れてこいと指令を飛ばし、トキには私から息子に連絡するように指令が飛んできた。

 トキはあまり日本語ができない。息子さんは英語が話せない。お母さん、そんな二人がどうやって電話で待ち合わせ場所を決めたりできるのでしょうか?そう言う私にお母さんは「大丈夫よ。二人で飲みに行ったりしてるんだから」とお母さんは自信たっぷり答えた。

 結局、二人だけでは話は通じなかったが滞在していたホステルの人の助けを借りて、どうにかトキは無事にこの農園に帰ってくることができたのだった。

 休日でもないのに夜はお酒とひーじゃー(やぎ)と魚のお刺身。トキ、ブラボー!


2014.5.13(火) 日本(沖縄)
カレーライス対策

 お母さんの沖縄料理がおいしいのと週末の宴会。作業はトマトの収穫とトマトの木のメンテナンス。

 体を使っているとはいえ、ハードな草取りや敷き草作業などに比べるとあまり体力を使っていない。

 そんなわけで増加をたどる体重に歯止めをかけたいと、土日以外は炭水化物を極力取らないようにしているのだが、時々「カレーライス」問題にぶつかる。

 ここのお母さんのカレーは自他共に認める人気メニューなのでしばしばカレーライスが出てくる。これをご飯で食べると一気に体重が増すんだなぁ。

 そこで今日はご飯の代わりに、冷凍保存してある卯の花を使ってカレー卯の花で食べた。うん。卯の花の冷凍保存がある限り、これでしのいで行こう。


2014.5.14(水) 日本(沖縄)
ソーキそば対策

 昨日のカレーライスに続き、今日のランチはソーキそば。沖縄そばとは小麦でできた中華そばだが、ソーキそばはかつおベースのスープに沖縄そば、トッピングに豚の三枚肉の甘辛柔らか煮と魚の練りものスライスともやしが乗った沖縄定番料理だ。

 だしが効いたスープもおいしく、ついつい全部食べちゃった。しかし、これも炭水化物。嗚呼。

 ということで、作業後は久しぶりに雨がやんでいる事もありウォーキングに出かけた。曇天の下、海は灰色でまだまだ素敵には見えないけれど、運動したので気分は爽快。


2014.5.15(木) 日本(沖縄)
完全「無農薬」を謳えない

 今日の作業は液肥かけ。

 魚を発酵させた液を水で薄めた溶液をホースで木の根元一本、一本にかけて回る作業だ。天気は土砂降りで、部分的にビニールハウスのビニールが破れていた所に梅雨の暴風がきてめくりあがり、ビニールハウス内といえどもウォータープルーフ完全装備で作業しないといけない状態だ。

 おまけに芽かき作業に比べて液肥かけは創造性の少ない私にはあまり魅力のない仕事なので好みではない。

 とまぁ、文句はこれくらいにして。。。

 トマトを育てるにあたっては芽かき、雑草除去、害虫駆除、そして液肥が要と言われているようだ。ところが、この液肥を使っているためにJASの基準の「無農薬」を謳えない。なぜなら、液肥に使われている魚が無農薬で育ったかが不明だからだ。よって、この農園のトマトは「有機」になっている。魚を養殖して液肥を作ったらやっと「無農薬」になるのだが、それはまた大変な話だ。


2014.5.16(金) 日本(沖縄)
ワイヤーメッシュ作業

 私はいつも通りトマトの収穫だが、男性ウーファー3名とお父さんは火曜日からワイヤーメッシュ作業を行っている。この村では数ヶ月前に農業従事者で希望する者にワイヤーメッシュを無料配布した。

 イノシシが出るこの地域ではワイヤーでできた金網を塀として敷地に張り巡らせない限り、芋もバナナも人参も全部イノシシに掘り起こされて食いつくされ、大被害となっていたのだ。この農園もバナナの幹の中の柔らかい部分を狙うイノシシが、数本のバナナを木ごと倒して損害を出していたのでワイヤーメッシュを希望して受け取っていたのだ。

 しかし、これまでは人手がなくて敷地に張り巡らせる作業ができなかった。村からは4月末までに敷地に張れという指令がきていて、5月に状況撮影に来るから、その時までにメッシュを利用していない場合はワイヤーメッシュを没収するという通達が来ていて、状況はかなりひっ迫していた。そこにトキという万能選手の帰還があり、お父さんも大喜び。早速、ワイヤーメッシュ作業となった。

 村から配布されたのはワイヤーメッシュと杭。まずは杭の地面にさす部分にさび止めのペンキを塗る作業を行い、それが乾いた今日は杭の上側となる部分を金槌でつぶつ作業だ。配布された杭の片方は地面に突き刺すためにつぶれているのだが、片方は丸く開いている。これでは雨が杭のパイプの中に入ってすぐに錆びて朽ちてしまうという経験から、雨が入らないように上側もつぶすことになったのだ。

 アメリカ軍払い下げの軍服を着てハンマーを二人組で打ちおろす作業は、強制労働を想起させるねぇ。夫にそう言うと、シニカルすぎて面白くないと却下された。すみません。ハンマー作業の隣では杭にさび止めを塗る作業続行。

 久しぶりに晴れた今日だが、夕方ウォーキングする頃には再び雲が広がってきた。まだまだ、完璧な夕焼けは望めないが、曇天からもれる夕日に赤く染まる海もまた悪くない。











2014.5.17(土) 日本(沖縄)
地元泡盛「まるた」

 梅雨の晴れ間の一日。青空が恋しくなっていた今日この頃、すっきりと雲ひとつない青空を拝めて、それだけで気分が爽快になる日だった。

 男性は相変わらず杭打ち。これが終わったら、いよいよ敷地にメッシュで塀を立てていく作業になる。「塀ができてイノシシが来なくなったら、人参も、イモ類も作りたい放題だ!」とお父さんの夢は今からバサバサと羽音を立てている。

 私はトマトの木のメンテナンス。脇芽を取り去ってきれいにする。・・・と、ミャーミャーと子猫の声が聞こえてくる。ふと見るとハウスの一番奥の隅でいつも家に出入りしている猫が子猫4匹に乳を与えているではないか!私が作業の都合で猫達に近付いていくと、母猫は「何かしたら、あたしが承知しないわよ」とめちゃくちゃ険しい視線を投げかけてきた。ここの猫は飼い猫ではく、餌付けされている野生的野良猫なので常に人間との間には鋭い緊張感がある。都会の甘やかされた腰ぬけの猫とは違う、と言えば聞こえはいいが全然なつかないので可愛くない。

 夜はお父さんご提案のダッチーオーブンを使った廃鶏(歳を取って卵を産めなくなった鶏)と野菜とトマトの煮込み。

 廃鶏は煮込むととてもいい味を出すのだが、肉はいつまで経っても固くて食べにくい。そんなわけで、廃鶏を使ったダッチオーブン料理に賛成していないお母さんは、お父さんが「ダッチオーブンだ!」と言うといつもどこかに消えてしまい、いつも私が具を用意することになっている。かくいう私も、そろそろダッチオーブンでは他の事をやりたいと思っているので、この料理には気が乗らない。

 ええい、ままよと野菜をぶちこんで煮込んだ物はまずくはないが心がない感じに仕上がった。お父さんと我々夫婦の3人で食べるからいいやと思っていたのに、急にお隣さんの男性2名が参加してきて5人でこの料理を囲むことになった。「へー、変わった料理ですねぇ」とほめるポイントを模索しながら召し上がっていらっしゃったが次第に沈黙に代わる空気を、私にはどうする事もできなかった。やれやれ。

 二人のお客さんのうちの一人が海から取ってきたシャコガイで食卓の空気を和やかにしながら、食事は終了。お客さんも帰っていった頃にお母さんが帰ってきた。どうやら近所の「やぎ」食堂でゆんたく(おしゃべり)していたらしい。しばらくして「やぎ」食堂の夫婦も店じまいしてこちらに遊びに来たので、彼らが持参してきた地元泡盛「まるた」とシャコガイで宴会となった。

 「まるた」は全国に出回っている「久米仙」と違って独特の風味を持っていた。お父さんやヤギ食堂のおやっさんいわく、泡盛というのは昔はみんなこういう独特の風味を持っていて、特に30度を超える物は物によっては臭くて飲めなかったそうだ。それが時代の変遷とともに雑味を取ってまろやかにして、すっきりと飲みやすくした代表選手が「久米仙」だろうと言っていた。確かに飲み比べると「久米仙」は飲みやすい。「まるた」はシイタケの汁のような味がする。でも、それが独特な旨みになっているので、地元民が「まるた」しか飲まないという話も納得がいく。こういう小さな村に来ないと聞けない話、飲めない酒。とれたてのシャコガイを肴についつい夜更かししそうな夜となった。


2014.5.18(日) 日本(沖縄)
ビュッフェとケーキと化粧水で忙しい休日

 相変わらずの土砂降りの中、力仕事で大いに役立ってくれたと農園のお父さんとお母さんが我々ウーファー3人を連れてリゾートホテルのビュッフェランチをごちそうしてくれた。梅雨時期の土砂降りとあって、宿泊客が少ない為か通常よりも品数が少ないのが残念だったが、それでも秀逸なデザートが豊富に食べられて大満足のランチだった。杏仁豆腐はいつも通りにおいしかったが、今日は加えてマンゴームースが秀逸だった。こんなのも作ってみたいなぁ。

 リゾートホテルで触発されて家で作ってみたのが、このケーキ。パウンドケーキなのだが小麦粉の代わりにおからとヨーグルトを使っている。

 この家の知人から付き合いで豆乳を買っているのだが、豆乳を買うともれなくおからもやってくる。栄養価が高くて値段も安いおからは子供を持つ都会の主婦には人気らしく、クックパッドのレシピにも頻繁に出てくるのだが、どうもこの農園の夫婦はおからが好きではないようだ。豆腐を作った後の「残りかす」のイメージがあるからだろう。

 この農園で過ごして思う事の一つに、農業従事者は都会に住む人よりも食料に関しては鷹揚である。私たちサラリーマンあがりは、身銭を切って買った食料品は余さず食べようと必死になるが、ここの農園の人やここに集まる人たちは余り物を作り直して食べるより新鮮な次の物を食べる事に関心がある。頂いたおからを卯の花にして必死に消費しようとしているのは私だけで、家族は一人も箸をつけようとしないのだった。

 まぁ、そんないきさつもあってケーキにしたらどうかと思って作ってみたのだった。ベーキングパウダーでふんわりと膨らんでいい感じに焼き色もついたケーキは素敵に見えたのだが、レシピにあるように冷やして食べようとしたら半分の高さにまでへこみ、砂糖を減らして甘みを抑えようとした目論見は冷やしたお陰で甘み足らずとなり裏目に出た。うーむ。何事も一筋縄ではいかないものだ。結局、このケーキも私一人でせっせと食べる事になった。

 さて、今日の最後のお楽しみは「自分で化粧水を作ってみよう!」。

 化粧水が切れたのを機にネットで材料を調べて購入していたのだ。これに農園のあちこちに勝手に生えている月桃(ゲットウ)の葉のエキスを入れたら素敵な月桃化粧水ができるというのが私の目論見だ。月桃のエキスは三角ロートに水と月桃の葉を入れて煮立たせ、上がった蒸気をロート上部で集めて冷却するという蒸留方法が商業的には採用されているようだが、ここでは面倒なのでウォッカに2週間漬け込むという方法を採る事にした。今日作った化粧水は早速使ってみたら問題なく使えた。これで2週間後から月桃エキスが入る。ふふふ、楽しみ、楽しみ。


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