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2014年
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2月:1,2
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
5月:1,2,3,4,5
6月:1,2,3,4


2013年
1月:1,2,3
2月:1,2,3,4
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
5月:1,2,3,4,5
6月:1,2,3,4
7月:1,2,3,4
8月:1,2,3,4,5
9月:1,2,3,4
10月:1,2,3,4
11月:1,2

2012年
1-1,1-2,1-3,1-4
2-1,2-2,2-3,2-4
3-1,3-2, 3-3
5月:1,2,3,4
6月:1,2,3,4
7月:1,2,3,4
8月:1,2,3,4
9月:1,2,3,4,5
10月:1,2,3,4
11月:1
2013.7.22(月) イタリア(フィレンツェ)
感覚の違い

 午前中は今後の計画に伴う航空券の購入、イタリア語の学習。12時前からウォーキング、ウォーキングしながらイタリア語の復習と10分のジョギング、スーパーに立ち寄って食材調達。で、帰ってきてシャワー、日記、アルバム作成、そしてドラマ鑑賞。

 アルバム作成していたら、私たちの開け放した部屋の扉をノックする人がいた。おお、マルツィアだ。前のアパートで一緒だったイタリア人の女性で、前の家で遂に電気の供給が止まってしまったので別の家に引越している作業をしている際、ウォーキング途中の私たちと偶然に再会している。

 「新しい家はどう?」と聞くと、何と今日からそちらの家も電気が止まっちゃったんだそうだ。理由は電気料金を払っていないから。やれやれ、仲介の女性は本当に資金が焦げ付いてしまっているようだ。

 マルツィアはまた別の家に引っ越すように言われて、怒り心頭になっていた。そりゃそうだ。

 なんだったら、ここの家に越してくればいいのに。と私が言うと人が多すぎるから嫌だという。ルーマニア夫人もそうだが、人が多いという事が非常に嫌みたいだ。でも、しょっちゅう電気が止まって引っ越さなくちゃいけないくらいなら、私ならこちらに引越してくるのになぁ。その感覚がよくわからん。


2013.7.23(火) イタリア(フィレンツェ)
カッシーネ、そして近所の魚屋レストラン

 朝11時にピークを迎えたカッシーネは観光客、地元イタリア人でごった返して、ドゥオーモ前かっちゅうくらいの活況を呈していた。今日は見学だけだと思いつつもナラ・カミーチェのシャツが出てきてマックス・マーラのパンツにぶちあたったら、もう止まらなくなった。1ユーロで9点、2ユーロで1点、10ユーロでベルト1本。しめて11アイテム21ユーロ。12時過ぎにはもうぐったりして、一度家に引きあげた。

 今日は、フィレンツェ在住の方がブログで紹介していた魚屋さん兼イートインという店に行ってきた。カッシーネから橋を渡ってすぐの大きなロータリーの左奥にあるFiaschetteria di pesceだ。

 ブログで紹介している人は、手長エビや貝類の刺身を食べたりしてワインも飲むので一人単価が40ユーロなどとなっていたが、私たちは前菜としてシーフードのマリネ(9ユーロ)、イワシの詰め物揚げ2個(4ユーロ)、コペルトなし、水500mlで1ユーロ、パスタ2種(各11ユーロ)でしめて36ユーロだった。

 黒板には3種類のメニューしか書かれていなくて、あとはカウンターのショーケースにあるできあいのマリネなどを注文するか、ショーケースの生魚を見て店員と相談して決めるようだ。シーフードフライにしている人も多かった。

 パスタは御者風パスタ(カレッティエラ、ピリ辛トマト)にイカの入ったものと、スコルファノ(かさご)とズッキーニのニョッキ。どちらも街中の普通のレストランでは出てこない、魚屋さんならではのメニューでとてもおいしかった。

 来る度に本日のメニューが異なるようなので、また来てみたいと思わせる店だ。因みに全く英語を話す気配がない。イタリア語の腕試しとしても面白い体験だった。

 夜は広末涼子さん主演のドラマ「スターマン・この星の恋」とイタリア映画「明日のパスタはアルデンテ」(原題:「Mine vaganti」(何をしでかすか分からない)危険人物の意、wikipediaより)を鑑賞。カミングアウトした二人のゲイの息子を持つ家族がゲイを受け入れるまでの話をコメディタッチで描いた作品。コメディといってもバカバカしい無理やりのお笑いではなく、ユーモアとペーソスが入り混じるソフィストケートされた笑いで、この国のセンスの良さを感じさせてくれた。

 しかし、セリフを話すスピードが速い。字幕の英語を追うのに必死で、イタリア語に至っては時折単語が耳に入る程度で、イタリア語として聞く余裕はほとんどなかった。2時間近い作品を見終わったらマラソンしたかのようにぐったり疲れた。


2013.7.24(水) イタリア(フィレンツェ)
私はミッシー

 午前中はサイト更新作業と写真整理、イタリア語の学習、昼からウォーキング、スーパーで食材を買って帰り、ストレッチ、仮眠、イタリア語復習、シャワー、そして今再び日記更新作業。

 夫は順調に体重を落として今日のウォーキング後にまた最低体重を記録した。私は、先週の同じ時と比べて800gの増加。うーむ。なぜだろうか。

 開け放した部屋の扉の前をジョシュアが通過する時に、こちらを見て「ミッシー!」と叫んでいった。今日、お母さんのドリスから言われて初めて気づいたのだが、どうやら私は彼にミッシーと呼ばれているんだそうだ。ミッシーなんて素敵なニックネーム、生まれて初めてなので嬉しいね。

 2歳手前のジョシュアは、数週間前には言えなかったアクアという単語が言えるようになり、プッシュも言えるようになり、おいしい時にはブォーノといいながら人差し指でほっぺをぐりぐりするしぐさも覚えた。すごい。でも、私はミッシー。どういう頭の構造になっているんだろうか。彼を見ていると日々の言語学習の蓄積が、ある日突然、開花するかのように口をついて出てくるのが人間ってもんだとわかる。うん、私たちもいつかそうなる日まで頑張ろう。

 夜はイタリア映画鑑賞。「TUTTA LA VITA DAVANTI 邦題:見わたすかぎり人生」。

 字幕スーパーはイタリア語のみ、かつ2008年の現代映画は超セリフが速くてやたらに一人語りが多いので、細かい内容はさっぱりつかめなかったが、それでもおおまかなストーリーと所々の会話はつかめた。

 主人公のマルタは大学の哲学科を卒業したものの全く就職が決まらず、やっと見つけた仕事が住み込みのベビーシッター。面倒をみる子供の母親がやっているテレフォンアポインターの仕事も紹介してもらって新しい生活が始まる。そこで出会う人々との様々なできごと、奇妙な職場の様子などコメディタッチなエピソードがものすごいスピードで描かれていくのだが、昨日と同様、人間の生きる哀しさが笑いとして表現されているので、見ている者には単純な笑いではなく胸に迫る話が多い。

 2008年という時代を映して、たとえ優秀な大学を出ていても就職できない状況、無意味な商品を売り込んで営業成績をあげるために必死にならなければならない会社生活などが背景になっている。そんな中でもがくように努力する姿は、私たちが知っている日本人の20代、30代の姿と重なる部分があり、非常にリアルに思えた。同時に主人公のマルタのようにある意味冷めた目で状況を俯瞰していないと、他の人のように悲劇的な人生に落ちていってしまうという教訓もある。

 邦題は「見わたすかぎり人生」となっているが、「全ての人生は前へ進んでいく」という意味になると思う。就職難だろうと、遠距離恋愛が滞ろうと、同僚が破滅していこうと、自分が会社をクビになろうと、映画に登場する人物たちに何が起ころうともその人たちを含め私たちの人生は前に進むしかないんだ、だったらどうするんだ!というのが主題だと思う。


2013.7.25(木) イタリア(フィレンツェ)
魚屋でランチ後、友人宅でお茶

 午前中は部屋で作業しながら、台所とシャワールームの掃除。

 今日のランチは火曜日に行って気に入ってしまったFiaschetteria di pesceに再び訪れた。

 タコとチェリートマトとフィノッキオのサラダ、スパーダ(かじきマグロ)と野菜のミルフィーユ(写真)、かんぱち(ricciola)とラディッキオの大きなマカロニ、イイダコのトマトソーススパゲッティと今日もシーフード満載のお昼ご飯。かんぱちは味が染みだしにくい素材でパスタに向くかと聞かれたら疑問だった。が、他はやっぱり旨い。

 古参のおっちゃん店員は明らかに私たちの注文を取りたくなくて無視していたが、他の若手店員に促されてしぶしぶ注文を取っていた。こういうのを見物できるのも、観光客ずれしていないからこそだ。

 ランチの後、今日は知り合いの家でお茶に招かれているのでお菓子を買いにスーパーへ向かった。去年同じアパートに住んでいた中国人留学生のガガちゃんは、偶然にも最初のアパートにに住んでいた中国人留学生の友達で、われわれのアパートに遊びに来ていて再会したのだった。で、今日のお茶会となったわけだ。

 ガガちゃんは、昨年の家よりも少し中心部に近い3ベッドルームのアパートに住んでいた。リノベーションしたばかりということで、すっきりときれいな家具やセンスのいいソファや照明のある素敵なお家だった。

 で、色々話していたら、今はこのアパートをガガちゃんが丸ごと借りて、 テナントを2人探してきて自分はアパートの運営・管理をすることで家賃を浮かしているというのだ。20代前半の独身女子。やるなぁ。

 去年は中国から出てきたばっかりで、電車で違反チケットを切られたり、H&Mで友達がお金をすられたり、中国に残してきた彼氏とうまくいかなかったりと、毎日のように私たちの部屋を訪ねてきて怒ったり泣いたりしていたもんだ。

 それが一年で学業の傍らで賃貸仲介をして、イタリア人の彼氏もできて、自分の店を開けるように場所を探しているという。すごいバイタリティーで昨日見た映画の実写版を見ているかのようだった。まっすぐに自分の夢に向かいつつも、デザイナーでやっていけない場合も見据えての計画を持っているガガちゃんはかなり現実的に自分の人生を見つめている。どこに行っても何とか道を切り開いてやっていく中国人の姿を、私たちはヨーロッパでも南米でもたくさん見てきたが、こんなに間近にその過程を知ることはなかった。初めて触れる大陸の人のエネルギーは、真夏の太陽並みに熱く輝いて感じられた。


2013.7.26(金) イタリア(フィレンツェ)
玉突き事故現場を通過

 ウォーキング途中に5台の車の玉突き事故現場を通過した。最後部の車が一番被害が大きかったようでボンネットが「く」の字になってしまっていた。

 警察も救急車も来ていて、おおよそ10人の人々は保険だろうか書類に書き込んだりスーツケースを車から取りだしたりしていた。

 大騒ぎで取りみだす段階はもう終わっていて、あとはせっかくのバカンスが台無しになってしまった哀しみが漂って、静かにとても静かに作業が進んでいた。


 以前、車を借りてイタリア国内を移動していた時、他の国と違って「あ、うん」の呼吸に頼る所が多いと感じた。例えば、脇道からメインの車線に入る時でも、フランスなどでは危険防止で停止して次の空間に入るような間隔でも後ろから「何故行かない」とクラクションを鳴らされる。

 自分がメインを走っている時は充分な車間距離がないのに脇道から割り込んでくるので、ブレーキを踏まされる。

 一歩間違うと大事故になりそうなスレスレの走り方が普通の国なんだという印象だ。だから、少しでも感覚を共有しない人がいると、そりゃぁ今日みたいな玉突きになる。あ、うんの呼吸で行っている分、待ち時間も少なくてスムーズにも思えるが、ちょっと危ないんだなぁ。でも、この感覚?間隔?が変わるとは思えない。私たちですら、イタリアで数カ月運転していたらすっかりイタリアモードになっていて、今度はフランスでクラクションを鳴らされるくらいになじんでしまったのだから。


2013.7.27(土) イタリア(フィレンツェ)
実験的自炊で楽しむ

 かねてから気になる食材があった。イタリア語で「Rana pescatrice」。直訳すると「蛙魚」となるこの物体は「あんこう」だった。その名前の奇妙さもさることながら、お値段の高さも気になっていた。1キロあたり33.5ユーロというのは、キアナ牛のフィレを超える超高級食材単価だ。どれだけ旨いのか?

 ということで今日は、あんこうを使ったパスタを昼食に作ってみた。イタリア語のレシピサイトではたくさん紹介されているから、そんなにレアな食材ではないらしい。トウガラシとニンニクと玉ねぎとオリーブオイルで香りだししたフライパンで、2cm角前後に切ったあんこうを炒め、白ワインで5分ほど煮て、チェリートマトとオリーブを加えて煮る。パスタ投入2分前にみじんぎりのパセリを加え、パスタと絡めてできあがり。

 あんこうは生の時から「だし」のようないい香りを放っていて、美味しくなる事が間違いない予感のする食材だったが、にんにく、オリーブオイル、トマト、パセリなどと一緒になると、更に洗練された旨みを出して、驚きのおいしいパスタができあがった。参考にしたレシピによるとパスタ乾麺350gに対してあんこう400gを使う。その他の材料もレシピ通りの比率で作ったのが成功だったようだ。

 夜はいちじくとの相性を確かめる実験。お相手はパルマの生ハム、ゴルゴンゾーラ、2種のヤギチーズ。

 どれも合う。いちじくとは塩分の強い、癖のある食品が相性がいい。ほのかな甘みが合わせた食品の個性を柔和なものにして、上品な味わいに変えてくれるのだ。その上でワインを飲むと、もう昇天の気分になった。

 今日は昼も夜もうまくいったなぁ。




2013.7.28(日) イタリア(フィレンツェ)
カメルーン親子と交流、夜は友達と食事

 今日の昼も自炊。イタリアの定番料理「ナスとパルミジャーノのオーブン焼き」に挑戦。オーブンで焼きあがるのを待っている間にキッチンでワインと生ハムなどを食べていたら、ジョシュアがいつものように遊びにやってきた。今週から私は彼にミッシーと呼ばれていたが、彼のママ、ドリスが修正して、だんだん私の名前を言えるようになってきていた。そして、ついに今日、初めてちゃんと発音ができるようになった!「すごいですねぇ。」と褒めると手を口にあててウフフと嬉しそうに笑っている姿が超可愛かった。

 焼きあがった料理は予想よりも多く水分が出てしまった。チーズが多すぎてナスが感じられないなど、今後に課題を残す結果になった。しかし、今まで何を食べさせても「要らない」とか「あまり好きじゃない」とばかり言っていたドリスには初めての「これはおいしい!」という評価をもらった。イタリア料理が世界中で受け入れられるわけだ。

 午後からは町を散策したが、今日は本当に暑い。町を流れる風も熱を帯びていて観光客はそこここの日陰で魂を抜かれたように疲れきって座り込んでいた。熱い空気の中を泳ぐように歩き回ってアパートに戻り、お互い散髪タイム。私も半年ぶりに髪を切ってもらってさっぱりした。

 シャワーを浴びているうちに、夜の約束の時間が早くもせまってきた。堺雅人主演のドラマ「半沢直樹」を3分の1くらい見た所で時間切れ。友達との約束に向けてアパートを出たのだった。

 今日会うのは昨年の4月くらいにメキシコ・シティで知り合った旅人だ。中米での海外青年協力隊の隊員の任期を終えて、今はスペインでワインの勉強をしている。ゆくゆくは日本でソムリエなどワインに縁のある仕事をしたいと今は勉強中だそうだ。まだ20代だから修行のためにワーホリもできるし、可能性は色々ある。

 が、同時に移動し続ける生活を送っていると、家庭を作るというようなプライベートな生活の充実が図れなくて、そこが少しジレンマみたいだった。

 他の人と話をする面白さの一つに、自分が思いつかないような質問をしてくれるので自分自身を見直すきっかけができるということがある。昨日も彼と話していてそういうチャンスがあった。人と会うのって大切だ。


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