2014年 |
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10月:1,2,3,4
11月:1
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2012.07.09(月) ニース(フランス)→アヴィニヨン郊外(フランス)
253.2kmの移動
今日は移動の日。
朝8時半にテントをたたんで車に積み込んで出発だ。向かう先はニースから西に走ってマルセイユから北上した所にあるアヴィニヨン郊外のキャンプ場だ。ニースからやや混んでいた道路もエクス・アン・プロヴァンスを過ぎる頃から減って、時速120-130kmを快適に走れる状態になった。
エクス・アン・プロヴァンスの横を通る時にヴィクトワール山が見える。セザンヌがよく作品に描いているあの山には真夏以外の時期は登る事ができる。去年登ってみたが、丁度いいハイキングコースだったなぁ。
走っている途中、一台だけフェラーリを見かけた。あっという間に先の方まで行って見えなくなってしまった真っ赤なフェラーリ。カッコいいけど恐ろしすぎて自分で運転したいとは思わない。
途中ドライブインでの小休止を経てキャンプ場に到着したのが午前11時20分。走行距離は253.2kmを3時間弱で走ってきたことになる。移動距離としてもかかった時間としても丁度いいくらいだった。高速代金は23.2ユーロだった。
キャンプ場は手持ちのガイドブックから選んでいる。ヨーロッパには実に様々なキャンプ場ガイドブックが販売されているのだが、私達はこのドイツ語で書かれたガイドブックが一番好きだ。細かい状況まで説明されているし、行き方が丁寧に書かれている。一番いいのは清潔好きのドイツ人相手のせいかこのキャンプ場に掲載されているのはある程度のレベル以上の清潔度がある場所ばかりだということだ。
今回のFloryというキャンプ場は今のハイシーズンで一泊26.2ユーロ。この料金には大人二人と車一台とテント1つ、10Aの電気使用量とWIFI使用料金が含まれている。10Aってすごい。昨日までは4Aでもっと高い宿泊料金だったのに!
トイレ棟からうちの車とテントを見下ろす。結構、日陰でいい感じ。 |
物売りが来て楽しい。でもちょっと高いので買わなかった。 |
プール、気持ちいい。 |
大型スーパーもそんなに遠くない。カラフルなトマトセットが可愛い。 |
施設内には大きなプールがあり、夕方になるとピザ売りとオリーブオイルや蜂蜜やワイン売りもやってきてなかなか楽しい場所だった。難を言えば、敷地がやや傾斜していて不安定な気分になることと、保冷剤を凍らせるのが有料だということだ。
生鮮食品の管理はクーラーボックスに保冷剤を入れて行おうとしている。到着してすぐに保冷剤を大3個、小3個預けるのにデポジット4.5ユーロを支払わされた。こちらが保冷剤を預けているのにデポジットとはおかしいと思ったんだよね。で、夕方、交換に行ったら更に4.5ユーロ必要だと言う。そういうのはデポジットと呼ばないんだけど、フランス人とのコミュニケーションだから文句を言っても埒があかない。
昨年あたりから保冷剤を凍らせるのにお金を取るキャンプ場が増えてきて困ったなぁと思っていたのだが、ここのキャンプ場は特に高い。通常サイズの保冷剤1個につき1ユーロ、小さめで0.5ユーロ。去年は高くても0.5ユーロだったのになぁ。大小3つずつで朝晩交換しようと思っていたら、一回につき9ユーロもの出費になる。うーん、うーんとうなったら、キャンプ場経営の娘さんが1.5リットルのペットボトルを凍らせたものも1ユーロで販売しているというので、それを3本買ってタオルで巻いて2日もつかどうか。これで経費を削減するのを明日から実行してみよう。
ニース同様、ここも午後4時になってもかーっと照りつける太陽が痛いくらいに強い。が、風は冷たいのでプールに入っちゃぁ風に吹かれていたらすっかり涼しくなった。保冷剤の事も3回くらい文句言っていたら風に一緒に吹かれて飛んでいった。ま、どうにかなるだろう。
日ざしがあるうちからシャンシャンとセミの大合唱が頭上から降り注いでいるのだが、日が落ちた午後9時半になっても止まらない。セミがやむのが先か、私が眠るのが先か。さー、いよいよ夏本番になってきたなぁ。
2012.07.10(火) アヴィニヨン郊外(フランス)
オランジュ観光
いわゆるプロヴァンス地方となるこの地域はラベンダーの咲く6月から秋になるまで、ヨーロピアンに人気のバカンス先の1つになっている。そんな観光客の受け手として各町もそれぞれに特徴のあるイベントを行っている。
私達が宿泊しているキャンプ場から北に30kmほど離れたオランジュは、ローマ時代の劇場と紀元前20年にできた凱旋門がユネスコの世界遺産に指定されているものの他に特に見所もない小さな町だが、夏の時期はこの世界遺産の劇場を使って野外オペラが行われる。
近い日取りだと今週の金曜日にモーツァルトのレクイエムの公演があるので、今日は観光も兼ねてチケット購入にオランジュまでドライブすることにした(チケットはネットでも買えるが)。
オランジュの観光地となる部分は1辺400m四方程の中におさまる。北側の外周道路から更に400m北上すると凱旋門がある。あんなに大人数を収容できる劇場と、割合大きな凱旋門がかなり不釣り合いな感じがするくらい町はちっちゃかった。
観光案内所前の駐車場は有料なのだが、車のナンバーを入れると一日30分間だけ無料で駐車できるシステムになっている。もっと駐車したい場合はお金を投入するというのだが、何度お金を入れても戻ってきてしまうので、とりあえずコンサートチケットだけ買ってきてまた駐車場に戻ってからあらためて料金を払うことにした。
結構な収容人数がありそうなローマ古代劇場。 |
プロヴァンスでの勝利を記念してカエサルが紀元前20年に造った |
オテル・ド・ヴィユ(市庁舎) |
繁華街の中心 |
コンサートのチケットは古代劇場の入り口の事務所で買えた。年に一度の稼ぎ時。英語もペラペラ話せる往年の女性達3人がバリバリと客の対応をしている様子は大都会のチケット窓口並みに優秀だった。ローマ古代劇場は一度イタリアのヴェローナでオペラを観たのだが、座席の傾斜が激しいので一番遠い席でもステージが近く見える。音響効果も素晴らしくて音もよく聞こえた。だから、今回も安心して一番安い3階席を購入する事ができた。ま、いつも天井桟敷買ってるんだけどね。中央の座席の前の方は埋まって後ろから2列目しか空いていなかったが、ステージから見て斜め右に最前列の空きがあるというのでそこを購入できた。一人27ユーロだった。
今日、現地での座席の埋まり方が不自然だったので帰ってからネットで確認したら、ネットで購入すると一人30ユーロ。しかも席は選べないようだ。行って予約した甲斐があったようだ。
無料駐車料金時間30分でチケットが買えたので、駐車場に戻ってもう一度車のナンバーを駐車料金チケット販売機に打ち込むと、再び30分無料チケットがベロベロと出てきた。あれれ?一日一回じゃないのか?
それではと、今度は古代劇場の見学コース脇のショップを見たり町の繁華街をぶらぶらしながら30分経過。再び駐車場に戻って、販売機で車のナンバーを入れたらまたもや無料で今度は午後2時までのチケットが出てきた。ここの駐車場のシステムで一日一回30分無料、追加料金を支払うと最長2時間16分まで駐車可能、ただし正午から午後2時、午後7時から翌朝9時までは無料となっている。何かのゲームかっちゅうくらいに複雑なのだが、結局私達は一銭も支払わずにずーっと駐車できてしまった。よかったよかった。
オランジュの町は、古代劇場と凱旋門以外に流しっぱなしの水飲み場がいくつかあるのがローマ的だが、ローライズの建物はパステルカラーに柔らかに色づけられて南仏的で、老いも若きもリラックスしている様子がいかにも「実家」がある田舎の町の雰囲気がある。
どうゆっくり観光しても2時間もあれば十分な町だが、思わずここでお昼ご飯を食べたりカフェでのんびりしている観光客が多いようなのは、この町が色んな要素がミックスしたチャーミングな魅力を持っているからだろう。
私たちもブーラジェリーでバネッテというバゲットの両端がすぼまった形のパンを買って、持って来た野菜やハムやチーズでサンドイッチを作って駐車場でランチした。焼き立てパンに自分達で好きなだけ具を入れたサンドイッチは最高に旨い。
可愛い町とはいえ、さすがに午後1時過ぎには見るものがなくなり店もシエスタでバタバタと閉まっていったので、オランジュを離れることにした。
次に向かったのは、来る途中で発見したカルフールのオランジュ店と同じ一角にあるアウトドアショップのデカスロン。カルフールでは魅力的なスーツケースと羊のブイヨンがヒットの発見。牛、豚、鶏、魚のブイヨンは知っているが羊って!まぁ、あってもおかしくないけどね。ああ、羊のブイヨン、しかもHalal(イスラム教徒用にお祈り済みというマーク)!と、ひとしきりうけた。デカスロンではウォーキングですり減ったので靴下を購入。
夕方、まだ暑いキャンプ場に戻ってとにかくプールに飛び込む。風が冷たいので1分間プールにつかってビーチベッドで1時間昼寝したら終了。キャンプ場は色々と不便な所もあるけれどプールが自由に使えるのは贅沢な気分になれるからいい。
キャンプ場の本日のイベントは、子供ポニー教室。ポニーに乗った子供たちがキャンプ場を練り歩いている。手を振ったらはにかみながらも手を振り返してくれた。可愛い。
さて、今朝1ユーロで購入した1.25リットルの水を凍らせたペットボトルはグルグルとタオルを巻いてクーラーボックスに入れ、日中は上から寝袋をかぶせていたら夜になっても氷が半分くらい残った状態。どうやら翌夕までは持ちそうだ。保冷バッグに入れた方は翌朝までしかもたないようだ。これで毎日の氷代金は1.5ユーロでおさまりそうだ。
2012.07.11(水) アヴィニヨン郊外(フランス)
演劇祭りで大混雑のアヴィニヨン
アヴィニヨンは数年前に訪れた時にかなりじっくりと観光したので、今回はゆっくりと散策を楽しもう。
ローヌ川に沿って城壁に囲まれたアヴィニヨンの旧市街に車で来た場合は、そうそう、ヴィルヌーヴ・レザヴィニョンという隣の見所に続く橋を渡ると、中州が広大な無料駐車場になっている事を思い出した。
ここに駐車すると無料シャトルバスで城壁の外側まで連れて行ってくれるというわけだ。
朝10時を少し超えたばかりだというのに、シャトルバスは通勤時なみに混んでいたし、近くのキャンプ場からアプローチする観光客が橋をぞろぞろと徒歩で渡って皆アヴィニヨンの旧市街に向かっている。「なだれを打って」という表現がぴったりなくらい、人間が雪崩のように旧市街にざらざらと入りこんでいった。
アヴィニヨンは数日前からほぼ7月いっぱい、演劇祭りが行われているのだ。観光案内所に行ってどんな風に楽しんだらいいのかと聞いたら、電話帳の3分の1くらいの厚さの冊子を渡してくれて、期間中1000を超えるイベントが行われるので、このガイドブックから選んで行ってみてくれといわれた。城壁内だけでもかなりの数のシアターが設置されていて、毎日短い物で30分くらいから演劇などが行われているようだ。
町を歩けば至る所にポスターがはためいていて、自分達の演劇のビラを配る妙な衣装のパフォーマーが町にあふれていて、学園祭中の大学構内を歩いているような楽しさだった。
とはいえ、演劇の大半はフランス語で行われるし、分厚い小冊子をパラパラとみたところ1つの演劇入場料金は18ユーロなどと書かれていて全くわけがわからない演劇を見るにはちょっと高かった。
ということで、私達は目標をアヴィニヨンのバーゲン巡りに設定して、できる限りのお店を見てまわることにした。前回ここを訪れた時には、私達は洋服には無関心で一緒にいた友人に付き合って各店を見ていただけだった。それでも、フランス的なデザインのお店がたくさんあって他の国から来た友人が狂気していた姿を見て、アヴィニヨンがそんなに充実した町なのかと驚いていたものだった。
今回、本気モードで自分の目で選んで見てみると世界的なチェーン店もあるしフランス発のブランド店もあるし、聞いた事がないけれどとてもいいデザインの店もあり、本当に充実していると実感した。
中でも大人可愛いワンピースがたくさんあったCotelacが気に入ったが、バーゲンでも100ユーロを超える値段に挫折。ああ、でも、いつかここの服を着てみたいものだ。
クーラーの効いたお店に出入りしているというものの、外は灼熱の午後。そんな中でフランス発の本格ジェラート屋Amorinoをみつけてしまったら入るしかない。一番小さなカップかコーンで3.3ユーロというのは激高だが、ジェラートは好きな数だけ選んでよくて、真ん中の一種類を取り囲むように5枚の花弁でジェラートのお花を作ってくれるし、量としてはイタリアの最低量の1.3倍くらいはあるからまぁ許すとしよう。
前回食べた時は濃厚だと思っていたが、あれだけフィレンツェでジェラートを食べまくった後では、実はここのジェラートはむしろあっさり系だったのだと知った。
インフォメーションから南下した城壁近くに骨董市が出ていたので見ていたら、映画DVDの中古店があった。フランス映画で気になる監督といったらトリュフォー。監督さんごとに並んでいる中に彼の名前を見つけ、旦那が「欲しいトリュフォー」リストに名前をあげていたうちの2つが見つかったので購入。
1本10ユーロと8ユーロ。fnacで新品を買ったら倍はするだろう。イタリアで探したいた巨匠よりは時代が下っているので英語の字幕もついているので普通の映画として楽しめるだろう。楽しめるといってもフランス映画だからなぁ。前回トリュフォーで「隣の女」を見たのだが、結末が「えええ?これで終わり?」といかにもフランス的な不条理さで終わっていた。今回購入した作品もそうしたフランス的な味わいをとっぷりと楽しめる、というやや屈折した意味で楽しみである。
2012.07.12(木) アヴィニヨン郊外(フランス)
アヴィニヨンでレストラン探し
人気の観光地アヴィニヨンにはたくさんのレストランがある。今日のランチは外食にしようと昨晩決めてからインターネットやガイドブックで検討して、あとは現地でメニューなどを見て決めようということになった。
1軒目はクリヨン広場を取り囲むようにレストランが並ぶ中からル・クリヨンLe
Crillon。17ユーロでアヴィニヨンの名物セットが食べられる。タプナード、メロンのガスパチョ、生ハム、野菜のグラタン・・・と盛りだくさん。スペインとイタリアに挟まれた南仏らしいミックスな料理が並んでいて面白そうだ。広場に広げられた木陰のオープンエアーのダイニングも魅力的だった。でも、ちょっとツーリスティックな感じがするので却下。
2軒目はL'essentiel。クラシックな家具屋や家具修復屋の並ぶ裏通りにあった。29ユーロと41ユーロのセットメニューがあった。前菜は面白そうだったが、メインが鶏の胸肉とマグロのグリルというのがちょっと興味がわかなかった。
続く3軒はRue Racine通りに並ぶLa fourchette、Le Brigadier du Theatre、L'isle
sonnanteはどれも昼のセットが順番に33ユーロ、32ユーロ(サラダとデザートで19ユーロ、サラダとグラタンで25ユーロもあり)、22ユーロ。3番目のL'isle
sonnanteはゴーミヨーやミシュランでも紹介されているらしく、値段もリーズナブルで魅力的だったがメインがグリルチキンというのがどうにも残念だった。
旧市街のほぼど真ん中にはミシュランで紹介されていて人気のPiedoieという店があったのだが、今年の5月に売却されて違うレストランになってしまったそうで行けず。ミシュランのサイトで同様の値段カテゴリーで紹介されていたChez
Ripertはアントレとプラ(前菜とメイン)、あるいはプラとデセール(メインとデザート)でそれぞれ22ユーロというリーズナブルな価格設定で、雰囲気も今日見てきた中では一番庶民的だった。ここでいいのか?
もう一軒庶民的な値段でミシュランのサイトで紹介されていたLa Tourは昼はごく簡単なセットしかやっていなくてつまらなそうだたので却下した。
悩むなぁ。もう一度3軒が並ぶ通りに戻って再度メニューを検討してみたが、店の雰囲気はぐっと高級感があるもののメニューに書かれている内容はとびきり変わっているわけではない。そこでChez
Ripertで食べる事にした。
夫がエスカルゴ半ダースの前菜とメインにエビとホタテのソテー、私はビーフステーキをメイン、デザートにアプリコットのケーキとシャーベットの盛り合わせを注文した。飲み物にはご当地ロワーヌのワイン500mlボトルと発泡水を注文した。ロワーヌワインは色が濃くて甘味が強くとてもおいしく感じられた。グルナッシュというブドウがメインで使われているそうだが、ここの強いひざしを感じる力強い味わい。ここにいる間にもっと飲まなくっちゃ。
お料理はエスカルゴとデザートは満足したが、メインは普通だった。二人で61ユーロを支払ったのだが、イタリアで同じくらいの金額を出した時の驚きと喜びが感じられない。イタリアは炭水化物を入れてメインの肉が少なめなので、安くできる分、手間がかけられるのかもしれないが、それにしても今日のレストランはフィレンツェで私達が訪れたレストランに比べると大衆的な大ざっぱな感じでフィレンツェの方がランクが上に感じられた。フランスではもっとお金を出さないとフィレンツェのレベルに達しないのだろうか?
いや、このレストランがまずかったわけではない。スタッフのフレンドリーさはイタリア並み、いやそれ以上だったし、ボリュームもイタリアより多かった。味もそこそこおいしかった。でも料理に対しての情熱や繊細さや創意工夫が感じられなかったのだ。ちょっと芯があるのに油でベショベショしたフライドポテトはがっかりした。レストラン選びは、常に難しい。
店には観光客だけでなく常連の老人たちも来ていた。彼らは本日の一皿という10ユーロで野菜のファルシとサラダと赤い米の乗ったランチセットと3人でワインをフルボトル注文していた。こんな注文の仕方がいちばんCPがいい店なのかもしれない。
スタッフは気のいい感じで、とてもよく客に気を配ってくれて素晴らしかったもんねぇ。今度来たら本日のランチセットを注文しよう。
本日の町歩きで発見した面白い洋服のお店はAventures des Toiles。まるで油絵を洋服にしたような新しい感覚の洋服で、これはファンを作りそうだなぁ。
イタリアとは違う「フランス」テイストの洋服を見てみたかったので、この店はヒットだった。今日は他にもファンタジックな洋服の店を見つけた。ワンピースのウェスト部分に毛糸で作った骸骨人形がついた服や、プリントTシャツなのだがプリントされているのが鯉にまたがった水着姿の女性だったりする。うわぁおーと大笑いするフランスのファンタジックな洋服は最高だった。
2012.07.13(金) アヴィニヨン郊外(フランス)
歯磨き粉とワインと屋外コンサート
午前中、スーパーで歯磨き粉とワイン購入。外国で物を買うというのは時にとても大変時間がかかる。
歯磨き粉は一般的な売り場と薬局コーナーの2ヶ所にわかれて販売されていた。私たちもお年頃かつ衛星事情の悪い国での滞在も多いので、歯磨き粉にはちょっとお金をかけようという今日この頃、歯周病予防をうたっている歯磨き粉を買うようにしている。
しかーし!
フランスの高級歯磨き粉は高級感を出そうとするがゆえか、「絵」ではなく文字による説明が多くフランス語の単語がわからないと、どんな働きかはっきりしないのだった。しかたないので、主要な部分を写真に撮ってキャンプ場で辞書で調べたらわかってきた。
Caries 虫歯
Gencives 歯茎
Erosion 浸食
っつーことはgencivesを買えばいいんだな、きっと。
お次はワイン。現在地ローヌ・アルプ地方は北から南に向かってローヌ川が流れ、コート・ド・ローヌという一大ワイン地帯となっている。調べてみると、コート・ド・ローヌの中でもTavelという地域のロゼが王様のロゼといわれる色が濃くて味が強いロゼらしい。今日は、これを買ってみよう。
ワイン大国フランスではロゼといえどもこんなに数多くの種類が販売されている。こうして見ると一目瞭然なのだが、Tavelのロゼは本当に色が濃い。プロヴァンス地方ではロゼワインをよく飲むので、今まで何も考えずに手にしていたロゼワインとは違ってみた事のない赤さのロゼ。これは飲む価値ありだ。
キャンプ場に戻ってサーモンとホタテのテリーヌ、貝のパゲッティ―などに合わせて飲んでみたが、生クリームを使ったこってりしたテリーヌに負けない力強さがあって、とても魅力的なロゼだった。
ただし、真夏の暑っ苦しい日中にさらっと飲みたい時にはやや重い。
ロゼといえどもこんなバリエーションがある事を知ってなかなか有意義。
さて、今夜はここから30km離れたオランジュのローマ古代劇場でコンサートが行われる。開演は午後9時45分なのだが、私達は午後5時半にキャンプ場を出る事にした。
時間の読みとしてはこうだ。
先日オランジュを訪れた際の下見で、会場に一番近い駐車場は午後7から翌朝9時まで無料になることがわかった。ここに首尾よく駐車するには、午後6時に駐車場入りして1ユーロで午後7時まで支払ってそこから無料時間帯に突入するのがいいだろうと考えたのだった。
この読みはあたった。同じ事を考えている人が午後6時に続々と駐車場にやってきていたのだ。私達もぎりぎり場所を確保できたが、ほとんど駐車場は満車状態だった。いやー、いい読みだった。
車を停めて町を散策してみたら、小さな町は今夜の大きなイベントに沸きに沸いていた。近所のおばちゃんたちは自宅の前に机を広げて手作りのクッションを売っている。古代劇場は石の階段に腰掛けるのでお尻が痛くなる。そこにビジネスチャンス到来!というわけだ。町中のカフェやレストランはどこもかしこも満席状態。開演の3時間前に来ている人なんてざらにいるってわけだ。
日本人の感覚だと、日中は他の場所を観光して、開演30分前にバスで会場に乗り付けるだろう。しかし、ヨーロッパでは夜のコンサートに向けてゆっくりと食前酒を楽しみ、食事をして、おしゃべりして、食後酒を楽しんでから会場にのぞもうという感じだった。
暮れゆく町中にドーンと立ち上がっているローマ劇場の壁が日中のレンガ色から夕日に照らされた赤い色になっていくのを横目に、ゆっくりとコンサートの始まりを待つ。優雅な空気が町中に漂っているのが感じられる。優雅と言っても別に特別な出費をしているわけではない。食事は簡単なパスタやピザなどで、値段も10ユーロ前後と安いのだが、時間の使い方が優雅なんだなぁ。
古代劇場 |
本日の指揮者 |
レストランはおおにぎわい |
過去にはアルゲリッチやビリャソンも出場している。 |
私たちも駐車場でサンドイッチの夕飯を済ませて、劇場前のカフェでコーヒーを飲みながら開場を待った。
午後9時。さーて、そろそろ会場に入ってみようか。私達が買ったのはもちろん一番高い場所にある席。ネパールのトレッキングよりも過酷な段差の階段をのぼって最上階へと行くと、傾斜のきつい階段席の下にステージ、ステージの後ろに立ちあがる壁の上の方に巨大なアウグストゥスの彫刻が見えた。2000年も前にまさにあの人がこの劇場を建て、いまだに集まる民衆を舞台の上から見下ろしているという図。ローマ帝国のすごさを今に伝えるのにこれ以上効果的な方法があろうか。
開演時間頃には日も落ち、9000人収容といわれる会場はほぼ満席で上からの眺めは壮観だった。
今日の演目はモーツァルトのレクイエムだった。
そもそも死者を悼むために注文された曲なので、そんなにうゎーっと盛り上がる所もないのだが、こんなに広い会場で聞かされると、余計に盛り下がって聞こえてしまう。1時間ほどで演奏が終了して、1曲だけアンコールに応えてくれたが、その曲もしんみりした曲で、どうにもコンサートが始まるまでの浮き浮きした気持ちが不完全燃焼な気分で終了した。
隣のおばちゃんは「ブラボー!」と叫んでいたがどうなんだろうか。
救いは帰りの車の中のラジオでラフマニノフのピアノ協奏曲が聞けた事。あれは盛り上がるからね。オランジュの古代劇場は雰囲気がいい中でのコンサートだが、出演者と演目を確認して行ったほうがいいようだ。既に来年の出演者が決まっていてその中に中国人ピアニストのランランの名前があがっていた。彼はきっと盛り上げてくれる。彼のコンサートだったらもう一度オランジュに来てもいいかなと思った。
2012.07.14(土) アヴィニヨン郊外(フランス)
スーツケース買ってカロリー摂取の日
今日は土曜日。今週は一度レストランに行ったもののサンドイッチとサラダとアルコール少なめの日々でグルマンな週末を楽しみにしていた。
食材を買いに大型スーパーマーケットのあるショッピングモールにでかけると、バーゲン真っただ中でどの店もおおぜいの人。そんな中でスーツケースの品揃えが充実した店で手ごろなスーツケースをみつけた。
イタリアにいる時からそろそろ寿命を感じていたスーツケースはフランスへの移動の時に夫の方は完全に車輪がつぶれ、私の方も車輪カバーがせってきて車がまわらなくなってきた。二人とも4年半前にニュージーランドで購入したものだ。過酷な使用に耐えてよくこれだけもってくれた。
色んな思い出もあるスーツケースだが、これを機にいよいよ買い換えることにした。
私達のスーツケースにかける予算はだいたい1万円。希望の仕様はほとんど決まっていて、あとは引き出し式のキャリーや使われている布の質と値段が相応すればメーカーにはこだわらない。
今回、夫用に買うのは143ユーロのサムソナイトの超軽量タイプ。色んな国のショップで目にしてきたタイプでこんな安い値段で出ているのを見たのは初めてだった。私用にはフランスメーカーの60ユーロ。こちらは初めて見るメーカーだ。どちらも元値の半額になっていた。お店の販売員の女性がしつこいくらいにサムソナイトは10年保障だからと保証書を大事そうに渡してくれたが私達のように移動している人間にはこの保証書はあまり役立たない。保証書を使っての修理となると1ヵ月くらいかかるのが相場で、いつも保証書なしで実費で修理する事になるのがおちだからだ。翌々日、荷物の詰め替え作業を行っている途中、外ポケットのチャックの留め金が早速壊れてしまった。これもやっぱり実費で直すことになるんだろうな。タイくらいで直すのが安くていいかもしれない。さーて、このスーツケースは何年使えるだろうか?
スーパーでは悩みに悩んで、生ハム、ローストビーフ、カルパッチョ、アンガスビーフステーキという肉4種と鶏のリエット、やぎのチーズ「ロカマドール」でコード・ド・ローヌのワインを試してみることにした。ワインはシャトー・ヌフ・ドゥ・パプ、コート・ド・ローヌ・ヴィラージュ、ジロンダの3地域から赤ワインをチョイスした。
コート・ド・ローヌではグルナッシュというぶどうをメインに多数のぶどうをブレンドしているが、えてして強いひざしの下で育ったたくましい味わいでアルコール度数も14度などと高い。どのワインも5年以上経っているせいか、コルク抜きたては酸味と樽香が強かったけれどだんだんと柔らかい味と香りに変わっていった。ガイドブックに「野性味あふれる味わい」とあったが、個人的にはハーブのような草むらのような青い植物の要素が感じられたのが魅力的だった。かすかな青みの味が料理をひきたてて、このワインを飽きのこない味にしているのかもしれない。
いつものことだけど、違いを認識しながら飲めるのは最初の一巡くらい。あとは、おいしい、おいしいでいつものごとく夜が更けていったのだった。
2012.07.15(日) アヴィニヨン郊外→テーン・レルミタージュ(フランス)
道を誤って、キャンプ場決まる。
アヴィニヨン近郊のキャンプ場からローヌ川を北上してヴァランスの町へ移動しようと考えていた。ヴァランスにはミシュランの三つ星を獲得した女性シェフのPicというレストランがある。そこで修業した伊地知さんというシェフが同じ町でレストランを開業して、ミシュラン1つ星を獲得しているというのだ。是非、行ってみたいとヴァランスに立ち寄ることにした。
ところが、今朝、キャンピングガイドブックをよく見たらヴァランスに一番近いキャンプ場は電気代金込みで一泊38ユーロにもなると書かれている。アヴィニヨンの26.2ユーロでさえ高いと思っていたのに冗談ではない。あと15km北上したトゥルノンに23ユーロくらいのキャンプ場が紹介されていたので、そちらに行き先を変更することにした。
トゥルノンへの出口で高速道路を降りて532番の道に入れば行けると思っていたら、532番は532Aと532Bにわかれていた。偉そうなBの方を選択したらどうやら道を間違ってしまったようで、途中から国道7号線に接続して後戻りするような方角に走る事になった。で、その途中に予定していなかった市営のキャンプ場を通りかかり、電気代金込みで18.5ユーロという安さと市営というブランドに魅かれてここにテントをする事になったのだった。
市営のキャンプ場はキャンプ生活に必要不可欠なサービスを安価で与えてくれる。このキャンプ場も保冷剤を凍らせてくれる冷凍庫はキャンパーが好きなように使えるように置いてくれているのと木陰がたっぷりあるのが気にいった。ただしインターネットのサービスはなく、シャワーは朝だけお湯を沸かしているのか夜はぎりぎりの温い温度のお湯しか出ない。私としてはあと5ユーロ支払うからネットと熱いシャワーが出るくらいが一番いいな。
このキャンプ場は8割方がオランダ人のお客さんだった。以前、ナンシーという町の郊外の何もないキャンプ場なのにごっそりオランダ人が宿泊しているのを目にした。ナンシーも、ここテーン・レルミタージュもオランダからプロヴァンスにまっすぐ南下するコース上にある。オランダ人はナンシー、ディジョン、リヨンを通過してプロヴァンスにヴァカンスの民族大移動を行う際に、中継宿泊地として名もない町の市営キャンプ場を使うという情報が出回っているのかもしれない。オランダ人キャンパーが多いキャンプ場は当たりだと思っている。そこそこの設備といい値段、英語が話せるスタッフが揃っている場合が多いからだ。ここのスタッフも英語が話せて友好的でとてもよかった。
アヴィニヨンから150km程北上してきただけなのに、急に気温が低くて寒くなった。本当は冷やし中華でも食べようかと思っていたのにそんな気分になれず、缶詰の鴨のコンフィを開けることにした。鴨を低温の油で身がほぐれるくらいじっくりと「茹でた」コンフィはその油ごと缶詰になっている。缶詰の中身を鍋に開けて火にかけるだけで鴨のコンフィができちゃうのだから簡単だ。しかも、そこら辺のレストランと比べたら対して味も変わらない。フランスの缶詰は時に優秀で感心する。
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