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2012.05.27(日) フィレンツェ(イタリア)
今日で最終日、さよなら、ジェラート三昧の日々

 ジェラート・フェスティバルは今日が最終日。手持ちのテイスティングチケットはテント店から3種類、ヴェンキVenchiのお店で1種類、ジェラートカクテル1杯が残っている。今日一日で消費できるだろうか?

 午後のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会前広場は、初夏のような強い日差しを受けて、私達の不安を吹き飛ばすような、まさにジェラート日和だった。早速、昨日優勝した2名のジェラートをテイスティング。一人はイスラエル人でイタリアのピサに店を出しているYaniv Abergel氏。お店の名は彼の名前のままYaniv Abergelだ。さわやかな後味のコーヒーを使ったジェラートを出している。もう一人はカナダから来たJamse Coleridge氏でバンクーバーにあるお店の名前はBella Gelateria。ピーカンナッツとメイプルシロップのジェラートでエントリーしていた。

 2つを食べて「おいしい!」と素直に感じられたのは、どちらも他に比べると甘さ控えめでそれ故に素材の味をより鮮明に味わえるということだった。これまでに試食したジェラートはリッチな味わいだったが2つも続けて食べると、かなりの満腹感を感じてしまったのだが、今日のだったら倍は食べられる感じ。どっしりと甘さ強めの従来のジェラートに新しい風を吹かせたい協会側の意図があるのかな?いずれにせよ、私達にとっても優勝者の味が好みだった。
<お店のデータ>
Yaniv Abergel
Via Baronci 5
Montopoli Valdarno (PI)

後味にさわやかなシトラス風味が感じられるコーヒージェラート。

濃厚なナッツとメイプルの味がするにもかかわらず、甘さ控えめでさっぱりと食べられる。
<お店のデータ>
Bella Gelateria(James Coleridge)
1001 West, Cordova Street V6C 0B7 Vancouver
Canada 613 45 50
www.bellagelateria.com

 ちょっとインターバルで洋服を見に行ったら、またまた気になるTシャツに出会ってしまったようだ。同じTシャツでも布のテクスチャー、染色の微妙な色、そして腕を上にあげるとベルトがみえるくらいの短めの丈。10ユーロくらいなのにかなり細かくセンスがいい。

 このお店はOVSというイタリアのユニクロのような店で、おととしミラノで見てからCPの良さに注目していた店だった。

 特に男性物のカジュアルのCPがいいと思うな。女性物は雑貨がいい。ということで、今年はこの店で買いまくり東南アジアで買った服を全部入れ替える勢いだ。やはり、東南アジアのアメリカ製品のバッタもんよりイタリアンデザインの方がかっこいいもんね。あ、因みにこのパンツもこの店で購入した物。すごい細身なのに膝上に実はゆとりがあって動きやすいそうだ。秀逸だ。

 さて、ショッピングで熱くなった体を冷やしに向かったのは、昨日に引き続きVenchi。チョコレートの老舗店だったことがわかったので、今日はチョコレートジェラートからアステカAztecaを選んだ。メキシコのオアハカでは今でも朝食にカカオたっぷりのホットチョコをパンにひたして食べる習慣があるように、アステカ文明からチョコレートはメキシコでは人気の飲み物だった。自分のメキシコ体験から「これはおいしいんじゃないか」と直観的に思ったというわけだ。

 で、このアステカというジェラートはすごかった。生チョコを冷やし固めたような味で、クリーム比率が非常に少なく感じられる。いやー、これにしてよかった。

 ヴェンキの店からほど近いレップブリカ広場でジェラート・カクテルを待つ行列に参加して、ノンアルコールのプリンチペッサ(王女様)というカクテルを飲んだ。イタリア語でアマレナという酸味のあるブラックチェリーのシロップとバニラアイスクリームとミルク。これは甘かったしアイスクリームが工業製品ばりばりの手抜きアイス(でもこの大会のスポンサー)なので、これで単品価格5ユーロは心がないと思われた。

 残すところ、あと一枚のテイスティングチケットはミラノでお店L'Artigiana(www.lartigiana.org)からエントリーしているLaura De Angelissさんという女性のシャーベット。アーモンド、ブラウンシュガー、カルダモン、アニス、ミルクというかなりエスニックな感じが面白そうだったので選んだ。

 入っている成分一つ一つが個性的に感じられて今まで食べた事がない組み合わせが斬新だったが、いかんせんこれもまた非常に甘かった。ここで偶然、先日も少し言葉を交わした日本人女性と再会。この人はジェラート修業にきているんだそうで、一緒にいる男性はピザ修業にきている旦那様。修業が終わったら日本でピザとジェラートの店を開くのが目標なのだそうだ。フィレンツェで食べられるレベルのピザやジェラートが食べられたら、どんなに素晴らしいだろう。是非、頑張ってほしいな。

 ってなわけで、ジェラートフェスティバル開催2目にチケットを買って、4日間で二人で10種類のジェラート、2種類のカクテルをテイスティングした。フェスティバルでもなきゃ、こんな事にはならなかったので楽しいハプニングだった。


2012.05.26(土) フィレンツェ(イタリア)
ジェラートフェスティバル優勝者発表、家ではカメルーン人とシェア飯

 今日一発目のジェラートはヴェンキのジェラートからノッチョーラ(ヘーゼルナッツ)を選択。

 今回のジェラート・フェスティバルのチケットで5種類のジェラートテイスティングチケットのうちの4枚は、各店舗がテント店を出しているサンタ・マリア・ノヴェッラ教会前広場から選ぶのだが、残り1枚はヴェンキの店舗で使うことになっている。

 ピエモンテ州の老舗チョコラテリア「Venchi」ヴェンキは今年5月18日にフィレンツェにチョコジェラテリア(チョコレートとジェラートのお店)を出店している。その出店イベントをジェラートフェスティバルにのっけたという作戦らしい。

 土曜日とあってヴェンキの店の出ているメルカート・ヌォーヴォ界隈は大混雑。店内もかなり込んでいた。注文したノッチョーラは濃厚な味わいでかなりおいしい。出店のマーケティングとして無理やりここに連れてこられたと、最初は少し不愉快にも感じていたのだが、このお店の好きなジェラートを選べるなら文句ない。明日はチョコレート系を選んでみようかな。


 きょうも再び午後3時半からクッキング教室が開かれるので参加しようと席に座っていたら、その前に今年のジェラート・フェスティバルの優勝者の発表があるという。

 最初は、出店した全員にジェラート大学から卒業証書が授与された。フィレンツェで人気の名店ジェラテリアも出店しているので、そういう店の経営者達を一気に見る事ができたのは面白かったなぁ。

 団体観光客もこぞって詰めかけるVivoliヴィヴォリというジェラテリアの経営者なんて、田舎のおばちゃんみたいにきさくな化粧っけのないお尻の大きい女性だったりして、こういう人なら旨い物食べさせてくれそうだと親近感が沸いた。


 続いてコンテストの結果発表。優勝者はイスラエル人のYaniv Abergelさん(店の名前は本人名と同じ)のコーヒージェラート。Corsini Malawii - Mapangoというブレンドのコーヒーを使っているそうだ。準優勝はカナダ人のJames Coloridgeさん(店の名前はBella Gelateria)のピーカンナッツとカナダのメープルシロップのジェラート。どちらも私達はまだ食べていないので、明日さっそく食してみよう。

 続くクッキング教室はとても濃厚なチョコレートバーを開発したパティスリーの先生だったが、この人のイタリア語がさーっぱり理解できなくて試食だけして帰ってきた。おいしかったですけど。

 家でのイベントはカメルーン人とシェア飯。カメルーンでは「フフ」という穀物の粉を塩入のお湯で練り上げた物が主食で、とうもろこしやキャッサバの粉を利用するのだが、ここイタリアで見つからないのでセモリナ(小麦の種類でパスタに使われる)の粉で作ってみた、と同居人のドリスが言う。その調理現場を目撃して試食させてもらったら、これがもちもちして想像以上においしかった。

 で、フフのソースは私達が作るからドリスにはフフを作ってもらってシェア飯することを約束したのだった。

 私達が用意したのは「牛肉とトマトの白ワイン煮」と「ズッキーニとカリフラワーの味噌汁」。味噌汁の具が手持ちの野菜を使ってので奇抜になってしまったが、まぁよしとしよう。

 フフは全く粉っぽくなく(熱湯で練り上げるからか?)、粘り気があって濃いトマトシチューにも味噌汁にもよくあった。ドリスが他にも作ってくれたほうれん草の煮物は鶏肉とトマトとトウガラシが入っていてこちらもとてもおいしい。味噌汁があるもののテーブルに並んだ食事を見たらアフリカを旅行していた頃の食事そのものだ。いやー、ここで再び体験するとはねぇ。

ドリスが作っている間に子守。たった20分だが9kgを抱え続けるのって大変だった。しかし、何もかもちっちゃこくて可愛い。


2012.05.25(金) フィレンツェ(イタリア)
ジェラートな一日

 午前中は部屋で作業。昼食後に町に出た。

 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会前広場には既におおぜいの観光客が出ていて、各ジェラート店もにぎわっている。今日の一発目は、Mascaboscoと名付けられたマスカルポーネチーズにベリー系の果物を混ぜ込んだジェラート。そういえば、ここに来て初めてマスカルポーネを食べた。クリーミーなマスカルポーネはチーズという感じが全然しないけど、ああ、マスカルポーネだなぁという特有のコクがある。これもおいしかった。

 同じ場所で1時間後に公開クッキング教室が開催される。

 それまでに気になっているレストランの場所とメニュー確認をしてこよう。今日チェックしたのは
1.Cantina Barbagianni 
フィレンツェ近郊在住の日本人女性のブログに紹介されていた。夜は普通の値段なのだがランチセットがお得だというので確認しに行ったのだった。しかし、ランチセットは店外のメニューには記載されてなくて詳細はまた後日することにした。
2.オステリア L'Antico Noe'(ランティコ・ノエ)
アーモイタリアというサイトで紹介。ローカルに人気。出てくるパンが焼き立てフォッカッチャ、麺は手打ち、ソースも凝っている、アンティパストもトスカーナならではの素材が満載。だそうだ。店の前には店主らしき男性と常連客が座り、にぎやかに談義。昼食時を過ぎている時間帯だったがまだ客がいた。ここはよさそうだ。
3.オステリア De'Benci(デ・ベンチ)
アーモイタリアで紹介。フィレンツェ風ステーキをおいしく安く食べられる店。

1.既に静かになっていた店内。

2.アーケード内でぶれた。常連客が多そう。

3.遅めの昼食客でまだにぎわっていた。

 メニューをみていたらがっつりとお肉を食べたくなってきたなぁ。

 歩き回っている途中で八百屋さんに遭遇。ここにはポルチーニ茸があるのだが、その隣に違う名前のキノコでもっと安いキノコが売られていた。

 しかし、この安い方のキノコを先日メルカートでポルチーニ茸として買って食べたんじゃなかったっけ?この八百屋さんではポルチーニはキロ21.5ユーロ、安い方は12ユーロ。私達が買ったのは16ユーロだった。

 あぁぁぁぁ。

 だから、どんこ椎茸の方がおいしいと思っちゃったのだろうか。ちゃんと高いポルチーニを食べてみない事には比べられない。だれか、この安い方が何者か知っていたら教えてください。(手書きの商品名は解読不可能だった)

 最後に最後にチェックしたレストランはこれまたアーモイタリアで紹介の「マンジャフォーコMangiafoco」。ワインバーなんだけどワインにあう料理が充実していてパスタもおいしいということで見学。入口近くのメニューを見ていたら、中の女性が全部英語に翻訳して解説してくれた。とてもホスピタリティーが感じられる店だった。ここも来たい。

 こうして訪れたいレストランリストに名前を増やしていたらあっという間に3時半。クッキング教室の会場へと急いだのだった。

 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会到着時にあと15分あったので、本日2めとなるジェラートのテイスティング。

 オーガニックにこだわった素材で、濃厚なクリームとチェスナッツと黒糖を使ったジェラートでエントリー。見た目は真っ白だが、黒糖の香り高い味が強く感じられた。ナッツの味は逆に弱かった。想像というか期待していたのが濃いナッツの味だったので、私はやや期待外れだったが、黒糖好きの夫は大満足だったようだ。

 3時半からのクッキング教室は、その前に行われていたジェラート大学の講座に押されて遅れて始まった。お陰で、前の授業のサンプル、バナナのジェラートを食べることができたのはよかったが。

 今回のクッキング教室のArturo Dori先生はフィレンツェ出身の有名シェフ。現在はフィレンツェ中心に食に関連する様々なビジネスを行っているそうだ。そんな彼が今日の講義で発表したのは、「パルミジャーノ・レッジャーノののジェラート、バルサミコ酢とパルマハム添え」だった。渡されたサンプルのジェラートは全く甘味がないパルミジャーノ味で、ジェラートの形なのに前菜の味がする、驚きの一品だった。砂糖を入れていなくともジェラートになるのが不思議だ。彼のブログを検索したら、革新的な料理のレシピがたくさん掲載されていて面白かった。

 ここで一度、宿に戻ってシャワーを浴びて夕食。明日はカメルーン人一家と合同夕食の約束をしている。奥さんのドリスとキッチンで一緒になったので、明日の打ち合わせなどしながらおしゃべり。ドリスは奨学金を受けてイタリアで英語の大学に9ヵ月通ってディプロマを取得。しかし、不況の折、仕事がなくて今は個人的な介護のような仕事をしているという。「せっかく大学卒業資格をとったのだから、私はこれからもっといい生活をするわ」と意気込んでいる。フランスの方が外国人に就職の門戸を開いているように見えるが、就職するための公的な書類の取得はイタリアの方が簡単に取らせてくれるそうだ。そのドキュメントがあればEU圏では正式に仕事ができる。当面はドキュメントの取得とイタリアでの仕事獲得を目指しているそうだ。

 「日本はどうなの?日本にいる外国人は仕事があるの?何語で仕事をしているの?」と聞かれ、日本で仕事をしたいなら言語は日本語、しかも外国人にはとても閉鎖的な国だと伝えると、日本はあっさりとドリスのターゲットから外れたようだ。

 カメルーンは第一次世界大戦前はドイツに統治され、その後は10ある行政区のうち8つはフランス、2つはイギリスによって統治だれていたが、実際には国内に200くらいの部族がいてそれぞれの言語を話しているそうだ。そういう国に育つと国の中で働くのと外で働くのとに違和感がないのかもしれない。「愛国心があるなら日本で就職して日本社会に貢献すべき」などという会話が存在しない場所なんだろうという気がする。全然、違うよなぁ、カメルーン。

 夕食後は午後8時半開始のサンタ・マリア・フィオーレ、花の教会ドゥオーモで開かれる無料コンサートを聞きに再度外出した。ご存命のフランス人作曲家「Olivier Messiaenへのオマージュ」というタイトルのもと、1900年代に亡くなられた作曲家などのオルガン作品が3人の演奏家によって演じられた。

 夕暮れの花の教会を見ながらドゥオーモに入る。外界とは打って変わった静寂と低い気温に厳粛な空気が漂っていた。教会でのオルガン演奏で、しかも苦手な現代音楽ときては、おそらく1曲聞いたらもういいやという気分になると予想していたのだが、これが予想に反して面白かった。連なる和音と残響音はともするとSF映画に使われそうな近未来的な広がりのある空間を連想させ、冷え冷えとしたドゥオーモの天井から降り注ぐ音に身をゆだねていると宇宙に漂っている気分になってくるのだった(しかし、寒い。セーターきてマフラーしてユニクロのウルトラライトのダウン着て丁度良かった)。

 結局、1曲どころか1時間半くらい聞いて出たのだった。

 今日は最後に、ジェラート・フェスティバル・カードについているジェラート・カクテル(バラで買うと6ユーロ)のチケットを利用して、リップブリカ広場でコーヒーリキュールとバニラ・ジェラートの入ったカクテルを購入。冷え切った体に更にジェラートはちょっときつかったが、ロマンチックなメリーゴーランドやライトアップされた門を見ながら、ちょっとしたカクテルを楽しむというシチュエーションは楽しかった。

 午後からジェラートテイスティング2種類、デザート大学のシャーベット試食、パルミジャーノのジェラートを食べ、夜にジェラートカクテル。

 この夜、いきなり消化不良で胃の動きが停止したような苦しみに襲われても、何の不思議もない。

 特にチーズを冷たく固めてハムと食べさせるという、あの革新的なアンティパストは胃の弱い人には絶対無理。静かにふけていく夜中のフィレンツェのアパートで腹痛と戦いながら、アンティパストの意義について考える私だった。


2012.05.24(木) フィレンツェ(イタリア)
有名トラットリアでランチ後、ジェラート・フェスティバル

 先日、早く到着しすぎて入れなかったトラットリアへ再挑戦してきた。

 アルノ川南側の「4 Leoni」クワトロ・レオーニに12時半過ぎに到着すると、1週間前とは異なり既に店の外の席が8割も埋まっていた。先週のこの時間はウェイターとウェイトレスは外でタバコをふかしながら鳩に餌をやっていたのだった。店内の席はまだ1組しかいないので、悠々と好きな席を選ぶことができた。




 メニューはあらかじめ家で検討してきたのでパンが来ると同時に注文。

 Fiocchetti di pera in salsa di taleggio e asparagi(タレッジョチーズとアスパラソースの洋梨、10ユーロ)は噂通りに洋ナシの柔らかな甘味がおいしいきんちゃく型のパスタ。洋ナシが餡のようなので、デザートみたいな食事みたいな感じが不思議で魅力的だった。
←写真

 Spaghetti alici pinoli e zafferano(かたくちいわし、松の実、サフランのスパゲッティ)もブドウが天然の甘味を出しているのが面白い一品だった。各10ユーロでどちらも注文している人が多かった。

 メインは揚げ物セットを一人前12ユーロ。鶏胸肉、なす、アスパラ、ズッキーニ、ポレンタの揚げ物は量がたっぷりしておいしかったが、面白みはなかった。強いて言えばポレンタを揚げたのが初めてだったかな。お水1リットルとコーヒーを食後に頼んで二人で39ユーロ。こんな面白いパスタが食べられた料金として妥当だと思う。

 食後は、昨日から始まっているジェラートフェスティバルに向かった。

 イタリア中のジェラテリアから選ばれた店が露店で出店して投票で一位を決めるのをメインイベントとして、ジェラート作りの講習会、ジェラートを使ったクッキング教室なども開かれて今週末までフィレンツェ・チェントロをにぎわせるお祭りのようだ。

 参加するには、一人15ユーロのテイスティングチケットを購入する。期間開催中に5種類のジェラートを食べられ、1種類のジェラートを使ったカクテルが飲め、イベントと出店しているジェラートの詳細な解説ガイドブックがもらえ、買物バッグと風船とフィレンツェの町中で所々にある飲料用の水飲み場で水を汲んで飲めるように紙コップがもらえる。参加店舗数は20軒以上あるのでジェラートをもっと食べたい人は、更に5種類テイスティングチケットを6ユーロ、カクテル1杯チケットを6ユーロで買う事になる。追加分のチケットだけ買う事はできないというので、私達は15ユーロのチケットを買った。

 テイスティング会場はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会前の広場。じっくりと説明を読みながら3種類を立て続けに試食した。

 キャラメル、リコッタチーズ、チョコレート。どれもジェラテリアではお馴染みのメニューだが、ここに出展されているのはいずれも一味違う。

 キャラメルは見た目よりもずっとキャラメルの風味が濃く、上に乗ったクリスピーなキャラメルの苦味が全体のアクセントになる。
商品名:Unico Caramel
店名:Cioccogelateria Venchi
www.venchi.com

 リコッタチーズは言われなければ普通のアイスクリームに思えるくらいさっぱりとしているのに、食べた後からほんのりとチーズのコクがやってくる。
商品名:Ricotta di Bufala e Noci Sorrentine
店名:Gelateria L'Ancora

 最後のカカオたっぷりで甘味が強いチョコレートは上に酸味の強いチェリーソースをかけて、器の内側にビターチョコソースをしいているので、全体としてのバランスが素敵になっていた。
商品名:Muffin Cioccolato e Amarena Fabbri
店名:Al Duomo Gelateria Artigianale

 テイスティングとはいえ、1カップになみなみとつがれたジェラートを3つも一気に食べたら(2人でわけあったのだが)、ものすごいお腹が一杯になってしまった。

 テイスティングは今日はここまで。いやー、レベルが高いなぁ。そしてジェラートってあんまり食べられないものなのねぇ。

 最後に、サンタ・マリア・ノヴェッラ前のロッジアでオープンエアーの「ジェラート大学」という講義が開かれていて、果物系ジェラートの作り方講座をやっていたので参加してみた。

 フルーツジェラートがとろっとしているのは糖分を加減することで一番小さな氷の粒を作り出しているのがポイントだという説明。

 糖分は水の30%も入るんだと言う事で、ジェラートというのは恐ろしく不健康だということがわかった。もう、散々食べちゃったけどね。しかし、あんなに糖分が入っているから3つでお腹が一杯になっちゃたのだと深く理解した。

 ジェラートの試食券はまだまだある。さて、明日はどんなジェラートを食べようか?


2012.05.23(水) フィレンツェ(イタリア)
どんこ椎茸を見直す

 昨日のメルカートで買ったポルチーニ茸を縦4つ割にしてソテーして昼食に食べた。この分量で3.5ユーロくらい。

 肉厚のポルチーニはフライパンの上で火が通ってくるとジワーッと水分がしみだして、ものすごく旨い香りを出している。皿にとってオリーブオイルとパルミジャーノと塩・コショウ、パセリで食べたが、じゃきっとする食感と味の濃さはヨーロッパのキノコ類の中でもレベルが高い。

 それにしても・・・。

 もしかしたら日本のどんこ椎茸のソテーの方がもっと味が濃いんじゃないかと思えた。最近は日本食ブームもあって、フランスの市場で椎茸を見かけるがポルチーニ並みに高級な値段になっている。いや、それくらいおいしいと思うな。日本に帰ったら椎茸をソテーして食べてみようっと。

 今日のランチは、ポルチーニのソテーに先日から作り置きしてあるビーフシチューとキャンティー・クラシコ。充実しまくりのランチの後は、ミケランジェロ広場経由10kmウォーキング。今週はジェラートフェスティバルがあるから、歩いておかないとますいんだよね。


2012.05.22(火) フィレンツェ(イタリア)
カッシーネ公園の「火曜市」

 フィレンツェ旧市街の西側にアルノ川に沿って2km続く細長いカッシーネ公園がある。ここで毎週火曜日、早朝から午後2時まで市が開かれているという情報を「アーモイタリア」といサイトで知った。

 アパートから徒歩10分くらいの場所と近く、川沿いには100軒を下らない露店が出ていて大勢の人が買物に来ていた。先日のサント・スピリト公園の食材メルカートは自然食品やバイオにこだわったハイソサエティーな商品だったせいか人出もあまりなかったが、今日の市は安さが勝負の庶民市。洋服、雑貨が多いが、どこも「1ユーロ均一」「2ユーロ均一」「5ユーロ均一」「10ユーロ均一」とワゴンに手書きのボードが立てかけられて、女性も男性も品物をひっくり返している図があちこちで見られた。

 こうした市はヨーロッパじゅうあちこちで見てきたが、こんなに古着の店が多い市も珍しい。中には新中古品の店もあって、必ずしも着古しではないし、私達も最初は引き気味だったのに気付いたら一緒になってワゴンの商品をひっくり返していた。で、ほとんどの店の商品をみまくって得たのが下の2点。同じブランドのニットで半袖がコットンと麻が半分ずつの素材とデザインが気に入り、長袖はストールに袖がついたデザインで巻きこんでカシュクールにしたり、裾を首の後ろで結んでミニジャケット風にしたりと遊べそうなので購入。どちらも6ユーロだった。ここ、かなり面白いから来週も来よう。

 他の収穫としてはポルチーニ茸がキロ16ユーロで出ていたので購入。傘が開ききっていないフレッシュなポルチーニはこの3本で7ユーロ。450g欠けるってところ。半分の量を使ってポルチーニのパスタにして今日の昼食とした。

 午前中の市では、女性物の商品の豊富さと値段の安さに比べると男性商品はバリエーションが少なく、洒落てなくて、値段も高い。

 ということで欲求不満となった夫は、午後から町に出てもっと洋服を見たくなったらしい。


 今日は本当にいいお天気で、サンタ・マリア・デル・フィオーレの3つの建物がとても美しかった。その大聖堂の近くでブティックを開いているイタリア人男性のお店は日本のブルータスで紹介された記事のコピーがウィンドウに置いていて、思わず店内に誘われた。

 日本のミルクボーイというブランドで8ヵ月働いていたというこの男性が自らデザインするという洋服。まぁまぁ来てみなさいと、あれよ、あれよと夫はコーディネートされていく。自分で勝手に試着するのと違って、肩の線はこんな風に合わせて、ボタンは下から3つは閉じないで、スカーフはふわっとさせて・・・と着こなしもされていく。

 こうして出来上がったのがフィレンツェ風スタイル。

 帽子がどうにも小さいというか、顔がどうにも大きいので、この帽子はやめた方がいいとおもうが、厚地のカットソーの紺のジャケットはカジュアルながらも細身のラインと洒落たポケットでストリートの素材なのにシックな味わいを出して、ジーンズによく似合っている。肩の力が抜けたお洒落を楽しめる洋服だった。因みにお値段は130ユーロ。

 この春夏として出ているコットンジャケットがザラで60ユーロ、ベネトンで80ユーロ、シスレーで150ユーロという中でのカットソー素材130ユーロはまぁまぁの値段だと思われた。

 次回購入の選択肢に入れておこう。

 帰り路すがら、目にとまったストロッツィ宮の中庭に入ってみた。今、ストロッツィ宮では「フィレンツェのアメリカ人」と題して、19世紀、20世紀に印象派として活躍したフィレンツェ在住のアメリカ人画家の作品展を行っている。

 その関係で中庭でもイタリア人の現代芸術家Loris Cecchiniによる「Aerial Boundaries」というエキシビションが展示されていた。

 今年はアメリゴ・ヴェスプッチの没後400年だそうで、クラッシック音楽の5月祭でも関連の出し物があったし、ここでの展示もその関係だと思われる。

 町で行われているイベントに大きなテーマを発見するという見かたをしたのは初めて。長く一つの街にいると見えてくることもある。


2012.05.21(月) フィレンツェ(イタリア)
久しぶりにウォーキング

  鬱々とした寒い陽気だった週末に、さして運動もせずに「食」に走っていたら、お腹の贅肉が一気に増えた気がしてきた。

 明けて月曜日の今日、歩きに行きたかったのだが午前中は曇り。今日もだめかと思っていたら午後になって突然青空が開けてきたのでウォーキングに行ってきた。

 同じ思いの人が多いのか、月曜日だというのにサイクリング、ウォーキング、ランニングの人がちらほら見られる。鏡面となって青空を映しだすアルノ川にはカヌーの練習者さえ出ていた。

 そういえば、前回ここを通りかかった時に屈強なギリシア人顔の男性数人がカヌーを漕いでいた。筋肉が隆々としていて生きたギリシャ彫刻が船を漕いでいるような光景に、あらためて「イタリアにいるんだなぁ」と実感したのだった。あれ、また見たいなぁ。

 夕方、家に戻ると、ガガちゃんの友達の台湾人の女性が、ガガちゃんの散髪をしたいのではさみを貸してくれとやってきた。ここは、長屋か!

 しばらくして、肩に切った髪を散らばせたガガちゃんが「ヘルプ・アス」と部屋にやってきた。台湾の女性はバッツリとガガちゃんの髪を切り、ガガちゃんは5月人形みたいになっているのだった。んなこと言っても、私も経験があるわけじゃない。しかし、ここは年の功。たぶんボブみたいにしちゃえばどうにかなると、後ろ側のすその表面を短く、内部を長く残すようにカットしたら、それらしい形になってきた。ガガお嬢様は鏡を片手に、「ここをもっとそいでほしい。このラインがおかしいんじゃないか」と注文をつけてくる。途中までは注文を聞いていたが、これ以上切ると後戻りできない所まで切っちゃったのでやめた。ガガちゃんが「ねぇねぇ、ここ、おかしいよね、変だよね」と指差す場所も、台湾の女性と私で「大丈夫。ぜんっぜん、おかしくない、とっても似合ってる」と強烈に説得。「でも、これを見たら他の人はおかしいって言わない?」と聞くガガちゃんに二人で「い・わ・な・い!」と押し通して散髪が終了した。どうにも納得がいかない空気を背に、私はさっさと自室に戻ったのだった。

 夜は去年フランスで購入したイタリア映画「甘い生活」(フェデリコ・フェリーニ監督)をDVDで観賞。オリジナルがイタリア語で字幕がフランス語という難関コースの上に、話がさく裂しているので難しかったなぁ。途中で、ガガちゃんがやってきて「シャンプーしてブローしたら、見て見て!かっこいいヘアースタイルになったよ!」と報告。いやー、よかった、よかった。私の散髪の腕も、結構、いけてるんじゃないの?とガガちゃんに言うと、「ワンダフル!ありがとう!」と喜んで帰っていった。長屋か、ここは。


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