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2014年
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2013年
1月:1,2,3
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11月:1,2

2012年
1-1,1-2,1-3,1-4
2-1,2-2,2-3,2-4
3-1,3-2, 3-3
5月:1,2,3,4
6月:1,2,3,4
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9月:1,2,3,4,5
10月:1,2,3,4
11月:1
2014.1.13(月) 日本→メキシコ(メキシコ・シティ)
久しぶりにアメリカ合衆国経由

 今日はアメリカ合衆国経由でメキシコへ移動。シンガポール航空でロスまで行き、コードシェアでそのままユナイテッドでメキシコ・シティへと行くチケットをHISで購入した。ここ数年メキシコへはヨーロッパから入るルートだったので、こんなに長い時間かけて移動をするのは久しぶり、かつアメリカ合衆国へ入るのも久しぶりだ。

 ESTAという米国入国に際して必要な手続きはネットで行えるのだが、一人1000円の費用がかかるようになっていた。数年前は無料だったのになぁ。

 シンガポール航空は2階建800人くらいを収容する大型旅客機だった。この大型旅客機が開発される話を耳にしたのが2007年だったかと思うから、あれから7年も経過してようやく乗ったことになる。外から見ると1階への入り口と2階への入り口にわかれていて、確かに大きな機体だが、乗ってしまえばいつものエコノミークラス。ビジネスのある2階へ行けるわけでもなく、内部にいると全くいつもと違いは感じられなかった。大型旅客機が巨大クルーザーのように内部が自由に行き来できるような日は当分来ないみたいだ。

1階への接続通路と2階への通路に分かれている。

こんな制服のお姉さんがいるシンガポール航空

 LCCではないのでお酒もついて、映画のサービスもあって、なかなか快適な空の旅だった。

 食事は夕食と朝食の2回で、夕食の選択肢の一つは和食で、うどんと焼き肉丼というメニューだった。しかし、焼き肉はミンチを張り合わせた合成肉。カルビ風味を出してボリュームも満点なんだけれど、合成肉というのは何とも気持ちが悪い。一体、何が入っているのかと思うと、ベジタリアンになりたくなる人の気持ちが理解できるのだった。

 世界の食料は相当おかしな所に来ているのを、また実感してしまった。

 アメリカ合衆国ロサンジェルスに到着すると、写真のオバマ大統領がお迎えしてくれた。こういうホスピタリティーがアメリカらしくて嬉しい。入国審査をする時に「どうしてアメリカ合衆国で休暇を過ごさないでメキシコなの?次回はアメリカで過ごしてね!」とニコヤカに言われて、無事に通過。一人旅でメキシコに入る旅人の中には、このアメリカ入国に際して難しい質問を浴びせられたという話もしばしば聞いていたので、今回のこのジョーク交じりの和やかな通過に一安心した。ターンテーブルを回るスーツケースを引き上げて進むと、国際空港の建物の外に出る。

 ロサンジェルスでのトランジットは他の国のそれと違って、完全に一度入国するのだった。しかも行き先がメキシコの場合は、国内線扱いのようで、国際ターミナルから国内線ターミナルに移動することになった。指定されたターミナルはユナイテッド航空専用ターミナルで、出発の5時間前なのにチェックインできる。しかもチェックインは完全に自動化されて、チェックインカウンターの機械に自分のチケット番号など必要事項を入力するとボーディングチケットが印刷されて出てくるようになっていた。しばらくすると、カウンターの内側に預け入れ荷物用の札が印刷されて出てくる。カウンター内の係員に名前を呼ばれたら、預けるスーツケースをカウンターの荷物置き場に置いて、重量チェックを受けてから荷物にタグをつけてもらって預けることになっていた。この預けるプロセスがわからずに、ボーディングチケットを受け取ってからチェックインカウンターの向かいの椅子に座ってボーっとしていたら、親切なインド系アメリカ人の女性が「たぶん、あなた達の名前が何度も呼ばれていたわよ。荷物をカウンターに預けないといけないのよ」と教えてくれて、しくみが判明したのだった。

 荷物も預けられたので、手荷物チェックを受けて待合ロビーへと進む。パスポートコントロールはなくてアメリカ出国の記録は受けずにアメリカを出国。カナダ、アメリカ、メキシコはEUのようになっているのだろうか?

 ユナイテッド航空でロスからメキシコ・シティまでは3時間半の飛行時間だった。アメリカ大陸に入った途端にLCCのようなサービスになり、飲み物のソフトドリンクは出た物の、スナックもサンドイッチもアルコールも全て有料サービス。夕飯くらいは出るかと思っていたのに・・・。こうして、空腹のまま、午後11時半過ぎにメキシコ入国審査を終えてやっと入国したのだった。


2014.1.14(火) メキシコ(メキシコ・シティ)
空港泊、そして役立たずな一日

 宿に行けるメトロブス(バス)の最終が午前0時発なので乗れないことはないのだが、到着した先はあまり安全だとは言えない区域だった。かといって、この時間から乗るタクシーはプリペイドとはいえ安心できない。宿にピックアップサービスをお願いするという手もあったが、すっぽかされる可能性もある。結局、一番安心なのは朝まで空港の建物内に待機して朝になってからメトロブスで移動することだろうと判断して、空港にとどまる事にした。

 まずはお腹が空いた。2階の出発ロビーに行くとタコスやサンドイッチを販売する店が並んで座って食べられる椅子とテーブルのあるフードコートのような場所が見つかった。午前0時過ぎとは思えない大音響で音楽がなり、煌煌と照らされた証明の下では、大きなコカコーラとたっぷりとした食事を楽しむメキシコ人が少なくない人数いる。この時間にしてこの食欲。メキシコに到着するなり目にしたラテンパワーに、「来たぞ、来たぞー!」とテンションがあがった。

明るい売店

アラチェラ(牛の横隔膜、ハラミ)のタコスセットは79ペソ、約640円。

 お腹も満ちた所で今夜の寝場所を物色した。出発ロビーには椅子が見当たらなく、皆、思い思いの床に転がって寝ている。出発の手荷物チェック近くが一番人気のようだったが、照明が明るすぎるのと人通りが多すぎるのが嫌で敬遠した。もう1フロアー上がった所に、ヒルトンホテルへの入り口があり、ここが暗めの照明でベスポジと思われた。すでに2組が横になっている近くで我々も就寝。

 午前1時から寝始め、2時間おきくらいに目が覚めながら午前6時半には起床。着こんで寝ていたので寒くはなかったが、固い床の上だし、朝早くからヒルトンホテルのお客さんが出てきてしまったので、いつまでも寝ていられなかった。

 寝る前は、「この年齢で空港の床で宿泊できるなんて、我々も柔軟性があるねぇ」なんてはしゃいでいたのだが、朝になってドイツ語やオランダ語を話す若いヨーロピアンがヒルトンホテルのエレベーターから降りて出てくるのを床で寝ながらながめていると、限りなくホームレスに近い気分になってくる。人間としてのキャパが広がっているのか、落ちているのか。聞かれたら即答できない微妙な気分の朝だった。

 目の前のスタバーでコーヒーを飲んで一息ついてから、メトロブスに1時間ほど乗って宿近くの停留所で下車。朝8時半に宿に到着してチェックインした。

 シャワーを浴びて人間らしさを取り戻したら、さっそくスーパーへ基本食料品の買い出し。お昼ご飯を自炊したら、急に睡魔が襲ってきて夕方までベッドに倒れ伏してしまった。

 夕食にフルーツを食べたものの、夜も睡魔が襲って早めに就寝。結局、午後から寝っぱなしの一日になった。


2014.1.15(水) メキシコ(メキシコ・シティ)
歯科治療(1回目)

 メキシコ・シティ滞在の目的の一つは歯科治療。ここ数年に渡って治療してもらっている日系三世の高根先生に今回も治療をお願いするべく、日本から予約を入れておいた。

 オフィスは数年前から変わらずワールドトレードセンターの38階だった。

 今回の治療の目的は年末に詰め物が取れてしまった左上奥歯の治療と、数十年前に日本で保険適用で施された銀色のクラウンをセラミックに変えてもらう治療だ。


 今日、奥歯の治療から開始。新しく口腔内をモニターに映し出す装置が導入されていて、幹部を目の前のモニターで見せてもらいながら治療してもらった。

詰め物が取れた患部

2種類の消毒薬を合成して患部に塗る

青い消毒薬

1分後くらいに洗浄

再び2種類の薬品を患部に塗布

事前に混ぜるのではなく、各々患部に塗布してから患部上で混ぜた

プライマー塗布

光をあてて固定

奥歯なので、この後のガラス剤が流れ出さないように歯の周囲に囲みを作る道具

患部の歯を囲んだ状態

ガラス質の溶液を患部に注入

光を当てて固める

更に別の溶液を上から盛る

光をあてて固める

形を整えて、かみ合わせを調節して終了

 所要時間1時間15分。一手順ずつモニターに映してもらったり、患部や薬品を撮影させてもらったので通常より時間がかかっているかもしれない。今日の治療に関してはここ2年くらいに行っているのと同じ手順だった。

 今日の治療を通して他の疾患がいくつか見つかって、今回の治療で何をどこまで治療するか各疾患における治療費の見積もりを出してもらった。私が一番問題があるだろうと感じたのは夫の親知らずの出現だった。このせいで歯並びが少し悪くなってきている気がする。しかし、昨年親知らずを抜いたばかりの夫はあの痛みを今年も体験することに非常に及び腰だったし、見積もりを出してもらったら約10万円もかかると言われ、日本だったら保険で5000円以内でできる事を考えるたらあまりに費用にギャップがあるので却下して、やはりクラウンの交換をしてもらうことになった。

 また、もう2年間ほったらかしだった私の口内のクリーニングと夫のクリーニングの抱き合わせで5万円程度でホワイトニング、歯石取り、歯の裏側の徹底クリーニング、フッ素加工を提案された。クリーニングにしては高額だとは思ったのだが、ブラジル産の非常に質の高いホワイトニングは歯肉と歯の雑菌除去になる新薬だと説明を受け、面白そうなので試してみることにした。


2014.1.16(木) メキシコ(メキシコ・シティ)
あ、こんな所に!

 メキシコ・シティのサンフェルナンド館という日本人宿に滞在しているが、ここにいる宿泊者が読んでいる本を見て「あっ!」と声が出そうになった。

 というのも「ちゃんと漕げ!」という、タンデム自転車で世界一周したエピソードをつづったこの本の著者は我々の友達なのだ。年末に飲み会で会ったばかりだ。

 こんな所で青木さんの本を目にするとは!

 夫は妙に神妙な顔でこの日一日読みふけっていた。ま、自宅にも持っているんだけどね。


2014.1.17(金) メキシコ(メキシコ・シティ)
歯科治療(2回目)

 今日は夫の治療2回目。銀色のクラウンをはずし、ホワイトニング消毒の後、歯の型を取る作業まで。ブラジル産のこのホワイトニング溶液が歯肉にかみつくような痛みを覚える薬品のようで、明日は私の番なのだが夫の反応を見て、ちょっと怖くなった。

 古いクラウンをはずす作業は、歯科医によっては金槌などでがんがんと乱暴にはずすらしいが(メキシコでは)、中の歯が大抵もろくなっているのでドリルで筋をつけてそっとはがさなければいけないそうだ。ということで、クラウンはずしに50分くらいかかった。

ブラジルのFGM社のホワイトニング剤

2種の溶液を混ぜて紫色になったものを歯に塗布する

薬を塗布されると歯肉が掴まれたような痛みが走る

歯肉で雑菌に侵されている部分の雑菌が死滅して白濁しているという説明。傷口にオキシドールを塗った時の痛みと見た目に似ていた

歯の汚れ除去。一般の歯石取りの道具などで取れない歯間の汚れをやすりで取る。

クラウン部分の歯型を取るシリコン。粘土のようだ。

患部にはより鮮明に印章が取れる材料をまず塗る


2014.1.18(土) メキシコ(メキシコ・シティ)
歯科治療(3回目)

 今日は私の歯石取り、クリーニング、ホワイトニング、そしてフッ素塗布。夫のクリーニングの続きだ。

 初めにモニターで自分の歯の裏側の汚れを見せられた。2年間歯科医に行かずに赤ワインやら紅茶を飲み続けた歯の裏側はおぞましいほどに汚れていて、とうてい公表できない状態になっていた。これを丁寧に除去してもらううちに、下の一番奥歯のガラス質がすり減っていることが発覚。急遽、ここも修復することになった。

顔を映して遊んでいるうちはよかったが、この後、おぞましい歯の裏側の汚れを映されてギョッとした。

奥歯のすり減ったガラス質部分の修復。まず表面を削る。

画面下部に茶色の筋にみえているのが神経。もう神経ぎりぎりなのでかなり痛い治療だった。でも麻酔なしで乗り切った。

青い消毒薬を盛る

2種の消毒薬を歯に盛ってから、歯の上でミックス。

光をあてて固める

ガラス材を盛る。

光をあてて固めてから、ドリルで成形して終了。

歯石取り

ホワイトニングの塗布

溶液を混ぜた紫色の薬を塗布。

ホワイトニングを洗浄した後の歯茎の痛みは夫以上だった

仕上げにフッ素の塗布。

 私の治療後に今度は夫のクリーニングの続き。

 昨日の仕上がりに満足が行かなかったので、今度はゴムやすりのような器具で歯の裏の汚れをこそげ落としてもらった。

 歯石や歯の裏の汚れを取るのに実に様々な道具があるのに驚く。しかし、上の前歯は一部虫歯で削ってガラス素材を入れていることもあり、これ以上ドリルなどで削ると歯がかける可能性があると言われて、いい加減にクリーニングを断念した。

 歯石が歯周病菌の巣窟になっているというネットでの情報もあるので、スッキリと除去してもらってかなり気持も軽くなった。

 週末なのでお酒解禁、食事もちょっと贅沢にTボーンステーキ。

 メキシコはお肉が安い。牛肉も豊富な部位ごとの商品ラインアップがあるからとても楽しいのだ。Tボーンは室温に戻して塩・コショウを振ってステーキにしたが、普通においしかった。これで100g150円くらいの単価だからやめられない








2014.1.19(日) メキシコ(メキシコ・シティ)
休日散策で発見したアートの世界

 歯の治療も一段落した今日は、午後から市民の憩いの場のアラメダ公園を通って、ベジャスアルテスの前の通りを渡ってソカロに向かう賑やかな繁華街を散策してきた。ベジャスアルテスではフランス人女性彫刻家の無料特別展示があって、意外にも長く滞在してしまった。休日の繁華街には多くの大道芸人が出ていて、その催しやアイディアは既にヨーロッパなどで目にした物なので目新しくはなかった。私たちにとってよっぽども目新しくて面白いのは、これら大道芸人を見るメキシコ人一般市民のリアクションだった。


屋台のタコス屋。丸い天版で焼くスタイルは定番の一つ。
黒いとうもろこしを使った黒いトルティージャも定番。

休日のアラメダ公園

観客から募ったボランティアが四つん這いになった上を
飛び越えるアクロバットの大道芸が大人気。

宙に浮いて座っているように見える彫刻の大道芸はイタリアでも全国的に流行中。去年、さんざん見た。

マイクを通して口でドラムセッションを行う芸はもはや古典とも言える。それよりも、これを見ている中央の半浮浪者男性がものすごく体をバイブレーションさせてノリノリで楽しんでいる姿。こっちの方が仰天パフォーマンスと言えて、目が離せなかった。

おなじみのアンデス音楽

演劇やコンサートが行われるベジャス・アルテス

ベジャス・アルテスの前に見覚えのあるクモのオブジェ

フランス人女性芸術家の無料展示会が行われていた。
クモのオブジェはスペインのビルバオにある
グッケンハイム美術館前で見たが、宿の他の日本人は
六本木ヒルズで見た人が多数だった。

ベジャス・アルテス内部

彼女の作品はややグロテスクなものが多い

メキシコ人芸術家セルヒオ・ブスタマンテ氏の直営店。
こちらも不気味な作品が多いがちょっとユーモラスで欲しくなる。

 気軽な散歩に出たつもりが、多くの収穫があって楽しい日曜日の午後になった。やはりメキシコはアーティスティックな街なんだなぁ。

 週末なので夕飯にはビール、ワイン、ワカモレ、トルティーヤ、作り置きのスープ。













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