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2012.03.11(日) メキシコ・カンクン
静かなようで大騒ぎの一週間

 今週は色々あって日記をまとめて書いてしまうことにしよう。

 その旅人が宿にやってきたのは確か火曜日の事だった。大変に疲れた表情をした人でロス経由で日本からやってきたと言う。それはお疲れ様でしたと声をかけると、引き続き驚くべく話を口にした。ロスの空港カウンターで意識をなくしERに運ばれてアメリカで一泊入院して徹底検査を受けてきたのだという。

 アメリカの病院側ではもう少し入院が必要だと言うのを振り切って1泊で退院してここまでようようたどり着いたのだそうだ。その1泊だけの費用が16万円もして散々だったが保険がきくので大丈夫だという話だったが、入院が必要だと判断された人がここに来て大丈夫なのかと私は非常に不安になってきた。

 夜になりオーナーとこの旅人が話をした所、どうやら慢性的に肝臓が悪いことが判明。肝炎に詳しいオーナーがこの旅人に諸注意などを言っていたが、聞いている本人は疲れているのか全く聞こえていないようだった。

 翌日、朝食の時間。私は既に朝食を終えて自室に戻っていたのだが、そこにこの宿で働いているメキシコ人女性がやってきて「助けてくれ」という。昨日来た旅人の様子がおかしいというのだ。ダイニングに行くと、朝食の皿を目の前に茫然自失の表情の旅人が座っていた。顔も白目も腕も黄色い。いわゆる黄疸が出ている。私も生れて初めてこんな人を見たのでとても驚いたのだが、とにかくこの旅人に大きな声で話しかけてみた。すると意識がだんだんと戻ってきて、ただ横になって眠りたいだけであり、他には調子は悪くない、病院は行きたくないという返事を得たのでベッドまで連れていった。

 宿に働いているメキシコ人女性のMは、この間にも医者である親戚や母親や姉などに電話をしまくって、彼女なりに肝炎に関する情報収集をした結果、妊婦である彼女に非常に危険なウィルス性の病気だという確信を持ってしまった。Mの顔つきは完全に恐怖に彩られて、その旅人の場所から3m以内には近づこうとしない。塩素の入った洗浄剤を持ってきて、全ての食器はこの洗浄剤で滅菌してくれと宿中に触れて回った。

 一方、私はオーナーと電話で連絡を取り合い、旅人の病気がそもそもウィルス性ではないこと、ウィルス性ならアメリカの病院が彼女を解放しなかっただろうから、この事からもウィルス性とは考えられないという根拠を聞いて納得し、とにかく旅人はベッドで休ませることで合意した。他の旅人もネットで肝炎の事を各々調べまくり、どうやら感染する気配はないと判断してオーナーの決断に従う事にしたのだった。

 これに対して納得がいかないのがメキシコ人のMだった。彼女は断固として旅人を病院に入れてしまうことを主張していた。オーナーの判断の根拠を言っても、全く聞き入れたくないという風で、逆に彼女の体を誰も気遣ってくれないことに腹を立てているようにみえた。

 翌日、体調が戻ってきた旅人は観光を開始。Mはこの旅人がチェックアウトするまで実家に待機すると、この日は出勤してこなかった。

 更に翌日、Mは宿に残っていた自分の荷物をまとめて、オーナーに電話で「やめます。お世話になりました」と報告して宿を出て行ってしまったのだった。あまりの展開に我々日本人はあっけにとられるばかりだったが、今まで何人ものメキシコ人を雇ってきたオーナーにとっては、それほど驚くできごとではないらしい。日本での社会人経験のある旅人は、こんな風に無責任にやめられたらどんなにストレスがないだろうと、妙な所でうらやましがっていた。

 Mがやめてしまった原因となっている旅人本人はそんな事は全く知らぬ存ぜぬ。毎日、それなりに観光をこなしてたが、ある夜日本の保険会社と電話した後に私の所にやってきて「ちょっと聞いてくださいよ、アメリカの治療費、16万円じゃなくって160万円の請求が来ているっていうんですよ」という。たった1泊の治療と検査でアメリカ合衆国とはいえ、そんなに請求が来るものだろうか?実際に何が起こったのか知りたがったのだが、本人の言っている事もあやふやでよくわからない。私が知り得た情報としては意識が朦朧とする体調でアメリカに入国したら、とんでもない事になるという事だった。

 この旅人が来てから数日後に到着した別の青年が、一緒に一日行動を共にしたのだそうだが、途中でビールを飲んでいたと言っていた。この人は本当に懲りない人だと思いながらも、なぜそこまで酒を飲んでしまうようになったのかを思うと、日本の社会がかなり病んでいる事も感じられる。この人もぎりぎり頑張ってもこうなってしまったのかと思うと心が痛む。

 今回の旅人の一件を介して、メキシコ人の仕事に対する感覚、日本人とメキシコ人の情報ソースに対する考え方の違い、日本社会がどれほど病んでいるかなどについて考えさせられた。しかし、健康は大切だ。あらためて認識。


2012.03.05(月) メキシコ・カンクン
アメリカのイミグレで別室へ!ケース2

 先週に引き続き、アメリカのイミグレで別室送りになった旅人話の第二弾。

 彼女は日本→ロサンゼルス→ダラス→メキシコ・シティーという経路でメキシコ入りしてきた人だった。メキシコ・シティーに到着してすぐにカンクン行きの飛行機にのりついで、空港近くのホテルで1泊してからこの日本人宿にたどりついた。なにせ1週間の休暇を使ってのカンクン訪問だから超弾丸旅行者なのだ。

 ここに到着するや「いやー、アメリカ合衆国でこってりやられました」と弾丸トークが始まった。弾丸なのは日程だけではなかった。ロスのイミグレでアメリカ入国する際、女性のオフィサーが彼女のあまりに流暢な英語とせっかくメキシコまで行くのにたったの1週間で日本に帰国するという日程に疑いの目を向けたのだった。オフィサーの感からいえば、これだけ英語が話せるのだからメキシコ旅行を装って合衆国入りし、不法滞在、不法就労の道を進もうとしている懸念があると思ったのだろう。

 まずはメキシコでの宿についての質問から始まった。カンクンでの宿を1泊分しか予約していない点を指摘され、カンクンで何をするつもりなのかを事細かく効いて疑念があったらしらみつぶしに尋ねられたようだ。続いて、彼女の英語能力はどこで培ったのか、外国での就労経験はあるのかという質問に及んだ。私も経験があるのだが、こういう時にまともに答えていると確かに自分が怪しい人物だと思えてくる。オフィサーの質問は常に目的を持っているから恣意的なのだ。ここでこの旅人は決定的に誤った事を口走ってしまった。つまり「なぜ、そんな事を私に聞くのですか?そんな事が入国と何の関係があるのですか?」

 この一言により、彼女は別室送りとなった。次のダラスへの便までは4時間の乗り継ぎ時間。本来なら一度預け入れ荷物を受け取って再度荷物チェックインを行うのだが、それは当局が全て行うので4時間たっぷり話を聞きましょうということになり、こってりと質問攻めにあってきたのだそうだ。

 興奮してアメリカ側の態度を批判ばかりしている彼女に対して、「でも何万人という人が通過しているではないですか?その人たちとあなたの違いは何だと思いますか?」と質問してみたら、「やっぱり、私の態度が生意気だったんでしょうね。」と急にしゅんとなって反省していた。

 ということで、彼女から導き出せた教訓は、どんなに質問攻めにあっても穏やかに対応すべし。

 勉強になりますね。


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