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2012年
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11月:1
2013.7.1(月) イタリア(フィレンツェ)
ルーマニア人にちょっと見直された日

 午前中は作業とイタリア語学習、ウォーキングをしてスーパーで買い物して帰った。

 先週からキッチン入りびたり生活をしているので、シャワーを浴びた後はべったりとキッチンに入り浸ってネットしたり写真の整理をしていたのだが、そこにアパートの仲介をしている女性のアシスタントのミケーレという男性がやってきた。

 ここのネットがつながらないという話が出た時から、私は関係者にルーターの場所を聞いているのに、仲介の女性も、メンテナンスの男性も、その息子でこのアパートに住んでいるステファノも教えてくれない。「いや、つながるようにするから、大丈夫だから」の一点張りなのだ。

 で、ミケーレに何気なく「インターネットのルーターってどこにあるんだっけ?」と聞くと、「秘密の場所なのさ」と、普段は廊下に置いてある飾りソファと飾り棚に隠れている壁の鍵をぐるっとまわした。そこは壁じゃなくてクローゼットだったのだ。なーるほど。ここにあったのか。そこでミケーレと二人で電源や電話線を入り切りしたりルーターのスイッチを入れなおしてみたのだが、ルーターの正面右にあるinternetというマークが赤く点灯しているのがおかしい。普通、こういうのって緑じゃないですか。

 そこでルーターをひっくり返してみたら、ルーター内部へアクセスできるURLが書いてあって初期設定のユーザーネームとパスワードも書かれていた。どうせ、誰もこの設定を変えてないだろうと自分のパソコンからアクセスしたら、入れる、入れる。

 ルーター内部に入ってみたら、「最初にお使いになる際にはセット・ウィザードを起動させる必要があります」と書いてあるじゃん。んもう、これやってないからつながらないんじゃないか!で、ウィザードを起動させようとしていたら、ステファノがキッチンにやってきた。そこで「今、ルーターに入って様子をみている」というと、「実はルーターは自分が設置したのだがうまく設置できていないかもしれない、これを見てちょっと確認してくれ」と設置説明書を私に見せてきた。だーかーらー、ルーターの場所とこれを早く見せてって言ってるんじゃないですか。説明書の表側には図解で電話ーコード、電源とルーターをつなぐ絵が描いてあり、裏側には「イニシャル・インストラレーション」つまり初期インストールについての説明が書いてある。これだ。これをやっていないのだった。そこで初期セットアップウィザードを行うと、ルーターの赤い点灯がグリーンに変わり、ようやくアパート内部からのネット要求信号はルーターを通して外部に行くようになったのだった。

 この様子を見ていたステファノは、どうやってルーターの内部に入れるURLを知ったのだと聞いてくるから「ここの説明書にも書いてあるし、ルーターの裏側にも書いてあるから」と言うとちょっとびっくりしたような顔をしていた。私がここに入ってきてから掃除の事とゴミの事を細かく言うし、バスルームの床を磨いたりしているから掃除ばかりしている主婦だと思っていたようなのだ。

 前の家でもそうだったがルーマニア人夫婦の封建ぶりには驚くばかりだった。ゴミ当番表を作るときに当然、ルーマニア人旦那の名前もメンバーに入れていたら、奥さんは「うちの旦那は働いているから、ここに名前を書かれると私が代わりに仕事をするということになるんですけど」と言われた。私はルーマニア人旦那に養ってもらっているわけではないから、そんなのは家庭の事情。妻が行うのが当然の事だと思った。まぁ、そういうと角が立つので「家もねぇ、旦那の名前の日は私がやるんですよ。結婚してる人はしょうがないですよねぇ」と笑って誤魔化した。我が家は旦那も働きますが。

 ということで、ルーマニア人の女性観はいわば50年前の日本人に等しいのではないかという感想を持っている。そんなステファノに中年日本人女性が一撃。うわーっはっはっは。日本人女性を見直してくれたかい?

 しかし、ようやく外の世界に出られたのだが、今度はプロバイダーのページに自動接続されてあるコードを入力せよということになった。そこで仲介の女性に問い合わせたら、明日の朝、そのコードを持ってこちらに来るという。コードは翻訳すると「タックス・コード」となる。もしかしてイタリア人一人一人に割り当てられているIDのようなものなのだろうか。

 以前、フィレンツェのマクドナルドやネットカフェで自分のPCをつないでインターネットをしようとしたら、イタリア在住許可の番号が必要だとか言われた。イタリアという国はこう見えて以前は社会主義だったものだから、こうい所は意外にも情報統制を行っているのかもしれない。

 ということで、今日はここまで。少しずつ先には進んでいるがなかなか解決しない。


2013.7.2(火) イタリア(フィレンツェ)
ベジタリアンでおいしいって珍しい。

 午前中はカッシーネの市。

 本当はアパートの仲介の女性がタックス・コードを持って来ると言っていたが、カッシーネがあるから私たちはいないとメールで伝えておいた。たぶん、彼女は来ない、そしてネットもつながらないだろうが、カッシーネははずせない。

 私のターゲットは白いTシャツ、ポロシャツ。今回は3ユーロの店に留まって多くを見つけた。夫は様々な洋服にチャレンジ。色んな素材、形の洋服を選んで購入した。


 さて、カッシーネの戦いの後、本日はベジタリアン料理店でランチ。その名も「イル・ヴェジタリアーノ」という店はアーモ・イタリアというサイトで紹介されていて以前訪れたことがある。

 午後1時半ごろに行くと最盛期で混雑していた。レジの左側にある手書きメニューから選んでレジで申告してお金を払い、料理受け取りカウンターで注文表を提示して料理を受け取り、食器棚から必要なカラトリーとグラスを取って着席するというカフェテリア形式。前菜6-7ユーロ、メイン8-9ユーロ、デザート4ユーロと割合リーズナブルでボリュームたっぷりなベジタリアン料理が楽しめる。

 我々はファルファッレ(蝶型パスタ)のギリシャ風サラダ、ナスとチーズのオーブン焼き(写真左)、米のラグーソースのオーブン焼き(写真右)、チーズケーキ(ヨーグルト付き)を注文。お水はカウンターで水道水を頼むとカラフェに入れてくれる。これで25ユーロだった。

 ベジタリアンというと味気ない、健康のために仕方なく食べるイメージが強いが、そもそもチーズとトマトをうまく使ったベジタリアン料理が多いイタリアのこと、普通にとてもおいしい料理が楽しめた。しかも食後に胃がもたれない。安い。いいなぁ、この店。

 食後は、町のバーゲンチェック。先日会った友人の話ではフランスは夏のバーゲンに突入したらしい。フランスのバーゲンは国?で期間が決められていて一斉に始まって一斉に終わる。イタリアはわからないが、夫がネットでフィレンツェもバーゲンに入ったという記事を見つけて、どうなっているかチェックしに行ってきた。

 すでにベネトンは一部バーゲンを行っているのは知っていた。今日も一部。全面的ではない。ZARAは一昨日とは商品ががらっと変わって、今までに見てきた商品がアイテムごとにぎっしりと並べられて、展示数が異常に増えていた。値段はプロパーのままだがレジ脇のプリンターから「14.99」「16.99」などのいかにもバーゲン値段的数値の印刷物がどんどん印刷されている。これからバーゲンが始まるという雰囲気がぷんぷんとしていた。いつから始まるのだろうかわからないが、女子たちは試着室に行列して戦闘準備に入っている感じだった。

 そんな雰囲気を楽しんで帰宅。アパートのネットは相変わらず不通だ。


2013.7.3(水) イタリア(フィレンツェ)
ようやく家のネットがつながった

 午前中は写真整理、今後の日程に絡んだ下調べ、イタリア語学習。その中でこの秋にウィーンでもミラノでも「マノン」というオペラがかかっていて、マノンのあらすじを調べてみた。読んだら、悲劇というよりも「そりゃあんた、自業自得でしょ」という話で、先日見たマクベスもそうだったのだが、西洋では自業自得という言葉がないのかというくらい悲劇と一緒くたになっている。自業自得という考え方は仏教特有なのだろうか。

 ここの辺りからもう、ヨーロッパでルームシェアする時にも感覚が違ってくるよなぁと妙に納得した朝だった。

 11時半頃からウォーキング。数日前からがくっとひざしが強く感じられるようになった。日向を歩いているとひざしが肌を射るような感覚がする。

 今日もミケランジェロの丘への上り坂が始まる所からイタリア語の復習、そして頂上まで6-7分のジョギングを行った。初回に比べると到着時の吐き気のようなのはおさまってきた。ちょっと慣れてきたか?

 今日もミケランジェロの丘からのながめは美しい。一息ついて下ってスーパーに寄って帰ってきた。

 アパートに入ると何やら騒がしかった。仲介の女性シンシアが来ていてステファノとその彼女に指示して大掃除が行われていたのだった。聞けば来週から新しく2名が引っ越してくるそうだ。シンシアはついでにCFというインターネット接続に必要なコードを持ってきたので入力して試して欲しいという。やってみると「ちゃんと登録されたコードじゃないと通りません」という。つまりこのCFは以前ここに住んでいたガブリエレのもので、シンシアに名義が変更されたのだからシンシアの新しいコードがあるはずなんですが。私がそう言うと、シンシアは「あのガブリエレのアホが折り返し電話してこないからわからないのよ」と仰った。

 いくら確執があるからといって、前のテナントをアホ呼ばわりしちゃいかんのじゃないですか?

 これくらい冗談と混ぜて言えるイタリア語の力量がないので言わなかったけど。因みにイタリア語も「アホ・バカ」は英語と同じストゥーピッド。ただし発音は「ストゥピド」となる。フランス語にも同様の言葉があるそうだ。便利というか、なんというか。

 お手上げになったのでプロバイダーのサイトから問い合わせのメールを送ったらどうかと思ったら、ユーザーネームとパスワードがないとメールもできなかった。お手上げなので「もう、できることはない」とシンシアに言おうとしたらガブリエレと電話がつながったそうで、今晩8時半にここにガブリエレが来て設置するという話になった。同時に彼からプロバイダーの電話番号も聞きだしているのだから、この場で電話して新しい登録番号を聞けばいいと思うのだが、それはしない。そして「8時半にはアキコがいるから。彼女がインターネットをとーっても必要としているから」とも言っていた。シンシアは8時半には立ち会わないようだ。結局、テナント同士を使って自分は何もしない手口がなかなかイタリアっぽい。

 夜8時45分。ちゃんとガブリエレがやってきてやや驚いた。さっそくネットに接続したら、すでに問題なく稼働している。何故?ガブリエレに聞いたら契約の名義はまだガブリエレからシンシアに変更していないそうだ。ガブリエレがプロバイダー業者に電話して新しいルーターでネット再開する旨を電話連絡したから、今つながるようになったのだろうと推測される。シンシアもガブリエレもちゃんと全ての事を言わないから、どうにも全体がすっきりと見えてこない。

 シンシアはフィレンツェ人、ガブリエレはローマ人だ。どうにも腹を割った話をしないのはそういう所に理由があるのだろうか?

 とにかくネットは動くようになった。しかし、登録名義が変更になったアカツキには、また動かなくなるような気がする。やれやれ。


2013.7.4(木) イタリア(フィレンツェ)
二転三転の末のランチ

 食事も大きな観光イベントのフィレンツェではレストランは玉石混交。誤った店を選んだら失敗する確率も高いので慎重に検討しなくてはならない。これが、なかなか難しい。

 この木曜日のランチを巡っては、最初にPane e olioという店に行こうとメニューを書き写して翻訳して調べまくった。その上で、ランチタイムは営業していないことが判明。次いで、Il Santo Bevitoreというとても洒落た雰囲気でメニューもひとひねりした、いかにも医者が経営しているというリストランテが面白そうだと、昨日の夜、必死でメニューを翻訳して営業時間もランチがある事を確認して店に向かった。

 ところが。。。着席して渡されたメニューは本日の日付が付いた手書きで、表のメニューとは異なる一般的な料理が並んでいた。カメリエーレに表のメニューは?と尋ねると「夜だけだ」ということだった。そこで席を立って店を出た。

 Il Santo Bevitoreからベッキオ橋に向かう道沿いにはあと3軒、気になる店があっていちいちメニューを見てみたが、期待していたIl Santo Bevitoreとは違ってトラディショナルな料理ばかり。値段も折り合わない。そこで、face book上で知り合いが書き込んで勧めてくれていたシニョーリア広場のすぐそばの小道にあるオステリア、Vini e Vecchi Saporiに行ってみることにした。

 こんなに中心部にありながら良心的な値段が受けてかトリップアドヴァイザーで3位、昨年はアワードも受賞している。がメニューは伝統的で今日の気分とは違うと思いながらも、兼ねてから気になっていた店なのでたどり着いてしまった。

 フレッシュパスタのパッパルデッレは鴨のラグー、巨大マカロニのpaccheriは肉ときのこ(ポルチーニだった)のラグー、うさぎの詰め物は卵焼きとほうれん草の茹でたのと内臓入りで付け合わせにフィノッキオにパルミジャーノをかけたオーブン焼きがついてきた。これに赤ワイン500ml、水1ビンつけて42.5ユーロ。トリップアドヴァイザーで3位となるとアメリカ人観光客ばかりで、味は正直期待できないと思っていたら、イタリア人のお客も多く、パッパルデッレが感動的においしかったし、ちょっと内臓を入れたうさぎの詰め物は内臓の臭みがアクセントで面白く、セリ科のフィノッキオのオーブン焼きがまた乙だ。厨房が丸見えなのでのぞいたら、白髪の女性が忙しく切り盛りしている。表に立っている男性の奥さんでウェイターのお母さんなのだろうか?とにかく、嬉しく期待を裏切ってくれたこの店に大満足。リピートしたい店ができた。

 食後にZARA見学。バーゲンはまだ始まっていないが、試着室が異常な混み具合。バーゲンの下見だろうか?


2013.7.5(金) イタリア(フィレンツェ)
見えなかった物が見えてくる

 ここの所、レストランの下見に行ってはメニューを写真に撮って辞書を引きながら意味を理解しようとしていた。

 イタリアのオステリアやリストランテは伝統的なメニューをひたすらに守る保守派と創造的な素材の組み合わせで新しい道を開く革新派に分かれている。

 保守派は「今日のソースのスパゲッティー」などと、もう何の素材かも書かないの究極のメニューもあって「俺に任せておけ」という感じ。一方の革新派は「○○社」のアンチョビ、○○産のトマトと逆に細かく指定することでこだわりを表している。調べる側としては革新派の方が具体的にわかって面白い。

 さて、そんなメニューの中で「スペイン産サラミの盛り合わせ」を出している店があり、イベリコ豚のロモ・デ・ベジョータというのがあった。

 調べると、イベリコ豚の中にもランキングがあってベジョータというのは最高ランクの呼び名なんだそうだ。

 ある程度飼育されたイベリコ豚は放牧されるのだが、ベジョータになるには、放牧期間に自分でドングリやらを探し出して食べて放牧以前より50%以上の体重増加があったことが条件の一つになっているそうだ。野生の木の実をより多く摂取しているということだ。何て魅力的!

 結局、そのレストランにはまだ行っていないのだが「ベジョータを食べてみたい」という思いは残った。

 で、今日、いつも利用しているエッセルンガというスーパーのサラミコーナーを見ていたらベジョータが売られている!他のサラミの4倍くらいの値段だがスーパーで買えるってのがすごい。うーむ。今日は見るだけにしたが、いつか買ってしまうかもしれない。

 それにしても、何かを学ぶと今まで目に入らなかった物が見えてくる。語学を学ぶと聞こえなかった事が聞こえてくる。自分の能力が一つ階段を上がる気分はとてもいい。毎日を気分のいい事で埋め尽くせたら幸せだ。


2013.7.6(土) イタリア(フィレンツェ)
週末にステーキとスーパー・タスカン

 午前中はボックス・オフィスに行ってミラノ・スカラ座のチケット販売状況を尋ねた。まだ10月後半分は販売開始していないようだ。ボックス・オフィスの女性は、ここはエージェントでスカラ座から一部のチケット販売枠しかもらっていないのでスカラ座のサイトで発売を確認できたらスカラ座に直接電話した方がいいと言われた。この情報が今朝の収穫。

 ランチ前に旧市街を散策したのだが、土曜日10時浅い時間にしては人が多い。

 もしかしてとショップを見るとZARA始め名だたるメーカーを含むショップが一斉にバーゲンに入っていた。午前中なのにレジに行列。この時間帯に普段はあり得ない光景だった。SALDIの初日の割引率はZARAで30%。来週になったら50%まで落ちるだろうか?

 とりあえず30%オフでも欲しい物の限定と半額になったら射程距離になる物の物色をしてから今日のランチの場所へ移動。

 今日のランチにはフィレンツェ名物のTボーンステーキ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナを考えていた。老舗にはブーカ・マリオ、イル・ラティーノがあるが1kg単価50ユーロというのがひかかっていた。他にアパートのオーナーに教えてもらったYellow Cafeが安くておいしいと聞き、調べたらキロ45ユーロ。そこで老舗のティート(ビステッカ、キロ35ユーロ、最低1.2kg)にしようかと思っていたところ、昨夜、中央市場付近のトラットリオ・マリオはどうかということになった。アクセスがいいし、ヴィジター数も多いし、安いし(キロ35ユーロ)、決めた。

 結果、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは小さめをお願いしたら800gのが来て、事前に薬局で買って食前に飲んだ消化促進剤が効いたのかあっさり食べられ、ステーキ後にしめのミートソース・パスタを注文して食べられる余裕を見せた。この店は厚手の鉄板で焼いてくれるのでそれなりにかなりうまい。が炭火ではない。そこん所、もし炭火の店があったら比べたい。しかし、この店は安い。コペルト一人0.5ユーロ、ハーフリットルワイン3.5ユーロ。若者自由旅行系中国人観光客が大挙してきていた。

 もう一度ZARAのバーゲンを見学しているうちに欲しくなったTシャツが出てきたので購入。ZARAはガラと素材の面白い組み合わせを提案してくるから、青空市場のカッシーネとは違う。

 で、アパートに帰る前にエノテカ(ワイン専門店)に立ち寄ってみた。このエノテカはドゥオーモから中央市場への道沿いにあるいかにもツーリスティックな通りにある店なのでどうかと思ったが、アメリカ人女性とその旦那のイタリア人男性、二人の娘が切り盛りする家庭的な店だった。スーパータスカンでリーズナブルな物を探しているというと、スーパータスカンを始めた元祖といわれるサッカイア140euroを紹介した後に、同じ会社が作る2番手36ユーロと3番手20ユーロを紹介してくれた。3番手の20ユーロと、別にお勧めの18ユーロを買って、今週末のお楽しみとすることにした。

 イタリアにはそもそも、その土地で作られたブドウを使ったワインを認定するDOCがあり、それにより限定を強くしたDOCGができたのだが、これらの制度は従来その土地で作られたブドウをある一定比率利用することが義務付けられていた。その土地で従来作られないがおいしい外来品種(カヴェルネ・ソーヴィニヨン、カヴェルネ・フラン・メルロー・シラーなど)を従来品種のサンジョベーゼとミックスしてアレンジしたワインはDOCの下のランクのITGにされていた。ところが昨今DOCやDOCGを超えるおいしいワインがITGから出てきてしまって、それらがスーパー・タスカンと言われているようなのだ。

 そのスーパー・タスカンを提唱した人物が作ったというのがサッシカイア。そのサッシカイアをブランドの一つとして持つTenuta San Guido社の3番手ブランドがLe Difeseだそうだ。これもまたサンジョベーゼにカヴェルネ・ソーヴィニヨンが30%入っている。

 そもそも南米のカヴェルネ・ソーヴィニヨンやカルミネーレなど特徴がしっかりした地域のワインに親しんでいると、イタリアのサンジョベーゼは確かに柔らかいというか特徴が弱い。世界的に見て、ボルドースタイルの多品種をミックスしたワインがおいしいとされる傾向もわらかなくはない。

 というわけで、7月初旬の週末はバーゲン、肉、トスカーナワインの研究で終了。


2013.7.7(日) イタリア(フィレンツェ)
引き続き食の一日

 昼はアパートで写真整理などして、昼から行動開始。まずは先月も訪れたトラットリア・チブレオでランチをした。

 暑くなってきたためか、前回はなかったこの店の名物料理「トマトのゼラチン寄せ」がメニューにあり、今日はメイン2皿のみにしようと思っていたが追加でこの前菜を1皿取ることにした。

 メインには「タラのカッシ風」とうさぎを考えていたのだが、うさぎがなくなっていたので「ポルペッタ」と呼ばれる肉団子の鶏肉とリコッタを使ったものにした。さすがに有名店のチブレオ。いずれの料理にも創作が施されて面白い。カッシ風はこの店のオーナーでもありシェフのfacebookで料理発明へのエピソードやいきごみを読んできたので、より楽しめた。昨今は料理も物語として楽しむ事ができるのが素晴らしい。

 隣の席には英語を話す上品な男性2名。食後に話してみたら一人はアメリカ人青年だけどフィレンツェで生まれて育ったんだそうだ。チブレオはすぐ隣にリストランテ・チブレオもある。両方行ったことがあるという彼に違いを尋ねたら、基本的に料理は同じようなメニューだが、リストランテの方が室内の内装、カラトリー、サービス、置いているワインのグレードが高いそうで、「ま、エクスペリエンス(経験)の違いかな」と言っていた。「だったら私はトラットリアで十分だわ。料理が楽しめればいいですから」と言うと、彼も賛成だと言っていた。素敵な感じの男性でもっと色々と話してみたい雰囲気を持っていた。たぶんゲイだろうなぁ。

 食後は最近、フィレンツェでよく見かける飲み物の自動販売機がいくつか置いてあるだけの無人のカフェ(というべきか?)で0.5ユーロのエスプレッソ。続いてヴィヴォリVivoliという老舗のジェラテリアでジェラート。

 ここには灰色のゴマジェラートがある。このゴマ味がなんとも日本的な感じがしてとてもおいしい。今年初めて食べたヴィヴォリだが、もしかして糖分を減らしたのか?と感じられるくらいフレッシュで軽やかに思われた。食後にぴったり。



 フィレンツェの旧市街では日曜日もショップは営業している。再びZARAをのぞくと昨日とはまた品を大きく変えている。やっぱり世界展開している店はすごいなぁ。

 コルソ通りで見つけたエノテカ(ワイン専門店)にフラーっと入ると、ここでもサッシカイアが鎮座していた。

 この店はサッシカイアコレクションに力を入れているのか、一番古いのは1982年なんてのまで持っている。1992年から6本抜粋した木の箱に入ったセットは2000ユーロだそうだ。2004年はいい年で300ユーロだか400ユーロだかするそうだ。こうなってくると値段が独り歩きしているようで、ブルゴーニュワインみたいに高騰している感じがする。私の舌ではそんな値段は味わいきれません、というと店主は「まぁねぇ、勉強しないとねぇ」と、あはははと笑った。

 エノテカのご主人だけあって、色んな質問に即座に答えてくれる。また勉強してここに来たら楽しいだろう。

 夕飯には昨日の余りのサラダとチーズとサラミで前菜。メインは先週の余りのカレーと黒米とほうれん草の煮ものとフフ。

 今日、新しく入れた食材はフィノッキオ。せり科の植物でちょっと癖のある甘みを持つセロリのような味。

 これを薄切りにして塩・コショウ・オリーブオイルでサラダ。レモンと塩で茹でてからフライパンで焼き目をつけて最後にパルミジャーノを削ったものをふりかけてチーズにも焼き目をつけた物、ソテーしてカレーに加える。と3種類の食べ方で楽しんだ。2番目は本来は茹でた後にバットに並べてチーズを削りかけてオーブン焼きするイタリア定番の料理を、オーブンなしで作ってみた。思ったよりも甘みも気にならず、とてもおいしい。いやー、我が家の食生活にもフィノッキオが入ってきたぞ!

 夜はカメルーン人のドリスからエロeroの差し入れ。エロは濃い緑色の芝生のような植物でドリスはほうれん草と混ぜて例の小魚と肉で炊く煮物にしてくれた。今日はトウガラシも入ってピリ辛。エロは固めでわかめ系のしゃきしゃき感がある。ドリスのお母さんがカメルーンからこちらに来る人に託してきたというから、何と産地直送。貴重な体験をさせてもらった。







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