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2014年
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2月:1,2
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
5月:1,2,3,4,5
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2013年
1月:1,2,3
2月:1,2,3,4
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
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7月:1,2,3,4
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9月:1,2,3,4
10月:1,2,3,4
11月:1,2

2012年
1-1,1-2,1-3,1-4
2-1,2-2,2-3,2-4
3-1,3-2, 3-3
5月:1,2,3,4
6月:1,2,3,4
7月:1,2,3,4
8月:1,2,3,4
9月:1,2,3,4,5
10月:1,2,3,4
11月:1
2014.4.28(月) 日本(沖縄)
香港からのお客様

 作業休日の今日は、朝から自家製トマトたっぷりのブルスケッタを楽しみ、部屋の掃除、シーツの洗濯などと順調に休日のメニューをこなした。

 外出してしまったお父さんとお母さんから「好きな物を勝手に調理して昼食を食べてね!」というお言葉を頂いたのをいいことに、ランチはチキンソテーにこれまた自家製のトマトソースたっぷりというランチでご満悦。

 午後からは日記を書いたりしながらゆっくり過ごしていると、夕方になって香港人のカップルが農園を訪ねてきて、にわかに賑やかになってきた。

 彼らは2年前にここでウーファーとして2週間滞在したカップルだそうだ。今年、久しぶりに沖縄への旅行を決めて、2年前に滞在したやんばる地区3軒の農家を1日で訪問するという計画で最後のお家として伊芸農園にやってきた。

 日本語が達者な二人は、もちろん農園のお父さん、お母さんにも大歓迎されてお母さんは得意のトンカツを用意。にんにく、醤油、泡盛に漬け込むと肉は柔らかくおいしくなる。これをトンカツにするのだ。

 香港カップルは高校時代に知り合ってずーっとお付き合いしているが、まだ結婚はしていない。IT企業に勤める彼は数年間は必死で働いたら、また少し次の進路を考えたいと言っていた。現代世界の先進国でエンジニアをやっている人が考えそうな柔軟な姿勢だ。

 私としては、数年後にはどんな可能性と未来を描いているのか大いに興味がわいたが、農園のお父さんとお母さんは「もう、そういう一流の仕事をしているんなら、一生そこで勤めて子供を作ってしっかり家族を増やしなさい」と、二人は当然結婚し、そして次は子供を連れてやってくるだろうと勝手に未来像を描いて話している。

 この半ばごり押しのストーリーは二人を苦笑いさせていたが、おそらく香港の実の両親とも変わらぬ愛情をも感じているようで、「そうですね、次は子連れになるかもしれませんね」と穏やかに同意を示し、自分の事はそれ以上語らなかった。こういう穏やかさが日本人的な感じで、ここの両親にも歓迎されているのかもしれない。

 トンカツは普通のソースに加え、すりおろしニンニクと塩コショウで味付けしたヨーグルトとバルサミコ酢を加えたトマトの2種のソースを用意してみたが、トマトのソースがとてもおいしかった。デザートには香港人が持ってきてくれた月餅風菓子を楽しみながら、2年前に彼らがいた時に農作業の話を楽しんだ。

 2年前はトマトに忌避剤という天然素材の防虫剤をかけていなかったので、ヤトウ虫という蛾の幼虫が大量発生した。彼らの仕事は朝から青虫を箸でペットボトル2リットルに入れていくことだったそうだ。すぐに2リットル一本が虫で一杯になり、それは大変だったらしい。現在ウーファーの私たちとこの大変な作業の思いを共有したかったようだが、今年は彼らの年に比べたら虫の数はこれでも断然少ないらしい。お父さんが「今年はもう虫がいないんだよねぇ」と言うと、明らかに残念そうな表情で「それはよかった」と言っていた。

 そんな彼らのお陰で思わぬ楽しい夕食会となった休日の夜だった。


2014.4.29(火) 日本(沖縄)
田芋が旨い

 朝、朝食用のレタスを畑に採りに行ったらいつの間にかレタスは花芽を付けて大きく育ち、クリスマスツリーみたいになっていた。

 こうなると葉が固くなってきてあまりおいしくはない。レタスは今後は虫がつきすぎて商品にできないので、スーパーでは売られているのは農薬まみれの物しかないそうだ。

 「夏になったら安全に食べられるレタスはない」というのがお父さんの口癖だ。

 作業は夫はうっちんの植え付け、私は収穫。

 今日も作業後にウォーキングをやってみた。

 前回やりすぎた感があったので、今回は15分歩いたら引き返して全部で30分のウォーキング。仕事の後としては、こんな量が丁度いい。

 最初に畑の向こうにパーっと海が見える景色があるが、そこからすぐに両側が林の道が続く。15分間歩いた所は全く海も見えない場所で、そこから引き返してきたが、あまり面白い景色ではなかったなぁ。

 家に戻ると、今日の民泊の子供たちがお母さんとサンターアンダー作りの体験実習を行っていた。今日の中学生はとある国立教育大学付属中学の女子生徒5名。先日のおっとりお嬢さん中学生と比べると背は低くて体型は中学生らしいのだが、発言が活発で好奇心も強く滅法にぎやかだが、時折プライドの高さから互いがキリリとぶつかり合いそうな場面もある。勝手なプロファイリングだが、偏差値高し、育ってきた家庭は中流の上以上、両親は高学歴を感じさせる子供たちだった。本当に色んな中学生がいて、こんなにも違いがあるのかと驚く。

 夕食はもずく酢、ゴーヤチャンプルー、田芋、中身汁とご飯。

 もずくは漁協の知り合いからの頂き物。しっかりとした歯ごたえを感じるもずくはとてもおいしい。しかも器に盛られたその量に中学生も大感激。「コンビニで買うパックはもずくよりも汁が多いのに、こっちのはもずくがたーっぷり!」と大喜びだった。

 田芋は田んぼで作るサトイモに似たイモだが薄紫色でふかした物を食べると上品な甘みと栗のようなコクがある。これにタピオカの粉と砂糖と水を加えて餅のように練り上げた食べ物が沖縄の伝統料理の一つだそうだ。モチモチして甘くてとてもおいしい。タイのバンコクのデザート屋台にかき氷屋があるのだが、そこに置いてあるかき氷に入れる具の一つにありそうな味なのはタピオカのせいだろうか。沖縄ではデザートというより、食事と共に出されるのだそうだ。

 で、中身汁の中身とは内臓の事。豚の腸を茹でこぼして臭みを抜いてからコンニャクやシイタケや根菜と共に鰹だしのスープにしたもの。臭みはほとんど感じられず、こちらも中学生にも好評。


2014.4.30(水) 日本(沖縄)
民泊で沖縄料理三昧

 今回の民泊中学生は2泊なので、食事の回数が多い。農園のお母さんはなるべく沖縄エッセンスを食事に盛りこもうとメニューに工夫を凝らしている。

 朝は洋風にしたが沖縄名物のスパムの薄切りソテーとヨーグルトソースに地元でとれたタンカンジャム。

 スパムは米軍経由で沖縄に入ってきていると思われる加工肉の缶詰でコンビーフのような感じだが、もっと脂身が多くしっとりした豚肉ハムのような物だ。まぁ、正直脂が多すぎて体に絶対悪い感じがあり、また何が入っているかわからない得体のしれない食品に思えて、私個人としては好みではないけれど、沖縄文化を知るという面では体験するのは悪くない。

 タンカンはオレンジに似た果物でつい先月まで生が出回って農作業中にも食べていた物。ジャムにしてヨーグルトに和えてもすこぶる美味だった。

 お昼はジューシー(ひじき入り混ぜご飯)、フーチャンプルー(溶き卵に浸した麩をスクランブルエッグ状にして炒め物に入れた一品)、ソーキそば(三枚肉の薄切り入り)と全部沖縄料理。

 炭水化物比率が高いのに、とてもおいしいからついつい食べてしまう。炭水化物削減ダイエットをしている私には厳しいメニューなのだった。

 で、夕飯はBBQ。これは沖縄料理というわけではないが、炭火でお肉を焼くBBQはいつでも人気がある。この家は広い土間があるので屋内でできるのも魅力だ。

 ここで一つ残念なのはBBQなのにお酒が飲めない事。民泊の中学生、高校生を受け入れる家庭のルールの一つにホストはお酒を飲んではいけないというのがある。民泊を始めて何か事故が起こる度にルールが追加されて、今ではホストのお酒禁止、軽トラの荷台乗車禁止、ホストが生徒をビーチに連れて行くの禁止、異性の同級生を預かったホスト同志の合同の夕食禁止など様々な禁止事項があるそうだ。最後の禁止事項なんて必要なんだろうか?自由恋愛阻止・・・ちょっとつまらないけど、修学旅行は受験前だったりするから仕方ないのかなぁ。


2014.5.1(木) 日本(沖縄)
イタリア語講座

 ここに来てから朝、昼休み、夕方の3回、少しずつ夫とイタリア語を勉強している。

 テキストはもっぱらNHKラジオ講座なのだが、月曜日から水曜日までの初級編、木・金の中級編があり、しかも一つ前のクールの復習番組もあるから合計4種類の講座になる。

 これに絡めて単語を増やすための本があり、2年くらい前に買った文法と聞きとりのテキストを併用しているので、なかなか忙しい展開になっている。

 ところで、4月から新しく始まった中級編の「イタリア24の物語」という講座がとても面白い。イタリアから24個所の都市を選び、その都市にまつわるエピソードを紹介するという内容なのだが、オリジナルは講師の池上英洋氏の「イタリア 24の都市の物語」(光文社、2010年)をおそらく同じく講師のアレッサンドロ・グィーディ氏がイタリア語に翻訳しているようだ。とてもわかりやすく文法的に素直な文章でありながら面白い内容なので、どんどん集中できる。5月1日放送の都市はリミニ。アドリア海に面したリゾート地にまつわる「パオロとフランチェスカ」の悲恋の物語だった。

 再びイタリアを訪れる日までどれだけこうした蓄積を増やせるか。そう思うととても楽しみだ。


2014.5.2(金) 日本(沖縄)
月桃効果

 ここの所、トマトハウス内に蚊が大量発生している。別に以上な事態ではなくいつもの事らしい。虫よけ様に帽子の上からかぶるネットを農園から借りているのだが、これをつけると作業がしづらい場合もある。虫よけクリームを塗るという手もあるのだが、先日思いついたのは無農薬で周辺に自生している月桃の葉を首に巻いたらどうかという作戦だった。

 月桃は昨年11月にここを訪れた時に知った植物だが、防虫効果があるとされていて、沖縄では乾燥した葉をタンスの中に入れたり、月桃の茎や葉を煮て蒸留したエッセンスが防虫効果のある化粧水として販売されている。そこで私たちは月桃の葉を切り取り、もんでエッセンスが出やすくした物を直接首回りに巻いた。

 これ、結構、効果あり!甘い香りも心地よく顔周りに虫も寄らずに気分よく仕事ができた。


2014.5.3(土) 日本(沖縄)
ゴールデンウィーク開始

 暦の上ではゴールデンウィークが始まった。私たちの休日とは関係ないのだが、この時期に沖縄を訪れる観光客を見込んで、やんばる地区はなんとなくウキウキした気分になっている。ここの農園にも道の駅で是非農産物を売らせて欲しいと村の婦人会から要請があり、作っている農産物を出すことになった。

 農家の人と話をしていて感じるのは、「売る」という事に対して消極的だと言う事だ。農家は作り手であって売るのは別の誰かという考えを持っている人が多いように感じる。農園を訪れた知り合いの中には、メーカーから果物を加工して果汁にして販売してくれと要請されて「農家なのに加工までやらされるとは屈辱だ」と語っていた。よくわからないなぁ。私から見ればJAを離れた農家は製造・販売を行う一事業者なのだから、どうやったら販路を広げられるかから販促まで考えるべきだろうと思う。

 そこで、道の駅での販売に際して
・立て看板の設置
・住所入りちらしを作成して今後の個人客への直接販売へのきっかけにする
・ブルスケッタを作って試食販売する
の3点を提案してみたのだが、採用されたのは農園の紹介をしたA4版の看板だけだった。それも「そんなに作りたいのなら、作ってもいいよ」と逆に許可された形だった。その経緯には納得はできないが、それはともかく、自分たちにとっては農作物をどうアピールできるかというチャレンジ課題だと楽しむ事にした。

 今日出荷分は夕方には完売。初日の売れ行きは上々みたい。

 今日は農園の息子さんの友達などが休暇がてら農作業の手伝いにきてくれて、夜は宴会。

 すくがらすという小さな魚の塩漬けは発酵して魚の塩辛という趣の味。島豆腐に合わせて食べるのが定番だそうだ。近所の人が差し入れてくれたテビチーは豚の足かなぁ?おでん風の淡い汁に大根や昆布とともに煮込まれてとろとろに柔らかくてとてもおいしかった。中でも嬉しかったのは、お父さんの農業の弟子が差し入れてくれた高級ボルドーのサンテミリオンの赤ワイン。またまた、飲んで食べてのにぎわいの夜。


2014.5.4(日) 日本(沖縄)
リゾートな雰囲気へ

 今日はトマトの配達を兼ねて本島北部のリゾートホテルでランチビュッフェをごちそうになった。配達先は婦人会がゴールデンウィーク特別販売イベントを行っている道の駅と、いつもの配達先のリゾートホテルのレストランだった。婦人会の女性達は張り切って販売してくれていて、この人たちの営業トークもあって我々のトマトも順調に売れているようだ。

 次の配達先はビーチリゾートホテル。ゴールデンウィークとあって前回訪れた時に比べるとプールサイドに寝ころぶお客さんの数がだいぶ増えていた。やや高地にある農園では気づかないが、砂浜の上を歩いたら砂からの照り返しもあって、既に真夏かと思うような暑さ。とはいえ海水はまだ冷たく、海に入っている人はいなかった。沖縄というとGWにはもう皆、泳いでいるイメージがあったのだが、そうでもないんだなぁ。

 無事に配達を終えたら、ここのホテルのレストランのランチビュッフェで昼食。ここで初めて自分たちが納めているトマトがレストランで使われているのとご対面。あのヤトウ虫や蚊やブヨのいるハウスから採ったトマトが、ここのサラダコーナーでシーフードカルパッチョやスモークサーモンの隣にすまして鎮座しているのを見るのは感動だった。

 食後は隣の敷地にある米軍基地を訪れた。GW中は一般にもゲートが開かれていた(ID提示は求められるが)。一部には特設ステージと屋台があり、夕方からのコンサートに向けてすでに場所取りをする人々やビーチ目当てで来た人々でとても賑わっていた。家族連れのアメリカ人の姿も多く異国の雰囲気が漂う中、トイレで出会った20代と思われるバイリンガルの日本人女性二人組はド派手なメイクを直すのに鏡に向かいながら流暢な英語と日本語でこのお祭りの評価をまくしたてていた。見た事のない日本の中のこうした光景は物珍しくて面白かった。

 基地内の売店では基地内で飲み終わるなら350ml缶のビールが1米ドルで買えるのだが、持ち帰りはできない。レジで缶のフタを空けられてしまうのだ。かといって、今は満腹すぎてビールも飲みたくない。「ビール飲みたいけど、もう飲めないねぇ」とお父さんといいながらしばし散策して帰宅の途についた。GWは関係なく作業が入っている私たちをこんなリゾートの雰囲気の場所に連れてきてくれたお父さんとお母さんに感謝。


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