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2012年
1-1,1-2,1-3,1-4
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11月:1
2012.01.29(日) ベルギー・ブリュッセル
ブリューゲルの景色の中を歩く

 前にブリュッセルを訪れたのはかれこれ10年以上前になる。ドイツ在住時に週末車で訪れて1泊するような忙しい訪問だったが、たまたま小便小僧がビールを放水して皆に配るというイベントを行っていて、とても愉快だったのを覚えている。

 今回は中心部のグラン・プラスから徒歩20分くらいのホステルに宿泊しいているので、観光地だけでなく周辺の居住区も見ながら散策したりして、前に訪れた時よりも随分と落ち着いて町を見ている。

 今回印象深いのは、なんといっても日本では感じた事のない寒さだ。日本の関東地方で暮らしていると体の表面温度が奪われて「うわー、寒いなぁ」と感じるのが「寒さ」だが、ここ北部ヨーロッパの寒さは体の表面ではなく骨の周りが冷え切ってしまうような「寒さ」だ。バンコクで食べるイサーン料理のソムタム(青パパイヤサラダ)はあまりにトウガラシが辛すぎて「辛い」を通り越して「舌が痛い」と感じる。ここで「寒い」を通り越して「骨が凍る」と感じる。何だかちょっと似ているなぁ。

 そんな中、新しくできたというルネ・マグリット美術館に行ってきた。彼の人生を取り巻く人々と作品と共に紹介している説明的な部分が多い美術館で、物語読むような面白さがあった。そこのミュージアムショップでルネ・マグリットと同じくらい多くの商品が置かれているのが同じくベルギー出身の画家ブリューゲルの作品集やグッズなどだった。

 ブリューゲルは父ビーテルに始まり数代続く画家一家だそうだが、この父ビーテルの作品が一番多くショップで扱われているようだった。農民たちが冬景色の中で集まってにぎやかに生活している風俗画的な風景画。そこには今、私達が目にしているのとそっくりな葉を落としきった冬木立ちと鉛色の空と光の当たらない色の建物が描かれている。

 どうせ外に出ても寒いからと、たっぷりと美術館とミュージアムショップで時間を過して外に出て見たら、今まで目にしていた作品の中に自分が投げだされたかのような風景が広がっていた。ブリューゲルが見ていたブリュッセルの息吹をリアルに感じる事ができた。しかし、寒い!


2012.01.28(土) ドイツ・デュッセルドルフ→ベルギー・ブリュッセル
カリヨン奏者で気分アップ、地下鉄のおっちゃんで気分ダウン

 朝7時15分。デュッセルドルフ中央駅発パリ行きのバスに乗ったのは10人未満の乗客だった。

 緯度が高いデュッセルドルフではこの時期の夜明けは8時頃なので、出発時はまだ墨を流したように真っ暗だった。

 ウクライナ行きのバスを午前4時から待っているのに来ないと困っているおじさん。やたらと搬送荷物を多く乗せて出発するルーマニア行きのバス。あちこちの集団からはアラビア語や東欧の言葉が飛び交い、飛行機を利用するのとはまた違った独特の雰囲気が漂っていた。

 そんな中で日本人の男性に見送られてバスターミナルに来て、同じバスに乗り込んだ金髪の女性がいた。丁度、後ろの席に座ったので、一緒にいた男性が日本人だったのかという話からおしゃべりが始まった。彼女はカリヨンという楽器の奏者で、勉強のためにブリュッセルに日帰りで行くということだった。初めて知るカリヨンに私達は興味津々であれこれと聞いてしまったのだが、彼女は一つ一つ丁寧に説明してくれてとっても楽しい時間を過す事ができた。そんな彼女との出会いでまずは気分アップで一日が始まった。

 午前10時半過ぎに到着したブリュッセル。まずは宿に向かうために交通機関の切符を買おうとした。最初にトラムに乗って次にメトロに乗り換えるのだが、同じチケットで行けるのかがよくわからない。手元に印刷して持っていたブリュッセルの交通機関マップを見せながら、係のおっちゃんに「この駅まで行きたいのだが、チケットは買い換えずに一枚で行けるのか?」と英語で聞くと、フランス語で「4番のトラムはあっちだから、あっちへ行け」としっしっと追い払うようなしぐさをされた。フランス語で言い直せる力量がないので、仕方なく再度英語でゆーっくりと繰り返してみたのだが、全く同じ反応だった。とりあえずチケットを2枚だけ購入してトラムに乗る事にした。

 チケット窓口で後ろに並んでいた黒人婦人が「どこまで行きたいの?」と聞くので行き先を言うと、同じ方向だから教えてあげる、ついてらっしゃいと言う。途中まで一緒に行き、次の電車の乗り場まで連れて行ってくれたのだった。ブリュッセルの人はなかなか親切じゃないかと思っていたら、傍らで夫が静かに落ち込んでいた。

 どうかしましたか?

 どうやら、先ほどのチケット窓口のおっちゃんの態度が気になるらしい。「そんなに俺たちはみすぼらしく見えるのか?」「出稼ぎに来た東洋人に見えるのか?」「やっぱり、散髪しないからかなぁ」としきりに言っている。まぁ、これだけ多くの荷物を持っていたら出稼ぎに来ていると勘違いされても仕方ないだろうし、そうでなくとも東洋人に対して意味なく威丈高に振る舞いたがる人をヨーロッパではしばしば目にするから、私はあまり気にもしていなかったが、夫にそう言われるとあの黒人婦人もそういう目で私達を見ていたのかもしれないなぁと思えてきた。ちょっと気分ダウン。

 さて、こういう場面で何を改善したらチケット窓口のおっちゃんに邪険に扱われなかったのか?

1.荷物はスーツケースと貴重品カバンくらいにする(現状、プラス2のバッグを持っている)
2.スーツケースもカバンも今のようなボロボロで薄汚れたものでなく新しくする
3.アジア風なずだ袋はもたないこと(タイで気に入って買ったばっかりだが)
4.散髪する
5.バリ島で買ったパナマ帽風の帽子は真冬のヨーロッパではかぶらないこと(入れる場所がないため)
6.アウトドア用パンツじゃなくシティー用パンツあるいはジーンズをはくこと(長期移動には楽な格好をしたいため)
7.バリバリにフランス語が話せること

 書き出してみると、おっちゃんに見下されたポイントは第一印象、つまり「見た目」が多い。

 今、塩野七生さんの本を読んでいる。その中でイタリアの指導者というのは見た目にも気を使って民衆から支持を得るという事が書かれていた。ボルジア家の法王のアレッサンドロ6世は息子のチェーザレに「人は手を見るから、手の手入れを怠るな」と教え、チェーザレは常に手袋をして外出したそうだ。

 今まで見下す人間こそ見下されるべき態度だと、こういう問題は自分とは関係ないとはねのけてきたが、外見を磨くことでどの程度こういう問題がなくなるのかを試してみるのも面白い。Be stylish!次回からちょっとずつ移動時のスタイルを変えてみよう。


2012.01.27(金) タイ・バンコク→ドイツ・デュッセルドルフ
何とかドイツに到着

 朝9時にバンコクの宿を出て、夜9時近くにドイツ、デュッセルドルフのホテルに到着。時差が6時間だから18時間移動していたことになる。長い一日だった。いつくかエピソードがあったので記録しておこうっと。

 バンコクの空港に到着すると出発時刻2時間前のチェックインカウンターには長蛇の列ができていた。LCC(格安航空会社)を利用していると、こうした光景は日常茶飯事だ。お客さんの大半はドイツ人、ドイツ人を伴侶にしたタイ人がちらほらいるくらいで、私達はかなり異質な人種だった。そんな状況を見てか、ラテン系の白人中年女性が何気なく私達の隣にすーっとカートを押してきて「一緒に並んでまーす!」という雰囲気を出してきた。列に並び始めてかれこれ20分くらいが経過していた時だ。もちろん私達の後ろにも人が列をなしている。

 ああ、こりゃぁ割り込みだねぇ。

 そう判断して私は彼女に行き先を聞き、同じ便である事を確認した後に、列の後ろに並ぶように言ったのだったが、確信犯である彼女は簡単には言う事をききゃしない。「どんな風に並んでいるか、わからないし・・・」とかごちゃごちゃ言っている。すると、後ろの方に並んでいたドイツ人の男性がつかつかーーっと寄ってきて「みんな、ずーっとこの列に並んでいるんだ。君も後ろに行って並びたまえ!」と太い腕をぐいっと伸ばして最後尾を力強く指差す。同時に周囲のドイツ人は肩をすくめて彼女を見つめながら、ひそひそと言いあっている。ここまでされると、さすがの女性もいたたまれなくなっておとなしく列の後ろへと並び直したのだった。

 バンコクにいながらにして、もの凄くドイツにいる気分を味わえた瞬間だった。こういう時に持つべき味方はドイツ人だ。

 さて、やっと自分達のチェックインがやってきたのだが、希望的観測で荷物を入れ過ぎて22.5kgにもなっていた私は、想定していた手順通りサンダル2足をスーツケースから抜き去って21.5kgで勝負に出た。これでも600gくらいは気分的に多すぎるのだ。むむむと唸る係員の女性はどういう関係からか、手持ち荷物も量るように指示してきた。

 何で?どうして?理由がわからなくて一瞬血がさーっと下がる気がした。LCCではエアーアジア以外は、機内持ち込み荷物に容量の制限は設けているが重さの制限はないはずだった。容量はぎりぎりクリアしているはず。でも、新しく重量のルールができたのかもしれない。何だ、何だ。と頭の中が急に忙しくなってきた。

 手荷物重量13kgについて、いいとも悪いとも言わずに、係の女性は今度は私達がヨーロッパに移住を試みているんじゃないかと疑い始めているようだった。渡航先に行く目的、滞在日数、日本への帰国チケットの有無、あるいは次の目的地への渡航チケットの有無について矢継ぎ早に質問されるうちに、私達が約1年間の旅行をしようとしている旅人である事が判明し、彼女の質問も公的な事というよりは彼女個人の興味から発せられるものへと変化していった。こうなったらもう大丈夫。「そうですねぇ。キャッシュはあまり持ってあるかずに、クレジットカードでキャッシングするというのが大抵の旅人の方法ですね、最近は」とか言いながら、量りに乗せていた荷物はそろーっと手押しカートに戻したりしていった。係員の気のすむまで質問に答えてしまうと、あとはもう追加料金もなく「ボン・ボヤージ」と快くボーディングチケットを渡されて一件落着。いやー、ひやひやした。やっぱり、荷物はもう少し減らそう。

 こうして無事に機内に落ち着き、約12時間の飛行の後にデュッセルドルフに到着。Bookin.comで予約した4つ星ホテルはバックパッカー宿並みの値段(49ユーロ)だが設備はすこぶるよくて快適。シャワーを浴びてばったりとベッドに倒れ込んで眠りについた。


2012.01.26(木) タイ・バンコク
出発の準備

 明日の出発に備えて荷造りを行った。利用する航空会社がドイツのLCCで預け入れ荷物の重量制限に厳しい。今までの経験から21kg未満なら目をつぶってくれそうだが、それ以上は超過料金を支払う事になる。

 今回のバンコク滞在では旧正月のバーゲン時期にあたって、いい気になって洋服を買い足してしまったし、基礎化粧品類も購入しているの重量オーバーは必至だとわかっていたが、量ってみてあまりのオーバーぶりに愕然としてしまった。5kgは超えてるな。

 オーバー分はコンピューターバッグと称するカバンともう一つの布バッグに詰め込んで機内に持ち込むしかない。どうか一つ、機内持ち込みは甘めで判断してくれますように。


2012.01.25(水) タイ・バンコク
バスが来まいと雨が降ろうと雨漏りしようと

 今日はラーメン・チャンピオンズにラーメンを食べに行くと数日前から楽しみにしていたのに、その方面に行くバスが40分も来ない。まだか、まだか、まだかとバスを待っていてやっと来たバスに乗った。

 そのバスが渋滞に巻き込まれて、進まない、進まないと思いながら乗り続け、ようやく目的の停留所で降りて歩き始めたら、雨季かと思うほどの大豪雨になった。丁度、スーパーマーケットにさしかかっていたので、買物がてら雨宿りしていたのだが、やまない、やまないと思いながら雨が止むのを待っていた。

 こうして、宿を出てから3時間かけてやっとラーメン屋に到着。ラーメンを食べおわって寛いでいたら、ボタボタボターっと天井から大粒の雨漏りが落ちてきてテーブルのすぐ脇に落下した。ふー、危ないところだった。しばらくして、店員さんがモップで床を拭きにきて、それからまたボタボタボターっと2度目の雨漏りがきてから、店員さんは少し頭をかしげて考えてからプラスチックの容器を雨漏り対策として持ってきて床に置き、「これで大丈夫!」というようにこちらを見てニーッと笑った。

 この笑顔を見て、この4時間くらいに感じていた違和感のような意味がやっと解明された。今日、私がプチいらっときていた状況の中で、同じシチュエーションにいるのに誰もムッとしたりイライラしたりしていなかったのだった。バス停でも来るバスに必死で走り寄るタイ人の姿は見られたが、時計を見てイライラしているとか、「ったくいつまで待たせる気だ」とつぶやいている人も見なかった。待ちきれない人はさっさとタクシーに乗って去っていった。

 雨宿りの時も、大雨を眺めながらも、みんなにこやかに雨が止むまで談笑していた。

 いずれの状況でも「だって、しょーがないじゃーん!」というゆったりとした空気が漂っているのだ。

 日本だったら、こんな日はイライラの空気が静電気みたいにそこら中を駆け巡っていることだろう。タイはのんびりしているなぁ。いや、色んな場面で意外にせっかちだと思う事も多いので、素早いのとか要領がいいのは基本的に好きなんだろうけど、物事が進まない時の諦めが早いのかもしれない。あるいは無駄に怒るエネルギーがもったいないと思っているのだろうか。よくわからないけど、自分がイラッとしそうになった時に、他の人が平常心だと怒りが消えるのは早いね。


2012.01.24(火) タイ・バンコク
今日の人間風景3組

 今日、目撃した人間風景で気になった3組。

 まず、1組目は市バスの中での風景。西洋白人の体の大きな初老の男性2人とタイ人の中年女性1名の3人組と同じバス停で降りることになった。タイ人の女性がやおら、白人男性の一人に「ネクシュト、シュトップ、ゴー」と怒ったように叫び、プイと横を向いて窓の外を見ている。言われた男性は「おお、ハニー、次の停留所で降りるのだね」と優しく答えていた。ガイドにしては態度が異常に不遜だし、彼女にしてはあまりにコミュニケーションが取れていない風で、一体この人たちはどういう関係なのかと私達の間で議論になった。

 夫が出した結論は「病んデレ」じゃないかということだった。

 少し前に「つんデレカフェ」というのが流行っていると聞いた。ウェイトレスさんがツンツンした上で、最後にデレっと優しくしてくれて、そのギャップでお客さんを虜にするカフェだそうだが、最近ネット上で夫が発見したのが「病んデレ」。「病んだ彼女に死ねと言われたい」男性が虜になるとか・・・。んもう、倒錯しすぎている世界でわけがわからない、という会話をしていたばかりだった私達は、このバスのカップルこそ新しい「病むデレ」の世界を具現化しているのじゃないかという結論になったのだった。男女の関係は奥が深い・・・。

 2組目と3組目は偶然スターバックスで目撃したインド系家族と、その後に来た中華系家族。何と2組ともサーバントというかお手伝いさん付きでスターバックスに来ていたのだった。お手伝いさん付きでスタバに来る人を始めて見たので驚いてしまった。スタバってそんなにハイソなカフェなのか。

 インド系家族のメンバーの一人は車椅子なので、そのお世話が必要だという事情もあったかもしれない。細々と主人が気持ちのいいように世話を焼いているのはいいが、車椅子の主人がケーキを切って口に運ぶように命じているのを見た時は、「おいおい、あんたの上半身は問題なく動いているじゃないの!」とつっこみを入れたくなった。

 中華系は老夫妻とその娘と婿と乳幼児。乳幼児の乳母としてタイ人の若い女性が一緒に来ていたのだが、若い女主人の彼女への指示の仕方がいかにも権力者っぽくて、見ていていたたまれなくなった。しかし、以前に外国で暮らす海外駐在員の妻たちと話した時に、女主人は女主人らしい毅然とした態度で接しないと、相手にバカにされて物を盗まれたりするという事を聞いたことがある。

 御主人さま家族とお手伝いさんの様子を図らずも目にすることになって、自分がいずれの立場からも解放されている事に安堵を覚えた午後だった。


2012.01.23(月) タイ・バンコク
ユニークなメンズショップの情報

 セントラル・ワールドの一角に入っているZENというデパートにはまだ入ったことがなかった。

 女性用のフロアーにはよく見るブランド名が並んで、他のショッピングモールと比べて大きく異なる感じがしない。男性用フロアーも同じく面白みが感じられなかったのだが、その上の階にジーンズショップを含むカジュアルウエアーのフロアがある。

 男女両方を扱うブランドと男性物だけ扱うブランドが入っているのだが、男性物だけ扱うブランドの商品が興味深かった。私達が聞いたことがないブランド名なのだが、面白いデザインや色使いで、品質もいいものを使っている。値段もシャツ1枚6千円くらいするのだが、この手のデザインで有名デザイナーの物だと3倍以上はする事を考えれば、お買い得だ。お洒落なゲイカップルも試着したりしていたので、私達だけがいいと思っているんじゃないですよ、きっと。

 女性の洋服は色々なブランドから様々なデザインや色使いで面白い物が揃っているのに比べて、どうしても男性物は面白みに欠ける。バンコクのショップにそんなイメージを抱きつつあったのだが、今日のZENで見直した。いつか、ここのシャツを着る日が来るかもしれない。


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