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2014年
1月:1,
2月:1,2
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
5月:1,2,3,4,5
6月:1,2,3,4


2013年
1月:1,2,3
2月:1,2,3,4
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
5月:1,2,3,4,5
6月:1,2,3,4
7月:1,2,3,4
8月:1,2,3,4,5
9月:1,2,3,4
10月:1,2,3,4
11月:1,2

2012年
1-1,1-2,1-3,1-4
2-1,2-2,2-3,2-4
3-1,3-2, 3-3
5月:1,2,3,4
6月:1,2,3,4
7月:1,2,3,4
8月:1,2,3,4
9月:1,2,3,4,5
10月:1,2,3,4
11月:1
2014.4.21(月) 日本(沖縄)
週末クッキングでカボチャのモンブラン

 作業休日の今日は、お母さんからカボチャ使用の許可をもらって「かぼちゃのモンブラン」を作ってみることにした。台座はクラッカーを粉砕してバターを練りこんだものを平らにして冷蔵庫で冷やし固め、モンブランのクリームは茹でたカボチャを裏ごしして生クリームと砂糖を加える。あーら、簡単!

 ところが、この家には十分なバターと生クリームがない。そこで半分をバター、そこにオリーブオイルを加えてみたら、台座があまり固まらずにぼろぼろと崩れる結果になった。また、生クリームがないので牛乳を同じ分量で加えたら、こちらも水分が多すぎてびしょびしょとなり時間が経つにつれて水気が外に出てくるというモンブランになってしまった。

 バターの代わりにオリーブオイルを加えたら、もっと台座が固まる要素を入れないといけなかった。牛乳は煮詰めて水分を飛ばして使うか、片栗粉など固まる要素を加えるべきだったのか?いや、そんな事をするとまずくなりそうだしなぁ。

 折角、有機野菜のカボチャが手に入ってもその他にちゃんとした材料が手に入らない場合は、色々と工夫が必要なようだ。何でも手軽に買えて作れないというこの環境は逆にクリエイティビティーを強化できるチャンスだ!と思おう。しくしく。

 農園夫妻には不評だったが、遊びに来ていたお料理好きのひとみさんと我が家の夫はおいしいと食べてくれたのが救いだ。


2014.4.22(火) 日本(沖縄)
タイムスリップな感覚

 トマトの収穫をしていたらハウス内の片隅に野イチゴを発見。空気中には色んな種が浮遊しているんですねぇ。

 ってなわけで、今日は平穏に作業を行った日。

 こういう平穏な日に作業をしていると先週までの賑やかな日々での会話を思い出す。

 フランス人Aは、この家に来て最初に驚いたのは、女性陣が食事の支度をしている最中に男性陣が食べ始めた事だったそうだ。


 同じウーファーでも男性のDや家の夫は着席して食事を始めており、女性ばかりが手伝いに駆り出されるという前近代的な構図はフェミニストのAならずとも、私も最初は驚いた。確かに私が子供の頃はこういう風景が当たり前だったが、私の周辺では今、こういう日本人はあまり見ない。親戚づきあいをしていないので現代の60歳代の実態も忘れていたから、久しぶりのカルチャーショックだった。

 以来、Aは作業が終わると食事ぎりぎりまで外に遊びに行くか、作業をするようになった。

 しかし一方では、食事の後片付けはウーファー全員で行い、皿洗いは当番制となり、当番には男性のDも夫も含まれる事になったので、男性陣が皿洗いの時はお母さんが非常に居心地が悪そうだった。男性に家事を手伝わせるのに慣れていないからだ。とはいえ、お母さんの家事の負担が軽減されて楽になる事は体験する。

 ウーファーを入れる事でこの家も徐々に近代化していく様を見る事ができるかもしれない。


2014.4.23(水) 日本(沖縄)
民泊の修学旅行生

 今日は修学旅行の中学生女子3名が農園に一泊した。

 都会の中高一貫教育の私立学校から来た3名はバスケ部ということで中学生にして全員が165cm以上も身長があり、色白でおっとりゆっくりしていて静かな感じだった。この農園に来て3組の女子中学生を見てきたが、同じ中学生でも雰囲気が千差万別。こんなに学校によって雰囲気が違うものかと驚いた。受験がないというのも、このおっとりとした雰囲気に影響しているのかもしれない。

 今日はお父さんがレタスの収穫をするのを見学してから、私がトマトのハウスに連れて行ってトマトの収穫を行う農業体験をさせた。レタス畑ではカタツムリやナメクジがうようよとレタスの葉についている。虫と接触のない生活を送っている都会の中学生は蝿さえも苦手なようで、ましてやナメクジは「ぎょぇーーー」な存在のようだった。眉間に皺を寄せて厳しい表情をしながら一人3つずつのレタスを収穫して作業は終了。

 この様子を見て、ヤトウ中という蛾の幼虫がうようよしているハウスは絶対に無理だと判断し、虫が少ないハウスで体験をさせることにした。虫がいないトマトのハウスで15分間トマトを収穫してもらって作業は終了。

 この後、中学生は母屋に戻ってお母さんとサンターアンダーギーという沖縄名物の黒糖入りドーナツ作りを体験して我々と一緒に夕食となった。

 修学旅行の行程の中に農家に宿泊して農業体験をするというのは、今、全国で行われているそうだ。訪ねた先に暮らす人々と一番すぐディープに交われるという意味では面白い試みで、普段、他所の地域と接触のない中学生には新鮮で、農園にとっては現金収入をもたらし、引率の先生たちはその晩は生徒から解放されて自由時間を味わえるという3者にとってウィンウィンの企画なので流行っていると思われる。


2014.4.24(木) 日本(沖縄)
ヤトウ虫

 作業はトマトの収穫。

 トマトは順調に大きく美しく育っているのだが、現在ヤトウ虫が大発生しているハウスが一つある。ヤトウ虫はおそらく蛾の幼虫だと思われるが、こいつはグルメで、おいしいトマトを見つけては片っ端から食べる。しかも、場合によっては一口だけ食べて次の実へというように食べ散らかしを行うのだ。

 美しく実ったトマトが3連発くらいでやられている側にヤトウ虫が丸々と太っている姿を見ると、何とも憎らしい。お陰で、指でつまんで地面に落して長靴で踏みつけて殺戮する事ができるようになってしまった。

 さて、今回の民泊の中学生はお昼ご飯を食べてから農園を出発するので、午前中はお父さんに連れられてドライブにでかけていた。

 午後からはマリンスポーツの計画が入っているのだが朝からの土砂降りはやみそうもない。残念だが屋内のイベントに計画が変更になるだろう。この時期に沖縄を訪れる修学旅行生は少なくない。色んな年間スケジュールの兼ね合いだろうが、何故わざわざ梅雨時期の沖縄を選ぶのかはやや疑問だなぁ。




2014.4.25(金) 日本(沖縄)
ヤギ刺とお刺身

 昨晩の夕飯はヤギの刺身、今晩は魚の刺身が出た。沖縄ではヤギはヒージャーと呼ばれ生肉を刺身として食べたり、肉と内臓を長時間煮込んだヒージャー汁が有名だ。最近、近所にヒージャーを出す食堂ができたので気軽にテイクアウトできるようになり、この農園の食卓にもあがるようになったのだ。

 ヤギ刺しはしょうがと酢を入れた醤油で、泡盛を飲みながら食すのが沖縄流だそうだ。一口食べて燻製のような香ばしさを感じたのだが、これは皮についている毛をバーナーで焼いたからだそうだ。

 そう。

 ヤギ刺しは皮ごと肉を食べる料理なのだ。脂身の少ない肉に少しゼラチン質でコリコリとした歯触りの皮が一緒になっている。思ったより臭みがなく、肉自体の味は薄いが、噛みしめると確かにヤギチーズでおなじみのあのヤギの味がした。


 魚の刺身もこの農園では頻繁に供される。マグロ、サーモンなど見慣れた魚が出る日もあるが、今日のように沖縄特有の魚ばかりの日もある。

 今日の皿にはシャコガイ(左下の黒っぽい物)も乗っていた。シャコガイは東南アジアでシュノーケリングするとよく目にする二枚貝で、大きなものは1mもある。ディズニーのリトルマーメイドやボッチチェリのヴィーナスがこのシャコガイがパカッと開いた中に立っている。

 あのシャコガイの手のひらに乗るくらいのサイズを沖縄ではお刺身として食べる。

 こんなに海に囲まれた沖縄本島にあって山育ちのお母さんは結婚するまで魚を食べた事がほとんどなかったそうだ。半分海んちゅ(漁師)で半分農家だったお父さんの実家に嫁いでからは、ほぼ毎日がお刺身の日々で大変に辛かったというエピソードがある。今でもシャコガイやチヌマンという魚など、いわゆる磯の香りが高い魚は、お母さんにとっては「臭い」という感覚になり箸をつけない。こんなに磯の香りがして新鮮な甘みもあっておいしいのに残念な事だ。

 因みにシャコガイが大好きなお父さんのお好みの食べ方は軍艦巻き。「酢飯を握りにして海苔を巻いた軍艦にシャコガイが乗った物は那覇の回転ずしじゃぁ200円はする。しかも、お家で食べるようにこんな大量に貝が乗っていないんだ。いやー、お家で食べるといいなぁ。」と本当に嬉しそうにシャコガイを頬張るお父さんと食べると一層おいしく感じられた。お父さんが家の事を「おうち」というのも、実は私の中では密かなチャームポイントになっている。


2014.4.26(土) 日本(沖縄)
うっちん植えつけとウォーキング開始

 今日の私の作業はトマトの収穫。夫は「うっちん(うこん)」の植え付け。数日前から夫が一人で始めている植え付けは50畝以上もあるうっちん畑にひたすら球根を埋め込んでいく作業。40cmおきにマーキングされたメジャーを土の上に置いてマークがある部分に穴を作って球根を入れて土をかぶせる。簡単な手順だが気の遠くなるような量に忍耐力が試される。

 トマトのハウスはいよいよ暑くなってきたので入り口側のビニールのとめをはずして風が入るようにした。お陰で風が吹く度にバタバタとビニールがはためきワイルドな風景この上ない。

 この農園はお父さんの会社員時代の退職金をつぎ込んで、いわば第二の人生の事業として行っている。手作りでなるべく経費をかけないようにしている。その為か、このビニールハウスもそろそろ天井のビニールが破れたり、ハウスの接ぎ目から雨が漏ってきたりしている上に、今回の脇開けにより益々風格のある趣になってきてしまった。

 まぁ、これがある意味有機農業の現状でもある。試行錯誤で手探り状態なので人を雇う事も難しく、収入も農薬を使った作物と比べて著しく高値で買い取られるわけではない。それでも子供や孫が安全に口にできる作物を作りたいと奮闘している。育ち盛りの子供を抱えた若い夫婦などは参入が難しいだろうなぁ。退職した日本人は田舎で有機農業をして日本の食を支えるというのが当たり前なくらいな社会になれば、もっと有機農業が定着するだろう。

 さて夕方は作業を終えてから、私一人ウォーキングに出かけた。

 農作業というのは以前にも書いたかもしれないが、有酸素運動ではない。収穫でいくら腕を忙しく動かしても指や腰が痛くなって筋肉がつくだけで体重は減らない。

 ここのお母さんの食事がおいしいせいもあって、ここの所、体重が増加の一途をたどっている為にとうとうウォーキングをしてみようと思い立ったのだった。

 農園からは3本の道が海に続いている。2本は西側の海へ、1本は東側へ。東側の海へは1時間40分歩く事は実証済み。遠すぎるので西側の海に向かう一本を取った。30分歩いた地点で眼下に海が広がってきた。今日はここまで。帰り道がずっと上り坂なので結構きつかった。

 夕飯には発泡酒が出された。出されたら飲んでしまう。さて、ダイエットはできるのか?


2014.4.27(日) 日本(沖縄)
トマト最盛

 トマトがとてもいい感じに実を付け始めている。どの木も大きくて艶々とした実をたっぷりとつけて収穫するのが楽しくなる。

 一つのハウスでトマト特有のダニが発生して実に金粉をまぶしたような模様がついている時、お母さんが「ああ、楽しくない」とつぶやきながら収穫していた。その時はまだ収穫自体が楽しかった私にはよくわからない感覚だったが、こうして健康で大きく育った実を見るとお母さんの気持ちがわかってくる。



 作業から戻ったらテーブルの上に変わった花が置いてあった。よく見たら、根の部分が「うっちん」、つまりウコン(ターメリック)だった。

 根しか注目した事がなかったうっちんだが、実はこんなに可憐な花をつけるのだった。日々、新たな発見がある。








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