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2013年
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2012年
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11月:1
2012.09.03(月) ミラノ(イタリア)
下町ショッピングエリア

 ドゥオーモからM1で西に2駅行ってCadorna下車、そこから南へ下るM2に乗って3駅目のPorta Genova駅で下車した界隈にショッピングエリアがあると聞き行ってみた。

 ポルタ・ジェノヴァPorta Genova駅は鉄道もきていて、乗り換えの地元民でにぎわう下町風情のある所だった。駅を出てすぐの所にいきなり「15ユーロ均一」と書かれた靴屋を発見して入ってみると、どうやら「ばった物」と本当に安い靴を混合で扱っている店のようで、よく見るとしっかりとした靴もある。うーむ、これは魅力的だ。

 ここから東の運河が合流する方向へ向かって歩いたのだが、さしてお店も見当たらず途中で雨が降ってきてしまったので運河の合流地点で雨宿り。運河に沿った界隈にはレストランが並び夜になると賑わいそうな所だった。確かに、ここにはBONDという洒落たバーがあって夕方からは飲み物の値段でビュッフェが楽しめるアペリティーボというサービスをしている。昼のBONDはランチを出していたが、ランチはそんなに面白みはなさそうだった。両方の運河沿いにはレストラン以外に可愛い服や小物を売る店もあり楽しそうだったが、雨がどうにも鬱陶しくて今日は、ここで断念。

 最初にみかけた靴屋に戻って靴を買って、このエリアを離れた。

 ドゥオーモ付近に戻ってOVSという量販店をのぞいたら、都市Tシャツシリーズが売られていて東京もあった。なかなかインパクトのあるデザインだが、これを着て日本を歩いたら右翼だと思われるだろうなぁ。ということで買う事はしなかった。

 ここのところ、雨続きでだんだんと寒くなってきた。こうなってくると町歩きもあんまり楽しくないなぁ。こういう時は温かい物でも食べようと、夕食はタコのマリネを前菜にして、野菜たっぷりの味噌汁にした。味噌買っておいてよかった。




2012.09.04(火) ミラノ(イタリア)
パピニャーノ市場へ

 今日は火曜日。週に2度のパピニャーノ市場開催日だ。道路はまだ雨で濡れているものの雨自体がやんだせいか人が多く、ゆっくりと出てきた私達は出遅れた感があった。それでも、首尾よくシャツやらサンダルやらブラウスやらを物色して今日も充実のショッピングが行えたのだった。

 途中でお昼休憩をはさんで午後からも周ろうとしたら、市の立っている場所に見慣れない車が停車していた。何かのキャンペーンかと思って聞いてみるとお医者さんのNGOだった。ドメスティックバイオレンスを受けている女性をカウンセリングする移動病院の活動を行っているのだそうだ。家庭の経済的な豊かさに関係なくこういう問題は発生していて、経済的に豊かな人程カウンセリングに行きにくいという情況もあって、こういう市などに紛れてカウンセリングできるシステムを考えたそうなのだ。メルカートに来てこういうイタリアでのNGO活動を知る事もできて今日はまた面白い。

結構な人出

揚げ物屋屋台

小魚のフライとアランチーニ(でかい!)

DVを受ける女性のカウンセリングを移動バスで行うNGO。

 今日の市は午後2時までだったので、そこからはドゥオーモまでショッピング街のチティネーゼ通りを散策した。もうちょっと天気がいいと写真も素敵になるんだけどな。

 ドゥオーモまで到着したら空の機嫌がとても悪くなっていて、洗濯物が心配なので今日はこれにて終了。いい加減、天気が回復してくれないかなぁ。












2012.09.05(水) ミラノ(イタリア)
ミュージアム、トラットリア、ジェラート、ショッピングエリア

 午前中は「トリエンナーレ・デザイン・ミュージアムTriennale design museum」に行ってきた。

 ドゥオーモの北西に広がるセンピオーネ公園の左端にあるこのミュージアムでは、何かしらのデザインに関するモダンな展示品があるらしい、という夫のややアバウトな情報をもとに訪ねた。

 ミラノでデザインと聞いて勝手にファッション関連だと思いこんでいたのだが、広告やタイポグラフィーなどグラフィックデザインのミュージアムだった。いわゆる「かっこいいイタリア」のイメージを創り出す一役をグラフィックデザインが担ってきたという館内解説が示すようにデザインのリーディングカントリーだからこそできるミュージアムで、その歴史を彩る展示品もさることながら展示方法がポップでキッチュでかっこいい。

 1階の緑の中庭を見渡しながらくつろげるカフェも素敵だった。丁度、中国のあるデザイン事務所の特別展示も行われていて、中国での新しい建築物の流れも見る事ができた。

 こういう場所でゆっくりとデザイン観賞してお茶をすすっていると(あ、実際にはカフェは見学しただけだけど)、自分がここに来る前よりもハイセンスな人間になれたような気がしてくる。そんな力を与えてくれるミュージアムがあるっていいよなぁ、この街。

 お昼は老舗のトラットリア「サバティーニ」へ。フィレンツェにいる時から情報源としてお世話になっている「アーモ・イタリア」というサイトで紹介されていたレストランだ。

 メニューには掲載されていないが聞くとランチセットがあってパスタなどのプリモ2種から1種、チーズ焼きか豚肉のグリルからメインを1種、ワインあるいは飲み物もついて10.5ユーロ。これには何とコペルトも含まれている。私はトマトソースラグーのニョッキと豚肉のグリルと赤ワインを選んで昼の定食とした。夫は単品でこの店の名物的な魚介のスパゲッティー。大きな筒型の陶器に入ったスパゲッティーはピザ生地で覆われたフタを開けると閉じ込められていた香りがウワーッと食欲を刺激する素晴らしい一品だった。18ユーロもするが魚介の量と味の質を考えたら納得する値段だ。

 古参のウェイターもいい感じにこなれていてよかった。

 おいしいお昼ご飯を食べたばかりだが、手持ちのミシュランガイドブックで気になるレストラン情報を地下鉄のポルタ・ロマーナ駅付近でみつけていたのでチェックしにでかけた。Giulio Pane e Ojo Osteria Romana Milanoは星はないが地元民でにぎわっていて10ユーロのランチセットやアリーチのパスタなど値段とメニューが魅力的だった。ローマ料理だそうだ。南イタリアのカラブリア料理が楽しめるというDongioは既にランチタイムが終わって扉が閉められていたので店内の様子はわからなかったが、先ほどのオステリアよりも価格が高く雰囲気もアッパーな感じだった。最後のAliceはミシュランのガイドブックで星1つを獲得している女性シェフの店。ミシュランのサイトでは平日ランチに25ユーロのメニューがあるというので確かめに行ったのだが、セットメニューは75と85ユーロのみだったので太刀打ちできずと断念した。3軒見たうちで良さそうな1軒にヒットしたのでまぁまぁの収穫。

Giulio Pane e Ojo Osteria Romana Milano

Dongio

Alice

ポルタ・ロマーノというくらいだからポルタ(門)の跡もある。

 ここからドゥオーモまでつながる道は立派な幹線道路の一本。ショッピング通りという感じではないがちょっと小路にそれたりしながら歩く道はやはりイタリアという雰囲気が漂っていて楽しかった。

 今日の観光の仕上げはミラノに新しくできて人気だというCioccolati italianiへ。ドゥオーモから近い裏通りにあるのだが、「イタリア人も行列を作る」のを見る事が出来るほどの人気ぶりだった。

 レジで支払ってレシートを受け取り、自分の番号が壁面の掲示板に表示されたら注文するのだが、変わっているのはまず「ビアンコ(白)」か「ネロ(黒)」かチョコレートを選ぶ事から始まるところだろう。選んだチョコレートをコーンの中にだーっと注ぎこんで、その上にジェラートがのっかってくる。ジェラートの冷たさでチョコがコーンの底でパリパリになったのを楽しむのが新しい感覚だった。もっと言葉が達者なら半分のチョコはジェラートの上にかけてもらえるみたいだ。

 味は時代に逆行するかのように重くてもったりと濃い。私の感覚ではジェラートよりもアイスクリームに近いなぁ。個人的な好みではジェラートの方が好きだが、この人気ぶりに参加したのはよかったな。

底にチョコが埋まっているので和えてチョコ系のジェラートは避けた

店の外のウィンドーはチョコレートの滝?

 ヴィットリオ・エマニュエル2世のガッレリアを通りかかった時に、真ん中近くの床の上でくるくる回っている人を見かけた。

 床の雄牛のモザイクのある部分の上でかかとで3回転すると幸福になれるという言い伝えがあるのだそうだ。みんなが周るのでその部分はへこんでいるからすぐわかる。インド系の人も、中華系の人も、アラブ系の人もここでは皆、幸せになりたくてクルクルと回る。そのこと自体がとても平和で幸せな光景をつくり出していた。

 ここから地下鉄で向かったのはメトロ1号線のCONCILIAZIONE駅から東に続くCorso Vercelli通りだった。ここに観光案内所の人から教えてもらったショッピングエリアがあるのだ。

 今まで訪れたショッピングエリアの中では一番中心部から外れている事もあって、もしかしたら少数移民の香りが強い所かと期待が高まった。前回は中華だったので、今度はインドか?アラブか?しかし、期待に反してというか、予期しなかったことに、ここは割合裕福な人が暮らす新市街という雰囲気の所で中級からアッパーなブランド店が商店街のような気軽さで並んでいるというショッピングエリアだった。ここに来るともう観光客の姿はほぼ見られない。雑多な観光客に邪魔されずにミラネ人がゆっくりと買物をしている雰囲気があった。エリアの終点の地下鉄駅Wagnerには地元密着型の商店街が1つの建物になったような市場があって、夕方からのお買い物時間に備えた準備も終わってか魚や肉や野菜が美しくぎっしりと並んだ店の奥で従業員たちが談笑していた。こんなに充実した市場があるとスーパーはいらない。住みやすそうないいエリアだった。

 ということで今日も目一杯ミラノを歩いてみた。いわゆる「観光名所」は朝の博物館だけだったけれど、それ以外の「街を見る」のもミラノでは十分に実りある観光になるのがイタリアのすごい所だ。


2012.09.06(木) ミラノ(イタリア)
計らずもメルカートで買物、ミラノ、そしてBBQ

 悪天気が1週間も続いたが、ようやく今日、晴れ間が出てきてBBQにふさわしい日となりそうだった。ということで、今日は街歩きは少しにして早く帰ってきてBBQ。そんな計画が朝、決まった。

 キャンプ場からバスに乗って地下鉄駅のある場所Primaticcioで降りると、今日はそこでメルカートが行われている。バスと地下鉄は90分以内なら連続して乗車できるので、ちょっとメルカートをのぞくくらいの時間はありそうだった。

 中央のメルカートに比べるとひなびた感じで店数も少ないいが、今日はストッキングと靴下のバッタ屋さんが出ていて、丁度欲しいと思っていた私は飛び付いた。14ユーロと書かれたファンシーなストッキングも、派手な花柄の靴下も、真っ黄色の長いソックスもみーんな1ユーロ。確かに元値では買うのを躊躇するような代わり物ばかりだから、ここまで流れてきてしまったのだろう。しかし1ユーロなら買う、買う。

 思わず興奮したローカルのメルカート見学を終えてドゥオーモまで行ってみれば、町は今夜のヴォーグ・ナイトに向けて準備が進んでいた。あの有名ファッション雑誌「ヴォーグ」の声がかりでミラノの洋服店が今夜は夜遅くまで店を開けてイベントを行うということらしい。イタリアのユニクロ、「OVS」でもDJを招いて店がクラブ化するイベントがあるようだった。

 ただし、このクラブに参加するには「OVSで扱っているあるブランドの服を着ていなければならない」というドレスコードが設けられている。それで販売促進になっているというわけだ。

 そんな様子を見学してドゥオーモ広場の彫刻の足元でランチ。この大きな彫刻の足元には丁度ベンチになる縁石があって、ここでお弁当を広げるのが最近の我が家のトレンドだ。都会でピクニックするのは場所をみつけるのが難しいのだがミラノはこの場所があるからいい。

 予定通り早目にキャンプ場に戻って、今夜はBBQ。ピーマン、ナスは丸ごと炭の中に埋めて焼き、網の上でズッキーニ、手羽、子牛のレバー、子牛肉。子牛のレバーは臭みがなくて甘味が強く、勧めてくれたイタリアンシェフの言う通りイタリアで「食べておくべき物」の上位ランクに来る。


2012.09.07(金) ミラノ(イタリア)
10 Corso Como 超ハイセンスなセレクトショップ

 「アーモイタリア」というサイトで紹介されていた「10 Corso Como」が面白そうだったのっで行ってみた。

 地下鉄M2のポルタ・ガリバルディPorta Galibardi駅から南に少し歩いた場所にコルソ・コモという通りがある。駅からコルソ・コモに至る道は現在、駅前再開発の真っただ中で工事現場の中を通るようだったが、工事現場の囲いの中には新しい町並みが見えて既にできあがっているガラス張りの近代的な建物へと続いている。ここができあがったら、新名所になりそうな気配がもうしていた。コルソ・コモはそうしたお洒落予定区域を先走るように整然と洒落たたたずまいの通りで、両脇にあるブティックやレストランもちょっと格上のハイソサエティーな雰囲気を出していた。そこの10番地、まさに住所がその場所の名前になっているのが10 Corso Comoだった。

 道路に面した入口はツタに覆われた入り口だけで、「小さなお店なのかな?」と思わせるのだが、中は中庭があって、大きな邸宅を利用したカフェ、レストラン、セレクトショップ、ギャラリー、デザイン書籍が一緒になったハイセンスコンプレックスだった。ブティックに置いてある商品は私達にとっては実用品というより美術鑑賞に近く、「誰がいつどんな状況で着るのだおるか?」という疑問も感じつつアートとしての洋服を堪能できる場所だった。仰天のお値段も楽しめる。デザイン書籍のフロアーもかなりユニークな商品が揃っている。本気で欲しくなったのはアラン・デュカスという今をときめくフレンチシェフがこれまでに創り出してきた料理の写真とレシピをまとめた本。B4版で厚さ10cmくらい、お値段は400ユーロ近かった。重いし、高いし、買えなかったけど魅力的だった。日本人らしき人もちらほらお客さんとして来ているが、みんなアートかファッション系という服装とヘアースタイルの人ばかりだった。こんなお店が成立するのもファッション大都市ならではということで、面白かった。調べたら東京にもあって最近、銀座に引っ越したらしい。年末にでも行ってみよう。

 ここから更にコルソ・コモ通りを南下すると目の前に大きな門のある大通りに出る。門の手前を左折してすぐ左手にHigh Techという東急ハンズのようなお店も面白いと聞いてのぞいてみた。ここも一軒家を使った3階建てのショップで、内部は実に細かい雑貨が所狭しと置いてある。コルソ・コモよりはずっと手の届く値段の商品が多く、キッチン用品から寝具、文具と多岐にわたる商品があるので1つずつ楽しんでいたら時間がどんどん過ぎていった。

この門が見えたら左へ。

High Techの建物

 さて、お腹も減った。今日は先日下調べして良さそうだったポルタ・ロマーナ近くの食堂へ向かった。Via Ludovico Muratori通り10番地にあるGiulio Pane e Ojoはミシュランのイタリア版にも掲載されている食堂で前回見に来た時は午後2時過ぎにもかかわらずまだ熱気が残っているような人気ぶり。それで、絶対に来ようと思ったわけだ。今日到着したのは午後1時数分前。私達とその後にもう一組のカップルが入った時に丁度満席となり、それ以降のお客さんから店の外で待つ事になった。おお、ぎりぎりだ。英語が話せる店員さんが来て、今日のランチセットの内容を丁寧に説明してくれる。本当はアラカルトで「アリーチ(かたくちイワシ)のパスタ」を食べようと夫は思っていたのだが、どう見ても「ランチセットの中から選んでくれよ、忙しいんだから」という空気に押されて彼も私もランチセットにした。

 パスタたっぷり一人前が来て、軽めのメインが来て、ワインか水かソフトドリンクがついて10.5ユーロ。とにかくパスタがおいしい。きっちりアルデンテでだしのきいたソースやチーズがたっぷりしている。メインはイタリアのこういう食堂の場合は「腹の足し」みたいな物だからまぁこんな物だ。フランスの食堂では肉の量が多くて10ユーロ増しになるのが通常だが、それに比べたら味も丁寧だし日本人にとっては無駄に多くないし、満足度はずーっと高かった。

 ポルタ・ロマーナからドゥオーモまでぶらぶら散策して帰ってくるとフェラーリショップの方が騒がしい。行ってみると、数台のフェラーリが展示されていて中の一台を使ってゲームセンターにあるドライビングゲームができるようになっていた。なんて贅沢な。

 運転しているのは50代くらいのおじさんで、もう中学生以上に夢中になっていたが、何せスピードが半端ないのでコントロールが難しいらしくよく激突している。バーチャルじゃなかったらもうおじさんは5回くらい死んでいるだろう。それでもやめない。それくらいフェラーリは男心をくすぐるマシンらしかった。

 展示されているフェラーリを見たらスピードメーターは340kmまであった。

 夜はフェデリコ・フェリーニ監督のローマを観賞。またもやイタリア語音声でイタリア語字幕なのでセリフはほぼ理解していないのだが、そもそも内容がファンタジックなので問題ない。

 毎回、同じような感想になってしまうが、これだけ浮世離れした夢の世界のような映像を見せられながら、この後でイタリアの街を歩くとなぜか映画で見たような人やシーンを見かける。フェリーニ監督の人間観察能力とその表現能力は本質をついているのかと思うとやっぱり天才を感じる。

 因みにジャケットを飾っているのは映画の中でほんの数秒しか出てこない巨漢の古参の娼婦だが、あまりにインパクトが強いから使ったのだろうと納得できる。

 今日も練る間際までイタリア三昧の一日となった。


2012.09.08(土) ミラノ(イタリア)
メルカート、揚げ物

 今日はミラノ滞在最後の土曜日、そして最後のメルカート。

 今年はフィレンツェのカッシーネのメルカートから始まりミラノでも頻繁にメルカートに通った。もはやスーツケースは衣類でいっぱいで、これ以上買う余裕もないのだが最後ということで行ってみることにした。

 土曜日、そして久しぶりに晴れ間が戻ったということもあり、前回に比べるとお店の立ち上がりが早く私達はかなり出遅れた感じだった。来ているお客さんもやる気に満ちていて、夫が試着しようと手元に置いていたラルフローレンのシャツは知らぬ間に別の女性に持ち去られていたし、朝早くから来ていたらしい別の女性の手には滅多にメルカートには出てこないデシグアルのスカートがしっかりとつかまれていた。最後のメルカートは熱い空気を味わうことはできたが戦利品はあまりなく、来年に持ち越しという結果で終わったのだった。

 とはいえ、今日のメルカートの目的は新鮮な魚介類。キャンプ場でフライにしようと買いに来たのだ。朝一番で見て狙っていたアリーチは売り切れてしまったが、小さなタコとエビは買えた。キャンプ場に戻ってから近くのスーパーで魚とズッキーニを買い足して夕飯はシーフードフライ。「ニャォー、ニャォー」とネコのような鳴き声のくじゃくが洗濯物とキャンピングカーの間を徘徊する和やかな土曜日の午後、カラッと揚がったフライと白ワインというのはご機嫌な夕べだ。

 前回ミラノのこのキャンプ場に滞在した時は9月ともなると閑散としていたのに、今回はオーストリア、ドイツ、イギリスナンバーのキャンピングカーがそれこそ最盛期かと思う勢いでキャンプ場にやってくる。滞在は1〜3泊と短いので目的地に向かう途中なのだろうが、それにしても2年前とは人の流れが変わってきているようだ。ここ数日はオーストリア人の年配者が20台くらいの集団でここに集っていた。お揃いのポロシャツに「モバイルオートクラブ」と書かれていてツアーガイドのような女性もいる。つまりキャンピングカーによる団体旅行ってわけだ。昼間は集団で市バスに乗ってミラノ市内へ観光に行き、夜になると集まって「ヨロレイッヒー」とヨーデルを歌っていた。


2012.09.09(日) ミラノ(イタリア)
スイスのフォックスタウン

 先日訪れたミラノ南部のサラ・ヴァレーにあるアウトレットの他に、ミラノから行ける人気のアウトレットとして北部のフォックスタウンがある。コモ湖というイタリアの有名な高級リゾート地のすぐ西側はそこだけスイスが垂れ下がったように入りこんできていて、ミラノから車で30分ほどなのにフォックスタウンはスイスになるのだった。

 ミラノから高速道路に乗ってスイスイと走っていくと高速道路の途中に国境があって検問所で警察官に車を停められた。

 パスポートチェックかと思っていたら、スイスの高速道路利用代金40スイスフラン(約3300円)を支払えという。フォックスタウンはここから高速道路で10分も走らない場所にある。それなのになぜそんなに?と聞くとスイスでは高速道路は1年間有効のこの支払い方法しかないので1回の利用でもこの金額になるというのだった。

 知っていたら国境手前で高速を降りて下の道で行っていたのにぃぃぃぃ。スイスの理不尽な料金体系に朝っぱらから腹立たしさを覚えながらスイス入国となったのだった。

 サラヴァレーと違ってフォックスタウンは全店が1つの建物の中にあるので悪天候でも気にせずにショッピングが楽しめるし、ミラノからの距離がサラヴァレーの半分くらい、入っているブランドもサラヴァレーよりもアッパーな物が多く、高級ブランド品狙いの人にはいいというのがここの利点。

 入国時の高速道路代金を40ユーロで支払ったら6スイスフランを硬貨でお釣りとしてくれていた。フォックスタウン内の食べ物屋さんで使おうと思ったらサンドイッチでさえ6フラン以上している。使えないなぁ。そう思いつつもショップをほぼ全て見て回ったら、Espritで夏物バーゲンが見つかってなんと3スイスフランの商品があるじゃないか。これこれ。ここで2枚夏用タンクトップを買ってスイスフランを消費したのだった。しかし、何となくスイスにやられた感がぬぐえず今日は一日不愉快だった。

 そんな初っ端からの感想を除いても、サラヴァレーにも入っている中級ブランド(Geox、Timberland、Sisley、ベネトン)の値段を見るとイタリア側であるサラヴァレーの方が安く、品揃えも豊富かつ洒落ていたし、サイズも日本人に合う(イタリア人が小さいから)物が多かった。ということで、私としては遠くてもサラヴァレーにより魅力を感じる。

 キャンプ場に戻ってきて夕食は昨日の余りのシーフードフライと黒オリーブを使ったペンネ。先日訪れたポルタ・ロマーナで食べた「地中海風魚介のペンネ」を真似たものだが、シーフードと黒オリーブがセンスのいい組み合わせで大成功だった。

 デザートは、スーパーで既製品のデザートに満足できなくなっていて、マスカルポーネチーズを買ってきてハチミツとコーヒーをかけたら簡易ティラミスになるじゃないかとやってみたら大成功。既製品の安物ティラミスよりもずっとリッチしかも安いデザートができた。



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