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2014年
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2月:1,2
3月:1,2,3,4
4月:1,2,3,4
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2013年
1月:1,2,3
2月:1,2,3,4
3月:1,2,3,4
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9月:1,2,3,4
10月:1,2,3,4
11月:1,2

2012年
1-1,1-2,1-3,1-4
2-1,2-2,2-3,2-4
3-1,3-2, 3-3
5月:1,2,3,4
6月:1,2,3,4
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8月:1,2,3,4
9月:1,2,3,4,5
10月:1,2,3,4
11月:1
2012.10.01(月) ブダペスト(ハンガリー)
ドキドキ、プロの料理人にオムライスを出す

 先週、ハンガリー以外の国からまた別の国に飛ぶフライトチケットをネット上でクレジット決済し、翌日はパーティーのために通常の10倍くらいの金額でクレジットカードを使ってスーパーで支払いをしたら、どうやら詐欺にあったと思われたらしく、セキュリティーストップがかかってカードが使えなくなってしまった。

 ということで、カード会社に電話して事情を話してロックをといてもらう作業が発生。ま、面倒だがこの高度なセキュリティーシステムには助けられたこともあるので文句は言えない。

 宿に戻ると、Mちゃんという旅人が遊びにきていた。別の宿に宿泊しているのだそうだが知り合いがいるか確認しに来たという。彼女が探しに来た知り合いたちは私たちも数日前にここで顔を合わせていた人たちだったが、みんなそれぞれの事情があって早目に出発してしまい、今は誰もいない。

 「そうなのかぁ」とふと寂しげな表情になったMちゃんに「じゃぁ、お昼ご飯でも一緒に食べよう!」と誘って一緒にスーパーに買物に行き、宿でオムライスを作り始めた。

 と、そこへ、ブダペストでお寿司やさんを営む奥山さん(「奥山の寿司」のご主人)が手土産にお菓子を持って遊びにきてくれた。それではと奥山さんも交えてオムライス。気軽に誘ってはみたものの、考えてみたら奥山さんは食のプロだった。途中から焦ってきて「いやぁ、家庭の味ということで我慢してください」としどろもどろに出したら「いやいや、おいしいですよ」と平らげてくださったので一安心。いやー、焦ったな。

 夜になると、一昨日から宿泊しているYさんという男性が「一緒にワインでもいかがですか?」と赤ワインを差し入れしてくれて、「参ったなぁ」とかいいながらも結局飲んでしまった。

 エゲルという地方でビカヴェール(雄牛の血)という名の赤ワインはハンガリーの中でもつとに有名なワインだそうだ。2007年と熟成もすすんだもので樽香がする。ご馳走になっているにもかかわらず「フランスやイタリアと比べるとぜんっぜん味が薄いなぁ」という夫に対してYさんは不愉快な顔もせずに「うーん、まぁこんなもんでしょう」と言っている。Yさん、懐が深い人でよかった。


2012.10.02(火) ブダペスト(ハンガリー)
作業、昼食、午後ドラマ、夜旅人と雑談

 日本人宿。日本語で話す日本人旅人のいるリビング、日本語の書籍やマンガが本棚に並び、日本語タイトルのDVDが並ぶ。こんな場所で日本のテレビ番組を見ていると一体自分がどこにいるのかわからなくなってくる。

 さて、最近見ているドラマは「リッチマン・プアウーマン」。IT業界で学歴とは関係なくめきめきと実力を発揮して若き社長になっているという役の小栗旬さんと、東大生にもかかわらず一つも内定が取れていないという役の石原さとみさんが主役。そういえば数年前は就職できないからとりあえず長期旅行に出てきたという若者に何人か出会ったが最近はそういう人に会わない。相変わらず就職は難しいと思うのだが、留学するなり、ワーキングホリデーにでるなり別の道を進んでいるのかもしれないなぁ。

 今宵もYさんが赤ワインを差し入れてくれてお酒と話に花が咲く夜となった。今日のワインもエグリ・ビカヴェールだがワイナリーが違う。同じく2007年だが残念ながら昨日の物の方がコクがある。とはいえ、これまたYさんの差し入れのソフトなサラミがこのワインによく合うので、ついつい飲んでしまったなぁ。ごちそうさまでした。


2012.10.03(水) ブダペスト(ハンガリー)
午後ウォーキングとプチドライブ、夜旅人と雑談

 今日もウォーキング。コースは再びドナウ川沿いの歩きやすい遊歩道。10月に入ってひと雨ごとに涼しくなってきた気がする。今日も出発時に半袖Tシャツは涼しすぎてちょっと勇気のいるかっこうになってきた。しかし、歩きだしてしまえば日ざしは温かく天気もよくて少しずつ汗ばんでくる。特にいくつも橋がかかっているのが見渡せる川沿いのウォーキングコースはブダペストならではの風景で気に入っている。

 今日も少年の彫刻は正面向きだった。この彫刻の足元に踏みボタンのようなものがあって、踏むとどこかから水が出そうな感じもあるが、もしかしてこれが少年を回すボタンかもしれないと踏みながら少年の足をつかんで回そうとしている夫の姿は虐待をしているようにしか見えない。やれやれ。

 宿に戻って休憩していたら在住のKさんが車で韓国人経営のアジア食品店に買物に行くので一緒に行きますかと誘ってくれた。もう、この国を出る日も近くなってきたので買う物もないのだが、様子を見に連れて行ってもらうことにした。同行はこの間も来ていたMちゃんとスヌース。

 外に出られて嬉しそうなスヌースがとっても可愛らしかった。

 パクさんという韓国人が経営しているお店はドナウ川を渡った東側、いわゆるブダ側と呼ばれる高級レジデンシャルエリア。この界隈に日本人の駐在員家族などが集まっているらしい。大きな家々が並ぶ閑静な住宅街は我々の宿のある界隈とは同じブダペストとは思えない雰囲気で、また違うブダペストを知る事ができたのはKさんのお陰だ。

 パクさんのお店で扱っているような商品は私達にはなじみのものばかりで、しかもここの商品はイタリアやフランスのそれに比べると高い。メキシコと比べて高いのは当たり前か。ブダペストで和食の生活を続けるのは大変だなぁと思った。そんな私達のしみったれた思惑と関係なくMちゃんもKさんも日本製の納豆やらうどんをどんどん買いこんでお買いもの終了。

 宿に戻るとオーストリアまで行っていたオーナーがお留守番をしてくれたMちゃんにオーバーラーというオーストリアのケーキのチェーン店のケーキを差し入れしてくれていた。チョコレートムースケーキを一口食べさせてもらったが、ほんのりと香るいいお酒の味や滑らかな舌触りなどが、久しぶりに本気でおいしいと思えるケーキだった。ああ、ウィーンに行ってオーバーラーのケーキが食べたい。

 今宵もYさんの差し入れ(何と2本!)で、他の一人旅の女子数名も交えて旅先でのエピソードや、今後の計画の相談に皆で知恵を出し合ったりとにぎやかな夜になった。

 毎晩エグリ・ビカヴェール三昧だが、今の所雄牛のマークのついたワイナリーの2007年がおいしかったという結論になっている。







2012.10.04(木) ブダペスト(ハンガリー)
フォアグラでシェア飯

 ブダペストはフォアグラでも有名な街だ。ここを訪れるかなりの割合のバックパッカーがどこかでその話を耳にしてきていて、チャンスがあったら食べてみたいなぁと思ってこの宿にやってくる。

 レストランで食べることもできるが、安いのは市場で生のフォアグラを買ってきて皆でシェアして食べることだ。1kgあたり4990フォリントから6500フォリント(1796円〜2340円)で、肝臓を半分にして売っているので小さくて350g、大きくて600gくらいが一塊の単位になる。ご存知の通り、無理やり太らせたガチョウの肝臓であるフォアグラは脂肪の塊ともいえ、ネット上の日本語のレシピサイトなどでは一人分50gなどと表記されている。まぁ、正直50gはお上品すぎて満足できないとしても、通常の20代から30代前半の旅人なら120gから150g食べると「もういいや」という気持ちになれる。

 だから昨日、「旅人二人でフォアグラをシェアして食べようと思っているのだがどこで買えるのか?」と宿泊者から相談された時に「二人で消費するには多過ぎるんじゃないか」という思いが頭をよぎり、ついでに「まぁ、一回くらいここでフォアグラを食べておいてもいいかな」と思ってついつい「じゃ、私たちも参加しますよ」と口をついて出てしまったのだった。実はフォアグラは昨年夏にフランスで食べ、年末年始にもお土産として買って帰った缶詰を食べているので今年はもう食べなくてもいいと思っていた。というか、健康を考えたら食べない方がいいとも思っていたのに、ついつい。いやー、フォアグラマジックだ。

 よし。

 せっかく食べるのならがっつり本気で取り組もう。そう思って、まずはレシピの調査。ネット上で色々と調べて大根のだし煮との組み合わせと、リンゴのソテーと赤ワインソースとの組み合わせの2種類を作る事にした。

 ブダペストには大きな中央市場がある。観光客が多く訪れる市場で2階は民芸品のお土産物屋と軽食レストランでびっしりと埋まっているのだが、1階は野菜・果物から肉まで生鮮品を扱う店が入っていてフォアグラを売っている店も5軒くらいある。

 フォアグラ店を見てまわって4990フォリントの店はフォアグラをビニール袋に入れただけで販売し、高い店は真空パックにして販売しているのが違いだと判明。安全を期して真空パックで販売している店で安めの店で購入した。

 昨日、フォアグラのシェア飯を決めた時には参加人数は4人だった。そう、旅人が2人しかいないから私達が参加したからそういう人数だった。しかし、この買物をする頃には参加人数は倍の8人にまで膨らんでいた。でも、もうここまで来たらやめられない。

 この両手で990g。最終9名の参加になったので一人110gとなった。

 下準備として昆布と本だしと米で大根の輪切りを煮て、煮汁の味をもう少し濃く整えてからとろみをつけておいた。リンゴは輪切りにしたのをバターソテー。ソースとしては赤ワインとバルサミコ酢と砂糖を半量になるまで煮詰めたものを作った。

 観光の都合で最初は5名、あとから4名の2組にわかれて食べることにしたのでそんなに大混雑にはならずに食べられた。


 最初の組よりも後の組の方がおいいしそうにできた。ポイントは思いきって3cmくらいの厚切りにして、割合アツアツのフライパンで焼く。の2点だったと思う。フォアグラの表面に塩・胡椒して小麦粉はふらずに焼いたがアツアツのフライパンで火を入れると即座に表面が固まって鍋肌から離れるので大丈夫だった。また、他の人が市場の売り子さんから受けた注意で「塩はせずに焼くように」というのがあって、本当は塩もせずに焼いた方がよかったかもしれない。

 フォアグラなんていう高級食材をこんなに自由に楽しめるのはブダペストならでは。この街の醍醐味を堪能できるチャンスをくれた旅人に会えてよかった、よかった。

 シェア飯の後はまたまたYさんの差し入れで雑談大会。今日はトカイの白ワインとエゲルの赤ワイン。おつまみは昨日買ってくれた柔らかいサラミに地元のとーっても辛いピーマンの細切り。脂の濃いサラミとピーマンの相性がものすごくよくて、またまたワインが進んでしまう。

 今日の雑談大会のメンバーはヨーロッパ在住で仕事をしている人が何人かいたので、参加した大学生も海外で生活することに興味しんしん。苦労話もお笑いに変えて楽しい夜になった。




2012.10.05(金) ブダペスト(ハンガリー)
昨日のカロリーを落す努力の日

 今週は本当に高カロリーな週になってしまった。ああ、Yさんのワインを飲み過ぎ、フォアグラまで食べてしまった。今日は本当に精進、精進。

 ということで、朝は普通どおり果物とヨーグルトと、牛乳、オレンジジュース、紅茶、乾パンにハチミツ。お昼は手羽のトマト煮と冷凍フライドポテトを油なしで調理。夜はバナナとピーナツバターで過した。

 午後のウォーキングの途中で、来年の2月にフランスのシルク・ド・ソレイユがマイケル・ジャクソン追悼をテーマに公演を行うというポスターを目撃。

 ああ、行ってみたいなぁ。










2012.10.06(土) ブダペスト(ハンガリー)
手巻き寿司パーティー

 この宿では毎週土曜日には何かしらの催しが行われているようだ。今週は在住のK氏主催で手巻き寿司パーティー。もはや長期滞在に属するようになった我々も声をかけて頂いて(もはや食いしん坊なのはばればれだし)、参加することになった。

 夕方から集まってきたのは宿のオーナー、近所でカラオケ店を営んでいる方、留学生、そして長期滞在宿泊者。毎回、私達の知らない方にめぐり会えるのも楽しい。が、今日はとにかく「お寿司」ということで燃えたね。ネタはブダペストから車で30分も離れた場所からK氏が朝一番で買ってきてくれた。サーモン、マグロ、イカ、白身の魚、納豆。海のないハンガリーにいてこのメニューは大変に贅沢だ。特にイカと納豆の組み合わせが大人気でたくさんあった納豆はさらーーーっとなくなった。

 この会にあたって、チェリストのEさんが作ってくれた伊達巻きもとてもおいしかった。手作りの伊達巻きなんて初めて食べた。

 正直Eさんが伊達巻きを作ると宣言した時に、そんなに心が躍らなかった。というのも既製品の伊達巻きといったら魚の風味もないし、質の悪い卵焼きくらいにしか感じられないからだ。Eさんの宣言を聞いた他の旅人も「伊達巻きって何でしたっけ?」というくらい、現代日本において伊達巻きの存在感は薄い。

 それを両親が日本人で日本生まれだがほとんどアメリカ育ちのEさんが作ってくれて、しかもおいしいというのだから面白いじゃないか。Eさんの家庭ではそれこそタイ焼きやデンブ(ほら、あのタラか何かから作るピンクのもしゃもしゃした奴)まで作っているという。

 祖国を離れている人こそ祖国の文化や習慣を大切にするという話はよくあるものだが、まさにそういう展開になった。外国にある日本人宿ならではの面白いお寿司の会。Kさん、ありがとうございました。


2012.10.07(日) ブダペスト(ハンガリー)
ラーメン、映画、夜のお客様

 今年はラーメン作りも課題の一つとしていた。思えば、昨年ここで管理人をしていたKさんがとてもおいしいチャーシューと煮玉子を作っているのをご馳走になったのがそのきっかけだった。

 今思い出しても、あの時に頂いたチャーシューと煮玉子は旨かった。

 昨日作って付けダレに入れておいたチャーシューと煮玉子は昼ご飯に食べ時になっていたので、鶏でだしをとり本だしを魚だしとして加えた汁に、スパゲッティーを柔らかめに煮た麺でラーメンを作った。今回使った豚肉が脂身が少ない肉なのでパサついた感じが否めないが、柔らかく味がしみて出来上がったからこれはこれでありだろう。現管理人のO君に試食してもらったら、「なるほど」と言って立ち去った。うーむ、やっぱりスープが今一つなのかなぁ。

 今年のラーメン作りも外国ではこれが最後になるだろう。来年も引き続きやってみよう。

 午後に「女たちは二度遊ぶ」と「悪人」という日本の映画を見た。前者は印象深い女たちを描いたオムニバス作品。後者は殺人事件を主題に犯人とそれを取り巻く人々の心情を細やかに描いてどっしりとした作品になっている映画だった。いずれも原作は吉田修一という作家さんによるものだが、最初、作品の印象は2作でがらっと変わっているように思えた。しかし日常の中でよく目にするような共感を呼ぶ出来事、ありそうな女性を描いたり、他の作品でルームシェアをしている若者を描いた別の作品「パレード」のように一見ありそうな人間関係の中にひそむひずみやゆがみを描いてきた作家が、もっとそのゆがみを拡大して描いた作品が「悪人」になるんだと思えば、同じ作家さんの作品なんだなぁと理解できる。こういう映画の見方も面白いな。

 今年は多くのイタリアの巨匠の作品を見てきた目であらためて日本の映画を見たわけだが、日本の映画もなかなかやるなぁと思えるいい作品だった。

 今夜は昼間のチャーシューの余りとビールで軽く夕飯を済ませて旅人雑談。こういう予定で夕飯を済ませて雑談していると、今日、明日とお店がお休みのお寿司屋さんの奥山さんがつまみと赤ワインを持って遊びにやってきた。月曜日にオムライスをご馳走した時に「じゃぁ、お礼にワインでも持ってきましょう。赤がいいですか?白がいいですか?」と聞かれていた。が、まさかあんなオムライスごときに、こんなにたくさんのワインとおつまみを持ってきてくださるとは。いやー、嬉しかった。で、今夜もプチ宴会となったのだった。

赤と白のハンガリーワイン

生ハム、チーズ、パプリカのクリームチーズ詰

イベリコ豚のレバーパテ。めちゃうま。

今夜の宿泊者は本当にラッキー。


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