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2012.07.30(月) リヨン近郊(フランス)
実験的シーフードBBQとトリュフォー

 午前中にスーパーに買い物に行き、昼からのシーフードBBQの材料を買ってきた。目指したのは日本人シェフによるフレンチレストランで体験した、超半ナマの魚のソテー。材料としてはイカ、小粒のホタテ、鯖の切り身、鮭の切り身、ほっけ。

 味付きのイカはアルミホイルに入っていて、そのままBBQできるようになっていた。

 このホイルの入れ物をBBQの焼き網の上に乗せて各シーフードに火を入れていったら、火が柔らかくあたるのでとてもソフトな仕上がりになっていって、目論見通りの感じになってきた。

 特に秀逸だったのは厚めの鮭の切り身。火が通ったような半分生のような絶妙な仕上がりになって、非常にうまくできた。



 今日は薬味も色々と用意してみた。にんにくや玉ねぎの生のスライス、レモン、ケッパー、唐辛子、醤油、温泉卵、パセリ。

 温泉卵の黄身と半ナマの鮭とケッパーとスライス玉ねぎの組み合わせがとても気に入った。ただし、温泉卵の仕上がりが少しゆるかったのでもう少し固まった卵だったらよかったのになぁ。

 次回に期待しよう。




 夜はトリュフォーというフランスを代表する映画監督の作品「La nuit de Americanesアメリカの夜」という作品を鑑賞。トリュフォーの映画を観るのはこれで3作目だが、どれも全く作風が異なる感じで同じ監督さんとは思えない。今回の作品はドキュメンタリータッチでこれもなかなか面白かった。フランス語でしゃべっていて字幕もフランス語なので、細かいセリフはわかっちゃぁいないけど大筋はつかめた。しかし、考えながら相当集中して観たのでぐったりと疲れたなぁ。


2012.07.31(火) リヨン近郊→アヌシー(フランス)
激混みのアヌシー、ぎりぎりキャンプ地獲得

 今日はリヨン郊外からアヌシー湖の南端にあるキャンプ場に移動してきた。

 あまりアヌシーのことは調べていなかったのだが、移動するという今日になって地図を見たら狙っているキャンプ場は湖の南端にある。観光の目玉のアヌシーの街は北端。その距離15kmも離れているじゃないか。ちょっと遠いなぁ。

 リヨンから高速道路に乗ってアヌシーで降りて観光案内所で地図を入手してみると、市営のキャンプ場がアヌシーの旧市街へ徒歩圏内であることが判明。なーんだ、こんな近くにキャンプ場があるじゃないかと行ってみると、今週の土曜日のアヌシー夏祭りと花火大会のためになんとキャンプ場が満室という情況になっていた。因みにここのキャンプ場は市営だけあって安く、大人2名と車とテントで23ユーロくらいだった。

 アヌシーの南端のキャンプ場にしたのは、手持ちのキャンプ場ガイドブックでは北端のアヌシーの町に近づくほど料金が高くなっていたからだった。アヌシーにより近くて料金が安いキャンプ場が見つかるならそこにすればいいのだ。こう思った時からキャンプ場探しが始まった。南下する道中にキャンプ場のサインがあると立ち寄って料金などを聞いたのだが、広い農家の庭先を貸しているような所は20ユーロと安いのだがインターネットなし、湖畔のビーチなし、保冷剤を凍らせるサービスなしと値段相応の設備。いいと思う場所は既に満室と、なかなかみつからない。道路はやたらと混んでいてアヌシーの人気ぶりを感じさせた。南北に長いアヌシー湖の北から3分の1くらいまで見て回った結果、いっそのこと南端まで行って最初から狙っているキャンプ場にした方がいいという結論に達した。

 南端にいくつかキャンプ場が集まっている場所でCampeole de la Nubliereというガイドブックに掲載されているキャンプ場に到着したのが午後0時50分。この時点でキャンプ場に空きが3つしかないという状況だった。ここのキャンプ場の地図を見るとロッジ、常設貸し出しテント、そしてテントやキャンピングカー用のロットが番号付けされているのだが全部で466番まである。そのうちのたった3ヶ所しかテント用としては残されていないって、ものすごい混雑ぶりじゃないか。いやー、危なかった。

 ざっと見積もって1500人くらいが滞在しているマンモスキャンプ場で、インターネット(一日2ユーロ、1週間で10ユーロ)、湖畔に面していてプライベートビーチがあり、併設のショップでは朝夕にそこで焼いているパンが出て、晩にはローストチキン、フライドポテト、ピザが販売される。氷は1.5ユーロで1.5リットルのペットボトルの氷を買うことになるが、それでなんとかなるだろう。昼間にカヤック教室や夜は子供たち演芸会などのイベントがあり、子供公園には魅力的な遊具があって子どもたちの声が響いている。まさに絵にかいたような典型的なヨーロッパのバカンスキャンプ場、ど真ん中だ。これで一泊28ユーロ(電気代込み)なら超ハイシーズンとして悪くない。おととしのイタリアの海岸沿いなんて40ユーロ近く払っていたもんね。

 昼食後に近くの(といっても車で10分も走るが)カルフールに買物に行ってみたが、北イタリアのドロミテ山塊を思い出させる岩山が見える風光明美な立地のお店だった。とにかく、今日はアヌシーの混雑ぶりに驚き、キャンプ場獲得できるかドキドキして、ぎりぎりで寝る場所を確保できた、ってな一日。


2012.08.01(水) アヌシー(フランス)
アヌシー観光

 昨日の日中はリヨンよりも暑い気がしていたアヌシー湖畔は、夜半になってから恐ろしく冷え込みTシャツの上にダウンジャケットを羽織って丁度いいくらいになった。さすがに盆地気候、昼夜の寒暖差がとても激しい。

 そんなわけで朝7時過ぎに起きた時もすぐに長袖が必要なくらいに寒かった。

 今日はアヌシーの街へ観光しに行く。キャンプ場からアヌシーまで交通量の多い道路を運転して駐車場を探す苦労を考えるとうんざりしてきて、バスで行こうということになった。2時間に1本くらいの割合で走っているバスは片道一人3.5ユーロと日本の田舎なみに高いがしょーがない。

 今日、何を着て行こうかなと考えている最中に、夫は先週買ったピンクのジャケットをちょっと試着してみていた。細身のイタリアンなショートパンツとの組み合わせも悪くなかったが、今の時期には暑すぎるのでデビューは先になりそうだ。

 アヌシー行きのバスはキャンプ場から300mくらい離れた巡回ボートの桟橋のある場所だった。朝のアヌシー湖には釣り糸を垂れる船が少し出ていて、地元の青年がドボンと桟橋から飛びこむのが唯一静寂を破るくらい静かだったが、バスを待っている間にも水場スキーが出動し、スピードボートも出てきて午前9時過ぎからにぎやかになっていった。

 バスで30分くらい乗ってアヌシーの市庁舎前に到着。旧市街はすぐそこだ。観光案内所に寄って日本語で解説された見所ルートマップや土曜日の花火大会、今週のマルシェの情報などを聞いた。花火大会の日は夜11時に花火終了後、11時半発で特別夜行バスが出るそうだが一人9ユーロもすると聞いて車で来ようということになった。マルシェは旧市街で行われている火・金・日の他に新市街で土曜日にも行われていて観光案内所の姉さんの個人的な意見としては土曜日のがお勧めだということなので、土曜日にマルシェに行くことにした。マルシェと花火大会かぁ。おお、土曜日がだんだん楽しみになってきた。

 もらった見所マップに従って旧市街の観光をスタート。アヌシーの旧市街には運河が走りフランスのヴェニスという趣だとガイドブックに書いてあったが、あせたパステルカラーの古い建物が曲がりくねった道伝いに不揃いに並び、咲き誇る花と運河と相まっておとぎ話の中に迷い込んだかのような錯覚を起こす場所だった。ディズニーランドとか宮崎駿氏の作品を先に目にしている私としてはそういう作品のリアルバージョンとして写るが、本当の時代を経た建物には風格とリアリティーがあって誰にも真似できない町がそこにあった。

 アヌシーは想像以上に魅力的な町だった。観光で訪れた人は町の隅々の小路を散策し、自分のお気に入りの風景を写真におさめたりしてから、ゆっくりとレストランで昼食を摂り、土産物屋を冷やかして一日過すようだ。私達はお弁当のサンドイッチを持参していて、お土産物にはあまり興味がわかなかったので午後1時には観光が終了。

 バスが午後2時15分だったので、湖畔を散策して新市街のカフェでコーヒーを飲んで帰ることにした。

 土曜日は湖上で花火が打ち上げられるそうだが、湖畔の一部を柵で囲って入場料をとり(8ユーロ)、柵の中で大道芸などが見られるイベントが午後3時から行われ、花火はおそらく午後10時くらいから始まるようだ。花火を見る階段状の有料座席は既に完売だそうだが、柵の外からももちろん見る事ができるのでそうするつもりだ。




 アヌシーから早目に帰ってこられたので、キャンプ場でアヌシー湖に入って泳いでみた。

 海に入る事が多いので、水がべたつかない事や向こうにも岸があって山が連なっているというのが妙に斬新だった。

 アヌシー湖はフランスで一番透明度が高いそうだ。今までに訪れた透明度の高い海と比べてしまうと自分がつかっている水はかなり濁っているが、それでもずっと先の方は神秘的な緑がかった碧さを見せて美しかった。

 水温は冷たく5分もつかっていると寒気がしてくるのだが、芝生の日向で体を乾かしていると強烈な日差しで15分もすると暑くてたまらない。これが日陰に入るといつまでも寒くてたまらない。いつもと勝手が違う水温と気温も新しい体験だった。もっとも、慣れていることもあり、私してはムッとする気温の東南アジアの海に入って木陰でまったりと涼むのが好みだと思ったけどね。

 今日撮影した写真を見て、かなり自分が太ってしまったことを実感。夜はバナナとピーナツバターで夕食。今日、明日はこの調子で少しカロリー摂取量を減らしてみよう。


2012.08.02(木) アヌシー(フランス)
アヌシー湖畔の村タロワールでハイキング

 ガイドブックに掲載されているアヌシー近辺の町として、シャンベリーChamberyとオートコンブ修道院Abbaye d'Hautecombeがあった。今日のドライブで行ってみてもいいかと思っていたが、わざわざ高速道路を走って行く気がしない。

 それよりも、もっとアヌシー湖畔で遊べないかと観光案内所でもらった地図をみると、アヌシー湖の東海岸側にセザンヌも滞在したというタロワールという村があった。「地球の歩き方」にも掲載されているし、地図ではタロワールから内陸に入った所に「景勝地」マークがついている。

 ということで、今日はタロワールに行ってみることにした。

 アヌシー湖の南端にあるキャンプ場から湖の東側を車で北上する事分。あっという間にタロワールに到着した。村の観光案内所に立ち寄ってこの村から歩いて行けるハイキングコースを尋ねると「サン・ジェルマン教会」に行くコースがいいだろうと紹介してくれた。サンジェルマン教会は標高695m。行って帰って2時間のコースだということだった。もらった地図には更に845mのPonnayという山もあって、おそらくサンジェルマンでは物足りなくてもっと歩きたくなるだろうと思われた。

 村では小さな市が立っていて新鮮そうな野菜や果物、観光客目当てのチーズ、ワイン、ヌガー、オリーブ屋さんが出ていた。至る所に花が植えられていて、小さいけれど可愛らしい村だった。

ちょっとした市

巨大ヌガー屋さん

カフェ(左)とパン屋さん(右)

お花に囲まれて。

 お昼ご飯用のバゲットを買おうとブーランジュリーに入ると、焼き立てのバゲットが出てきた。本当に熱々で持っているのも大変なほど。思わず一口つまみ食いしてしまったが、炊き立てのご飯と同じように焼き立てのバゲットは外がカリッと中がモチモチとして熱々で思わずそのまま全部一本食べてしまいたい衝動にかられるおいしさだった。

 村の裏手から伸びる林の中の散策道は一直線に教会に向かってゆるぎない斜面を登る道で、まるで修行僧にでもなったような気分になれる。リヨンで運動しない生活だった体に、シャモニーへの前哨戦として丁度いい刺激になる。これだけ急激に目線が上がると垣間見える景色がぐんぐんと眼下に落ちて行き、30分も歩いてサンジェルマン教会に到着した時にはタロワールの村は遥か目の下になっていた。その前には湖が広がり対岸のDuingt村につきだした半島の城もよく見えた。対岸左手には二層になった尾根が連なり、右手奥にはアヌシーの町並みまで見える。なかなかの絶景ポイントだ。

歩き始めてすぐの風景

ずーーーーっと坂道を登る。

Duingt村につきだした半島の城

サンジェルマン教会

サンジェルマン教会前から見える風景の一部

サンジェルマン教会

 予想通り、サンジェルマン教会までの道のりはあまりに簡単に到達してしまったので次の目的地に向かうことにした。途中で出会ったジョギング中の人や同じくハイキングしているフランス人御夫婦に道を尋ねながら次に目指したのは、アドベンチャーパークとパラグライダーの出発地になっているPlanfaitという場所だった。サンジェルマン教会から約1時間の道のりは高くそびえるいくつかの岩山を背景に緑の斜面に建つ家々がまるで「アルプスの少女ハイジ」の舞台のように見える小さな村落を通りぬけ、とはひたすら林の中の急坂をのぼった。

 やがてアドベンチャーパークではしゃぐ子供の声が聞こえてきて、駐車場に到着。駐車場の先にテーブルと椅子と売店のあるピクニックエリアがあり、その先がパラグライダーの出発地になっていた。村で買った焼き立てのバゲットを使ってサンドイッチを作り、手早くランチした後はパラグライダーの出発見学で休憩。去年はクレルモンフェランで同じようにパラグライダーの出発を見ていたが、どうしても簡単そうに見える。夫はかなり興味を持っていてやってみたいようだ。インストラクターと一緒に飛ぶタンデムだったら安心そうだから、来年あたりタンデムを試してみる?そんな事を話しながら見ていた。

 1時間くらい休憩して帰ろうかと思ったら、下で道を聞いたフランス人御夫婦に再会した。彼らはアヌシー湖周辺のハイキング用ガイド地図を持っていて下で出会った分岐点から私達とは逆方向に道を進んでここに到達した。この地点を含むサーキットコースになっているのだ。彼らは自分達が歩いてきた道も魅力的だと勧めてくれたので途中まで歩いてみたのだが、サインがわかりにくいのと地図なしで不安だったので途中で折り返して、今朝歩いてきた道を戻ってタロワールに帰った。

遠くの岩山の上までパラグライダーはあがっていた

午後からは岩山に陽があたる

サンジェルマン教会の下にグロット(洞窟)の表示あり

行ったらサンジェルマンを祀る小さなホコラだった。

タロワールの村からサンジェルマン教会をみあげる。
いやー、よく行ったなぁ。

キャンプ場に戻ってからビーチで寛ぐ。今日はあの山を見ながら歩いていたのだなぁと振り返る。

 運動不足で体がなまって気持が悪い日々だったので、今日の運動でかなり気分爽快。キャンプ場に戻って湖でざぶんと泳いで寛ごうと思ったのだが、いかんせん風が強くて入る気になれない。ビーチで水に入らないまま寝転がって本日の活動は終了。今晩もバナナとピーナツバターで精進、精進。


2012.08.03(金) アヌシー(フランス)
アヌシーのマルシェとSemnozの景色

 アヌシーでは旧市街で火、金、日の週3日、新市街で土の週1日、マルシェが開かれている。今日は金曜日なので旧市街のマルシェを見学して、そこでお昼ご飯を調達し、公園で食べてから、アヌシー湖の西側の山まで景色を楽しみにドライブ、夜はBBQという計画。

 朝10時に旧市街でマルシェが行われている通りに到着すると、既に多くの人が買物に来ていてとても賑わっていた。野菜、果物、チーズ、サラミのお店がばらばらと並んでいて観光客が多いせいか試食品も一般的なマルシェよりも多く出されていた。とはいえ、よく見るといい品物を置いているお店は試食品を出しておらず、お客との会話で試食品を個別に出しているようだ。どちらかというと、そういうお店の方が商品が信頼できるような気がした。

TOMMEというチーズがやたらに多い。牛とヤギがあってヤギの方がが高い。

クルミや干しレーズンなどのたくさん入ったパン

様々な種類のサラミ。真黒なのにはラズベリーと書いてあった。

色んな種類の塩。

ここでグリルチキンとグリルポテトをお昼ご飯用に調達。

気前のいいオリーブ屋さんの試食がとてもおいしくて購入。

わんこが興味深げにこっちを見ている。可愛い。

 そんなに規模が大きくないマルシェだったが5往復くらいしてお昼ご飯に食べたい物を調達し、予定通り公園で木陰のベンチを獲得して豪勢なマルシェ・ランチを行った。メニューはグリル・チキン、グリル・ポテト、バゲット、アンチョビ入りオリーブ、モルビエールというチーズ。二人で13ユーロくらいかかったけど、かなり満足度の高いお昼ご飯になった。

 アヌシーの旧市街を出て駅近くに新しそうなショッピングモールがあったので、お店を冷やかしながらランチ後の散策をし、再度旧市街で一番の見所で絵葉書的な写真を撮影して本日の旧市街観光は終了。

 先日も同じ場所で写真撮影したが、魅力的な場所は何度撮影しても物足りない気になる。特に花が咲き誇る夏の今は、お土産物屋さんに売られているのと同じような魅力的な写真が自分で撮れるから余計に楽しい。

 ショッピングモールや旧市街散策でランチ後の休憩散策をしていたのには、食後の腹ごなしという理由の他に、これからでかける山の上の景勝地で午後から順光になるので時間つぶしをしていたというのもある。

 Semnozというビューポイントはアヌシー湖の南側に連なる二つの峰のうちの外側にある。アヌシー市街地から市営キャンプ場に行く道に入るとSemnozという看板も出ていて、何度もヘアピンカーブをこなしながらぐんぐんと高度を上げてたどり着いた場所からは、かすかにモンブランと思われる雪山の姿を遠目に手前にアヌシー湖と湖を取り巻く山々が一望のもとに見渡せる場所だった。

 高度は昨日のタロワールよりもずっと高い場所に来ていて、モンブランがちらりと見えるという魅力があるものの、タロワールから行ったサン・ジェルマン教会などからの景色の方が高すぎずに湖を間近に上から見下ろせるという点で、迫力のある景色が楽しめた。今日の景色はちょっと遠すぎた。

 さて、キャンプ場への帰り道にスーパーに寄って買物を済ませ本日最後のイベントBBQに突入だ。本日のメニューはサヴォワのソーセージ、スペアリブ、牛肉ステーキ、サラダ、レブロションという地元チーズ、チョコレートのデザート。ソーセージがとても脂っこいがおいしくてバゲットにはさんで食べたら、そこでもうほぼ満腹。アルゼンチンのチョリソーをパンにはさんだ「チョリパン」を思い出した。アヌシーの辺りはサヴォワ公国だったこともあり、ソーセージ、チーズ、ワインと食品にやたらにSavoieの名前がついている。今日はサヴォワの白ワインとサヴォワのソーセージのお世話になった。


2012.08.04(土) アヌシー(フランス)
年に一度の夏のお祭りを楽しむ作戦

 今日はアヌシー年に一度の夏のお祭りが開催される日。このお祭りのためにキャンプ場が一杯になっているという事実を火曜日に目の当たりにしてから、このお祭りをどうやって楽しむのかについての計画がアヌシー滞在の1つのプロジェクトになった。

 アヌシーのお祭りでは旧市街に接するアヌシー湖畔が祭り会場として囲われて、一人入場料金8ユーロを支払うと午後3時から行われる様々なパフォーマンスなどを楽しめ、最後に間近で花火が見られるということだった。お祭りのちらしにはスイスホルンを吹く男たちの姿やピエロや人形劇などの写真が散りばめられていた。この写真を見て祭り会場に入る気にはならなかったので、少し遠ざかった場所から花火だけを無料で楽しむことにした。

 昨日の下見の段階で見学場所は無料駐車場目の前のプールの右側の湖畔ビーチに決定。ここからは祭り会場内の階段場の有料座席が丸見えだった。裏側からばっちり花火が見られるロケーションだった。

 問題は何時に行けば無料駐車場に場所を確保できるのか、ビーチのいい場所を確保できるのかということだった。土曜日は昨日とは別の場所で市が開かれる。朝8時半くらいにキャンプ場を出て朝市を楽しみ、お昼ご飯を調達後公園でランチ。午後からはビーチに行って木陰で待機して人々が花火の場所取りをし始めたら日なたのビーチに場所を確保するという作戦を立てた。

 朝9時15分に予定の無料駐車場に到着。驚いたことにここの駐車場は既に一杯だった。空いている場所を探している時に、車と車の間にマットレスを敷いて寝ている若者が起きてきて伸びをしている。昨日の晩からここで場所取りしてるってこと?

 すぐにこの駐車場から30mほど離れた次の無料駐車場に向かうとここにはまだ空いている場所があって無事に駐車場を確保できた。まず第一ステップは成功だ。

 心配になって花火を見学しようと思っているビーチに行ってみたが、朝9時半のビーチはさすがに1人しか人がいない。ここはまだ大丈夫そうなので、とりあえず当初の計画通りに新市街で行われているマルシェの会場に向かった。

 観光案内所のお姉さんが教えてくれたように、今日の土曜日のマルシェは昨日の旧市街でのマルシェよりも魅力的だった。一つには規模が大きい。昨日の観光客相手のマルシェと違って今日のは地元民相手のようで安い野菜や果物屋さんも出ていた。ここで私達は昼ごろまで時間を潰そうと思っていたので、ぶらぶらと見て周っていたら、更に魅力的なことに、フィレンツェで私達が夢中になっていたのと同じような古着屋さんを発見したのだった。フィレンツェでは1、2.5、3ユーロという激安価格からあったが、こちらは5ユーロから。ただし5ユーロでは買えないようなワンピースが多く出ていて、フランスのおばちゃんやお姉ちゃんに混じって洋服をひっくり返して、フランスの中級ブランドIkksのワンピースとフランスらしいファンタジックなチュニックを各5ユーロで、ビーチサンダルを2ユーロで買った。

これ、ぜーんぶTommeという地元チーズ。色んな種類がある。

古着屋さんを発見!

家具の修復屋さん。素敵な布を使っていた。

 気が付いたら正午半をまわっていて、いくつかの店は片づけに入っている。昼飯と夕飯を調達しようとしていたので慌てて食材探しにシフトしたのだった。お昼ご飯にはベトナム人のお母さんが手作りしているらしい炒飯と焼きそば、八百屋さんで新鮮そうなレタスとトマトを買った。そして夕飯用にオリーブとチーズを購入。昨日のツーリスティックなオリーブ屋さんと違ってめちゃくちゃ愛想の悪いオリーブ屋。地元民との会話を楽しむのでめちゃくちゃ時間がかかるチーズ屋。そんな店もスポイルされていない素顔のフランスと思えば旧市街のマルシェよりもリアルな気がする。

 予想以上に楽しんでしまって、最後に大忙しとなったマルシェだが無事に食料も調達できて旧市街にある公園でお昼ご飯となった。偶然に見つけて買った炒飯と焼きそばが意外なほどにおいしくて嬉しくなってしまった。祖国を離れてあまり上手でもないようなフランス語を駆使してしみじみと商売しているベトナム人のお母さんだった。こんなにおいしい料理を作れるならレストランが出せるといいのにね。そんな話をしながら食べたのだった。

 お昼ご飯を食べて湖畔を散策しながら花火見物に考えていたビーチに午後2時に到着すると、朝とは違って結構な人出になっていた。まだ芝生がぎっしり埋まっているわけではないが、かなり混んでいる。

 花火が見えそうな場所を私が確保している間に、夫が駐車場に戻って夜まで温かく過ごせるための衣類や保冷バッグに入れたワインなどを持ってきてくれた。

 午後2時から花火開始の夜10時まで8時間もこんな所で過ごせるのだろうかとおもっていたのだが、午後6時くらいまでは湖に入ったりシャワーを浴びたり、本を読もうとして思わず寝てしまったりとあっという間だった。

 照りつける太陽に冷えたビールを飲みたくなったのだが、周りのフランス人の誰一人としてアルコールを口にしている人がいない。あんなに刺青を入れて、あんなにタバコを吸って、あんなにヤンキーっぽい騒ぎ方をしているのにビールを飲まないというのが全く意外だった。もしかして公共のビーチでの飲酒は罰金対象なのだろうか?私達は手持ちのワインを飲めずに苛立っていた。

 しかし、午後6時を回る頃からビールを飲む人の姿が見られ始めた。試しに売店の姉さんにビーチでビールを飲むのは禁止かと聞いてみると、大仰に首を横に振って「セ・ボーーーン」(大丈夫よ!)と言う。それではと、私たちも安心してビールを買い、持って来たポテトチップス、マルシェで買ったチーズ、オリーブ、バゲットを広げたらすっかり宴会モード。花火開始までの4時間近くも楽しく過ぎていったのだった。

 カリブ海のキューバでもドミニカ共和国でもメキシコのカンクンでも、週末のビーチといったら常にアルコールとともにあるといっても過言でないほど、「ビール、テキーラ、ラム酒と海」という光景に見慣れていただけに今日の品行方正なフランス人の態度は新鮮だった。「我が道を行くフランス人」というイメージが強かったのだが、公共の場所での飲酒については強い常識があるようなのが面白かった。

 ところで、昼間の湖水浴から引き続き花火まで居座ろうとしている人はあまりいなかった。午後4時くらいから来る人と引き上げる人の入れ替わりが激しくなって、花火開始前2時間の午後8時頃に来ても大家族でなければ場所は確保できるようだった。私達は初めてのアヌシー花火大会だったので昼間からずーっとここで過してしまったが、もし花火だけみたいなら夜からの出動でも間に合うようだ。因みに夜半は湖畔の気温がかなり低くなり、ダウンジャケットと中綿パンツがあってよかった。

 そしてすっかり陽が落ちた午後9時45分に突然にして花火が開始された。湖上の花火なので、噴水のように花火を横に飛ばすことができるし、低い位置で大量に光を放つと湖面に光が反射してとても美しい。クラシック音楽に合わせて、噴水ショーのように花火をあげているなど、通常の花火大会よりもショーアップされていてとても洒落ていた。

 入場料金8ユーロを支払ってみたら、もっと大音響の音楽と低い位置での花火を身近に楽しめたろうと思う。あの景色を目の前で見られるなら8ユーロは悪くないと思った。

 午後11時の終了とともに席を立って駐車場に向かい、渋滞の中キャンプ場に到着したのは夜中の0時近くだった。交通渋滞する車の横を自転車をひいて近隣の村に戻る観光客がおおぜい歩いている光景は壮観だった。

 花火最中から曇っていた空には稲妻が走り、キャンプ場手前で突風を伴う雨が降り始め、到着と同時に豪雨となった。もし有料の花火会場にいたらもっと帰りが遅くなって干していた洗濯物がめちゃくちゃになっていただろうと思うと、早く帰れる無料席で見ていてよかったという結果になった。

 無料駐車場での場所獲得に始まり、退屈せずにマルシェやビーチを楽しみ、最後の花火見物までアヌシー湖を満喫した今日のプロジェクトは大成功だったと言える。


2012.08.05(日) アヌシー(フランス)
嵐で休憩

 昨日のお祭り見物で疲れるだろうと今日は休憩にあてていたが、加えて天候が荒れて寒い嵐の日となり休憩にはぴったりとなった。こんな日はかねてからデビューを待っていた味噌を登場させてトン汁を作ろう!

 フィレンツェの中華食材店で見つけた日本の味噌は1700年代創業という老舗の会社が作っているということで出回っている味噌よりはちょっと高かったが、いずれ訪れるアルプス近辺でのトン汁を夢見て買っておいたのだった。

 観光客が多いアヌシー湖周辺の大型スーパーは日曜日も午前中はお店を開けてくれていたのでトン汁の材料を買いに行くと、白菜とシイタケもみつかった。いやー、素晴らしい。こうして、トン汁をメインに、寿司用とされている米、網脂のかかったハンバーグ、温泉卵とサラダというご機嫌な「嵐の日」メニューでランチ。これが今日のメインイベントだった。カルフールで販売されているアジア食品コーナーの「楽」と書かれたシリーズのお米がとてもおいしくてびっくりした。1kgあたり3ユーロと日本で買うお米並みの高い値段だが、今まで自分で炊いた海外の日本米の中では一番レベルが高かった。

 楽しかったアヌシー滞在も今日で終了。明日はレマン湖湖畔のエビアンの近くに移動する。晴れてくれるといいのだが。


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