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2012年
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9月:1,2,3,4,5
10月:1,2,3,4
11月:1
2014.3.10(月) 日本(沖縄)
普通に作業

 今日の作業はトマトの芽かき及び、芽かきした雑草や茎などをハウスの外に出す作業。引き続き私たち夫婦は芽かき、外国人部隊2名はお父さんの元でトマトハウスの建設ヘルプ。

 トマトの枯れた葉が湿度を吸って白いカビを発生させているのだが、、このカビがトマトの木の根元に付着するとそこが枯れて5mにも伸びているトマトの木全てが死滅する場合がある。芽かきした枝を放置しておくと、カビの温床にもなるのでハウスの外に出す事が望ましいんだって。

 うちの旦那はこのカビをチーズに付着したら沖縄カマンベールができないかと妄想している。

 夕飯は鍋。沖縄で鍋というのが不思議な気もするが、今日のように気温の低い日は特においしく感じられた。












2014.3.11(火) 日本(沖縄)
暖かくなった日

 今日は久しぶりに暖かくなった日。

 昼休みに見た猫たちはとろけそうな表情で久しぶりの太陽のひざしを浴びて寝ころんでいた。

 そんな昼休み中に一本の電話がかかってきた。

 電話の主は近所の牧場主でやはりウーフのホストをしている人からだった。先日、私たちがピザパーティーに乱入したホストのKさんだ。

 実は昨日の朝、Kさんがここの農園にやってきてうちのフランス人ウーファーのヴィーコ君に一つの要請をしたのだった。

 曰く、今週去っていくウーファー達のたっての希望で「彼らにフランス料理を作ってやって欲しい」というものだった。こちらの農園の私たちウーファーもホストさんも招待されて、総勢14名分の料理を作ってくれと言われたあの電話からヴィーコは明らかにブルーな時間を過ごしているようだった。だって、彼は19歳の普通の大学生の男の子なのだからどう考えても荷が重すぎると思うのだが。

 私は彼に「何か手伝えることがあったら言って」と言ったものの、プライドの高いフランス人のこと、予想した通り、彼はインターネットとにらめっこして自力で問題を解決しようとしていた。

 そんな昨日からの流れの中、昼休みにあった電話で「今から明日用の買い物に行くからよろしく」という事になったからもう、大変。

 インターネットを見ながらヴィーコはお母さんに色んな質問をするのだがなかなか通じない。

ヴィーコ「お母さん、リークはありますか?」
お母さん「リーク?リーク?ああ、エリンギの事かしら?あれ?何だろうか?」
私思う「ああ、そりゃぁ、ネギのリークの事なんじゃないかなぁ。」

ヴィーコ「お母さん、ブーケガルニはありますか?」
お母さん「ブーケ何?」
私思う「ブ、ブ、ブ、ブーケガルニって。。。ぶふふふふふ」

ヴィーコ「お母さん、お米をミルクで煮た物は日本で食べますか?」
お母さん「牛乳で煮たご飯?うーん、リゾットってことかなぁ?雑炊?ねぇ、雑炊の事?」
私思う「いや、それは砂糖を入れたライスプディングだと思うのだが・・・」

 結局、お母さんからヘルプを頼まれて二人の間に立って説明することになった。

 ブーケガルニは日本ではあんまり売ってないんだよねぇ。ヨーロッパではあんなに広範囲で普通に売られているからまさかと思うけど、ここはアジアなんだよねぇ。そういうヴィーコの驚きがなかなか新鮮で面白かった。それにしても、一体、何品作る気なんだろうか?

 私たちは午後2時の作業開始になったので畑に戻ったが、ヴィーコはホストさんに拉致られて買い物に出かけていった。さぁ、明日、どうなることやら。


2014.3.12(水) 日本(沖縄)
フランス人、意地を見せる

 ヴィーコに聞いたら、「全行程3時間はかかるので午後8時からの夕飯に向けて、ちょっと早めに作業を終えてシャワーを浴びて午後4時には農園を出発しようと思う。」と言っていたのだが、お昼ご飯過ぎに早々と先方ホストから電話がかかってきて、午後からあちらの牧場に行って支度をすることになった。

 作業はトマトのハウスで芽かき作業。一つのハウスは屋根がかまぼこ型なのだが、所々に雨がたまって今にも破裂しそうになっている。皆、この雨だまりを恐れて、ここのある通路の作業が最後になってしまっていて、とうとう今日はここの作業になった。

 ああ、恐ろしや。

 こうして写真に撮るとアールヌーヴォーのランプシェードみたいに見えなくもないのだが、実際にこの下で仕事をするのは嫌なんだなぁ。



 そして午後7時。作業を終えて皆でシャワーを浴びて、フランス料理の会場に向かった。

 まぁ、予想されていたことではあったが全く準備が進んでいないそうで、とりあえず私たちの農園のお母さんが作って持ってきたもずくと野菜のかき揚げとジュースでおしゃべりを楽しんだ。1時間経過してまだまだかかりそうなので、こちらの牧場のお母さんが沖縄かるたを出してきて皆でかるたを楽しむことになった。沖縄古語で情景や恋をうたった素敵な詩が100編。万葉集のような美しい言葉が節付きで歌われて、下の句と同じ文句が書かれたカードを取るというゲーム。お母さんの趣向で私たちも順繰りに読み手になって沖縄の詩をを楽しみながら時を過ごしたのだった。それにしても、イタリア人、アメリカ人のカード取得枚数が多い。やるなぁ。

 1時間半経過。まだまだまだ料理ができないそうなので、今度はアメリカ人ウーファー、エイダンのギターコンサート。

 今回は禁じられた遊び、フランス人作曲家エリック・サティから一曲、ベネズエラの子守唄など。ああ、今回も素晴らしく素敵なナンバーばかりでよかったなぁ。

 そして午後9時。ラテン系の国としては遅くはない時間に準備完了。ようやく、夕食の宴が始まった。



 渾身のフランス料理はフルコース。前菜にはセロリとブロッコリーのキッシュ、スープは人参とかぼちゃのポタージュ、メインが牛肉の赤ワイン煮(ベフ・ブルギニョン)、つけあわせにカナダ人とオーストラリア人のジャガイモとサツマイモ料理2品、デザートはお米のミルク煮に溶かしチョコレート。オーストラリア人ウーファーのお母さんの十八番というチョコレートケーキ。

 いやー、ヴィーコは本当によくやった。やりきった。美食の国フランスの意地を感じたねぇ。料理というのは上手下手はさておき、本物を知っているということがいかに大切かというのを再認識した。そこそこ日本で人気を得ている店の「牛肉の赤ワイン煮」よりも今日のヴィーコの料理の方が、フランスのレストランで食べる味にずっと近かったもんね。

 彼の料理は全員から大絶賛を受けて、彼も憔悴しながらも穏やかな微笑みを浮かべていた。普段とは違って似た年齢の同じく留学生と交流できたのも楽しかったみたいだ。

スフレ

スープ

牛肉の赤ワイン煮

デザート。お米のミルク煮の下に溶かしチョコレート。オーストラリア人女性がオーガニックの店で買ったといういちごジャムを添えて

チョコレートケーキ。お母さんの十八番で名前がないケーキだそうだが、これがめっちゃくちゃおいしかった。



 こうして、大満足のうちに宴が終了。皆でお父さんの運転する車で農園まで戻ってきたのは11時過ぎだった。車の中でお父さんは「いやー、ヴィーコの料理は素晴らしかったね。しかし、フランス料理というのは出てくるまでにとっても時間がかかるもんなんだなぁ。かーちゃん、今度フランス料理を食べに行く時はお弁当を持って行きましょうね」となごやかにジョークを飛ばしているのが、私的には大爆笑だった。

 あー、この夕食に赤ワインがあったら最高だったんだけどね。それだけが残念だった。


2014.3.13(木) 日本(沖縄)
フランス人、抜け殻のようになる

 作業はトマトハウスの芽かきなんだけど、朝一番にお父さんからヴィーコには芽かきで通路に散らばっている枯葉、不要な枝、雑草全てを集めてハウスの外に出す作業が言い渡された。

 ところが、しばらくしてヴィーコを見ると通路に座り込んでプチプチと雑草を取っている。

 ヴィーコに「お父さんに言われた仕事をして欲しいんだけど」と言うと、「雑草取りも必要な仕事でしょ」と言い返された。どうやら、昨日までの数日間のイベントで疲れきってしまって抜け殻のようになっているようだった。

 仕方がないので私も手伝うからと二人で通路のゴミをハウスの外に出す作業、その後、芽かきとなった。ハウスから漏れた雨で通路が濡れていて集めたゴミは重く、泥のしずくが滴っていて、二人とも泥だらけ。何ともブルーになる仕事だった。

 その後の芽かき作業でも、ヴィーコは疲れ切っていて確かにちょっと休ませてあげたいくらいだった。やっぱり、あの料理には相当エネルギーを吸い取られたようだ。


2014.3.14(金) 日本(沖縄)
新しい作業、オクラの苗植え

 午前中はトマトの収穫、その後は新しい作業としてオクラの苗植えが入ってきた。オクラは数日前に水に浸した種を腐葉土を入れたカップにまいて苗を作っていたものだ。一か所に5,6粒の種をまいたのだが、うまくいったものは全て発芽していた。

 この苗を畑に植えていくのだが、ポイントは最低4本最高7本の苗を一緒に植える事と、植えた場所から水が畝の外にちゃんと流れるようにやや傾斜をつける事だと言われた。複数本を一緒に植えることで養分の取り合いになるから、あまり大きく育たずに柔らかいオクラになるのが狙いで、傾斜は水はけをよくするためにつけるのだそうだ。

 夕方はレタスの収穫作業をしようとしたのだが、ここ数週間の低気温と雨のせいで中心部が腐ってしまって思ったほど収穫ができなかった。天候による不作は農業ではいかんともしがたいようだ。

 夕飯はビューティフルな海鮮丼。海の幸の山盛りの上にノリと海ブドウがてんこ盛りになっていた。これに「ゆし豆腐」というおぼろ豆腐のお味噌汁。とてもおいしい食事だった。











2014.3.15(土) 日本(沖縄)
一日オクラ

 終日オクラの苗植え。

 昨日からやっているのだが、だんだん腰が痛くなってくる。最初は中腰で植えていたが、そのうちに膝をついて植え、最終的には地面に座って植えるようになった。

 オクラは5月から出荷できるので、もちろん人に先んじて市場に出せばより高値で売る事ができるが、苗は寒さに弱く、彼岸前に植え付けすると苗を枯らせる低気温になる可能性もある。実際、昨年は早めに植えた苗が枯れてしまい、結局、もう一度種まきから行わざるをえず、種代金と体力の損失が出たそうだ。早く植えてもビニールをかぶせれば冷気に耐えられるが、その資金がない。

 高値を狙って賭けに出るか、安全を狙って彼岸後に植えるか、中庸で彼岸前と後に分けて植えるかは農家さんの考え方次第。農園のお父さんは、こういう時は賭けに出る。そしてそれがヒットするのがたまらなく嬉しいと考えているようだ。一人事業主の醍醐味ともいえる。


2014.3.16(日) 日本(沖縄)
寿司パーティー

 ここに来てから初めて晴れの日曜日を迎えたヴィーコは本当に嬉しそうだった。最初で最後となる晴れた休日の今日、農園の友人たちが彼とイタリア人のトキをとっておきのスノーケリングポイントに連れて行ってくれるというから尚更嬉しそう。

 足のサイズが30cmというヴィーコに合うフィン探しから始まったが、結局どれも合わずにフィンなしで泳ぐ事になりそうだった。ウェットスーツ、フィン、スノーケリングマスク、巨大なおにぎりを軽トラに乗せて、いそいそとでかけていった。

 私たちは終日家で日記を書いたり、写真整理。休日はあっという間に過ぎ去っていった。

 夕方、シャコガイの収獲とともに大満足で帰ってきた二人。魚は獲れなかったがテーブルサンゴと熱帯魚を存分に楽しめたそうだ。しかし、まだまだ寒くてかなり震えたらしい。

 そんなわけで海に連れて行ってくれた人の奥さんから海で魚が獲れなかったからと魚屋さんからお刺身を買ってきて差し入れてくれたので、予定通りにお寿司パーティーと相成ったのだった。イタリア人のトキは実はイタリアの和食店で数年働いていて寿司を握れる。そこで、私もトキに教わってウーファー軍団で全てのにぎりを作ってみた。手も大きいヴィーコの握りは明らかにでかかったが、それもまた味わいのうち。私のはネタとしゃりがくっついていないのが問題。ま、それもまた味わいということで。わいわいとおおいに食べておおいに飲んで楽しい宴の夜となった。

ジーマミー豆腐(沖縄名産の胡麻豆腐)のおからから作ったそうで、豆腐よりもこくがあっておいしかった。


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