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2012.05.28(月) フィレンツェ(イタリア)
落ち着いた日

 ジェラートに翻弄された先週から明けて月曜日の今日、目標は「たるんだ体に喝をいれる!」こと。

 ということで、朝からせっせとサイト更新作業してランチを作って食べて、昼から10kmウォーキング、スーパーに立ち寄って、夕食(バナナとスイカとピーナツバター)、夕食後も各自作業という落ち着いた一日を過ごした。

 昼食後に10km歩いて、間食なしで夕飯をフルーツのみにすると、翌朝やせている事を実感できる。明日の朝が楽しみだ・・・。

 と思っていたのだが、いつの間にか「孤独のグルメ」というかつて放映されていたテレビ番組をネットで見ていた。坦々麺、おいしそう。


2012.05.29(火) フィレンツェ(イタリア)
カッシーネ公園、超アルデンテでドビュッシー

 先週、素敵なカーディガンを6ユーロで見つけたカッシーネ公園の市が今週もやってきた。今週ももちろん行っちゃう。

 先週買ったカーディガンのお店は品揃えが変わらず、値段が4ユーロになっていた。売り切りの姿勢だが、もう品薄で興味がわかない。

 ざーっと全体を流して歩いて気付いたのだが、「○○ユーロ均一」のボードを掲げている店に集まる人が共通しているようなのだ。イスラム教徒の多い店、黒人系の多い店、白人系の多い店。

 そんな中で、ちょっとお洒落そうな白人系女性が群がっている店を見つけて衣類の山をひっくり返したら、中級ブランドがゴロゴロでてきた。Sisley、クーカイ、H&M、エスプリなどなど。どのアイテムも一品3ユーロで2品5ユーロ。みんなの目の色が変わっているのもうなづけた。クーカイの梅模様の黒字のワンピースはサイズが小さすぎて断念したが、最終的にエスプリの長袖透ける感のある素材のプルオーバーを買った。全体を流して1点か2点見つかるかどうかわからないくらいの確率だが、見つかると満足感が高い。

 宿に戻ると学校帰りのガガちゃんがパスタを作っていたので、早速戦利品を見せて報告。「火曜日の午前中かぁ。行きたいけど学校あるから駄目だなぁ」とガガちゃんは残念そうだった。キッチンにはナポリ方面出身のジュゼッペもいてヴェルメッチェッリvermicelliを茹でていた。私の認識ではこの名前のパスタは東南アジアのビーフンも指すように、細い麺だと思っていたのだが、彼の茹でているのは12分くらい茹でるレベルの太麺だった。トマトソース和えを作っていて試食させてもらったのだが、これが超アルデンテで麺の切断面の真ん中に白く芯が残っているのがみえるくらいの固茹で。こんなに固く茹でるのかぁと驚いた。

 午後からは明日の昼の食材調達。

 途中で立ち寄ったCarabeというジェラテリアがヒットだった。このジェラテリアはアーモイタリアというイタリア情報サイトで紹介もされていたのだが、先日のジェラートフェスティバルで言葉を交わした日本人女性(ジェラート修業にきている)が一番好きだと言っていたジェラテリアでもあり、期待がたかまった。

 ジェラテリアのご主人がシチリア出身ということで「シチリアの魂」と銘打ったシチリアレモンがあったので、それと私はFior de Latte(牛乳の花、というフレッシュチーズ)、夫はバニラを選択。シチリアレモンはきっと皮もつかっているのだろう。ほろ苦い味が通常のリモーネとは全く違う味になっていてとーってもおいしかった。裏通りにひっそりと見落としそうな感じのたたずまいにある店なのに、観光客ががんがん詰めかけている名店だった。

 今夜は久しぶりにコンサートの予定が入っていた。シャワーを浴びて、ジュゼッペが教えてくれた近所のナポリ人がやっているというピッツェリアでピザの夕食。

 白いシャツに黒いエプロンを腰に巻いたカメリエレがちゃんとサーブしてくれるようなリストランテだけど、マルゲリータ5ユーロ。ワイン4分1リットル3ユーロと安い。

 しかも、さすがナポリ出身というピザで薄いけどもちもちと味のいい生地にたっぷりのチーズとジューシーなトマトソース。おいしかった。まぁ、それでもGustapizzaの方が好きだけど。

 ここから歩いて5分でフィレンツェ5月の音楽祭のコンサート会場テアトロ・コムナーレに到着。今日は隣の小ホールで行われる。

 「ドビュッシー・マラソン」というタイトルでフィレンツェにある音楽インスティテュートのピアノ科の生徒さんによる演奏で、ドビュッシーの曲ばかりをやるという夜だった。チケットは12ユーロで自由席。地方の公会堂のようなこじんまりした地味な会場だった。

 最初に20分くらい白髪の女性がドビュッシーについてイタリア語で説明してくれた。一人の人生について20分では語りつくせない多くの出来事があると思うが、しかし長い。というか普通、コンサート前に作曲家についての講義なんてない。生徒さんの発表会で聞きに来ている人も学生やその両親のような顔ぶれだったから学校の行事に参加しているような雰囲気もあって、これからの演奏のレベルが危ぶまれた。

 ところが、前半と後半1名ずつ出てきた男性たちはおそろしく指がよく動いてすごいハイレベルな人たちだった。前半は20歳そこそこ、後半は27、8歳というところだろうか。ピアノのプロの世界は、一体、どれ程うまく弾けなくてはならないのだろうか?

 ドビュッシーの曲は「のだめカンタービレ」でも紹介されていたように、キラキラとした波間に輝く光が遊んでいるような雰囲気があり、俗に印象派の絵画のイメージから印象主義音楽と言われているそうだが、こういう呼名が揶揄であることは今日知った。キラキラしたイメージと共に同時代を生きたサティーにも似て、大人が童心に帰って遊んでいるような表現あり、ジャズにも通じる表現あり、ウィキペディアに「ガムラン」にも影響を受けたような事が書かれているが、たしかにそういう要素も感じれられ、色々と面白かったが、メロディアスな旋律が少なくて記憶に残りにくい。絵画でいったら習作スケッチ展示会みたいに感じられた。作風が少し似ているが、簡単なのに頭から離れないメロディーがあるサティーの方が親しみやすい。

 しかし、いずれにせよドビュッシーの曲の生演奏をシャワーのように浴びられたのはいい体験だった。


2012.05.30(水) フィレンツェ(イタリア)
「スパイスで減塩できる」という発見

 一昨日、ネットで「坦々麺」を見て、昨日、食材店で必要な材料を買って、今日のランチはいよいよ「汁なし坦々麺」を作る。

 本場四川省の成都に行った時に、本場の「汁なし坦々麺」を食べてみたかったのに店が見つからず、シムズという宿泊していた宿のシンガポール人のご主人に聞いたら、「四川省で坦々麺・・・。聞いた事がありませんねぇ」と言われて、かなりがっかりしたことがあった。麻婆豆腐の元祖、「陳麻婆豆腐」のレストランで坦々麺を見つけることができたが、ご飯茶わんくらいの大きさの碗に肉みそと麺がそっけなく入っていて、愛想もなく、さして旨みもない代物だった。

 ということで、本場四川省ではあまり人気がないような「本場汁なし坦々麺」を作る事にする。幸いにもネット上の日本人には人気で、おいしい坦々麺のレシピは枚挙にいとまがない。最近お気に入りの「中華のツボ! 玲舫's ぶろぐ」さんのレシピを参考に作る事にした。

 坦々麺作りは意外に簡単だった。丼に必要な調味料を直接入れ、茹でた麺を乗せ、その上に肉みそを置いて薬味をトッピングしたらできあがり。肉みそさえ作り置きしておけば、インスタントラーメンに近い感覚でできる。

 参考にしたレシピと異なるのは、中国山椒である花椒。日本だと粉末が入手できるのだろうが、ここでは粒が半分に割れた物しかなく、ミルもないのでそのまま入れるしかなかった。しかもこんなの、これ以降はあまり使わないだろうからと大量に入れたのだった。

 丼の中に麺の茹で汁を多少入れ、熱々の麺をひっくり返して全体をかき混ぜてパクリと口に入れると、口の中で様々な味が爆発してものすごいインパクトだった。特に山椒が一口ごとに舌を麻痺させていく。しかし、おいしい。

 おいしい、おいしいと次々に口に放り込んでいたら、突然ある瞬間に麺が塩っぱくて塩っぱくてたまらなくなってしまった。あまりの塩分の濃さに吐気が押し寄せるくらいだ。慌ててとっておいた煮汁を大量に丼に入れて、汁あり麺にしてみたが、それでも塩っぱい。果ては麺と具を汁で洗って外に出して食べる羽目になったが、それさえも塩っぱくて食べ続けられなくなった。

 ところが、私が塩っぱいとあえいでいる横で夫は「少し塩辛いけどそこまでじゃないよなぁ」とペロリとそのまま食べ終えてしまったのだった。あまりの塩気にお水やワインで休憩してから、汁で洗った麺と具を再度食べ始めると、先ほどの塩分濃度が感じられず、全然塩辛くない。ついでに汁も飲んでみたらこちらも普通の塩加減だ。

 一体どういうことなのだろうかとネットで調べてみたら、スパイスを食べると脳に刺激が走って塩分をより強く感じるようになるのだそうだ。私は夫の倍ほど山椒をいれていたのが原因のようだった。驚いた。こんな体験は初めてだった。

 私達は幸いにも高血圧ではないが、減塩をしなければならない人に、スパイス摂取は有効なんじゃないだろうか。いつも塩が少なくて欲求不満を感じている人は、大量に中国山椒を頬張ってから減塩食品を食べてみるといい。ものすごく塩辛く感じるはずだ。


2012.05.31(木) フィレンツェ(イタリア)
味の薄いステーキと甘すぎるジェラート

 フィレンツェといえばTボーンステーキの炭火焼「ビステッカ・ア・ラ・フィオレンティーナ」がつとに有名なのだが、中でもキアナ牛を使った物が最高級といわれている。

 庶民的なレストランで食べても1kgあたり40〜50ユーロが相場だが、スーパーに行けばキアナ牛のTボーン部位が1kgあたり20ユーロ前後で買える。しかしTボーンとなると少なくとも800gが最少のパックになっているので、もっと少ない肉量を探したら似たような肉で600gというのがあったので買ってきてステーキにした(お肉の値段は10ユーロちょっと)。

 立ち上る煙はおいしそうなステーキの香り。いやー、素晴らしい!と更にとって一口食べるなり、「???」。期待していた濃い牛肉の味がなく、やけに味が薄いのだ。さっぱりしているといえばそうなのだが、それにしても味が感じられない。結局、最後の一口に至るまで釈然としない味で終わってしまった。

 なぜだ?

原因としては
少しの値段差でやはりTボーンではない部位だから味が違うのか?
炭火焼じゃないから味が引き出せていないのか?
昨日のあまりに刺激的な山椒ショックで味覚がおかしくなったのか?
ここの所のダイエットで味の好みが変わってしまったのか?

 色々と考えられる。おかしいなぁ。次回はちゃんとTボーンを買ってくるか、レストランで食べてみないことには釈然としない。

 とにもかくにも、肉を食べてしまったからには歩かねばならない。ということで、午後からは10kmのウォーキング。ウォーキング終了近くに先日のジェラート・フェスティバルに出店していた店があるので、そこでジェラート休憩して帰ることにした。

 ジェラート店の名前はL'Isola del Gelato。シチリアのパレルモで長らくパティスリーだったご主人が昨年からフィレンツェに移動してきて開いた店だそうだ。

 観光エリアからははずれているせいか、午後のジェラートタイムなのに店内には一人もお客さんがいなかった。おいしい店でもこういう事はあるので、それはあまり気にならなかったのだが、一口食べて「甘っ!」と叫ぶ程の極甘ジェラートには驚いた。

 ジェラート・フェスティバルで一日に3種類くらいジェラートを食べ続けてわかったのは、伝統にこだわる店ほど甘くて重いジェラートを出し、革新的な店はさっぱりとして素材の味を引き出すジェラートを出しているということだった。時代の流れとしては後者が求められていると思う。

 食べおわってから数時間は胸がいっぱいになるほど、砂糖のインパクトが強くて参った。

 今日は、食べ物はいけてない日だったな。


2012.06.01(金) フィレンツェ(イタリア)
デザートまで大満足のマンジャフォーコ

 今日はランチで外食。マンジャフォーコMangiafuocoというアーモイタリア(イタリア情報サイト)で紹介されていたレストランに向かった。

 そもそもワインバーなんだけど、料理もとってもおいしいらしい。

パスタは日替わりで4種類。私はサルチッチャ(ソーセージ)を崩した肉入りのトマトソースのパスタ(9ユーロ)、旦那はポルチーニの太麺スパゲッティー(12ユーロ)を注文。

 メインは牛肉のタルタル(14ユーロ)、 デザートは3種盛り合わせ(ティラミス、チーズケーキ、チョコレートケーキ)6ユーロを2人でシェアした。

 上のメニューに、お水1本(500ml)とワイン一杯(5.5ユーロ)とコーヒー2杯とコペルト(一人2ユーロ)で56.5ユーロ。料理はとても丁寧に作られていて全てに満足がいく味だった。やっぱり、本物のポルチーニはかなりおいしい。

 味の面では絶対的にお薦めなレストランだ。

 ただ一つ、忠告があるとすれば、この店は、特に日本人客をなめてかかっている傾向にあるので、言いくるめられないようにしっかりと強気で対応する気持でのぞんだほうがいいと思う。ちゃんと発言するお客さんの言う事はちゃんと聞いてくれる姿勢がある店だ。

 最初に女主人がイタリア語でしか書かれていないメニューを英語で説明してくれるのはいいとして、強烈に「ワインはどうするのか、飲み物は注文するのか」と聞いてくる。普通の日本人ならあの剣幕では「何か注文しなくては」という感覚に陥って言われるままに注文してしまうだろう。今回のうちの旦那のように。後ろの席のイタリア人カップルに対して、飲み物の強制的なアプローチはなかった。

 また、トリップアドバイザーで「よくメニューを吟味する暇も与えてくれず常に話しかけられて」二人で8000円にもなってしまったという日本人カップルの投稿があったが、おどおどしているとお薦めをぐいぐいと注文させられそうな気配がある。しかし、「考えたいから時間をくれ。決まったら呼ぶから」と言うと、ちゃんと引きさがって待ってくれた。

 デザートを注文しようとしたら、「3種類全てを少しずつ盛った1ユーロ増しのデザートの盛り合わせにしたらどうか」とウェイトレスが勧めるのでそうしたら、チョコレートケーキがなかったようで断りなくホイップクリームとイチゴにかわっていた。指摘したら「今日、チョコレートケーキ、ないんですよね」としゃらっと言う。こいつ、客をなめてる。と思ったものの、デザートはすこぶるおいしかったしクリームとイチゴも乗せてきているのでよしとした。

 レストラン選びに始まり、メニューの吟味、店側とのコミュニケーションと、外食には自炊と違ったハードルがあり、真剣に勝負するとものすごいエネルギーが必要となる。今回は色んな意味で満足度高く燃焼した。

 2回目のデザートとして食べた老舗ジェラテリアの「Gelateria dei Neri」。クラシックなフィレンツェの味という解説に「また甘すぎるのか」と思っていたら、とんでもない。

 味が濃いのに甘すぎず、老舗なのにイタリア人もビックリの「抹茶味」「ゴルゴンゾーラとウォールナッツ」なんて斬新な事にも挑戦していて、すっかり気に入ってしまった。

 因みにビックリしたイタリア人は同居人のローマ人の青年。今度行ってみるそうだ。


 日を追うごとに集まるおいしい店情報。知るほどに魅力が高まるフィレンツェだ。


2012.06.02(土) フィレンツェ(イタリア)
西アフリカ文化に触れる

 この家にきてからカメルーン人一家とキッチンで一緒になることが度々あり、西アフリカの食文化に感心している。

 東アフリカには行った事があるのだが、西側の方がバリエーションがあるように感じるのは、やはりイギリスではなくフランスに統治された影響なのだろうか?

 今日は、肉と豆とトマトの炊き込みご飯を作っていた。試食させてもらったがパリッと炊けていておいしい。唐辛子が多くてかなり辛いのは奥さんの好みだそうだ。これは東側アフリカから中東にかけて「ビリヤニ」と呼ばれているが、奥さんのドリスは「イエロー・ライス」と呼んでいた。

 お返しに我が家のランチをおすそわけ。先日訪れた「クワトロ・レオーニ4 Leoni」というオステリアで食べたかたくちイワシ(アリーチAlici)のパスタを再現したもの。

 アリーチはスーパーでよく見られる素材で、フィレをアンチョビのようにした製品や、骨をとってボイルしたのをマリネした前菜もよく売られているが、今日は生のアリーチの頭と内臓と中骨をとってソテーした。クワトロ・レオーニでは生のぶどうを使って甘味を出していたのだが特殊な小粒のぶどうだったので干しブドウを使った。今一つ甘味が引き出せてなくて、再挑戦が必要なようだ。

 イワシと甘味は相性がいいというのは日本の認識とも似ているのが面白い。

 まぁ、こんな理屈はともかくパスタのおすそ分けを持ってカメルーン一家の部屋を訪ねたら、夫婦揃って「あららぁ、そんなつもりで炊き込みご飯あげたわけじゃないのに。んもう、気を使わないでよぉ」とおおげさに喜んでくれた。面白いなぁ、こういうの。日本の下町ドラマとか「大草原の小さな家」のローラインガルス一家のいる風景みたいなご近所づきあいは世界中で共通だ。

 キッチンでご飯を食べていたら、久しぶりにガガちゃん登場。バキーーーーーッと目を引くミニワンピースを着ていて素敵。聞いたらジバンシーだという。パンジー柄は昨年の春夏コレクションだそうだ。

 中国で縫製を行っている製品を入手したので300ユーロ相当だったそうだが、通常は1500ユーロとかしてるんじゃない?「こんな身近にジバンシーのワンピースを着た人がいるなんて!」と記念に撮影させてもらうことにした。

 近くで見ると高級なプリント服はやっぱり違う。普通のお店でみるプリントとのクオリティーの差をはっきり感じるなぁ。どうりで、私が青空市で買った3ユーロのエスプリ中古品にガガちゃんは見向きもしなかったわけだ。





 午後からはまず。グロムでジェラート。グロムを知ったのは数年前のミラノでだったが、スタイリッシュなお店でしっかりと濃厚なジェラート、食べに来ている人がファッショナブルだったのも印象に強かった。2年前に原宿駅近くにグロムをみつけた時は驚いたが、値段にも驚いた。2種類選べる一番小さいので450円だったかな。(今、サイトでみたら490円になっている!)

 東京でのグロムの値段がある種トラウマになって、イタリアでグロムを見たらとにかく食べておかねばと思う自分が、ちょっと情けない。ここでも他よりちょっと高めの2.5ユーロ(相場は1.8〜2)だ。左がピスタチオと昔ながらのクリーム、右がコーヒーとチョコレートの粒が入ったストラッチャテッラ。いずれも、素材の味がしっかりと感じられて「確かにおいしい」ジェラートだ。ただ、今日は外気温が高めで、どんどん溶けてくるので食べるのが忙しかった。もう少し固めにしておいてくれるといいのだが。

 お次の目的地は中央市場周辺にあるアフリカン商店にエグシEgusiを買いに行った。

 先日、フランシスが白いシチューのような物を作っていたので、聞いたらエグシスープだという。

 スモークした魚と肉を煮込んで、そこにエグシを粉末にした物を入れて煮込み、更にオクラとアカンワを入れて塩・コショウで味を調える料理。

 エグシはカボチャとかスイカのような瓜系の種で色が白い。粉末にして熱を加えると特有な粘りが出るのだが、オクラと鉱物のどうみても土にしか見えないアカンワを加えて更に粘りを強化させるそうだ。試食でくれたエグシスープはちょっと茶色がかった白いシチューでスライミー(粘っていて)で、白人にはかなり抵抗がある見た目だろう。味は魚だしがよく効いていて日本人には懐かしいような味、プラス唐辛子の辛味。

 このエグシを売っている店が中央市場の周辺にあるのを先日みつけた。

 薄暗く、商品がまばらにしかおいていない店の奥で、子供をあやしながら愛想もけそもない黒人女性が「何しにきたの?」といぶかしげに私達を見つめる。煌々とした照明の下に、置き場所がなくて床にまで商品があふれているスーパーに見慣れた目には、いきなりアフリカにワープしてきた気分になる店だった。いやー、本物の空気だなぁ。

 子供を入浴させるような細長いプラスチックのタライに無造作に入れられたエグシを指差して「これがエグシか?」と聞くと、女性店主はそうだと答えた。夫が冗談めかして覚えたてのイタリア語で「シクーロ?(本当?)」と言うと、女店主はぐいっと唇の片端を持ち上げて「シクーロって、エグシはエグシにきまってんじゃない。あたしが嘘言ってるとでも思ってんの?」とえらい剣幕で不機嫌にまくしたてられた。

 再び訪れた店は、相変わらず薄暗いのだが週末とあって6人くらいの黒人男女が店の女主人とビールを飲みながら車座に椅子に座って談笑していて、楽しげな雰囲気だった。片手に一盛りくらいのエグシを買いたいというと2.5ユーロだと言われた。あとでドリスに確認したらまぁまぁの値段らしい。

 家に戻ってエグシをつまみにビールを飲んでみた。ひまわりの種みたいな油のコクがある旨い種で、ビールにも合う。

 これでエグシカレーを作ってみよう。と夫が決断していた。


2012.06.03(日) フィレンツェ(イタリア)
イタリアの習慣、バスローブとパジャマ

 日曜日のアパートは、週末を楽しんだ同居人達が深い森のように眠る午前中から一転して昼過ぎに活況を呈する。

 2週間に一度は帰郷しているイタリア人独身男子たちも今週末は帰らなかったようで、昼過ぎからパジャマ姿で起きだしてきた。

 そうそう、イタリアについてちょっと面白いと思った事が2つある。

 一つはお風呂の時間帯。ヨーロッパの人というと朝シャワーを浴びるものだと思っていたのだが、イタリア人は夕方あるいは就寝前に風呂に入る人が多いようだ。ヨーロッパでキャンプしていると、普通は閑散としている夜のシャワーブースはイタリアでだけ行列していたのを思い出す。風呂好きの国民は寝る前にひとっ風呂浴びるのが定石らしい。このアパートの同居人のイタリア人も夜派だ。

 もう一つはバスローブとパジャマが普及していること。キャンプ場でもそうだったがバスローブを着てシャワーの行列に並んでいる人をよく見た。確かにすっぽんぽんで来られるし、タオルも持って来なくていいから便利だけど、キャンプ場でバスローブという光景が面白かった。そして、このアパートに入ってみれば、ここの住民もバスローブ率が高い。タオルじゃなくてバスローブ使うのね。そして、夜はTシャツとかじゃなくてちゃんとパジャマを着る。政治経済を語ったり、いけてる女性とクラブに行ったりするけど、夜は緑色のプリント柄やら、赤にプーさん柄のパジャマを着るのだ。どうしてパジャマはそういう子供っぽい柄なのかわからないけど、そうなっている。ちょっと可愛いのだ。

 同居人たちと短い会話を楽しんで、昼食後に街に散歩。シニョーリア広場は相変わらず団体観光客でわんわんしていて、繁華街は日曜日でも店を開けている。一般のヨーロッパの街と違って日曜日もあまり寂しくないからいいね。ベッキオ宮の足元の彫刻、妙な顔だし足も巻物紙になっていて変わっている。今日、気がついた。



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