> アメリカ大陸3 2010年1月〜
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《カンクン》 Cancun

2010.01.17 ちひろさん

 んもう、見た目通りの面白い長期旅行者。立て板に水のごとく弁舌爽やかにジョークを飛ばすだけでなく、政治、経済、食文化と多岐にわたる知識も披露。聞けば、旅に出る前は中国に在住して日本と中国企業のかけ橋的仕事をされていたそうだ。

 お子さんからお年寄りまですべての人をうまく楽しませてくれる技は大陸で身に付けた処世術ともいえる。今年もしょっぱなから濃い人に出会い、もうやめようと思っていたこのコーナー、やめられなくなってしまった。



2010.01.21 ノリコさん、ナツコさん

 もう一人イクコさんという50代の女性とキューバを周遊してカンクンに戻ってきたので3姉妹とも呼ばれていたうちの二人。

 ノリコさんは私たちのサイトの閲覧者で記事の内容も覚えていてくれたりした。いやー、書きっぱなしが多いので本人が忘れているのはお恥ずかしい限りでした。

 ナツコさんは日本で春夏にタイ料理屋台をやって、秋冬はタイに食材とレシピの探索に出るという生活から今回はちょっと中南米に足を伸ばした旅だったそうだ。「やっぱアジアがいいなぁ」という結論だったそうだが、日本に帰ったら中南米も恋しくなるかも!?是非タイで再会したいものだ。

 ノリコさんは陶器、ナツコさんは料理と旅をしたら深い視点で楽しめそうなスペシャリティーを持っているのがうらやましい。



2010.01.25 エリコさん

 世界一周の旅が始まったばかりというエリコさんは、ばりばりの看護師さんだ。看護師界から長期旅行者が多いのは帰ってからもお仕事にみつかりやすいという理由だと思うが、エリコさんから病院での話を聞いて、物事に動じない、他人の意見に惑わされない、誰とでも明るく話していく、という看護師さんの職業的資質が長期旅行に必要な要素に合致しているんだと確信。

 この後のグアナファトでの1週間のスペイン語学習ホームステイでも「ウルルン滞在記」のような出会いをしていて、早くも旅の醍醐味を味わっているようだった。



2010.01.27 Tommiさん

 オーストラリアで観光ガイドを勤めて長旅に出たTOMMIさんは現在3年が経過、訪れた国は90ヶ国を超えたそうだ。キルギスタン、カザフスタン、トルクメニスタンの中央アジア話や、バングラデシュで異常に「男性にモテタ」話など私たちが訪れた事のない国での面白い話に笑わせてもらった。

 今は3回目のキューバに行って存分にサルサでくるくる回っていることだろう。ブラッシュアップしたサルサ、カンクンで是非披露してもらいたいな。



2010.01.30 WACKYさん

 調理のウンチクにかけちゃぁ一家言あるWACKYさんから教えてもらったのが「ジャークチキン」。ジャークとはジャマイカのスパイスだそうだ。ジャマイカに行った旅人からはジャークチキン、ジャークソーセージ、ジャークポークとジャークな毎日だったと聞いて現地では相当ポピュラーなスパイスだと知った。

 残念ながら私たちはまだ味を知らないのだが、WACKYさんがジャークチキンのお店を出したら食べに行きまーす!

 宿のオーナーが「邪悪チキンって?」と話に入ってきたが、邪悪じゃありません、ジャークです。



2010.02.02 レイコさん

 はんなりと京都弁でつっこみをしてくれるレイコさんはマイアミに居を移して17年になるという人だった。

 アメリカに長くいると目の周りに濃いアイラインを引いて真っ青なアイシャドーをしているんだと思い込んでいた私はレイコさんのあまりにナチュラルな雰囲気に驚き、素直にそう言うと「それ、かなり古い認識ちゃいますか」とつっこまれた。ああ、そうかもしれない。

 10年以上経って久しぶり帰国したら土足で試着室に入ったり、声が(アメリカ人並みにということだと思うが)大きかったして、「なんだか色々怒られました」って話、かなり面白かった。マイアミでの再会を企画するから待っててください。



2010.02.04 シムラさん

 「日本から短期旅行で来ましたー!」という雰囲気を醸し出しているシムラさんは、実は海外青年協力隊オアハカ隊員として1年半もメキシコに滞在している助産師さんだった。

 こんなに可愛くて、声も声優さんみたいなんだけど、「私たち日本の税金が皆さんに使われているのですから、ちゃんと働いてください!」とメキシコ人を叱りつける日々なんだそうだ。たくましい。

 これからオアハカに行こうと思っているので、再会を計画中。楽しみ、楽しみ。



2010.02.04 ヨーコさん

 建築事務所での仕事を投げ打ってワンワールドで世界一周の旅に出てきたヨーコさんは綿密な計画を立てて着々と予定通りに旅を行っている計画派の旅人だ。

 興味の先は大物の建築物だけじゃなくて、宿の部屋で古くなったロングパンツを可愛いショートパンツにリフォームしたり、旅先で知り合った人から教えてもらった手編みのブレスレットを作成したり手先の器用さもぐんぐんアップしているみたい。夏にはヨーロッパに来る予定なので、向こうで会えたらイタリアンワインを飲み倒しましょう!



2010.02.04 アキさん

 葉巻をくわえるとゴルゴみたいにカッコよくなるアキさんは、街を歩けば白人のおばちゃんもゲイもウィンクしてきたりして、本人の意思と関係なく各界キラーなわけだが、実はもと自衛官という超固い職業に就いていた長期旅行者だ。

 釣り好きで酒にも詳しく、調理師の免許も持っちゃったりして、ありあまるエネルギーが彼を旅人にさせてしまったのは同僚も認めるところなんだって。一般人としては「あー、キャリアがもったいない」と思うのだが、本人はいたってケロッとして旅を楽しんでいる。大物だねぇ。



2010.02.07 志賀宏さん

 旅人が集まると旅話となるのは常だが、これ程までにマイナーな国攻めしている人には初めて出会った。

 ブータン、ミャンマーは行っているし、バックパッカーには珍しくアフリカ大陸東側のマダガスカル、モーリシャスはいわんや、レ・ユニオンにまで足を伸ばし、イラクのクルド自治区、ソマリアの中?隣?にあるソマリランド、ナガルノカラバフという国名に至っては「それ、どこですか?」と見当もつかない。

 何故にマイナーな国へ?と尋ねると「だって、ガイドブックもない、行き方もよくわからない場所ってわくわくしません?」という答え。志賀さんって、お笑い好きなだけかと思っていたけど、タフな精神的冒険家でもあったんですね。



2010.02.09 岡崎大五さん

 同年代のご夫婦が宿にやってきた。聞けば旦那さまは20代の10年間、バックパッカー生活をしてきたという。その後、添乗員経験を経て現在作家生活を送られているのだそうだ。

 お話しするうちに私が最近読んだばっかりの「添乗員漂流記」の作者さんだということに思い当り、思わず興奮!こういう出会いもあるんですねぇ。

 世界を横断する文化比較の話もさることながら、新刊「日本の食欲、世界で第何位?」(新潮新書)を校了されたばかりということで「食」に関する知識も深く、食いしん坊の我々としては尽きせぬ話題のオンパレードに、本当に楽しいひと時を過ごさせて頂いた。エネルギッシュな岡崎さんの次回作もかなり面白そう!

岡崎さんのブログ「岡崎大五の作家生活」
http://daigo-okazaki.cocolog-nifty.com/blog/



2010.02.09 ようこ&ひろさん

 見るからに清々しいこの二人は、2008年10月から自転車で世界一周中のチャリダー夫婦だ。最初にひろさんがようこさんを誘ってママチャリで大阪まで行った時は、あまりの辛さにようこさんは泣きながら走っていたそうだが、今じゃぁひろさんを追い越す程の脚力と根性がついているんだそうだ。妻、強し!

 二人の話で印象深かったのは、2002年にチベットへの自転車旅行をした時のこと。人里離れた場所でのキャンプ。夜空を見上げると「夜空に満天の星」どころか「満天の星に夜空が点々と黒く見える」くらいに贅沢な景色だったそうだ。そんなの見たことない。

 チャリダーさんは私たちの知らない景色をたくさん見て、より深い地元民との交流があるので興味深い話がたくさん聞ける。いやー、楽しかった。



2010.02.09 シュンスケくん

 クリクリの天然パーマ、くっきり二重の柔和な顔立ち、カンクンその他で褐色に焼けた肌。シュンスケくん、ちょっと最近は日本人離れし始めている。

 そこで日曜日はメキシコ人は入場料無料になるというチチェンイツァーにでかける朝、「すーっと無料で入れちゃったりしてね!」などと冗談を言っていたら、本当に入れちゃったらしい。メキシコ人から見てもアミーゴのお墨付きとなったシュンスケくんは、中身はとってもシャイな人だ。



2010.02.11 マサキさん

 いつも1〜2ヵ月の期間であちこち旅をしているというマサキさん。今回は日本からマイアミ経由でカンクンに入ったがロストバゲッジにみまわれた。といっても翌日には荷物が宿に配達されたのだが、それまでの航空会社とのやりとりもスムーズな英語でこなし、旅慣れているという感じの人だった。

 お仕事の一方で、最近は大好きなビンテージビーズのネットショップも立ち上げたそうだ。アンティークよりはちょっと新しいけれど今は造られていないようなガラスのビーズはアクセサリーになると素敵な味わいになる。私の現在の生活では持つべくもないのだが、それでも新しい世界を教えてもらえた。今後もビーズの買い付けに世界中を旅する予定なんだって。



2010.02.14 ハナちゃん

 海外旅行初めてにして自由旅行でメキシコ、カンクンまでたどり着いてしまったハナちゃんは、通常の中南米旅行者とも世界一周旅行者とも違って、オシャレな女の子がそのままここに来てしまったという感じが面白い。遺跡や観光の見所というよりは、よりおいしいアイスクリーム、よりセンスのいい洋服の買えるショッピングモールを求めてカンクンを満喫しているのだ。

 そうだ、旅は誰に強制されるのでもなく好きなように好きな事をすればいいのだが、とかく一種の流れがあって、それに抗するのが難しい雰囲気があるとも言える。そんな事に全くとらわれていない彼女は、自然体で新鮮だなぁ。



2010.02.14 ミサキちゃん

 到着するなり「ミサキちゃん色」に宿が染まりそうな明るいパワーを振りまいてくれたミサキちゃんは、偶然にも実家が自転車で行き来できる距離だということが判明。こんなにご近所さんには初めて出会った。

 1年の予定での世界一周がここで終了してもうすぐ帰国の予定の彼女は、「和食が恋しい、お母さんの手料理が食べたい」と食のホームシックなんだそうだ。今頃は和食三昧の日々に戻っている事だろう。日本に帰ったら会おうね!



2010.02.19 ボディエアー夫妻

 日米カップルのボディエアー夫妻。宿に入ってくるなり旦那さんのあまりに流暢な日本語に誰もが口をあんぐり。

「あ、あの人、外国人ですよね?」

 旦那さんの実家を出発してここカンクンが彼らの世界一周の栄えある第一都市目なんだそうだ。これから中米、南米、ヨーロッパと周っていく予定だが、2人の出会いは上海。世界中に散らばっている中華料理店では中国語ができるとできないとでは待遇が違うことだろう。世界一周では中国語は強い味方になるのだ、うらやましい。フレッシュでスウィートなこのカップルは間違いなく旅行を満喫するっていう意思が感じられた。



2010.02.21 沙織ちゃんとレイ君

 最近バラバラとジャマイカから戻ってきた二人はキングストンで一緒だったそうだ。

 大学を1年休学して世界一周に挑んでいる沙織ちゃんは西アフリカまでも足を踏み入れたつわもの。ジャマイカでもラスターマンの村でかなり快適なジャマイカ生活を送ってきたんだそうだ。

 レイ君が自分用に買ってきたジャマイカ名物料理ジャークチキンのスパイスを快く(?)私たちに提供してくれたお陰で、めでたく初ジャークチキンを作って食べることができた。感謝してまっす。レイ君はやたらに声がいい。朗々とよく通る声の持ち主だ。キングストンでは前から拳銃強盗が歩いてきて「金を出せ」と言ってきたそうだが、相手がやけにビビっているので「金ないけど!」と言ったら相手は走って逃げてしまったという。この声で空手マスターと勘違いされたんじゃないだろうか。

 二人のお陰でジャマイカがだいぶ身近に感じられるようになった。いつか行ってみよう、ジャマイカ。



2010.02.25 KENちゃん

 宿に入ってきたKENちゃんを見てぎょっとしたのには理由がある。何と実の弟に激似なのだ、KENちゃんは。まぁよく見るとKENちゃんの方が若いしハンサムなわけだが、ふとした瞬間に常にぎょっとさせられた。

 KENちゃんはサーフィンをするために4回目のメキシコ訪問中なのだそうだ。知らなかったがメキシコ及び中米の太平洋側は、サーファー界ではかなり有名なポイントなのだそうだ。サーフィンをしようとメキシコに来ているのについついメキシコシティでタコス屋を手伝ったりしてスペイン語は今やかなりの上達ぶり。激しい波に突入していくなんて、KENちゃんの穏やかな性格からは考えにくいのだが、次回は是非、波に乗っている彼を見てみたい。



2010.02.27 下田武志さん

 「旅費は路上で稼ぐ」。

 そう言い切って、夕方になるとギター片手にカンクンの街にでかけていった。路上で自ら作詞作曲した曲を歌う路上パフォーマンスで稼いで旅をしようと日本を出てきたのだそうだ。

 海外に出る前にも同じようにして日本中を行脚してきたので、だいたいのコツはつかめているのだが、今度は世界が相手。言葉も違えば、人々の反応もかなり違うだろうが、そこが面白いと彼は目をキラキラさせて言うのだ。短期旅行者のハイテンションとも違う、ある目的に向かって強い意志で動く人の魅力的なパワーが全身からあふれ出ているのを感じた。翌朝、さっそく彼のCDを聞かせてもらった。素朴な感じの旋律ながら現代的な歌い回しが入っていて、何よりも強く共感を覚える歌詞があったので即購入した。次の街、メリダでも路上の彼を見かけたが、反応の早いラテン系のメキシコ人から次々とお金がギターケースに投げ込まれていく人気ぶりだった。確かに意義ある面白そうなチャレンジだ。

武志さんの歌声は彼のサイトから聞ける。気に入ったら是非、買ってみてください。http://takeshi.henjin.com



2010.02.27 トモコさん

 メキシコシティーから大分遅い便で到着早々、「木刀を携えて旅行すると空港のセキュリティーでひっかかるんですよね」と言うものだから、いきなり宿中の宿泊者から質問の嵐を受けたのが、このトモコさんだった。

 大学時代に日本で唯一の「殺陣部」にいたので、今回の旅にも持ってきたというわかったようなわからない説明だったのだが、その後の話の流れで大学を出てから劇団活動をしていたことや、劇団を続けるためにやっていた仕事の話などで夜中まで楽しませてもらった。珠玉は夜の銀座でのエリートサラリーマンの実態。いやー、勉強になりました。



2010.02.28 マリコさん、タツヤさん

 旅先で出会って、今は一緒に旅を続けるマリコさんとタツヤさんは南米からあがってきて、これからカリブ海の島をたくさん巡ってヨーロッパに抜ける計画中だった。強烈キャラの共通の知り合いがいたので最初からかなり盛り上がった。

 温和な性格のタツヤさんは、話してみればアフリカのエチオピアからケニアのナイロビ入りというハードコースも既に経験済みの旅の達人。マリコさんも学生時代の旅好きが高じて勤めていた旅行代理店をやめて長旅中というくらいだからこちらも達人。こんな2人だからカリブ海の計画も徹底的に調べまくりの日々を過ごしていた。彼らの会話を聞いていたら旅の計画をどうやって立てるのかかなり参考になる。

 マニアックなのは旅の計画だけではない。朝食のフレンチトーストにもかなり力を入れていて、毎回、シナモンと卵と牛乳の加減を変えて色んなバージョンを試していたなぁ。レアチーズケーキ、ごちそうさまでした。


《ウシュマル》 Uxmal


2010.03.05 キリコさん

 ウシュマル遺跡で出会って一緒に遺跡巡りしたキリコさんはスペイン語を勉強中の大学生だそうだ。昨年スペインに少しホームステイし、今年夏からいよいよ本格的に1年留学の予定。スペインのとメキシコのスペイン語の違い、相槌の打ち方など遺跡巡りの間にこちらもスペイン語を勉強させてもらった。

 聞けばお父さんはイタリア語に夢中で、イタリアの踵あたりにお友達がいてよく訪ねるそうだ。考えてみたら私たちはお父さんの年代に近い。仕事をしながらも外国に興味を持って友人を作っている人がいてもおかしくない世代だ。そういう人の子供は更にこうして学生時代に英語圏以外で3番目の外国語を習得しようとしている。日本でも言語リテラシーの格差が広まっているのを感じるなぁ。


《サンクリストバル・デ・ラスカサス》 San Cristobal de Las Casas

2010.03.15 ジョージさんとレグラさんご夫妻

 パレンケ遺跡の宿のレストランで何度か見かけて会釈しあう感じだったこのスイス人ご夫妻と、オアハカに向かうバスで再会。バスを待つ間に、このご夫妻が20年も前に2年間日本に滞在していて、奥さんは今でも日本語ができることがわかった。

 定年退職されて旅三昧のお二人は、数年前にシベリア鉄道でロシアを横断してフェリーで日本に渡り、20年間文通していた(日本語で!)当時のご近所の日本人夫妻と日本旅行をしてきたのだと楽しげに語った。

 「妻が日本語を通訳してくれるので私は日本語があまりできません」と旦那さん。日本を離れて20年間も語学力をキープしている努力に頭が下がるし、友人関係をキープしているマメさにも驚かされた。出会った人とのつながりを大切にするのは楽しいことだが難しくもある。短い時間に素敵なエピソードを聞かせてくれた二人だった。

※訂正2010.3.29
本文を見たご本人より日本在住は40年前だったという指摘を頂き、ここに訂正します。また、旦那様には専属の通訳がついて奥様にはつかなかったので、奥様の方が日本語が上達したそうです。併せて追記しておきます。


《オアハカ》 Oaxaca

2010.03.16 シムラさん

 2月の初めにカンクンのロサスシエテという日本人宿で出会ったシムラさんは海外青年協力隊オアハカ隊員。オアハカまで来たら再会しましょうと言ってくれていたのだが、まさか任地から2時間半もかけて泊まりがけで会いに来てくれるとは思ってもいなかった。本当に嬉しい!

 おいしいシャーベットのお店や近隣の村の情報を得て、期待以上に充実したオアハカ滞在を送ることができた。

 今回はじっくりと今ホームステイしているメキシコ人家族のお話を聞くことができたが、日本の病院で働いていた時のびっくりエピソードなどはもっと聞きたいところだ。是非また再会して続きをお願いしたいものだ。



2010.03.17 ウッチーくん

 オアハカの宿で偶然一緒になったウッチーくんは、この宿をグアテマラのシエラにある日本人宿「タカハウス」で出会った日系ブラジル人のおばちゃんから聞いてきたのだそうだ。オーナーが日本好きなので是非行ってみるといいと。オーナーが姿を現すことはなかったが、私たちは楽しいひと時を過ごすことができた。

 現在早稲田大学大学院の先進理工学研究科に席を置いて半導体の研究をしつつも、将来はIT業界で働く意向があるようだ。半導体の現在の技術と将来の事、そして新たに踏み出そうとしている仕事のことなど私たちには未知の話を色々と聞かせてもらった。象牙の塔にこもらず、海外に出てボランティアしたり、全く別分野の勉強会に出たりと、エネルギーをフル活用して学ぼうとするウッチーにすがすがしいパワーを感じ、触発された夜だった。


《メキシコ・シティー》 Mexico City

2010.03.24 トムさん

 メキシコ・シティーの宿に到着して玄関を開けると、そこに見知った顔を見て驚いた。トムさんだ。トムさんとは昨年2009年9月にクロアチアの首都ザグレブで同じ宿に宿泊した時に出会っていたのだった。

 今回ゆっくりとお話してみたら、お仕事のストレスから解放されるべくこの1年を旅に費やしている人だとわかった。クロアチアではまだ慣れていないように見えたバックパッカースタイルも板について、オシャレにひげをたくわえて持ち前のダンディズムも旅のスタイルに取り入れている変容ぶりに、ちょっと違う人と話をしているようだと驚いたのだった。それにしても旅の中で、こうした予期せぬ再会というのは本当にうれしい。また、どこかでひょっこりと会えるかしら?と楽しみになってきた。



2010.03.24 マホさん

 下記で紹介している綿貫さんがメキシコダンスの練習用に取り寄せた大きなフレアースカートを嬉しそうにはいているのマホさんは、新しい仕事に就くまでの2ヵ月をメキシコで過ごすためにやってきた。

 以前の仕事がメキシコとの貿易を行っている会社だったので、かねてからメキシコに関心を持っていたマホさんは、3年前にカナダに語学留学した時からメキシコ人友人と大切に交流を続け、今回は友人を訪ねるのが旅のメインになっているようだ。私たちとはメキシコ・シティーで出会ってカンクンで再会したのだが、メキシコ人の友人歓迎ぶりには驚く。可愛くて愛想のいいマホちゃんだからということもあるし、セマナサンタの時期だったということもあるだろうが、どこに行っても親戚を招いての大歓迎会、大バーベキューが続き、カンクンで再会した時は野菜不足、日本語不足だったのでホッとしていたようだった。楽しくも忙しい友人訪問はまだまだ続くようだ。



2010.03.26 綿貫さん

 「こんにちはー」と明るく到着した綿貫さんはこの宿ができた当初からの常連さんだそうだ。

 20代の頃からフォークダンスを広める活動に参加している綿貫さんは、現在は本業とは別にメキシコダンス教室を奥さんと主催して、日本フォークダンス連盟の役員もされているんだそうだ。とういうわけで講習会やら所用で年に数回はメキシコを訪れている。

 今回は4月に日本で行われる発表会の衣装調達が主たる目的。次々に届く美しいスカートや頭花飾りやワンピースは、一緒に宿泊している女性の心をワクワクさせる衣装で、キャーキャー言いながら品物を見せてもらった。

 日頃から体を動かし、食べ物も健康に気を使っているという綿貫さんは、晴れ晴れとした表情で若々しく見えるのが印象的な人だった。




2010.03.27 細川貴史さん

 10ヵ月の旅を終えてそろそろ帰国間近という細川さんは、柔らかい物腰ですっと皆の会話に溶け込める京都人。ボリビアで買ったというハンチングはロンドンで買ったと言われても納得できる代物で、うちの旦那がボリビアで180円で買った帽子とはオシャレ度が格段に違っていた。

  そんな細川さんがメキシコシティーで新たに行ったオシャレはアゴヒゲに洒落たミサンガを結びつけたヒゲエクステンション。大変におかしな事になっているのだが、なぜがこの人がやると洒落て見える。バックパッカーだけれど身ぎれいにしてオシャレには予算をくだく人を「セレブパッカー」と呼んでいた知り合いがいたが、彼を見ているとその言葉を思い出す。今回の旅では3年前に日本で行われた旅のオフ会でちらりと会った人にボリビアでばったり再会したのが驚きというエピソードを披露してくれた。



2010.03.29 佐藤有紀さん

 油絵を勉強して現在アーティスト活動をしているという佐藤さんは、宿に戻るなり「いやー、今日はすごかった」と放心状態で語った。彼女が訪れたのはアンアンヘル地区にあるカルメン美術館。18世紀の絵画所蔵と聞いて中に入らなかった私たちだが、そこで現在、メキシコの祭壇展示を行っているのだそうだ。メキシコの祭壇はマリア様やキリストを中央に下は階段状、像の周囲はアーチに囲むスタイルで奇抜な色や装飾の組み合わせがいかにもメキシコ感のあるものだ。彼女はメキシコの祭壇が好きで日本でも写真集を買って眺めていたくらいなのだが、それが予期せぬ美術館で展示されていて、しかもインパクトのあるものばかりだったので「ショックで30分間動けなかった」というのだ。

 祭壇に30分動けない・・・。

 私たちはどちらかというと、そう言っている佐藤さんの芸術に対する感度に驚いたのだった。やっぱり普通の人とは感受性が違うんだなぁ。結局、メキシコ50日という日程のうち、1ヵ月をメキシコ・シティーの美術館巡りにあてることにした佐藤さんは、大きな模造紙に自身の作品も造りつつある。ここを出る頃までに完成させたいということだった。描きかけの絵にはサボテンや祭壇などが盛り込まれ、日々のインスピレーションが日記のように絵画で表現されている。どんな絵になるのか楽しみだけど見られないのが残念。

佐藤さんの作品をサイトで見たい人はコチラから
http://www.intro-art.com/0engine/tokyo_bbs.cgi



2010.04.01 Y.Fさん

 日系企業で働く福田さんは、最初の勤務地モンテレーからメキシコ・シティーに来て6ヵ月になるところだった。お仕事していて、朝早く出て夜遅く帰ってくる生活なので、あまり話をすることができなかったが、旅行者の行くことの少ないモンテレー周辺の見どころ情報を聞く事ができた。

 3年間のメキシコ生活を終えて日本帰国の日が近付いていた福田さんは、お土産物を買ったり送別会にでかけたりと大忙しの毎日。日本人宿のサンフェルナンド館は日本人が多いのでとても楽しい半年だったそうだ。日本での生活、しばらくは「オラー」「グラシアス」が口をついて出てきてしまうのでしょうね。



2010.04.02 ソラグマさん

 専門学校でガラス工芸を学び、ガラス工芸作家として腕を磨きつつ、2007年から1年間、メキシコで紙で造る張り子の人形師について張り子も学んでいたそうだ。

 メキシコではセマナサンタ(イースター)の時期に張り子の人形を造って燃やすという行事がある。今回はお世話になった張り子工房のお手伝いにセマナサンタの時期訪れたということだった。

 3mの張り子という大作の骨組は竹だそうで、竹を素手で剥いていたらトゲだらけになって宿に戻ってからずっと難しい顔をしてトゲを抜いていた。最後のトゲが抜けた瞬間の最高の笑顔で撮影。グッドタイミングでした。



サリナさんの今日のポイントは頭のちっちゃい
ソンブレロ。知り合いの美容師さんにカットして
もらいたてで、石田純一ジュニアみたいな
爽やかなたらちゃんと。

2010.04.08 サリナさん、たらちゃん

 カンクンで出会ってもう一人の日本人男性と3人でジャマイカ旅行をしてきたサリナさんとたらちゃんはジャマイカ入国でのエピソードを語ってくれた。

 ジャマイカという国は日本に帰る航空券を持っていないと入国審査が大変に厳しいらしい。というわけで、メキシコに戻るチケットはあっても日本までのチケットを持たない2人はたちまち税関で質問攻めにあったのだそうだ。幸いにもレゲエに興味を持っていたたらちゃんは、レゲエに関するTシャツを着ていたし、レゲエの歴史や著名アーティストの名前を出して「もっとレゲエを知りたいんだ!」という路線で通過できたのだが、問題はサリナさん。「なぜジャマイカに来たのか」「日本での仕事は何なのか」とまさかのジャマイカでの不法就労をさえ疑っているような質問の嵐。最終的に質問も思いつかないのに許可を出さない係官とサリナさんの間で冷たい沈黙が流れた後、突然にして係官が言ってきた。「Can you dance?」

 はぁ?

 もう意味なんてわからなかったが、ジャマイカといえばパサパサだろうと(っていうかパサパサ知ってるサリナさんはぁ偉かった!)、必死にパサパサっぽいダンスを踊ったのだそうだ。驚いたのは外で待っていた2人の日本人男性。係官に止められて助けに行こうとも入れず、遠くから心配して見ていたら踊ってるじゃないか!

 こうしてやっと税関を通りぬけられたサリナさんから、冷や汗タラタラのパサパサダンスだった事を聞かされて「ジャマイカはヒースローを超える入国難易度」という評価になったそうだ。話を聞いてる私たちは涙が出るほど笑ったのだが、明日は我が身。レゲエの歴史かそれともパサパサ習得か。ハードルは高いなぁ。


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