|
2010.04.21
ホセの乗馬ツアー
この宿では懇意にしている農場があって、そこの馬を使っての乗馬を行う宿泊客がが多い。私達もかつて南部アフリカのレソトという国で一度ポニーの乗馬トレッキングをしたこともあり、チャンスがあったらやってみたいなぁと思っていた。
町で偶然に出会った海外青年協力隊員で観光局に勤めているミキさんにこの話をすると、観光業の実態を知る一環として興味があるということになり、彼女の上司からも許可がとれたので、今日一緒に乗馬トレッキングにでかけることになった。
朝9時に宿の前に集合して、途中でお昼ご飯休憩1時間を含めて午後2時に戻ってくるという予定だ。料金は一人US$20で、別途、途中で立ち寄るレストランでのビュッフェ代金が200ペソ(500円くらい)プラス飲み物料金がかかる。
ミキさんはプエルト・プラタに住んでいるのでRutaという乗合タクシーで来てもらうことになった。Rutaに乗る前に電話をしてもらって、私達がタクシーの終点で待機。彼女をピックアップするという手順だ。8時50分にタクシーの終点に到着で、さすがに日本人はパンクチュアルでなぁと感心している私達は、すでに感覚がドミニカ共和国になっているのかもしれないなぁ。
確か昨日のツアーでは9時半に来ていたホセだが、今日はなぜか8時45分から馬を連れてきている。でもまぁ、ちょっと待っていてもらって宿の主人ディアナにミキさんを紹介したり、宿内をちょっと案内したりして、結局トレッキング出発は9時20分となった。
ホセが初心者という私達のために用意してくれたのは7歳から12歳という若駒たちで、体も大人の馬に比べると小さくて乗りやすい。しかも皆性格が割合におとなしくて、言う事をよく聞くよい馬だった。レソトでは大きな馬で股が張り裂けそうに痛くなったし、疲れてくるとすぐに道草は食うし、言う事を聞かなくて(こちらも問題があるが)あらぬ道に行っちゃったりしたが、今回は全くそんな事はなかった。
道は未舗装だが車も良く通る割と整備された道で、徐々に登りながら進む。時々マンゴーやサポテ(メキシコではマメイと呼ばれていた)の木などがあってまだ青い実をつけているのを説明してくれたり、ホセが「この葉っぱ、なーんだ?」と各人に通りすがりの葉っぱを配ってくれてレモンだったり、アニスだったりと自然の葉っぱクイズをしてくれながらゆっくりと進んだ。
途中でバギーカーの集団とすれ違う。大音響に馬が暴れないかと思ったが全然そんな事はなかった。プラヤ・ドラダに宿泊する観光客にとってはドミニカ共和国の自然と遊ぶツアーとしてバギーカーか馬でムーニョの村を散策するのが定番のツアーになっているようで、私達の部屋の横もよく乗馬軍団が通る。今日のバギーカーの集団は埃が辛いのかバンダナをマスクにして一様に暗い表情で運転していた。楽しくなさそうだなぁ。馬の方がいいんじゃないか?
初めて1時間ほどで村のコルマド(商店)で休憩。ホセはリンゴを切ってくれたり、ビールをごちそうしてくれたりと至れり尽くせりだ。ミキさんはもう1年もここに住んでいるし言葉がばっちりわかるのでコルマドの商店のおかみさんとホセと3人で色々と話し込んでいる。ドミニカ共和国では日本人は「インテリヘンテ」つまり知識レベルが高いという評判が通り相場になっているようで、どこでもそんな事を言われて気恥ずかしいのだが、ここでもそういう話になっていた。おかみさんは、ドミニカ共和国じゃぁ色んな外国の人がきて現地の人と結婚するからどんどん人種が混じっていくが、日本人はどうして他の国の人と結婚しないのかというのが疑問らしい。
いやいや、実は昔々からですねぇ日本には韓国人や中国人がたくさん来ていて実は混じっているんですよ。ただ皆、あなたたちから見ると同じ顔に見えるでしょうからわからないだけで、実は案外色々混じってるんですよ。という説明をミキさんにしてもらったら、ホーッと納得してもらえった。それにしても「インテリヘンテ」。この乗馬が始まる時にホセが「今日の馬はインテリヘンテだから」と言っていた。馬にも使う言葉らしい。
和やかにおしゃべりは続き、犬が寄ってきて甘えてきて、ここん家の子がやってきて目いっぱいおしゃべりして(何言ってるかわからんが)、色々な雑貨を積んだトラック屋台がやってきて(フラフープが流行っているらしい)、1時間が過ぎた。まぁ、私達、みんな初心者同然だからこういうユルイ行程なんだろうなぁ。
休憩の後は20分ほど乗馬してお昼ご飯の場所に移動だ。休憩後になるとお尻がちょっと痛くなっているのがわかる。お昼ご飯の場所は出発地点から20分くらいなのでもう帰ったも同然のような場所だ。ここの食堂は宿のオーナーもお勧めのビュッフェを出してくれるそうだ。他のお客さんも来るまでホセがキッチンに案内してくれて、揚げたてのユカ芋の前菜などを試食させてもらったりした。作ってくれるお母さんもとても明るい人で「ほら、、このお芋で作ってるのよ、あっはっはー」みたいに見せてくれる。できあがるまでの時間は、従業員とバジャータやメレンゲダンスタイムだ。今日はスペイン語もダンスもできるミキさんが一緒にいてくれて本当に楽しい事になっている。さすが観光業の人だ。
他にもイギリス人の観光客グループがやってきて食事が始まった。品数も量もたっぷりで確かにおいしいので食べる価値ありの食事だった(食事の詳しい内容は「本日の献立2010年4月21日(昼)」をクリックしてご覧ください)。
ミキさんとしては各国の旅行者がどうやってこのツアーにたどり着いたのか、コスト構造はどうなっているのかを知りたいというのでイギリス人に聞いてみると、今回のドミニカ共和国行きにあたってツアー手配を依頼したイギリス側の旅行代理店のオプショナルツアーとして、出発前にすでに申し込んできたということだった。彼らが支払ったツアー価格は60ポンドだそうだ。私達がお願いしたホセは観光のライセンスを持ってやっているわけではないので、他よりは安いツアーにしているかもしれないが、それにしても60ポンドということは3分の1を現地のホセのような農場、3分の1をドミニカ側の代理店、残りをイギリスの代理店という分配にしているのだろうか。アジアなどでベア―コストと日本代理店がオプショナルツアーでで出すコストは倍くらい違うなぁと思っていたので、ここはもっと開きが大きくて驚いた。
こうして食事をたっぷり楽しんでから、また20分ほど乗馬してツアーが終了だ。
私達のような初心者にとっては乗馬する楽しみというよりは、ホセのようなおっちゃんとおしゃべりしながらドミニカ共和国の自然を楽しみ、おいしい郷土料理を食べるのがメインだったかな。レベルに合わせて楽しめるこのツアーは、現地でホセのような人に申し込めばコストパフォーマンスが著しくよくて楽しいツアーだ。
|