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2011.03.28
メキシコ・シティーでの歯科治療
メキシコ:メキシコ・シティ

 今回もメキシコ・シティーの日系3世の高根先生で歯科治療を行ったので、その治療をまとめておきたい。

 さて、かねてから具合がよくなかった左上の奥から2番目の歯を2011年3月に治療してもらった経緯はSketch「今回の歯科治療のまとめ 」に既述した。前回の治療でクラウン(銀色の冠状の被せ物)をはずしていたので、今回はガラス質で見た目が自分の歯のように見えるクラウンを入れてもらうのが私の治療の目的。そして、夫は上の両奥歯が冷たい水を飲むとスースーとしみるので、原因を見て治療してもらうのが目的だ。

●2010年3月16日 第一回目診療
 まずは、私の今回の治療についての確認から始まった。まずは前回治療部のレントゲン撮影。ちゃんと骨が再生されていることを確認の上、歯形を取る所までが今日の治療。1週間後には先生の手作りの私のクラウンができあがり、それをはめて治療完了という手順だ。

 最初にレントゲンを撮影。ここに来る前に自分のサイトで前回の状態の写真を自分の目で再確認しておいたので、前回に比べると亀裂がだいぶ小さくなり周囲も白濁して歯が再生されている事が確認できた。実際、治療前には疲れると歯が浮いたり、鈍痛が出たり、ひどい場合には歯茎に膿がたまっていたのが、ここ1年は相当疲れた時に軽く違和感を感じる程度におさまっている。

2010年3月、治療前の状態。

2011年3月、エムドゲインを入れてから1年後の状態。銀色の被せ物をはずしているので歯が小さく見えるが、歯根をもとに同じくらいの大きさと角度にしてみた。明らかに白い部分(歯の骨)が増えているし、亀裂も幅が狭まっていた。

 この1年の自分の歯の状況とこのレントゲンを見て、次のステップに移ってもらうことにした。歯形を作る前に歯石取り。従来の金属でひっかいて行う方法ではなく、研磨剤のような粒と水を強い水圧で歯に吹きかける方式で器械はオーストリア製だそうだ。これだと歯茎から出血することもなく歯を研磨できる。続いて歯に黄色いペーストを塗り、ブルーと白の粘土状を合わせた生地を歯形を取る容器につめて歯にはめて10分固定。これを上下行って本日の私の治療は終了。歯形を取る材料は3M espeというスリーエムの歯科材料専門会社のプロダクトだった。

 さて、今度は夫の順番。レントゲンを撮ってみると単純な虫歯だと思っていたのに奥歯から4番目の歯を中心に前後併せて4本の歯の骨がやせてしまっていて、そこから雑菌が入ってしみている事が判明。原因は、歯の神経を抜いたために歯に栄養が行ききらず、ばい菌にやられてしまったのだそうだ。昨年の私と同じくエムドゲインで歯を再生する治療を行わなくてはならない。エムドゲインとなると料金がとても高い事を知っている私たちはうわーっと真っ青になったのだった。

各歯の間の黒い三角形が健康な人よりも大きいそうだ。

 ここで、今回の治療に関する料金の話になった。私のクラウンにはメタルフリー(金属を一切使わない)のガラス素材を使い、夫の治療にはエムドゲイン0.7ml(2種類ある中の量の多い方)で3本ないし4本をカバーするということで、それぞれUS$1300、1200と言われた。クラウンは8万円くらいを想定、夫は虫歯なので多くとも3万円くらいまでと見積もっていたので、大幅に予算オーバー。いやー、大変な事になったと思いつつも、今までの先生の治療をみて信頼できると判断してお願いすることにした。

●2010年3月23日 第二回目診療
 レディーファーストで、まずは私の治療から。今日は先生手作りの歯をはめて咬合チェック後、接着して終了。

歯型と作った歯。先生は歯を作るのがだーいすきなんだそうだ。

歯を固定するジェル

仮にはめてかみ合わせチェック。いいようなので、セメントで接合

虫歯の治療と同じくLEDをあててセメントを固める。

 入れた直後はクラウンの縁が歯茎にあたる気がしたが、これを書いている1週間後にはその感じもなく、かみ合わせで高い所もなく、全く快適な状態になった。私の歯に作ったクラウンを入れてから全く削ることなく具合がいいのはなぜか。この質問に対して先生は、アナトミーデンタルのレフロクソロジーでは奥歯にある13ポイントが合えば快適に感じるという研究結果が出ていて、印象材で作った歯型ですでに13ポイントを合わせてあるので修正する必要がないという回答だった。「ま、先生の腕もいいんですね。」というと先生は「そ。僕は何よりも歯を作るのが大好きなんです、もう38年もやっていますけどこれは面白いんですよ」と仰っていた。

 続いて今日のメインイベント、夫のエムドゲイン治療だ。まず手術着に着替えてドキドキ感を高める先生のおちゃめな演出から開始。去年、私は着なかったなぁ。

 エムドゲイン治療はまず、4本の歯の表と裏の4箇所くらいに局部麻酔を行った。麻酔針が4cmくらいぐーっと入り、とても深い場所に麻酔薬を入れるので驚いた。しかし麻酔を受けている患者本人は最初に針を刺すチクッとした痛み以外は痛みがなかったそうだ。先が2つに割れた特殊な麻酔針が痛みを和らげる効果があるという説明だった。

 続いて歯と歯の隙間に金属で先端が高速で回転するドリルのような器具を入れて歯の間の汚れた部分を削り取っていった。ビヤーッと赤黒い血が出始めて口中がエグイ状態になってきた。健康な歯ならこの金属の器具は8mmくらいしか先端が入らないのだそうだが、夫の場合は1〜1.5cmと入って行く。この状態から見てもかなり傷んでいることがわかるのだそうだ。

 次にプレフジェルを注射。5分くらいおいて細菌を殺した上で、いよいよエムドゲインを入れ込んでいく。注射針を90度にまげて歯茎に対して直角に針が入るようにしていた。麻酔が効いているので本人は痛くないのだが、見ているこっちが痛い気分になる治療だった。

プレフジェルパッケージ。

プレフジェルは今回2本使用した。

エムドゲインパッケージ。プレフジェル共にスウェーデン製

エムドゲインはややベージュ

麻酔用の注射。針は7cmくらいある。

麻酔開始。いやー、針って結構深くまで入るもんだねー。

麻酔が効いている状態では、酸素が供給されないので白くなる。

ドリルのような器具で歯間の汚れを取る作業。健康な歯ならドリルのはこんなに深く入らないはずだそうだ。

研磨剤を吹き付けて汚れを落とす作業。

プレフジェルの挿入。表側からと裏側から入れていく。反対側にあふれさすような感じで入れるので、作業が終わる頃には、歯がジェルに覆われてジュルジュルになっていた。

エムドゲイン挿入作業。

4箇所の表側と裏側から全ての溶液を注入して手元の溶液が終了。
なんとか足りたらしい。

 こうして麻酔を打ってから30分で治療が終了。見ていると何本も針をさしているだけだが、これはれっきとした外科手術に該当する。

 15分くらいは噛んでいる脱脂綿を時々取り変えながら止血。汚れた黒っぽい血がどくどく出ていたが、じょじょにきれいな赤い血になり出血量も減ってきたので、ここで治療終了になった。

  今日から5日間は、先生が指定した抗生物質を薬局で購入して飲み、激しい運動とアルコールは禁止が言い渡され、保冷材をあてがってバスに乗って宿まで帰ってきた。

 昨年私は、油断して5日目に屋台で焼きざましの肉を使い古しのまな板で切った牛肉をはさんだタコスを食べて、軽い肝炎のような症状(だるくて無気力で3日間はフルーツしか食べたくなくなった)で寝込んでしまった。先生の助言をちゃんと守って皮で守られたフルーツか自分で調理した穀物、せいぜい鶏肉で過すべきだった。

  この日は3時間後に麻酔が切れて鈍痛。幹部は歯ブラシが触れただけでビーンと激痛が走るくらい敏感だったそうだ。当日夜はフルーツのみ。翌日から柔らかくて熱くない自炊の食事など取って、部屋でゆったり過した。

●2010年3月28日 第三回目診療
 今日は最終チェック。私はピンク色のチューインガムのような物を噛んでみると、奥歯からずーっと前歯に至るまでほぼ均等な深さの歯型が付いた。これにより、どこか一部だけが強く圧力がかかっていないことがわかり、これにて終了。

 夫も、患部が美しいピンクにおさまっていること、どこにも腫れが出ていない事を確認し、チェック終了。

 質問コーナーでは、傷口は1ヵ月ほどで完全にふさがるのでそれまでは用心するようにとのアドヴァイスを受けた。また、口中の雑菌を消すのにどんなうがい薬がいいかという質問には、食事の後に塩水で口をすすぐので充分だと言われた。

 最後のお支払を終えて今回の治療は全て終了。今年も大きな治療になった。


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