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2010.03.01
メリダに到着、まずは市場と夜は無料ショータイム
今回はカンクンからメキシコ・シティーを3週間で旅してみようという計画で、3月1日、45日間もまったりと過ごして我が家のようになった日本人宿ロサス・シエテをあとにしたのだった。
最初の街はユカタン半島のユカタン州州都メリダだ。カンクンから6時間のバスはユカタンの強い日差しを浴びながら快適に進んだ。ひきこもりに近い状態だったので、こうしてバスで長距離移動するのが久しぶりで楽しい。抜けるように青い空にうろこ雲、マヤの遺跡を包み込むような緑の森の中の中、一路メリダに向かい、到着したのは午後2時だった。
予定していた宿はソカロに面した、その名もホステル・ソカロHostel Zocalo。コロニアル調の大邸宅でドミトリールームもあるが個室が充実していてプチホテルの様相を呈している。広い廊下や階下に続く外階段のあしらいが美しくて一目で気に入った。
それにしてもお腹が空いてたまらない。時計は既に午後3時になろうとしているのにまだ昼食を摂っていなかったのだった。まずは、飯だ!飯だ!
ガイドブックにはルーカス・デ・ガルベス市場という徒歩圏内の市場に安食堂があるようなので、夕飯の買い物がてら早速行ってみることにした。
市場の2階にあがる外階段から食堂が横にずらりと並んでいるのが見える。午後3時過ぎはさすがに人影も少なく、各お店の従業員は遅めの昼を食べながらテレビを見たり、新聞を読んだりとまったりとした午後の昼下がりの空気が漂っていた。
しかーし。
私たちが通りかかるとはじけたように店員たちが呼びこみを開始する。どの店にも掲げられていたのがユカタン名物料理のソパ・デ・リマとレジェーノ・ネグロで、売り込み文句もこの2品が多かった。おお、そんなに売りたいのならさぞやおいしいのだろうと、この2品を注文。どちらも一皿40ペソ(280円)で更にたっぷりと盛られ、トルティーヤ付だった。詳しい内容は「本日の献立」に譲るとして、とにかくまぁ、夕飯がいらないくらいにお腹が一杯になったのだった。
下の階の市場は結構な規模で、観光で成り立つカンクンとは違ってここには人々の生活が根付いている感じで久しぶりにちゃんとした街に来たなぁという思いがした。
街は1542年にスペイン軍に占領された時からあまり形を変えていない印象だ。造りはしっかりしているのだが色あせた塗装の建物が街全体を古臭い、まぁよく言えばコロニアル調に仕立てている。使い込んだ店の中身は時代に合わせてコンビニエンスストアになっていたり、バーやレストラン、土産物屋になっているのだが、とにかくそれらの器が古臭い。カンクンのアメリカのようなピカピカした現代ショッピングモールを見慣れた目には、あらためて「メキシコに来たなぁ」という感想をもたらす風景だった。
一番立派な建物はソカロに面したカテドラルだろう。このカテドラルの右脇に車が入れないちょっとした歩行者天国のような場所があった。ここでは現代彫刻が配されてエキシビションが行われているのだが、メキシコの青い空と昔ながらの建物を背景にそれらの彫刻は非現実的なダリのような世界観を醸し出していて、メキシコにおいての芸術はやっぱりスペインの影響を強く受けているんだなぁと思われた。
この後、街角でのスナップショットを以下に。
ソカロに面した十字路にあるカフェは2階の張り出しテラスが人気 |
土産物屋の建物の中は大胆な壁画の中庭風になっていた |
メキシコの十八番、骸骨モチーフと派手な色遣い。しかもこのポーズ |
巷の芸術家が作ったような作品が街中にあふれているのが面白い |
さすがに歩き疲れたので、部屋で仮眠をとっていたらもう夕刻。今夜は目の前のソカロで民族舞踊ショー(無料)が行われると聞いていた。夕食を簡単に済ませ、夜9時過ぎにソカロに出ると昼間のような人出。土産物屋も道端に商品を並べてとてもにぎやかな事になっていた。ショーの会場は煌々と照明が灯されて、用意された席は既に満席で更に立ち見の列が2重にできるくらいの盛況ぶり。外国人というよりはメキシコ人観光客が多いようだ。
中央に上下白い民族衣装にパナマ帽をかぶったおじいちゃん司会者が立ち、既にMCを始めているがとにかく話が長い。スペイン語でベラベラとよくもまぁしゃべる事が続くと感心するほど長い。しかも観客も飽きることなく、掛け声を入れたり、拍手したり、うなづいたり笑ったりと存分にMCを楽しんでいる。話好きなメキシコ人らしいこのショーの展開は見ているだけで面白かった(この後、大道芸や他のショーを見たが、常にMCはとても長かった)。
さて長い話も終わり、楽団の演奏とともにユカタン州の民族衣装をつけた華やかなダンサーたちが登場してきた。といってもとびっきりのプロというわけではなく、どうやら踊りの上手な市民がやっている風で、それがまたいい味を出している。ユカタンの踊りは腰から上を動かさずに足だけステップを踏むような特徴があって、ちょっとアイルランドの踊りを彷彿とさせる。そういう踊りに続いて2つの有名なダンスが披露された。1つは頭の上にビール瓶や飲みの物の入ったお盆を乗せたまま激しく踊るもの。これは市民ダンサーといえども熟練者じゃないとできない。ほとんどの人が瓶を落とすことなく踊っていたので素晴らしかった。もう一つは中央にひもをつけた柱を支える男性を置いて、踊りながら皆でひもを編んでいったりほどいたりするダンス。これも華やかで大変に面白かった。
ショーはたっぷり1時間行われ、夜10時に終了。こんな無料ショーが街のどこかで毎晩行われているというのだから、メリダの観光にかける意欲はなかなか旺盛だ。明日もまたショーがあるというので楽しみにしながら、本日の観光は終了。
カンクンの宿を出たらいきなり観光モードで突っ走った初日。盛りだくさんでくたくたになった。
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