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2008.09.24 Vol.1
ミュンヘンの市内観光
ドイツ:ミュンヘン

 キャンプ場も市郊外の落ち着いた場所に移動して、ようやくミュンヘンでの滞在を楽しめる準備が整った。さぁ観光にでかけよう。

 キャンプ場からはバスと地下鉄を乗り継いで市内にでることができるのだが、ミュンヘンは公共の交通費をその都度買うともの凄く高いことになる。私たちの場所から一番安く行く方法はファミリーチケットといって大人2名で使える9ユーロのチケット。これだと二人でその日1日のバスと地下鉄が乗り放題になるのだ。値段は市の中心部からどのくらい離れたエリアまで使えるかで値段が変わってくる。キャンプ場でチケットを販売してくれていて、これを購入してキャンプ場の目の前からバスに乗れるので全く苦痛なく市内に出ることができた。バスと地下鉄それぞれに20分くらい乗車すると市の中心地に出る。このくらいの快適なキャンプ場ならばオクトーバーフェストに安く参加したい場合にはここにテントを持って公共の交通機関でやってくるというのもありかもしれない。

 市の中心部にある観光案内所で無料のマップを入手。見れば観光地は徒歩でまわれるくらいの広さだ。このマップにはお勧め散策コースが書かれているので、これに従って歩いてみることにした。これならガイドブックがなくっても大丈夫だ。ミュンヘンでは観光客に向けて無料の徒歩による市内案内ツアーを行っているのでこれに参加するのもいい。有料ツアーではナチスドイツの本拠地であったミュンヘンが心深く反省している意を込めて行っている「ヒトラーの足跡をたどる名所ツアー」とか、一人でビアホールに行きづらいあなたに送る「ビアホールをみんなで4つくらい巡るツアー」とかが面白そうだった。

 私たちはマップにある順路で勝手に観光することにした。見事なゴシック様式の教会を見上げて、教会の左側の道を進むと民族衣装のディルンドゥルが美しく飾られたショーウインドウの店が目を引きいかにもオクトーバーフェスト開催中の雰囲気を出していた。

 先日ルードヴィッヒ2世のノイシュバンシュタイン城を見たせいもあるが、どうにもバーバリアンはメルヘンチックだという印象を持ってしまったので、少しでもメルヘンな物をみつけると「やっぱりなぁ」と確信が強まってしまう。ヘンケルという包丁などで有名な店のビルの角にもちょっとしたメルヘンなアイテムが立っていたりして、こういうのは好きな人にはたまらない魅力なんだろうと思われた。

 イタリア様式の黄色い教会や触ると幸せになるというライオンの像の前を通ったりして私たちが向かったのは、ババーリアン王朝が宮殿として使っていたレジデンス。

 今は広大な博物館となって当時の宝物品や生活用品を展示している。チケットは生活用品の博物館と宝物殿の共通チケットで一人11ユーロ。ユーロ高なので日本円にすると2000円近くなるのだが、チケットにはオーディオガイド料金が含まれているのでものすごく丁寧な説明が受けられて良かった。

 この時レジデンスは修復中で中庭には工事現場の事務所などがあって仮囲いがされているのだが、その囲いにはバーバリアン王朝の王が描かれているのが心憎い。決して安全ヘルメットを脱いで「ご迷惑をおかけしております」とかいう看板じゃないのだ、初代の王様、ルードヴィッヒ2世、ついでに1世など見ていく。誰もが壮麗な衣装に身を包んでいるのだが、バーバリアン王朝に富があったという印象とともに「やっぱり南でもドイツは寒いんだなぁ」というのも強く感じた。豹柄の毛布をかぶってるみたいだもんねぇ。

 レジデンス内部は北イタリアの湖水地方の邸宅でも見られた洞窟風の噴水をあしらった中庭から始まり、蛇の髪を持つメドゥーサを退治する騎士の彫刻、繊細な壁画と歴代の王の彫刻だったかなぁ、多くの胸像で飾られた部屋、タペストリー、居室、様々な国からの陶器の間などヨーロッパの宮殿にある一通りのセットが見られる。その細かい一つ一つについてオーディオガイドがついているから凄い。全部聞いていたら間違いなく一日中ここに入り浸ることになり、終わる頃には完全にバーバリアン王朝通になれるだろう。

 残念ながら全部聞くエネルギーがなかったので途中から端折ってしまったのだが、それでも所々気になる場所では説明を聞きながら進んだ。見れば見るほどヴェルサイユ宮殿をお手本にしているような気分になってくる。バーバリアンのレジデンスを見ながらあらためてフランスの影響力が如何に強烈だったかを知ることにもなった。

 ちょっと薄気味悪かったのは亡くなった先祖の骨や幼くして亡くなった子供のミイラをガラスの容器に入れて宝物のように十字架とともに飾っている部屋だった。キリスト教信仰をあらわしているようだが、他ではあまり見たことがなくオカルトめいていた。

 「やっと」生活用品側を終了。いやー、見ごたえがあったなぁ。くたくたになった。次に宝物殿の方だが、こちらのオーディオガイドではあらかじめ、全部説明を聞くと確か5時間以上になるとかいうアナウンスがある。つまり全部聞くのではなく選べよということを暗に言っているのだった。もちろん既にクタクタな私たちに全部聞く気は全くない。面白そうな宝飾品の解説だけに絞って聞くことにした。どんな宝飾品があるかというと、王妃様の冠、王様の冠や剣のセット、首飾り、金銀宝石のついた置時計など見るもまばゆり本当にお宝がずらりと並んでいる。そこで私たちが「あっ」と気づいたのは、日本で王様や王妃様の冠のイメージがここからやってきているってこと。ちょっとした挿絵やアニメなどの場面で出てくる冠がまさにバーバリアンの王様のそれなのだ。そうだったのかぁ。日本での西洋の王様王女様のイメージはここだったのかと、そこに集中して感動した私たちだった。

 最初の博物館に比べたら宝物館の方は本当に簡単に済ませて、最後にセットチケットで購入した劇場見学にでかける。劇場は今までの建物を出て別の建物に行くようになっていてちょっと迷った末にたどり着いた。

 素敵な劇場だったけど残念ながらヨーロッパではよく見る感じで見学だけではつまらない。ここでコンサートを聴けたら面白かったのだが、予定表をみたら日程が合わないので無理なようだった。

 こうしてレジデンス関連の見学を終えて町をブラブラ。マジパンでできたお菓子が
ソーセージとトマトとプレッツェルを模しているってのがいかにもドイツ的。そういえばイタリアの町を訪れた時も、その町の名物料理がマジパンでお菓子として売られていたのを思い出す。日本でいったら鯛の尾頭付きそっくりの砂糖菓子みたいなもので、美味しい料理をお菓子で再現するというのは以外にも国境を越えて存在するようだ。

 ブランド店の並ぶ素敵な通りからひょいと裏通りに入ると、超有名ビアホールのホフブロイハウスがある。ここなんて思えば学生の時から行ってみたいと思っていた場所だった。もう憧れの気持ちもかなり失せていたが、高い天井に壁画、アンティークな照明、集う人々が手にしている1リットル入り巨大ビールを目にするとやっぱりウキウキしてくる。同時にここに憧れて新宿のドイツ風ビアホールにいったなぁなんて思い出した。

 この辺りには今朝見たディルンドゥルとは違って質は落ちるがお値段がお手ごろなお店が見つかった。クライドゥングマルクトという店名は「洋服市場」ということになりかなり投げやりな名前にも思えるのだが、ショーウィンドウを飾るモデルは若く、値段も手頃なことから若者を狙っている店のようだ。

 確かに店内で販売されている衣装は今朝見た店に比べると色も明るく丈も短いミニスカバージョンだ。後でオクトーバーフェストの会場に行ったら、こういうのを着た若者がわんさか詰め掛けていた。ドイツ人だけでなく明らかにイギリス英語を話している女の子もいた。一着揃えて60ユーロくらいだから旅行者も気軽に楽しめるということなのかもしれない。あー、何だかだんだん欲しくなってきたねぇ。



 こうして今日の散策を始めた教会前に戻って観光終了。そうそう、この教会から少し離れた場所に「ミュンヘンと言えば」というような絵葉書にもよく搭乗するフラウエンキルヒェがあるので行ってみたが、敷地が狭いのに塔がそそり立って近寄ると全体像を撮影しにくい上に、現在修復中。おまけに見上げた空はグレーの曇り空ってことで、全く魅力ない写真になってしまった。


 観光を終了して次に向かったのは中央駅に向かって左手の細い通り沿い(メルキューレホテル並び)にあるバックパッカー。今はキャンプ場に滞在しているが車を返却したらこちらの宿に移動してくる予定なので場所の確認だ。そう思って歩いていたら、駅そばに中華及び韓国及び日本食材を販売する店を発見した。駅前にはトルコ系レストラン、アジア食材店、アフリカ人がわんさかたむろしているインターネット電話屋、イスラム系食品店とミュンヘンの人種の吹き溜まりのような場所でさきほど観光していた場所とはガラッと空気が変わっている。まぁ「危ない」という感じが漂っていた。私たちのバックパッカー宿があるのは理解できるけれど、どうしてメルキューレがここにあるのかはちょっと謎ってくらいな場所だ。

 といっても南米ペルーやボリビアに比べると平穏な空気くらいなので、このくらいなら私たちは大丈夫そうだ。アジア食材店で「Tofu Koenigin(豆腐の女王)」というキャッチコピーのポスターに大笑いしながら、出前一丁や麻婆豆腐の素などを買い揃えた。

 バックパッカーの場所も確認したので、今日最後に残す目的地はオクトーバーフェスト会場だ。今日は初日なのでとりあえず下見だけで本格的に飲んだり食べたりするのは後日にすることにした。

 ということで、引き続きオクトーバーフェストの会場に向かって歩き出したのだった。続く→


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