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2008.09.24 Vol.2
いよいよオクトーバーフェスト会場下見
ミュンヘンの市内観光およびレンタカーを返却した後に宿泊する宿の見学を済ませて、午後4時にいよいよオクトーバーフェストの会場に行ってみることにした。今日は初日なのでとりあえずビールは飲まずに見学だけしてみよう。
市内に設営されている会場までは地下鉄で行ける。地下鉄を降りてから会場までの道のりでは華々しく飾り立てたビール会社のコマーシャル馬車が繰り出して、もうそこからお祭り気分が始まっていた。
道行く人々の中に民族衣装を着た人も多く、空は暗いが人々の雰囲気は明るく楽しい。徒歩10分程で会場に到着した。
みなさん、オクトーバーフェストの会場ってどうなっていると思いますか?
私は日本のテレビの映像でビアホールの中だけしか見たことがなかったので、何の予備知識もなく会場に行ったわけだが、広い広い会場はいってみればディズニーランドや後楽園みたいな場所だった。ゲートをくぐるとメインストリートの両側には大手ビールメーカーの看板を冠した大きなビアホールが立ち並び、その隙間を埋めるように小さな食べ物屋台があった。
メインストリートから側道に入るとジェットコースターや高速で落下する乗り物やパイレーツというのだろうか巨大ブランコみたいな恐怖の乗り物が並んで遊園地になっている。歩いている巨大ドイツ人は男性はバックスキンでできたショートパンツにハイソックス、上半身は可愛いブラウスにつり紐、頭にはチロリアンの帽子といういでたち。女性は胸が大きく開いてウエストで絞ったフリル付きブラウスに若い人はミニスカート、年配者はロングスカートにエプロン、首から巨大ハート型チョコレートクッキーをアクセサリーとしてぶらさげている人が多い。巨大な人がこんなメルヘンなコスプレでぞろぞろ歩いているのは本当に面白い光景だ。歌舞伎町とディズニーランドとコスプレがごちゃまぜになったお祭り、それがオクトーバーフェストなのだった。
会場をぐるーっと一周してから今後は各ビアホールの中に入ってみることにした。入ったのは全部で6ヶ所。今日は下見なのでビールを飲むことなく見学だけ。といっても、一度にこんなにたくさんの人がビールを飲んでいる姿を見られるのはそうそうないことだから、それだけでも楽しかった。どの会場も天井に飾りつけされた体育館のような場所で、周囲に2階席があるものの大半は1階フロアーに設置された椅子とテーブルにぎっちりと座っている。一番奥あるいは真ん中にバンド演奏のステージが設けられているのも共通だ。会場内は人の話し声や笑い声と酒を飲んだ人が発する体温でワンワン、ムンムンしている。
かつてリビア人と一緒にお好み焼きパーティーをしたことがある。イスラム教徒で酒を飲まない彼らは私たちが飲むビールから発生するアルコールの空気だけでハイになって酔ってしまった。もしあのリビア人たちがここにいたら、何も注文せずにタチドコロに酔っ払うことができるだろう。
いやー、それにしても見ているだけで本当に楽しい雰囲気で、この人々に混じって自分もビールを飲んでみたいー!という欲求が高まる。午前中見たババーリアン王朝の宮殿よりもよっぽど興奮しちゃうのだ。やがて午後5時を過ぎると、だんだんとビアホール会場は扉を閉じていく。この時間から先は席を予約した人しか入れないシステムにしてるんだそうだ。どうやって予約するのかわからないが、私たちが見た会場も「この席は○○様20名午後5時よりご予約」というような張り紙をしたテーブルがいくつもあって、日本の年末忘年会よろしく会社や団体で予約している感じだった。
ビアホールに入れなくなった人々が溢れるメインロードに再び戻った私たちが今度目をつけたのが肉の塊がずらりと並んでくるくる回りながらローストされている屋台。
今まで訪れた国ではこうした場合必ずチキンが回っているものだった。しかし、ここはドイツ。回っているのは豚肉の太ももの部分なのだ。これ、シュバイネ・ハクセというドイツの名物料理で太ももは真ん中に骨があって「はじめ人間ギャートルズ」(あ、40歳以上の人しかわからないかもね)で原始人が食べているマンモスの肉そっくりなんだよねぇ、これが。
カリッとこんがり焼けた皮とジューシーな肉はいかにも旨そうで、今度会場に来たら絶対に食べようと心に誓ったのだ。そしてまたリビア人を思う。彼らがこれを見たら卒倒するかもしれない。ぜーんぶ豚肉なんだからね。そういう意味では、オクトーバーフェストは全くもってアンチイスラム教の祭りとも言えるのだった。
こうして本番への興奮を高める目的の下見は大成功。さぁ、いよいよ楽しみになってきたー!
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