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2010.07.17 Vol.2
秘策で駅前をこなし、国立考古学博物館へ
イタリア:ポッツォーリ

 ナポリピッツァで大満足となった後は、国立考古学博物館への地下鉄に乗るために徒歩で中央駅まで移動だ。ピッツェリアのあるダ・ミケーレから駅までは最初は衣料品店の多い繁華街だが、駅に近づくに従って黒人販売員のテント屋台の衣料品店へと様相が変わり、駅前広場では地面に山と盛り上げられたハンドバッグや靴やもうありとあらゆる雑貨の中古品の露店となってきた。販売しているのはジプシーっぽい人たちが多い。

 ナポリ中央駅というと今まで出会った旅人から盗難にあったという話を思い出す。それとこの光景を考え併せると、ここに積まれているものってもしかして盗品か?と疑いを持ってしまう。同時に斜めがけしているバッグのチャックを手できゅっと締め直した。といっても私には狙われにくい秘策があった。今日からナポリを歩くにあたって、よくジプシーの女性がはいているのに似たインドの布地をはぎあわせたスカートをはいているのだ。これはバンコクのカオサン通りで購入したものだ。アジア顔でインド柄のスカートでラオスで買った安い布バッグ。どう見ても金品を持っているようには見えないし、スカートが何となく似ているから気持ち悪いでしょ?ふっふっふ。自分の作戦に勝手に含み笑いが出てくるから、尚更気持ち悪いはずだった。これでナポリの町を安全に歩けるだろう。

 中央駅の北側には再び黒人たちが衣料品やカバンや靴の屋台を出している通りが何筋もある。駅周辺というと安いインターネット電話屋やインターネット屋があることが多いのでちょっと探してみたが見当たらなかった(後日、「地球の歩き方」掲載の駅近くのMimiというレストラン近くで見つかった)。

 秘策があるといっても駅前にいるとソワソワとして落ち着かないので、地下鉄でさっさと国立考古学博物館に移動した。その名もムゼオMuseoという駅は先ほどの中央駅周辺の雰囲気とは全く違って、静かで近代的で駅から彫刻などが配されて別の町に来たかのような印象を与えた。
 

 入場料金一人10ユーロを支払ってさっそく博物館見学だ。

 1階はファルネーゼ・コレクションを中心とした大理石彫刻が多かった。どうしてここでファルネーゼ家の名前が出てくるかというと、この博物館がナポリ公国の王となったブルボン家のカルロ3世が母親のエリザベッタ・ファルネーゼから受け継いだ遺産を展示することから始まったからだそうだ。ギリシア・ローマ時代の模刻は優雅な作品が多く、ファルネーゼ家の趣味の良さを感じた。

ものすごく妙なポーズが気になった作品

タイトルを記録していないのでわからなくなってしまったが、二人の表情があどけなくてとても可愛らしくてよかった。

パン神とダフネ。おっさんくさいパンが少年ダフネに何かをそそのかしているのだろうか嫌そうな表情。活き活きした場面が想像を掻き立てる。

豊穣の女神と左の彫刻の女性のポーズは定番でよくみる。

イルカぐるぐる巻き少年と巨大彫刻

たぶん、ファルネーゼのフローラ

ファルネーゼのヘラクレス

一番迫力のあった作品は、ファルネーゼの雄牛

ファルネーゼの皿。メノウに神々が杯をかかげている様子が彫刻

ちょっと変わった陳列の彫刻

 ここから階段をあがって中2階にはポンペイから出土さらた「アレクサンドロ大王の戦い」などモザイクが見られるはずだったが、修復のために閉鎖。「アレクサンドロ大王の戦い」はそれこそ日本の学校の歴史の教科書でもお馴染みで、実物を見るのを楽しみにしていたのに残念だった。

 引き続き2階にはポンペイ、エルコラーノから出土したフレスコ画や器など。こらからポンペイの遺跡見学が控えているので興味深く見学した。実際にポンペイの現地ではこれほど近くで壁画を見る事ができる場面が少ないし、ここに置いてある物は保存状態もよいので、ポンペイに行こうと思っている人は是非ここを見た方がいいだろう。

「青い壷」(左)とポンペイ出土の「踊る牧神」(右)

ポンペイ遺跡。かなり広い。これから炎天下に観光するのかと思うと今からクラクラしてきた。

 最後の部屋は面白いモチーフの彫刻が多かった。

「アスリート」。緊迫感の漂う表情がいい。

「酔っぱらったサチュロス」。サチュロスはギリシャ神話に出てくる半分ヤギで半分人間の森の精。性格は好色家。「おやじ、もう一杯!」とご機嫌に追加注文しているようで好色家な感じもよく出ていて面白かった。

雨どいだと思うが、機能上、受け口になっているのが笑えた。

この部屋の一番人気だった彫刻。色んな角度で皆が写真を撮りまくり。特に白人の若い女性に人気だった。

 見学時間1時間45分。ナポリの暑い午後を涼しく充実して過ごすにはぴったりの場所だった。

 ここからダンテ広場まで地下鉄で行き、そこから徒歩で地下鉄2号線に乗り換えて帰ろうと歩いてみてたら、地下鉄2号線のモンテサント駅付近がとても庶民的な商店エリアだとわかった。新鮮な魚を扱う店もあり、そこには何と生シラスが!「今回のイタリア旅行では生シラスを死ぬほど食べたい」と言っていた夫は買いたいというが、今日のメニューはもう決まっているので諦めてもらった。

 ところが、後日同じ場所を通りかかっても魚屋が見つからない!生シラスなんて南イタリアに来たらどこにでも売っているのかと思いきや、ずーっと見つからなくて文句を言われるはめになった。

 その後、生シラスはずっと南に下ってシチリア島のパレルモの魚市場で大量にみかけ、やっとここで思いを果たすことができたのだった。生シラスまで長い道のりとなったきっかけは、ナポリに始まったのだった。

 通りかかったケーブルカーのモンテサント線の駅前ではグラニータ屋台が出ていた。

 レモンの皮のみじん切りが入ったレモン汁のカキ氷で、カップにすくって入れてくれて一杯1ユーロ。酸味と甘みと冷たさで歩いてきた体の火照りが一気に冷めて気持ちいい。後日、グラニータを何度か食べたが、ここの物が一番おいしかった。

 最悪は、ソレントのカプリ島行きフェリー乗り場近くでうっかり値段を聞かずに注文したグラニータ。全然凍っていないレモン水に近い代物に4ユーロも支払わされた。

 地元民相手に商売している場所は安心の値段で買えるからいい。

 こうしてモンテサント駅から地下鉄でキャンプ場まで戻って今日の観光は終了。夏もいよいよ本格化した上に南に下ってきているので、観光するのにも体力がいる。さぁ、明日も頑張ってナポリ観光だ!

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