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2010.07.17 Vol.1
下町地区のスカッパ・ナポリ
イタリア:ポッツォーリ

 さて、今日から数日間はナポリ通いでバリバリとナポリ観光を行う。

 ポッツォーリからナポリまでとナポリ市内の交通機関を利用できるチケットを見てみると1回券、1日券(当日24:00まで有効)、3日券とあるが、3日券になるとカバーしているエリアがカンパニア州全土と広がって値段もぐっと高くなる。

 私達に適しているのは結局1日券だと判断して駅のキオスクで1日券を毎日購入することにした。今日は週末なので通常3.1ユーロが2.6ユーロになったのはラッキー。

 ポッツォーリの駅から徒歩15分ほど離れたキャンプ場を出て、スカッパ・ナポリ観光を始める地下鉄カブール駅に到着するまで、待ち時間なども入れて1時間15分くらいかかった。ナポリにより近いからとポッツォーリのキャンプ場を選んだが、駅からキャンプ場までの距離と電車の本数と所要時間を考えるとポンペイ駅前にあるキャンプ場の方がアクセスが良かったようだ。初日にしてポンペイへの移動も頭をよぎったが、昨日、体験したサウナがどうにも魅力的でこのままポッツォーリにいることにした。

 観光はドゥオーモから始めてトリブナーリ通りを西に下り、ベッリーニ広場から一本南側のB.クローチェ通りをまっすぐに東に行くという逆コの字を描くようなコースを歩いた。観光は下町の雰囲気を楽しみつつ、ごちゃごちゃした下町の家々に埋もれるようにある教会をのぞいてみるという感じになった。

 これぞイタリアの下町という雰囲気丸出しのこの界隈は、ナポリに対して持っていたイメージを十二分に満足させてくれるものだった。

 カブール駅で降りて地上に上がり、ガイドブック片手にドゥオーモに向かっていると、ナポリのおちゃんたちが「ドゥオーモはあっちだぞ」と聞いてもいないのに次から次へと話しかけてくる。ちょっとアラブの入った濃い顔立ちで、着ている服も年代物のよれよれの背広崩れのジャケットだったりするので、今までの経験からこういう人たちに話しかけられるとどうしても体に緊張が走るのだが、どうやらここは本当に人懐っこいというか親切心で言ってくれているらしく、誰もそれで金をよこせなどとは言わないのだった。到着した途端にナポリ下町の雰囲気がどっと押し寄せてきた感じがした。

 ドゥオーモまでの通りは商店の並ぶ繁華街なのだが、どのビルも古びて色あせている。よく見るとバロック様式の素敵なベランダや装飾が付いているのだが、一様にすすけていた。こんな中にあて、ドゥオーモは思っていたよりも大きくパリッとしたネオ・ゴシック様式のファサードが美しい建物だった。

最初に建設されていたサン・レスティトゥータ教会。サン・レスティトゥータ教会は5世紀の初期キリスト教の教会で、この教会とステファニ聖堂のあった場所に、1300年代に建設されたのが現在のドゥオーモだそうだ。

古めかしいモザイク画、凝った草模様の門の飾りなどが美しい。

クーポラの天井に描かれた絵画もなかなか迫力があった。

デゾーロ・ディ・サン・ジェンナーロ礼拝堂。

 毎年5月に聖ジェンティーロの血液が液体化して人びとに公開されるってことをナポリではやっているらしい。液体化しない年はナポリに大災害が起こるという言い伝えがあるのだそうだ。その血液の入った壷が、ジェンティーロ礼拝堂の隣の鉄格子がはめられた奥の部屋に保管されているそうで、鉄格子越しに目を凝らしてみたがどこがその部屋なのかはさっぱりわからなかった。にわかに信じがたい話だと思っているのに、壷があると聞くと思わず探してしまう。この手の話にはそういう魅力があるなぁ。

 ドゥオーモの一番奥にある中央祭壇には大きな「被昇天の聖母」が飾られている。ピエトロ・ブラッチの作品。午前中は背後から光があたって彫刻は見えにくかった。

 ドゥオーモからトリブナーリ通りに入る。ここは一通の石畳の細い道だが、道沿いにこちゃこちゃと並んでいる店の中には老舗のピッツェリアがいくつかあったり、突然教会が立っていたりする。かと思うと脇道の細い路地を見上げると洗濯物がはためいてもいて下町ワンダーワールドのど真ん中に来たという感じがした。

狭い歩道に椅子を出して店のおっちゃんが座っていたりするし
バイクはいるわ、車は通るわで朝から忙しいトリブナーリ通り。

ジロラミーニ教会

黒地の円にピエロが焼き窯からピザを取り出す道具を持っている
マークがおいしいピザ屋の印だとある旅人から聞いていたが
早速発見。

店の名前はディ・マッテオDi Matteo。ガイドブックの筆頭に来る有名店だった。朝から揚げピザPizza Frittaも買えるが、まだそんな気分じゃなかったので通過。

サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会。地下にはギリシア・ローマ時代の遺跡があるらしい。ギリシャ衣装の女性のポスターが誘っていた。

サン・パオロ・マッジョーレ教会。狭いトリブナーリ通りで大きな教会を撮影するのは大変。どうしても別の建物が写ってしまった。

トリブナーリ通りだけでも少なくとも2軒の魚屋を発見。ナポリっ子はやっぱり魚好きなようだ。

アーケードの下に店が並んで、簡単なワンピースの母さんが買い物したりして、日常生活が見られる。


ブルガトリオ・アダルコ(サンタ・マリア・デッレ・アニメ教会)。教会へ上がる階段下にブロンズ製の骸骨、ファサードにもよく見ると骸骨を使った装飾が散りばめられている教会で、17世紀に流行した死者信仰を反映しているそうだ。

サンタ・マリア・マッジョーレ教会(左)とサン・ピエトロ・ア・マイエッラ教会(右)。トリブナーリ通りに入って600m程の間に7つもの教会があった。すごい密度だ。

ベッリーニ広場の一角にあるネアポリスへの掘削穴。ナポリの地下にはその前の時代の古代都市ネアポリスが残っているそうだ。1954年から掘削作業が始まり、今では新たな観光名所となっているそうだ。

 とまぁ、ここまでがトリブナーリ通りの写真。そこから左に折れてジェズ・ヌオーヴォ広場に向かった。ここにはインマコラータの尖塔と呼ばれる処女マリアの崇拝を象徴する34mもあるモニュメントが立っていた。また、この広場の名前の由来になったジェズ(イエズス会)の教会、ジェズ・ヌオーヴォもその変わった外観を広場に見せていた。ここからトリブナーリ通りに並行して走る一本南側の道をドゥオーモ方面に戻って歩いた。

ジェズ・ヌオーヴォ広場

ピラミッド型の石を張り付けたような外観が斬新

外壁のアップと内部。この教会も他のジェズ教会と同じく戒律に反して内部がゴージャス。

サンタ・キアーラ教会

サン・ドメニコ・マッジョーレ教会

サンセヴェーロ礼拝堂はサンセヴェーロ公だったライモンド・デイ・サングロ公が再建し美術品を展示している。一番有名な作品はチケットにもなっているJoseph Sanmartino作「ヴェールに包まれたキリスト」。素敵な彫刻もいくつかあるが一人7ユーロの入場料金に見合うほど作品数はなかった。でも「ヴェールに包まれた・・・」が見たかったから払って入ったんだよね。

 ここから歩いた道もトリブナーリ通りと変わらぬ細い道で、更に脇道をのぞくと小道をはさんで向かいの家との間に渡されたロープに洗濯物がぶら下がっている。なんともまぁ下町的な風景の場所だった。

 通りには様々な店が並んでいるので、観光客ばかりでなく地元の若者などもブラブラと歩いているような活気のある場所だった。

 ドゥーモから始まってスカッパ・ナポリの散策は私達のようにざっくりと見るなら2時間。各教会の聖具室やローマの遺跡など有料の場所をくまなく見たらもっと時間がかかるだろう。

 午後からは国立考古学博物館に行こうと予定している。ナポリ中央駅から地下鉄に乗ればいいので、今いる場所から近い有名ピッツェリア、ダ・ミケーレでナポリピッツァを食べることにした。

 12時45分。既に満席近くてぎりぎり席を確保できた。ピザは2種類しかなくて、席に注文を取りに来た人に、飲み物とピザの種類と大か小かサイズを選び、エクストラチーズにしたかったらそれも同時に言うと注文終了。焼き上がった順に運ばれてきておとなしくさっさと食べて出るという立ち食いソバやくらい気軽で忙しい店だった。ナポリで、しかも地元の人も多く食べにきている人気店のピザは、トマトソースがジューシーで中は薄いけど端がモチモチして適度な塩味のきいた生地。これが本場ナポリのピザかぁ。旨い。やっぱり旨かった。

 私達が店を出た1時半頃には6組待ちくらいになっていた。
 

→後半、「秘策で駅前をこなし、国立考古学博物館へ」に続く


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