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2008.08.26
サルソマッジョーレのテルメ見物
長かったミラノ滞在も終了して、次のキャンプ地に移動だ。ミラノは大都会の上、北には湖水地方、郊外にも魅力的な町が多くて毎日のように出かけても観光する所が多く、忙しくも充実した日々だった。
今日向かうのはパルマから西に40kmくらい離れたキャンプ地。キャンプ地ガイドブックにはサルソマッジョーレ・テルメと書かれていたが、実際にはその少し手前の小さなタッビアーノ・テルメという村のこれまた郊外にあるキャンプ場だった。
大都会ミラノを離れて高速をひた走り、パルマの手前で降りて1つ目の町を抜けると見事に牧歌的な風景に包まれた道になった。時折、「アグリツーリズムやってます」みたいな看板が出ている。やがて「アリゾナ」という妙にアメリカンな名前のキャンプ場に到着した。9時半に出て11時17分到着。いいペースだった。
テントを作って軽くラーメンで昼食を済ませ、サルソマッジョーレ・テルメの町に行ってみることにした。今一緒にいる友人の一人がここから先に帰ることになっていて、ミラノ行きの電車がサルソマッジョーレ・テルメから出るらしいので切符を買いにいくことと、スーパーで食料の調達が目的だった。
町中まで車を入れて駐車場を探している時に「THERMAE」と書かれた立派な建物を目撃。そうか、テルメなんだ、ここは。無料の駐車場に車を停めてますは駅へ。サルソマッジョーレからミラノへはまずバスでフィデンツァまで行き、そこから列車でミラノに行くことになるらしい。ただし切符はつなぎで変える。駅員は英語が達者でスラスラと説明してくれたので問題なくチケットが購入できた。駐車場まで戻って、とにかく気になるTHERMAEを見に行こうってことになった。
テルメといえば「浴場」?こんな立派な先頭があるなんてさすがイタリアだ。いやしかし、あまりに立派過ぎる外観に、もしかしたらこれは「浴場博物館」なのかもしれない。などと超勝手な想像をしながら建物に入っていった。なんたってガイドブックに乗っていない小さな村だ。何の情報もないので想像の翼は羽ばたけるだけ羽ばたくのだ。
中に入ると更にゴージャスな内装に驚いた。
1階は左手がレストラン・バーのような構えでソファーがおいてあり、右手にはカバーのかかったピアノといくつか客席がおいてあってミニコンサートが行われるような感じだった。真ん中の大理石の緩やかにカーブする階段をあがってゆうに3階に相当しそうな2階になると、1階のロビーが吹きぬけになって見えていて、吹き抜けになった目の前にはエジプトモチーフのアールヌーボー調の壁画になっている。最近見ているいくつかの宮殿よりもゴージャスな感じじゃない?ふと気付くと2階左手がテルメのフロントになっているようだ。置いてあるパンフレットをパラパラとめくると、「スペシャルトリートメント」「フェイシャルトリートメント」などの文字が躍り、「○○風呂」みたいな表現はどこにも見つからなかった。ってーことは、ここは「浴場」でもなく「浴場博物館」でもなく「スパ」ってことらしい。
後で知ったのだが、クレモナとパルマの丁度間くらいにイタリアを代表する作曲家ベルディが生まれ、その後の作曲活動を行った地域がある。ここサルソマッジョーレにもベルディ様は保養に訪れていたということで、昔からVIPが集う町であったようだ。その歴史を受け継いで、こうしたスパが、私たちにとっては「こんな田舎に」と思える場所に忽然とあるのがいかにもヨーロッパな感じがした。
ついでに観光案内所にも行っておこう。ここの案内所は建物が可愛らしい。と私たちは賞賛の限りを尽くしながら近寄ったのだがシエスタで休館。いくら褒めてもシエスタなんだから午後3時半まで開かないのは開かないのだ。そう、こんな時ふと隣に目をやると都合よくカフェがあったりするのがイタリア。しかもジェラードもやっている。ここのジェラードは2スクープで1.5ユーロとミラノよりも0.5ユーロ安い!偉い!そして相変わらずフルーツを絞ってそのまま固めたような果物そのものの味。ここのは本当においしかった。明日で帰るという友人は「明日の朝出発前にもう一度食べたい・・・」とこの晩、うわごとのようにつぶやいていたのだった。
サルソマッジョーレには大きなスーパーが2つ並んでいて食料の調達には問題なし。これでここでのキャンプ生活も楽しめそうだ。しかも「アリゾナ」には大きなプールが4つもあって素敵なのだった。
※キャンプ場の詳しい情報は「Accomodation〜イタリア」を参照ください。
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