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2011.04.19
近所のご機嫌なクラブ、EGREM
キューバ:ハバナ

 キューバの町をいくつか巡ってきて再びハバナに戻ってきたのだが、ハバナという町の観光の見所は詰めて見れば1日で終わってしまうくらいなもの。キューバに到着してすぐに半日かけてかなり旧市街を歩き回ったので、もうそんなに見るべき場所も残っていなかった。とういことで、今日は一日見残した観光地をぶらぶらと散策して日中を過した。

 繁華街のオビスポ通りから北側にあるハバナ大聖堂、その近所にあるヘミングウェイがよく通ったというバー、CDショップ、そこから海沿いの公園に立っている支倉常長の像なんかを見て周っていたら、丁度午前中が終了した。

オビスポ通りからハバナ大聖堂へ向かう小路

ヘミングウェイがよく通ったというバー

CDショップでまたしても踊って買う作戦が成功

支倉常長の像は最近、仙台にある大学の寄付で立てられたようだ。

 ハバナ大聖堂前に出た白いパラソルの下でツーリスティックなお食事も楽しそうだったが、私達は既に行きつけとなった人民ペソが使えるレストランLa Luzに行くことにした。

 午前11時半のLa Luzには既に行列ができていて、12時のオープンと共にすぐにテーブルが満席となり、あと1組という所で一巡目に入れずに待つ羽目になった。優雅でゆったりしたサービスのレストランなのでたっぷり1時間待たされて、レストランに入れたのは午後1時を5分回った時だった。

 そんなわけで午後の時間はあっという間に過ぎ去り、レストランで食事を終えて外のカフェで一杯のコーヒーを飲んでいたら既に2時半になっていた。

 宿に戻って仮眠して、中華街で早目の夕食を終えてから、今宵のお楽しみに出かけることにした。キューバは音楽が盛んな国で、音楽と言えば夜のライブハウスが盛り上がる。とういことでナイトライフなしにキューバの観光は終われないという事になっている。特に首都ハバナには有名なクラブがたくさんあって、それこそキューバミュージック好きに言わせればきら星のような大物スターのライブが毎晩のようにあちこちで繰り広げられているから、忙しくしょうがないのだそうだ。

 私たちは夜はあまり行動したくないのだが、ライブは聞きに行きたい。宿のお父さんにそんな話をしたら、じゃぁ近所のライブハウスがうってつけだと教えてくれたのがEGREMだった。EGREMはキューバで一番古いレコード会社で、そこが経営しているクラブの1つが偶然にも滞在している民家を出て角を曲がった所にあったのだった。クラブまで徒歩1分。こんな素敵なロケーションったらない。しかも、ライブ開始が午後5時で午後9時にはお開きになるという時間帯もよかった。

 EGREMでは毎日異なる音楽のライブが行われるのだが、だいたい曜日毎に傾向が決まっていて木曜日の今日はルンバナイトなんだそうだ。入場料金は一人2CUCだった。

 午後6時に入ったのだが、中は既に大盛り上がりのほぼ満席になっている。こんな住宅街の中にあって派手でもない建物なので、しんみりやっているのかと思ったら全然違っていた。まぁ、キューバでしんみりってのはあり得ないということだ。

 一番奥にようよう空いているテーブルを見つけて着席。前の大きなテーブルには明らかに外国人軍団と思われる白人のおっさんたちと黒人系キューバ人女性のグループがいて、もうしたたかに飲んで酔っ払っていた。不良外人が現地女性をはべらせているのかなぁと思って見ていたのだが、白人のおっさんたちは私達にもラム酒はいかがかな?と勧めてきて、一気に私たちもこのグループに引き込まれることになった。

 このグループはフランス人で、キューバで自動車部品の会社を作って仕事をしている人たちだった。仕事が終わるとこうしてパーっと同僚たちと飲んで騒ぐんだそうだ。午後6時の段階でもうこんなに飲んでるってことは、かなりゆるゆると仕事をして人生を楽しんでいるという感じでやっているようだ。みなさん、半分リタイアの年齢なので、もう楽しみながらゆっくりとやっているんだろう。
 


 そんな私達のテーブルに「ここ、空いていますか?」とビール片手に入りこんできたのが素敵なワンピースを着た若い女性だった。彼女はチェコ人なのだが仕事の都合で現在ノルウェー在住中。そのノルウェーから「サルサを習おう!キューバツアー」というのに参加してきているのだそうだ。今日でツアーが終了して明日はノルウェーに帰る。サルサレッスンが行われてたここEGREMで先生や他の生徒と最後の夜を楽しみに来たというわけだ。仕事のストレスで体に変調をきたしている彼女は、ヨガにも興味を持ったりして、どうにか体の不調から逃れたいと思っている。今回、キューバでパーっとサルサを習う事でストレスが解消されるのを期待してきて、果たしてここにいる間はかなり気が晴れたそうだが、明日からまた仕事に戻ったらどうなるかしら?と不安げだった。

 ところで、このサルサレッスンには日本人も参加していたそうで、「彼女から聞いたんだけど、日本ではサルサは大人気なんだって? 私、びっくりしちゃった。」と言われた。確かに中・南米旅行から帰った旅人でサルサにはまってしまった人を数人知っているが、でも日本全体として大人気というのはどうなんだろうか?それとも私達の知らないうちに日本はサルサ大ブームになっているのだろうか?ちょっと楽しくなってきた。

 演奏は午後9時まで行われているということだったが、午後7時過ぎに陽気なフランス人のおっちゃんたちが撤退してしまったので、私達も宿に戻ることにした。会場にはまだまだ人がいて、これからも盛り上がりそうな雰囲気だった。このクラブにはかなり大勢の外国人がきているのはサルサレッスンが行われているからなんだろう。こういうコミュニティーがある事がわかったのも、今日の収穫の1つだった。しかし、何といっても徒歩1分で帰れるのは素晴らしい。

 家に戻ったら旦那のレイノルドと奥さんのマリアがリビングで寛いでいて、「エグレムはどうだった?楽しかった?」と聞いてきた。本当にホームステイしているような家庭的な雰囲気に思わず笑みがこぼれてしまった。レイノルドが昨日、「サルサを習いたかったら僕が教えてあげよう」なんて言っていたのを真に受けて、さっそくサルサを教えて欲しいと頼むと急に引け腰になり、自分は最近踊っていないから娘のジャネットに教えさせようと言ってジャネットからレッスンを受けることになった。

 ジャネットはまだティーンエージャーでサルサの素地のない外国人に教えるのは初めてらしく、どうして私達がこんなに動けないかが理解できないのがおかしくて3人で大笑いしながらのレッスンとなった。「ミラ、ミラ(スペイン語で見て、見て)」と自分のステップを指さしながらシャラシャラと踊るジャネットの動きは、ステップと共に大腿、腰、上半身が全部微妙に連動してかっこいい形を作り出しているのを本人は全く意識していないようだ。だから、私が同じようにステップを踏んでも、なーんだか全然違うのがどうしてなのかがわからない。なんというかDNAから変えないとサルサは踊れないじゃないかっていう気さえしてくるのだったが、教える方と習う方の努力の甲斐あって、30分後には少しはまともな形になってきたのだった。
 

 こうしてお茶の間サルサレッスンを受けて本日は終了。いやいや、なかなか濃い一日だった。


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