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2010.05.07
ラス・ガレラスの周辺の様子と観光計画
サマナ半島の北東端にあるラス・ガレラスにやってきた。
サマナ半島でのメインイベントはサマナからフェリーで行くカヨ・レバンタードという島へのエクスカーション。サマナ半島の最初の拠点にしたラス・テレナスから行こうと思ったのだが、サマナへの直行グアグアがなくエル・リモンで乗り換えて1時間以上かかる。ラス・ガレラスからサマナへは直行グアグアがあり45分で行ける事に加えて、ラス・ガレラスにも魅力的なビーチがいくつかあったので、こちらに拠点を移してラス・ガレラス観光とカヨ・レバンタード行きを目指そうとやってきたのだった。
ラス・テレナスが大きなスーパーもある町で2000人ものフランス人が居住する町である一方、ラス・ガレラスはまだまだ未開な村という趣の場所だった。ロンリープラネットに記載されている宿を目指して行ってみると、ベルギー人だというロナルドという男性オーナーが温かく迎えてくれた。未開発の村だけに観光案内所もちゃんとしたものがなくて困ったなぁと思っていたらロナルドが手書きの周辺地図を作製してくれた。これがものすごく素晴らしい。
ガイドブックを見て行きたいと思っていたのが@のプラヤ・フロントンとAのプラヤ・マダメとCのプラヤ・リンコンだった。ロナルドの地図とヒアリングの情報でだんだんと観光計画が固まってきた。宿からAまでは片道5kmくらい、@までは片道8kmくらいのようで、両方を訪れて歩いて帰ってくるのは距離がある過ぎるのでAを経由して@に行き、帰りはボートで帰ってくるというのが理想的に思われた。ロナルドいわく午後だと@からラス・ガレラスまでのボートは2人で250〜300ペソ(US$6.76〜8.1)が相場だそうだ。ただし5月に入ってローシーズンなのでボートが待っているかどうかが不安材料だった。ボートがいなかったら歩いて帰ってこなくてはならない。ということで@まで行くのは微妙でAまでだけ歩いて行こうかという気分になってきた。
Cのプラヤ・フロントンは当初歩いて行けることを期待していたが道がなく、陸路は内陸を大きく回り込んで宿から片道20kmはあるので、ここはラス・ガレラスの村からボートで往復するしかないようだった。ロナルドの知り合いのボート主の名前を聞いて、彼らなら一人400ペソ(US$10.81)で行ってくれるという情報までもらった。
今回は結局、翌日ロナルドの知り合いでラス・テレナス在住のベルギー人男性がやってきてAを経由して@まで歩いてきた私たちを拾って車でCまで連れて行ってくれたので問題は一気に解決してしまった。いやー、ラッキーだった。
もう一ヵ所、ラス・ガレラスで訪れたかったのがBの一番左端にあるオールインクルーシブ・リゾートホテルだった。ここに日本人の男性で「海王(かいおう)」と名乗る男性がいて、沖合に自力で魚が集まるような環境を作ってスノーケリングツアーを行っているという話を、ラス・テレナス在住の日本人女性から聞いて、是非「海王」なる人に会って話を聞いてみたいと思ったのだった。
ということで、ロナルドの地図のお陰で着々とラス・ガレラス滞在中の計画が立っていった。この宿にはキッチンがついているし、食材はラス・ガレラスのスーパーに行けば何とか入手できそうだし、ラス・ガレラスまでの2.5kmの道のりは取りあえず初日の今日はロナルドが車で連れて行ってくれるし、1日1回ないし2回は村まで行くので同乗させてくれるということで問題はないようだった。ラス・ガレラスは小さな村だが銀行(ATMでキャッシングもできる)とスーパーとインターネットカフェとレストラン数軒と宿数軒があるので一通りの生活はできる。
到着した今日は、とりあえずロナルドの宿に飛び込んで決めてしまったがもう一軒気になっていた宿を見に行ったり近所のビーチに行って過ごそうと決めた。
もう一軒気になっていた宿というのはロナルドの宿と同じホームページに掲載されている宿でロナルドの宿より更に1km村から離れた場所にあって別の女性が経営している。宿を出て右手に歩きT字路を右手に坂を上った所にその宿はあった。丁度オーナーのカリンが車で出かけようとしていたので車を停めて立ち話。宿の中を見る事はできなかったが1軒屋できれいそうだった。ロナルドの宿と同じく一泊1200ペソで宿が持っている土地でできた野菜はゲストに無料でくれるという話だったが収穫はそんなにないようでやはり村のスーパーまで食材調達に行かなくてはいけない状況は同じようだった。カリンも毎日車を出していて同乗させてくれると言っていた。ロナルドの宿との違いはインターネットがあること。ただし村から更に1km遠いというのがディスアドバンテージだ。話を聞いてみてやっぱりロナルドの方で良かったことが判明してすっきりした。
カリンの宿の近くにはもう2〜3軒宿があるようだった。そのうちの1つLa Loma
Citaという宿も見に行ってみた。こちらでは手作りのハム、パテ、パンの販売と、ドミニカ共和国で作られた高級チーズ、ヨーグルトなど西洋系の人には貴重な食材を販売もしていて冷蔵庫を開けて色々と見せてもらった。母屋はとても素敵な家具でオーナー夫妻のセンスが光る家だった。コーヒーでもいかがですかというお誘いを喜んで受けて、更にお話を聞いた。夫妻はフランス人で20年前に脱サラしてカリブ海の別の島マルチニークに転居して、そこで家具店から始まり最終的に食品雑貨店を営んできたそうだ。今はマルチニークの店は息子に任せて、自分たちはドミニカ共和国のここで宿を始めたということだ。母屋と同じ敷地に部屋が1つあってB&Bで希望によっては奥さんの食事も出すサービスを行っているというのが1つと、別の敷地にはキッチン付の素敵なアパートがいくつかあった。アパートは一泊US$90と私たちの約3倍だけあってとーっても豪華だった。宿は営利というより趣味という感じがして、夫妻の余裕のある生活振りが伝わってくる所だった。「どうして脱サラしたんですか?」と聞くと、旦那さんが「フランスにいるのが嫌んなっちゃってさ」と答えた。「世界中の人が焦がれてやまないのがフランスなんですけど」というと大笑いになった。ドミニカ共和国では様々なヨーロピアンに出会って面白い話が聞けたが、この夫妻の人生もなかなか変わっていて面白かった。
何も買わないし、宿も別の場所だという私達にコーヒーを振る舞っておしゃべりの相手をしてくれたお礼を言って、この場所を去ったのだった。ドミニカ共和国で暮らすヨーロピアンはどこかゆったりと余裕があって親切な人が多い。
さて、今度は「海王」に会いに行こう。
私たちの宿から一番近いビーチまでは10分くらいの道のり。そのビーチ伝いに左に歩いて50mも行けばオールインクルーシブホテルのプライベートビーチになっている。プライベートといってもかなり緩くて私たちもおとがめなしで入れてしまった。ビーチ沿いに立っている小さなブースに東洋人の男性2名を見て確信。話しかけてみるとやっぱり「海王」さんだった。
ドミニカ共和国で海産業に関わるプロジェクトに参加していた所、日本政府からも要請があって日本政府のスタッフとしてプロジェクトに関わったりしていた「海王」さんだが、今は魚が自然に近い環境で集まってくる実験を行っているのだそうだ。その実験場としてラス・ガレラスのこのビーチ沖を使ってもいいというドミニカ共和国からの許可を得たのが始まりだそうで、今では網の囲いもないのに魚がどんどん集まってくるようになり、その場所をスノーケリングするというサービス(1回10ユーロ)も行っている。ゆくゆくは同じような環境をドミニカ共和国のあちこちに作りだして行くのが目標だという話だった。訪れたのが夕方で、多くの魚を見るには午前11時頃がいいと言われ出なおすことにしたのだった。「海王」さんのもとにはトシオさんという青年がアシスタントでついていて、二人の掛け合いによる仕事内容の説明はとても楽しげで充実しているように思われた。私達も是非そんな海の中を見てみたかったのだが、最初の目的地を観光しているうちに天候が崩れてチャンスを失ってしまったのはとても残念だった。
さて、こうしてラス・ガレラス到着初日は情報収集、観光計画、食材買い出し、近所の宿巡り、「海王」さんに会いに行くと盛りだくさんで、全てが終了したら既に午後6時くらいになってしまった。今日はこれでおしいまい。ふー、充実した1日だった。
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