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2009.11.13 Vol.1
バンビエンからルアンパバーンへの風景
ラオス:ルアンパバーン

 バンビエンからルアンパバーンへは車で7時間かかる。同じような距離のビエンチャンとバンビエン間が3時間なのに対して倍以上の時間がかかるのは山間の道を走っていくからだった。

 バンビエンの辺りはメコン川の両脇に険しい岩山が連なる風景だった。川沿いの平地には田んぼが広がって黄金色に頭を垂れた稲穂を刈る村人の姿の向こうに険しい山が見える風景は一幅の絵を見ているようだった。時に道をゆっくりと横断する牛達にスピードを緩めながらも車は快適にルアンパバーンへの道を突き進んでいった。

 山が屏風のように道に迫ってくる地域を通り抜けて10時45分頃にある村で一回目の休憩だ。お昼ご飯にはまだ早い時間だが、見ると運転手さんがご飯を食べている。こういう時は素直に運転手さんに従った方がいいと、私達もここで早めのお昼ご飯を食べることにした。これは正解だった。というもの、2回目の休憩は午後1時半過ぎと遅い時間で、しかも食堂は他のイギリス人たちが「あそこはぼったくりだ」と文句をいうような値段の店だったからだ。ぼったくり=rip offという英単語はここで学んだ。

 休憩を経てからしばらくは平地を進んだ。少し行くと村がぽつんとあり、また少し行くと村があるという風景で、ひなびた家屋から子供達が転がり出てきて遊んでいる。どこの村に行っても子供がたくさんいて、田んぼに米が満ちている。豊かな気持ちになる風景だった。

 やがて車は斜面をどんどんと登っていくようになる。ウネウネと山を登っていくとしまいには背後に自分たちが登ってきた山道がずっと下に見えるような場所までやってきた。右手には変わった形の山が出ていて、私達が行く先の山の上には丁度展望にぴったりのドライブインがあった。同乗していたお気楽なイギリス人達はあの展望ポイントで絶対に休憩すると信じ込んでいるようで、あっさりと展望ポイントを通過した時に深いため息が漏れた。

 私はこの展望ポイントに停車している車をざっと見た時から「ああ、ここには止まらないな」と思っていた。というのも駐車場に並んでいる車はもっと高額の旅費を支払っているに違いないツアー会社手配のピカピカの車か団体旅行を乗せる大型バスばかりだったからだ。ツアー会社からこの展望ポイントに利用料が入るシステムのグループだけが立ち寄っていることは明らかだった。


 最後部座席に座っていたイギリス人旦那が運転手の隣に座っている奥さんに「今度景色がいい場所に来たら車を止めてくれるように頼んでくれ」と指示したが、英語が全くわからない運転手には「止まってくれ」という部分しか伝わっていない。この壮大な景色がすっかり終わって、山のカーブを曲がりきって反対側の浅めの谷間が見えてきた場所で運転手が車を止めた。トイレに行きたいと思っていたらしい。2度目のため息。ここの写真はいらないようだ。横に首を振って車から降りない奥さんに対して、運転手は「理解不能だ」という表情で再び車を出発させたのだった。ま、こういう意思疎通ができないという不便も旅の醍醐味。私達は敢えて何も言わずにこの状況を見ていた。

 2度目に休憩で立ち寄った村は食堂だけでなくお土産物のスカーフや鞄も売っているようなやる気に満ちた店だった。

 私達と運転手以外は猛烈にお腹が空いていたようでみんながっつり注文したのだが、支払いの段になってあちこちで「え?そんな金額?」というつぶやきが聞こえた。特にビール大瓶と缶ビールと焼きソバなど2皿くらい注文したロシア人男性2人チームが納得がいかないようで、「どうしてKip50000=US$6にもなるんだ」と女将さんに食いついてなかなか支払おうとしない。女将は紙をペンを取り出して一つ一つの値段をブレイクダウンして表示し、ロシア人はやっと納得して支払った。サッとお金をつかむと女将は踵を返してやれやれというように肩をすくめた。まぁ、そんなにぼったくっているわけではない。ちょっと高いくらいなのだが、皆地元の金銭感覚になっているのかシビアだ。

 今度はどんどんと坂を下って、午後4時過ぎにルアンパバーン郊外のミニバスステーションに到着した。

 宿の客引きが寄って来てどうだどうだと勧めてくる宿は、新築で知名度が低いようで値段の割りには設備が整って魅力的なものもあった。しかし、ロケーションが私達の思っている夜市近くではなかったのでお断りした。

 ここにはトゥクトゥクが来ていて、到着した客は中心部まで一人Kip10000で連れて行ってくれる。狙った宿はJomaから左に折れる通り沿いにあって満室だったが、この通りは軒並み宿という場所で止まる場所には困らなかった。


 
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