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2009.11.12
バンビエンの風景
ビエンチャンからバスで3時間ほどにあるバンビエンは目の前に川が流れ、その向こうに岩山がいくつも見える「風光明媚」という言葉がぴったりくる村だった。
村の中心部は川に沿った500mくらいのメインストリート1本。そのメインストリートから川に向けて直角に数本の道が並んで宿やレストランや土産物屋が並んでいる。その界隈だけ歩き回るなら30分もあれば充分という広さの場所だ。
本来なら村が成立するような産業もない場所が観光名所になって村らしき形を整えている。来るお客さんの多くが外国人なので並んでいるレストランはビエンチャンよりもハイカラでピザやスパゲティーという看板が見えたりするし、中には日本語で「親子丼、お粥・・・」などと書いたレストランもある。私達はビエンチャンでローカルの食堂や市場でご飯を食べていたので、逆にバンビエンのレストランしか選択肢がないというのは困った状況だなぁと思っていた。
しかし、夕方になるとメインストリートの端の十字路に豚や鶏の炭火焼屋台やお惣菜とカオニャオという蒸したもち米を出す屋台が並んでビエンチャンでの食生活と同じくらいのコストで食事ができる事がわかった。景色はいいし、ご飯もおいしい。
急にバンビエンが快適な場所に思えてくるのだった。
他の旅人からバンビエンはドラッグとディスコの村なので騒がしくて客層も良くないと聞いていたので、夜になったらどんな騒ぎになるのだろうかと思っていた。確かに夜から大音量で音楽をかけるバーが5つ、6つあってうるさいことはうるさい。しかし、店を覗いてみると人が入って賑わっているのは1軒のバーと1軒のディスコだけであとは大音量だけが響いている状況だった。ドラッグでヘロヘロになった若者が闊歩しているかと思いきや、以外に静かな通りだった。私達の宿マラニー・ゲスト・ハウスは中心部なので一番にぎやかな場所にあるのだが、それでも奥まった部屋にいると喧騒は聞こえずにぐっすり眠れた。
明けて今日は、村を散策。晴れていてとにかくクラクラするほど日差しが強くて暑い。自転車を借りて遠出をするには暑すぎる日だった。それを知っているのか朝10時にはサイクリングの散歩を終えて帰ってきているような白人老夫妻を見かけた。
川沿いまで行って見る。乾期だけ対岸や中洲にかけられるという木の橋があり、中州にはビーチベッドを備えた新しい宿があって、屋根のあるビーチベッドで読書したりおしゃべりして寛ぐ観光客がいた。川は正直、そんなに透明度が高くないが、あまりの暑さに耐え切れない白人女性が水につかっていたりした。ここで一番人気のあるアトラクションにチュービングがある。古タイヤを浮き輪にしてこの川を流れていくのだが、途中にバーが設置されて川に浸かりながらお酒が飲めるということらしい。ここに来る時に大量の白人グループを見かけた。おそらくチュービングが終了して村までのピックアップを待つ人たちだと思われた。だとするとこの村よりも下流でチュービングを行っていることになる。バンビエンの村でこの透明度なので下流はもっと低い透明度になるだろう。そう思うとチュービングもあまりやる気がしないなぁ。だいたい、川を流れながら大量のビールを飲んだ人が川の中で何をしているかわからないしね。
木の橋を伝って対岸に行ってみると、そこにも2軒の宿があった。この2軒は広い芝生の敷地に2人用のロッジを設置している。見せてもらったら木の板でできた掘っ立て小屋のようなロッジで窓もガラスが入っていないし板と板の間は隙間だらけ。周囲が芝生なので蚊がたくさんいるようでベッドを蚊帳で覆ってあった。一泊2人でKip30000=US$3.6と今いる宿の半額だが始終蚊帳に入っているか蚊避けクリームを塗ってなきゃならないようで、それはちょっと面倒だと思われた。それにしても緑の芝生が広がる庭から裏山が見えていて景色はとてもいいし、川沿いにビーチベッドがしつらえてあるのでゆっくりするのには最適な場所だ。蚊対策さえ面倒じゃなきゃ、ここもいい。
旅行代理店では大抵どこも同じツアーを扱っている。先に紹介したチュービングがKip50000=US$6、カヤックとトレッキングと近隣の村と洞窟を訪ねる一日ツアー(昼食付)がKip100,000=US$12とかなり安い金額で自然と遊べる。一日ツアーは途中で天井や壁に伝わせた綱をつかみながらチュービングで洞窟内を抜けるという、ちょっとアドベンチャーなアトラクションも用意されているようで楽しそうだ。カヤック、チュービング、途中で崖から飛び降りて水中にジャンプできるような場所と、アドレナリンを出したい若者向きなツアー内容になっている。もっとこなれた旅行者は、バンビエンから車で10分ほどルアンパバーン寄りの何もないような村のゲストハウスに宿泊してガイドを雇って山を散策したりしているようだ。ルアンパバーン行きのミニバスに乗った時、そういう人たちが途中から乗ってきた。
バンビエンの日中は暑すぎるということもあり通りを歩いている人があまりいない。ツアーに参加するか、川沿いの涼しいビーチベッドで寛ぐのがバンビエン流の過ごし方みたいだ。確かにこの川をながめながら冷たいシェークを飲んでのんびり読書でもしていると日頃のストレスが抜けていくだろうな。
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