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2009.10.20 Vol.1
さよなら、シンガマタ
2週間余りを過ごしたシンガマタとも今日でお別れだ。
センポルナのハーバーにあるシンガマタのオフィスで初めて出会ったスタッフがセールスマネージャー(左)とその部下の女性(右)だった。
セールスマネージャーの女性はやる気まんまんのやり手。彼女の気迫で数々のお客さんをシンガマタに呼び込んでいると思われる。ちょっと強面だけれど、部下に信頼されて頼りがいのある存在だ。私達が最初に1週間滞在する場合の見積もりを出してもらった時に、彼女は間違えて数値を少なく見積もっていた。数字を眺めながら不可思議な表情をする私達に「これ以上はびた一文負けませんからね」と強気で鼻息荒く迫ってきたのだが、「あのー、見積もり額が安いんですけど」と指摘すると、アラッと表情を崩して恥ずかしそうにしていた。笑った顔がオール阪神巨人の背の高い方にそっくりでどうにも親しみが沸いた。
シンガマタの宿に常駐のスタッフで一番お世話になったのが、フロント係のケティーちゃんとキッチンシェフの男性とダイブマスターのサンティちゃん。ケティーちゃんの細かい心遣いは彼女本来の優しさから出ているものだからとても感じが良い。シェフは決まった予算の中で様々な料理を用意してくれて2週間の滞在中に飽きることなく食事ができた。そしてサンティちゃん。27歳のダイブマスターはその営業力から次期セールスマネージャーの素質ありと私は勝手に思っている。といっても、ツアーに参加しないと私達が言うと無理強いはしてこないから別に嫌ではなかった。彼女とケティーちゃんはフィリピン人だそうだ。他にも大学の学費を稼ぐために働いているフィリピン人の男性もいたなぁ。彼の夢は高校の先生になることなんだって。
ダイブマスターのサンティちゃん |
真ん中がケティーちゃん、一番右はシンガマタの坂口憲二 |
シェフとケティーちゃん、お世話になりました。 |
スタッフの皆さん、お食事中 |
この宿では最後にお客さんからのアンケートを取る。私なりにお礼の気持ちも込めてびっしりとレポートさせてもらった。するとケティーちゃんはすぐにシェフを呼んできてもっと詳しくヒアリング。私が指摘したうちの1つはお昼に良く出る魚肉ソーセージの事だった。とにかくあまりおいしくないので、あれを出すくらいならスタッフの人が食べている魚の唐揚にして欲しいという要求を出したのだった。
ケティーちゃんとシェフはソーセージは生の魚の3倍くらいの値段もする高級品なのでお客さんに出しているのだ、スタッフもソーセージを食べたいくらいうらやましい食品なのだと言う。しかし、私達の国ではああいう工業製品は生の魚よりも安いのが常識で現状はスタッフの方が高級品を食べているように見えると言うととても驚いていた。
じゃぁ、たまにはスタッフがソーセージを食べてお客さんが魚の唐揚にしたらどう?というとお客さよりも高いものを食べたらボスに怒られると言う。ということで、シェフはソーセージはやめてお客さんにはちょっと高い魚を出すということで今後メニューを変えていくと言っていた。
こんな風に話をしていると何だか仲間になったような気分になってくる。彼らがオープンマインドで接してくれるからお客さんとスタッフという固い関係を超えた気分にさせてくれるのだ。今回のシンガマタでの滞在はそういう意味でも居心地のいい時間だった。
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