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2009.10.04
レインフォレスト・ディスカバリー・センターに行ってラッキーだった一日
コタキナバルとサンダカンをつなぐ幹線道路からセピロック・オランウータン・リハビリテーション・センターに向かう側道に入って、同センター1km手前にレインフォレスト・ディスカバリー・センターというのがある。ジャングルの中にトレイルが作られていて途中に3つの観察タワーが立っているという施設で、2時間もあれば見て周れる広さなので、オランウータンの1度目と2度目の餌付けの間に行ってきたらどうかと宿のご主人に勧められた場所だった。
オランウータンセンターに行った時は、バードトレイルという往復1時間半ほどのジャングルトレイルに時間を費やしたのでレインフォレストセンターには行けなかった。
ということで、今日はレインフォレストセンターのみをめざして行ってみることにした。宿の人からは、「そんなに長くいても面白くない場所ですが大丈夫ですか?」と再度念を押されたが、まぁ急ぐ旅でもなし、何かと面白い事がみつかるかもしれないと出かけたのだった。
宿から朝出るオランウータンセンター行きの無料送迎車に乗せてもらって、手前のレインフォレストセンターへの入り口で降ろしてもらった。
事務所と思われる建物にはチケット窓口がある。ガイドブックには入場無料と書かれていたが、今は組織が変わったようで一人RM10=\300の入場料金が必要になっていた。窓口は閉まっていたのだが、私達が近づくとすばやく窓が開いて「大人2枚」というとすばやくチケット2枚とモノクロの2種類の地図を出し、お金を受け取ったらすばやく窓が閉まってしまった。「何の質問も許さじ」という固い意思表示に思われて、私達はただモノクロの地図をながめるしかなかった。
人が多かったのでピックアップの荷台を希望。気持ちいい。 |
立派な入り口 |
水は澱んでいるが映りこみはなかなか良かった。 |
湖の右手を登る坂道からトレイルスタート。 |
まぁ確かにこの地図があれば何とか行けそうだ。まずは3つのタワー(下の地図で緑の丸印)制覇という目標があるのでそれを達成して、余力があれば更に点線の道(おそらく森の中なのだろう)に挑戦という予定を立てた。
最初のタワーには湖右手の坂を登りはじめて5分で到着。あらら、近いのね。1本目のタワーの17mの高さからデッキが出ていて2本目のタワーまで行けるようになっていた。両方のタワーの上まで上って、ジャングルを上からの目線で見てみたのだが、そこにポスターで示しているような鳥たちや、ましてやオランウータンなんかは全く見えなかった。ただ、オウムのような邪悪なギャーギャーという鳴き声が下にいる時よりはよく聞こえてくる。
2本目のタワーまで行って降りようかと思ったら、階段がない。どうやら1本目のタワーまで戻ってから階段で降りて3本目に向かわなくてはならないようなのだが、2本目のタワーの足元にもトレイルはあるし、2本目のタワーには梯子がついている。梯子への扉は鍵もかかっておらず、つまり「自己責任」で使ってもいいのだと解釈して梯子で下まで降りた。こんな事をしている観光客はおらず、みんなちゃんと戻っているようだったけど。
3本目のタワーも上からジャングルを見下ろしたが特に何も見えてこない。もっと朝早い時間に来なくちゃダメなのかもしれないが、朝8時からしか開いていないというし、このタワーの目的が今一つよくわからない。3本目のタワーを降りてきても45分しか経過していなかった。
午後2時にオランウータンセンターにお迎えが来る予定なので、まーだまだ時間があるし体力もある。ということで、予定通りに点線の森の道に入っていくことにした。途中にはセピロック・ジャイアントとマークされた場所があり、ジャイアントというからには巨大な老木が立っているに違いないと少しワクワクしたのだが、さしてジャイアントじゃなかった。
「えー?本当にこれなの?もっと大きいんじゃないの?」と何度も疑う私に夫は「まぁまぁ、こんなもんだって」と慰め口調。見れば近くに看板があり、「レインフォレストリザーブの中じゃぁ一番大きい木だ」という説明の下に「タワウ(サバ州南東部)にはこんな大きな木もあります」という注釈付でもっと巨大な木の根元の写真が貼り付けてあった。
やっぱりレインフォレストリザーブの人も、この木をジャイアントというにはてらいがあったんだろうねぇ。言い訳のような解説にちょっと同情を覚えたが、だったらジャイアントと言うなぁ!
道はジャングルの中を登ったり下ったりでタワー界隈の広くて歩きやすいトレイルに比べると、やや野生的ではあったが、先日オランウータンセンターで歩いたバードトレイルの方が本物の熱帯雨林を味わえる。何たってあそこは上からヒルが降ってくるような場所だった。
それに比べると、こちらは日の光が多く入ってくるので地面も乾いているしヒルも飛んでくることがない。森の中を歩く気持ちよさはあるものの、「生」な感じが薄い場所だった。
こうして宿の人の助言どおり2時間でトレイルを歩き終わってしまったので、ぶらぶらとオランウータンセンターに向かって歩き始めた。時刻は11時半。ちょっと歩くだけでくらくらするほどに太陽が高くなりつつあった。オランウータンセンターに向かう道沿いに雑貨屋さんで一息いれようと店内を見ると、テーブルが出ていて男達がビールを飲んでいる。ビールは一缶330mlRM4=\120と宿の半額ということもあり、私達もビールで休憩。
オランウータンセンターにはレストランがあるので、そこでお昼ご飯でも食べようと思っていたら、センター入り口のちょっと手前に屋台発見。見るとセンターで働く職員や近隣のホテルやロッジで働く人たちがお昼ご飯を買っているじゃないか。
これこれ、こういうのを求めていたのだ。私達もこの屋台でお弁当を作ってもらい、ついでに屋台の裏手に場所をあけてもらってランチとした。一人RM3=\90というお値段でセンター内のレストランの炒飯RM5=\150と比べると肉も野菜もたっぷりでお徳だった。
こうしてオランウータンセンターに到着したものの、お迎えまでまだ2時間ある。知り合ったドイツ人カップルとおしゃべりを楽しんでいたら、センターのチケット販売窓口の方が騒がしい。いって見ると、何とオランウータンが出現していたのだった。しかも3頭も。1頭はどこで調達したのかバナナをくわえている。このバナナお目当てで出てきたのだろうか。とにかく騒いではいけないという意識と、でもこの興奮を伝え合いたいという気持ちが相互して、みんな口をパクパクさせながら無言で手振り身振りで喜び合っていた。
今日のオランウータンは餌付けのプラットフォームよりもずっと間近で見ることができた。レインフォレストは聞いていた通り、そんなに面白くもない場所だったがオランウータンセンターまでの道中に地元の人々が訪ねるお店や屋台があることがわかったし、こんな近くでオランウータンが見られて、今日は本当にラッキー。帰りの車の中でその事を宿の主人のアントン氏に言うと「しかもオランウータンセンターの入場料を支払ってないですしね!」とビジネスマンらしいコメント。そうだった、無料で見ちゃった。いやいや、ラッキーな一日だった。
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