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2009.09.22
コタキナバル散策〜珈琲博物館、和風食品
マレーシア:コタキナバル

 一昨日、昨日と2日間にかけてのキナバル山登山から帰ってきて、明けて今日。朝、起きると足全体が筋肉痛になっていた。ストックも使わずに激しく登山したのだから無理もない。ずっとストレッチしていたのだが、それでも一歩歩くごとに筋肉が張り裂けそうな痛みが走るのだった。

 ということで、筋肉痛がおさまるまでコタキナバルでゆるゆると過ごすことにした。偶然にも南米で出会った日本人旅行者との再会というお楽しみがあり、今日からの数日は町歩きの上手な彼と一緒にコタキナバル散策の日々を送ることになった。

 初日の今日は、ガヤ通りの中央にある噴水から山側に2ブロック歩いた場所にある珈琲博物館に行った。博物館といってもカフェである。ボルネオ・エコ・ツアーズが経営するボルネオ・バックパッカーズという宿の1階にあり、コタキナバルが連合軍から開放された記念に1945年開業した歴史あるカフェだ。

 もしかしてとても高級カフェなのかとメニューを確認してみると、RM2=\60と安い。注文時に「お砂糖は入れますか?ミルクは入れますか?」と聞かれたので、両方入れずにブラックでお願いしますと答えた。

 カップになみなみと注がれたコーヒーにはレンゲが付いてくるのがマレーシアっぽい。お砂糖なしと注文したのにうっすらと甘かった。どうやら、ここのコーヒーはもともと砂糖を入れていて、「砂糖入り」を注文すると更に甘くなるということらしかった。私はコーヒーの味はよくわからないのだが、他の2人が「なかなかおいしい」と言っていたのでおいしいらしい。

 このカフェの場所は行き止まりの道につながっているので人通りが極端に少なく、とても静かな場所で寛げるというのもポイントが高かった。




 砂糖なしのコーヒーを飲みたかったので、今度は町中のカフェに場所を移した。午後2時くらいの町中には引退した老人が集まってコーヒーを飲んでいるカフェというより喫茶店がいくつもある。

 私達が選んだのは店の前と後ろが道にはさまれてオープンな感じになった古い喫茶店だ。古いのは店内の内装だけでない。客層の平均年齢は60歳を越え、カウンターの中で金を含む一切を取り仕切っているマスターも渋い老人だった。浮かれた日本人観光客はかなり場違いに思われたが、老人達は初日こそ興味深げに視線を投げていたものの3日も経つと誰も気にしなくなった。晴れて私達も常連入り。3日目からは黙っていてもブラックコーヒーが出てくるようになった。なんて居心地がいい店だろうか。ここのコーヒーは本当に砂糖が入っていない。ガラスコップにすり切りで入ってくるコーヒーは一杯RM1=\30だ。

 午後の暑い時間を喫茶店でやり過ごして午後3時半くらいからスーパーに行ってみた。目的は再会を祝しての酒盛りの準備だ。

 KKプラザというショッピングモールの地下に入っているスーパーには出前一丁、おつまみ用たら加工食品などがみつかった。出前一丁は魅力的だったがキッチンがないので断念して、今日のおつまみは「たら」。大きなパックには小さなパックよりも安い値段シールが貼ってあった。アジアの町歩きに詳しい友人は「こういう値段間違いがあるから楽しいんだよねぇ」と顔をほころばせて言った。ま、宝探しみたいなものだ。

 マレーシアでは330ml入りの缶ビールがRM4=\120くらいする。日本よりは安いが近隣のタイやベトナムと比べると高く、ここはイスラム教徒の国なんだと実感する。ここのスーパーにはビールもワインもなく、ウィスキーと書かれた琥珀色の廉価な酒と更に廉価なアラック(酒という意味だそうだ)と書かれた米焼酎ばかり売られていた。私達は中でも一番安い一本(750mlくらいか?)RM3.99=\120のアラックを購入。ライムも買って水割りにして飲むことにした。

 ライムには2種類あって大きな粒と小さな粒。小さな粒が随分安いので買ってみたら、ライムではなくてミニミニオレンジだった。どうりで安いと思った。このミニミニオレンジはコピティアムと呼ばれる安食堂でレモンジュースを注文すると入ってくるもので、現地の認識ではレモンの範疇らしいけど、絶対にこれはオレンジだ。

 数日後の話になるが、私達が宿のベランダ席で酒盛りを楽しんでいると若いドイツ人4人組が話しかけてきた。アラックを飲んでいるんだというと、彼らは「うわっ、それは危ない」と言い始めた。バリ島を旅してきたという彼らの話によるとインドネシアではアラックを飲んで人が死ぬという事故が相次いでアラックだけは飲むなと言われたというのだ。「既に数日前から友人が一人でこの酒を飲んで死んでいないという実績があるから大丈夫だ」と言ってもドイツ人の若者は気味悪そうに「気をつけてね」というばかりだった。

 ところがその翌日の晩、私達の酒盛りを毎晩見ていたドイツ人はついに自分達も酒を買ってきて飲むことにしたようだ。「君達の飲んでいるものの4倍くらいの値段はするし、ウィスキーだから大丈夫だよ」という彼らの飲んでいる酒のパッケージを見たら、小さな文字で「アラック」と書かれている。当たり前だ。アラックは酒という意味なのだから。しかしそれは言わずに「ねぇねぇ、ここにアラックって書いてあるよ」と教えてあげたら、「オオーノー!」と頭を抱えて嘆いていた。だから大丈夫なんだって。彼らも諦めて全部飲むことにしたらしい。その翌日、ゴミ箱に殻のビンが入っていた。


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