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2011.01.15
価格調査もエンターテイメント
昨日と今日の二日間、サムイ島内でのツアーとサムイ島から次の目的地のランカウイ島への移動方法検討とその価格調査に専念した。チャウエンビーチのメインストリートにはそれこそ山のように旅行代理店がある。これらに一軒一軒あたって値段と内容を把握していくと、だんだんと全体の構造が見えてくるし、代理店によって人の対応が異なっていて面白かったなぁ。価格調査はヘタなツアーに参加するよりもよっぽどもエンターテーメントなのだ。
まずは調査した内容についてまとめると・・・。
サムイ島に訪れた観光客は「アントン諸島へのクルージング」か「タオ島へのスノーケリング」のいずれかに行っているようだ。他にも島内ツアー、ゾウに乗ってトレッキングツアー、山中トレッキングツアーなどがあるが、いずれも冒頭の二大ツアーに比べると無理やり作りだしたツアーという感を否めないので興味がわかない。まだ雨季の影響をひきずって海中の透明度が低いこともあり、私たちはアントン諸島へのクルージングに絞って調査した。
アントン諸島へのクルージングはスピードボートで行く会社とスローボートで行く会社に大別される。スピードボートで行く会社はアントン諸島の最北部近くの島付近でスノーケリングしてからスローボートと同じ行程をたどる。昨年もスノーケリングをかなり行った私たちは、今回はそんなにスノーケリングに飢えていないこともありスローボートで行くことを決定。スローボートは3つの会社が催行しているが、どこも価格は一人1300バーツで内容にも船の性能にもあまり違いがない。
決め手に欠けるなぁと思いながら代理店を回った結果、宿の近くの代理店が1100バーツに割引してくれるというSamui
Island Tourで行くことにした。万が一、お迎えの車が来ないなどというトラブルになった時、宿の近くの代理店の方が便利だろうという判断とここが一番割引してくれたからという理由だった。実際にこの会社のツアーに参加して正解だった。英語が話せて明るく感じのいい専属ガイドが3人いて細かい解説や案内を常にしてくれたのだ。
サムイ島から脱出する交通手段については、1つ1つの交通手段を自分で手配して動く方法と目的地までパッケージになっているコンビチケットを利用する方法があるのだが、自分で手配するとなると、交通の接続が悪く、相手が英語を話さない可能性が高く、事前に交通機関のスケジュールなどの情報もわからないとかなり難易度が高い。コンビチケットは宿を出てから港までの車代金、大陸までのフェリー代金、その先の目的地までの車やフェリー代金全てが含まれているから、宿から一歩出たら目的地までは何も考えずに到着できるし、料金も自分手配に比べてそんなに高くない。というわけで、この辺りのメジャーな観光島を訪ねる人は大抵コンビチケットを買うようだ。
しかし、サムイ島から出発する場合のコンビチケットの範囲は向かいの西側にある島々かバンコクかマレーシアのクアラ・ルンプールとなっていて、私達が目的とするランカウイまでのチケットはない。そこで更に詳しく相談すると、サムイ島の宿からハットヤイHat
Yai、サトゥンSatun、トランTrangというランカウイ島の途中にある町までのコンビチケットが存在することがわかった。ランカウイ島へは1日で移動するのは無理で、どこかで一泊しなくてはいけないようだ。宿の存在や、その後の交通機関について調べてハットヤイが一番妥当だと思われたのでサムイ島からハットヤイまでのコンビチケットに絞って調査した。結局、どの代理店も扱っている内容は同じのようで、宿からサムイ島の港ナソンNa
Thonまでの送迎車、ナソンから大陸のドンサックDon Sakまでのフェリー、ドンサックからスラータニとスラータニからハットヤイまでのバスという内容だ。ピックアップ時間は朝6時というのは同じだが、到着時間は3時半から5時半と異なるが誰が本当の事をいっているかがわかるのはハットヤイに到着した時ということになるだろう。値段も最安値が600バーツ、最高値が750バーツとばらけたので、最初は高い値段を支払ったらよいバスに乗れるのかとも思ったがおそらくどの会社に依頼しても同じクオリティーのバスになるだろうと判断した。出発日の前日に買えば間に合うそうなのでまだ購入していないが、これもアントン諸島のツアーをお願いした近所の代理店がいい値段を出してきたのでここにすると思われる。
さて、様々な旅行代理店を回っていて様々な人の顔を見る事ができた。
大別して3タイプだなぁ。
1つめは普通にやる気のある代理店。チケットの値段も頭に入っていてテキパキと質問に答えてくれて「よかったら使ってくださいね、お待ちしています」という普通の会話が成立する所。適当な数のお客さんが常に出入りして健全に営業してるなぁという印象の店だ。こういう店が提示してくる値段は中心部が一番高く、中心から離れるとやや安くなる傾向でこれもリーズナブルな感じがした。
2つめはやる気がない代理店。こっちは理由は様々なようだ。ある代理店は中心部の一番便利な所にあってひっきりなしにお客がきて質問していくので、担当者の女性はもう笑顔もなくマシンガンのように答えるのに恐れをなしてみんなコソコソといなくなってしまうというパターン。彼女としては的確に得意げに質問に答えているはずなのに、どうしてお客がみんな帰っちゃうのかわからないんだろうなぁ。やる気がないわけじゃないんだけど、ホスピタリティーがないのでやる気がないと思われているみたいだった。ちょっと可愛そう。
別の代理店の男性はとにかく昼休み明けのせいか眠そうで眠そうで、途中で話を切り上げてしまった。商売のこととなると目がぱっきりしてくるのかと思いきや、そうでもないタイ人もいるんだという発見。
一番やる気がなかったのは机の横のテレビドラマ観賞に夢中な若い女性のいる代理店。他に同僚もボスもおらず一人任されているようなのだが、私たちの質問にいつも逆切れかつ嘲笑気味に答えてくる非常に感じの悪い店だった。不思議なことにこの店が提示してきた値段が一番安い550バーツという価格だった。もしかして?と思って宿から港までの送迎車代金が入っているか確認すると送迎すると600バーツだと、またバカにするように半笑いで答えてきた。この分だと「あれも入っていない、これも入っていない」という落とし穴だらけが恐ろしくて早々に店を後にした。店を出てから、あの女性がどうしてあんな逆切れ対応だったのかを夫と分析したのだが、もしかしたらドラマが見たいから邪魔するなという信号ではなくて、騙しの価格構造のチケットを売る事に彼女なりに良心の呵責を覚えているから逆切れ気味だったのではないかとも思われた。逆切れする事で私達に警告を発してくれていたのだと思う事で私たちは溜飲を下げた。実際、サムイ島でチケットを手配すると時に移動途中で次の乗り物が予約されていなかったということがあるらしい。もしかしたらそういう店だったのではないだろうか?あまりに安い価格や逆切れ店員のいる店は避けた方がいいようだ。
3つめはやる気がありすぎる店。これは1軒だけだったのだが価格をちょっと聞きたいというだけだったのに自らディスカウントを提案してきて、「他も聞いて考えますわ」と言うと「こっちは最善の値段を出したのになぜ決めないのか」とすがってくる店があった。こういう商売の方法は中東やインドの宿では経験しがちだがタイでは初めてで珍しかった。お母さんが泣きそうにすがってくるのをはねのけるのは心苦しかったのだが、後からお母さんが提示した値段にはある料金が含まれていないことが判明。この料金を含めると他の店よりも値段が高くなるのだった。おお、怖。うっかりと情に流される所だった。情に訴えてすがりついてくる店もやめた方がいいみたい。
ってなわけで、実益とエンターテーメントを兼ねた価格調査はこれにて終了。なかなか実りの多い2日間だった。
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