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2009.12.06
チャットチャックの週末マーケット
日本語でバンコクやタイの情報を伝える「ダコタイ」というフリーペーパーがある。チェンライの宿においてあったのでバックナンバーを子細にながめていたら、バンコクの市内の北部にあるチャットチャックという週末マーケットの特集記事が掲載されていた。よくある民族系のお土産物や安いけど可愛い衣料品はもちろん、ペットや日常雑貨、果てはアート作品まで売っているということで、バンコクの新旧の物品が一堂に会しているような面白そうな所だと紹介されていた。
ちょうどバンコク滞在が週末にあたる。よし、行ってみよう!
カオサン界隈からは市バスで小一時間かかる場所で降りて、人の流れにそって公園を横切った先がマーケットだった。全体地図を見るとものすごいお店の数。1000軒もあるだろうか。
記事に書かれていたようにカオサン界隈でもよく見かける可愛い安い衣料品だけでなく、若いデザイナーがアンテナショップ的に販売しているような店やフレンチテイストの洒落た衣料の店も見つかった。既に必要な洋服は買ってしまったので今回は何も買えないが、次回来たら絶対にここで買おう!
お店は緩やかにエリア分けされていて、お次に踏み込んだのは乾物屋エリアだった。洋服の次に乾物屋が来るというあたりがいかにもアジアマーケットで面白い。ここで目をつけたのはカシューナッツだった。カシューナッツ好きの夫は世界中の様々なマーケットで価格調査しているが、ラフにいって1kgUS$10が今までの安い場合の相場。ここでは500gでTHB180(540円)だったので悪くない。ということでカシューナッツ1袋お買い上げだ。
ペットのコーナーも充実している。雑種と思われるコロコロした子犬は夜祭のヒヨコくらいな扱いで皆にいじくりまわされて買われていく。売り手のおじさんも、触って愛着を増してもらう戦法なのかお客さんが頭をなでたりするのに文句は言わずに見ているのだった。
一方の血統書付の子犬は冷房の利いたガラス張りの部屋の中で滅多に触れないようになっている。
他にも猫、うさぎ、ハムスター、ネズミなどが人気らしくあちこちで子供たちの歓声が響いていた。バンコクではこうしたペットを飼える余裕のある人が増えていんだなぁ。と思う一方で、他の列にはつい先月まで目にしていたラオスなどの山岳民族が手作りするハンドバッグやショールを扱うエリアがあった。これを作っている人々とペットを飼おうとする人々の間には大きな所得差があるだろう。そういうのを丸ごと飲み込んでわんわんと売買が行われている所にチャットチャックのエネルギーを感じるのだった。
マーケット内の一部に集まっているレストランエリアの中でも特に行列のできているのは北東部イサーン地方の料理を出す店だった。鶏の炭火焼や唐辛子でものすごく辛い青パパイヤのサラダやもち米を出すイサーン料理はいわゆる「タイ料理」と日本人が認識する物よりも日本人の口に合うと思う。この料理がタイでも人気を博しているようだ。
余りの混雑にイサーン料理の店はやめて、別の人気店に入った。ここはカオソーイという北部のココナッツミルクカレーの麺の店で茹でた麺の上にパリパリと揚げた麺が乗って、中にとろとろに煮込んだ鶏肉が入っている。ココナッツのコクと甘み、ライムの酸味、生玉ねぎの辛みの絶妙なコンビネーションでおいしかった。
デザートは氷を綿のように柔らかく削ったカキ氷。この新種のマシーンが作り出す氷は遠く昔の日本のフワフワカキ氷よりもさらに柔らかくて綿菓子のようなのに冷たいという不思議においしい食べ物だった。日本でも流行りそうだなぁ。
今日、ここを訪れたのはアートエリアに興味を持ったからだった。他の品々に目を奪われて思わず時間を使ってしまったが、やっと本来の目的地に向かって歩き出した。記事で紹介されていたのは若手アーティストが自分の作品をTシャツにプリントして販売しているというもので、そのポップな感じがよかったのだが、実際にその店に行ってみると今は品薄であまり置いていなくて期待外れだった。しかし、このエリアの他の店で面白い作品をいくつか見つけた。各店の前にはアーティスト本人と思われる主には若い人が店番をしていて、アーティスト同士で熱い討論を交わしたりしている。本格的にアートを志すといってもなかなかお金にならないのが問題なのはどこも同じだろうが、こういう方法は1つの解決方法として気が利いている。アーティストが収入を得られるだけでなく、私たちも気軽にオリジナル作品を買うことができるのはとてもいいと思った。こういうの、もう日本でもやっているのだろうか?
最後に若者衣料品コーナーを通って帰ることにしたのだが、ここがもう大変なことになっていた。皆お目当てのデザイン店があるようで狭い通路は人がぎっしり。通るだけでぐったりと疲れて私たちは洋服を見るどころではなかった。
ということで本日の戦利品はカシューナッツ1袋。
今までの旅の中では食べ物市場以外に足を向けることがあまりなかった。荷物が多くてお土産物を買えないのと、物を保持しておく空間を持たずに生活しているということから行く理由がなかったのだ。しかし、ラオスのナイトマーケットでそうした物の面白さに目覚めてからは物市場を見るのも楽しくなってきた。何に人気があるのかを見るだけでも少しその国の人の事がわかるしね。そういう意味ではチャットチャックはあまり買い物をしなくとも楽しめる場所だ。
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