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2009.08.27
プーラ、夏の夜のイベント
観光客が多い夏のプーラでは、旧市街の街角を舞台に様々な夜の音楽コンサートイベントが開かれていた。私達が滞在したわずか1週間足らずの間にも2回ほどイベントがあった。
最初に見に行ったのは到着して3日目。宿の主人がローマ遺跡の城門のそばで「魔笛」というイベントをやるらしい、と言う。魔笛と言えばモーツァルトの有名オペラ。それを街角で見られるというのは一体どういうことなのだろうか、と興味津々で見に行ったのだった。
初めて訪れた夜のプーラ旧市街は非常に人が多く出て、町のイルミネーションはとても地味なのに華やいだ雰囲気になっていた。
城門の近くにはステージが設けられているがオペラをやるにしてはどうにも狭い。
時間になると、有名なソプラノアリアが流れそれらしい雰囲気が漂ってきたのだが、出てきたのは子供バンドだった。前座かと思っていたら、次から次へと小学生から高校生くらいが演奏するバンドが現れてはロックを演奏していく。どうやらモーツァルトの「魔笛」をタイトルにした夏の子供ロックバンド発表会というイベントだったらしい。
近所の女子高生バンド、俺はイケテル盛りの男子高校生バンドなどが入れ替わり立ち代り登場する。クロアチアの現代っ子を一覧できるという意味では面白い。小学生バンドはなかなか上手くて、会場をかなり沸かせていた。
同じ宿に宿泊しているプロのギタリストというスペイン人の青年にこのイベントの事を話していたら、途中から彼もやってきた。「モーツァルトじゃないみたいね」と笑いつつも、ロックに詳しいらしい彼はとても楽しんでいるようだった。
そんな第一回目のイベント体験の後、今日はイベント第二回目体験、中央の広場でジャズバンド演奏があるというので行くことにした。
夜にイベントがあるので昼間はちょっとビーチで泳いだりしてゆっくりと過ごし、夕飯を済ませていざ出陣だ。
観光案内所もある広場は夕焼けのオレンジ色に染まって、遺跡も旧市庁舎もほんのりと赤みを帯びていた。今日の会場はパルテノン神殿みたいな建物の右側の旧市庁舎前。こういう器があると、どんなイベントもかっこよく見える。
1時間前に行くと、すでにメンバーが集まり始めて音だしなどを行っていた。私達はバンドの左側にある石の階段に座って見物することにした。近くには若くてきれいなママと小さな女の子が座っていた。どうやらメンバーの一人がパパらしい。午後8時半から始まったジャズは、アマチュア市民バンドということだがなかなか演奏が上手い。知っている曲もいくつかあって、今回は最後まで楽しんで聞けた。
プーラにはローマ遺跡のコロッセオのような場所がある。北イタリアのヴェローナにあるアレーナ(コロッセオのような遺跡)では、夏の間野外オペラを行っていて大変に面白かったので、プーラでもオペラをやらないかなぁと期待して来たのだが、オペラではなくポップミュージックのコンサートなどを数回行っているのみのようだ。それよりも市民レベルの無料野外コンサートが多く、観光客だけでなく地元民にとっても楽しめるイベントになっている。それがプーラの状況だった。
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