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2009.08.23 Vol.1
プーラ旧市街観光
昨日考えて、今日はプーラ、明日はポレチをざっくりと全部見て周って今後の滞在先をどちらにするか決めることにした。
プーラの旧市街は海に半分突き出した直径400mくらいの円形をしている。
宿のお父さんによるプーラ旧市街の歩き方としては、円形の南東にあるローマ時代の門から反時計周りに円の中を歩き、最後に円形の北東から抜けた場所にある円形競技場を見学するといいんだそうだ。
ローマ時代の門の手前には市場があるので、市場で食料調達して一旦宿に戻り、それから市内観光することにした。
昨日はこの町に午後到着したので市場の露天は半分以上店をたたんでいて寂しい感じだったが、今朝行って見ると全ての露天が所狭しと商品を並べていた。果物と野菜が主だが、蜂蜜やチーズの露天もちょっと出ている。こんなに活気があって大規模な市場はスプリット以来だ。
観光よりも前に、この光景にうっとりする私達だった。
野菜と果物の露天を抜けると、目の前に立派な二階建ての建物がある。ここの1階の半分が魚市場、もう半分が肉と乳製品市場、二階はカフェになっている。魚売り場の活気のある風景に比べると肉売り場はひっそりと静かで置いている肉も元気がない。明らかにここは魚王国だということを示していた。定番の鰯、アジ、サバ、イカ、手長海老はもちろんのこと鯛、平目、エイ、大きなカサゴのような高級魚も入ってきている。今日、私達の目を引いたのは以前にザダルの市場で見て買いそびれたムール貝のような貝だった。今度こそ食べねばと早速購入した。貝屋のおばちゃんも明るく記念撮影に応じてくれたし、この市場もなかなか相性が良さそうだ。
この一角にはスーパーもあるのでオリーブオイルなども物色して一旦宿に戻った。
荷物を置いたら、再び観光に出発。忙しい、忙しい。
まずは市場の向こうに見えてくるローマ時代の門。堂々たる姿がいかにも旧市街の入り口にふさわしい。
この門から先は車の入らない歩行者天国の繁華街になっていて、両脇にずらりとレストランや土産物屋が並んでいる。道がぐるーっと湾曲しているのに合わせて両脇の建物も湾曲して並んで見えるのが面白い通りだった。
今日は日曜日なのでレストランやファストフードの店は開いていない(午後からは開くそうだ)のだが、土産物屋は開いている。早速見てみると、あった、あった、トリュフのコーナー。丸ごとオリーブオイル付けになったもの、マッシュルームと合わせてミンチにしたもの、トリュフの香りのついたオリーブオイル。私達は折角なのでトリュフオリーブオイルを買おうと決めていた。見ると2つの棚がある。1つは割合廉価な商品、もう1つは高価な商品だった。何が違うのかなぁと仔細にパッケージを眺めてみると廉価はイタリア産で高価なのはクロアチア産だった。
クロアチアに来たのだから高価でもクロアチア産を買うべきなのか、いやいや、本場はイタリア産なのだからそれで廉価なら尚いいじゃないか。迷った時は保留だ。とりあえずこの店は出た。
次に立ち寄ったのは同様のトリュフ製品とクロアチアのツアーでよく飲まされたブドウの蒸留酒を扱う店だった。店のご主人が進めるままにハーブの入った蒸留酒や蜂蜜の入った蒸留酒を試飲させてもらった。
これも面白かったのだが、瓶の液体は持ち帰りにくい。ラブ島のように数週間滞在するなら買えたのに残念だった。因みにこのお店はとても商品説明が丁寧で良かったのだが、店のご主人の説明コストはちゃんと商品に乗っかっていて、最初のお店と同じトリュフのオリーブオイルのお値段が数百円高かった。
こうしてお土産物屋を冷やかしながらブラブラと歩いて行くと、広場に出る。観光案内所もあって旧市街の中心地とも言えるこの広場にはローマ時代に立てられた神殿(1944年の爆撃でダメージを受けて修復されたという物)と、お隣に1296年に建てられた市庁舎が並んで観光の目玉になっている。
こうした建物も面白かったのだが、観光案内所もなかなか面白かった。「トイレないかなぁ?」と観光案内所に入っていくと、係員の座っている前のカウンターに「トイレはありません」と大きく手書きされたメモが貼ってあった。多くの観光客がトイレ難民になってここを訪ねるのに業を煮やした案内所側の回答なんだろうけど、手書きの大きなメモというのは活字よりもインパクトがあると、この時知った。つ、冷たい。尿意を抑えながら何人の旅人がこうつぶやいた事だろう。メモ書くよりもトイレ用意してください。
ここからくるーっとカーブを描くメインストリートは、今までの土産物屋の多い通りに比べるとやや寂しげになってくる。
そんな中、人気を集めていたのが旧市街ミニチュア噴水だった。よく出来ていて必死にカメラを向ける人多し。私も一枚撮影しておいた。
さーて、いよいよ目の前にコロッセオが見えてくる。ここではRoman amphiteatreと呼ばれているが、簡単にコロッセオと呼ばせてもらおう。町一番の見所だけある立派な遺跡だった。
中に入ろうかと思っていたら、コロッセオの右側の坂道を人が行き来している。どうやらコロッセオの周りに道があって、そこから中をのぞけてしまうようなのだった。中に入っている人よりも圧倒的に周囲を歩いて見ている人が多い。一番の見せ場で入場料金を取りっぱぐれているというか、無料で見せてしまっているというか、プーラ市の太っ腹に感謝しつつコロッセオ見学終了。
コロッセオから最初にくぐったゲートに向かって歩く途中に右手に2つローマ時代の遺跡が残っている。といってもガイドブックには説明がなく、プーラでもらった旧市街地図にマークがあるのみの小さなものだ。道路に停車した車が邪魔で全景が撮影できないし、城壁の一部はホテルの入り口も兼ねている。こうした名もなき遺跡がすっかりと町の一部になって溶け込んでいるのがプーラの面白さとも言えた。
さて、振り出しに戻って城門をくぐって再び旧市街に入って、土産物屋が並ぶ通りを歩きながら右手にあるはずのローマ時代のモザイクタイルを探す。
ちょっと太めの左手に入る道はSt Marry of Formosaという6世紀の教会に通じる道。モザイクを探しながら歩いていたら教会に到着してしまった。あれれ?
引き返しながら探していると「レストラン・モザイク」というのが見つかった。近いぞ。レストラン・モザイクへの小道を入り、レストランを通り過ぎると裏庭みたいな場所に出てしまった。すると、そこにいた女性が「モザイクはあっちよ!」と右手を指差したのでそちらに歩いて行くと、リノベーションしたショップの裏手に柵で囲った場所があり、柵から下をのぞくと見られるモザイクが見つかった。こんな場所だったのね。ガイドブックによれば3世紀のものだそうだ。日本の歴史で最初の方に出てくる大化の改新が645年でしょ。それより前にこんなにぴっちりとしたモザイクを作る技術があったというのは驚きだ。
ショップの建物を通って向こう側に出てみれば、そこは城門から続くメインストリート。つまりメインストリート沿いのショップの裏手にモザイクがあるってことになる。しかも、表には何の看板も出ていないので、ちょっとした宝探しになる。
さて、旧市街であと見残したのは真ん中の丘陵地帯にある城塞だけだ。城塞へは旧市街の円の各所から登り階段を見つけて上がって行けば到達できる。私達は城門から入ってしばらく歩いた右手の階段から上に上がっていった。城塞に行く途中には円形劇場跡もあって、なかなかいいコース。城塞に入るには入場料が必要なので、手前から赤い屋根とコロッセオが見える風景をパチリと撮影して帰ることにした。下りには違う道を使うと、今度は坂の途中に古い修道院があった。「修行」という言葉がよく似合いそうなこの簡素な建物は、年代をおびた白い壁面をブルーの空に際立たせていた。
道中の円形劇場跡 |
城塞、今は歴史博物館になっている |
城塞手前からの町の風景 |
丘陵下山途中にあった修道院 |
旧市街の観光は所要時間3時間。直径400mほどの範囲にぎゅっと色々詰まった旧市街は驚くような見所があるわけではないのだが、歩くたびに古い遺跡を目にすることになり、その途中にお土産物屋やレストランがあって楽しい散策を楽しめる。適当に新しいコンセプトの土産物屋やレストランもあってモダンな雰囲気も入り込んでいるし、そうそう、何より市場が良かったし、過ごしやすそうな町だという印象を持った。
時刻は午後1時過ぎ。宿に戻って水着に着替え、今度は4km離れたビーチに行ってみよう!
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