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2009.08.21
オパティハからヴォロスコの海岸散策
オパティハはリエカから市バスで30分くらい西にあるリゾートタウンだ。ヨーロピアンで夏のバカンスを取る人はリエカではなくオパティハに滞在するようだ。ソベと言われる民宿の部屋やアパートやホテルもオパティハに集まっている。
そもそもオーストリア貴族が保養地としての別荘を建てた歴史のあるオパティハ。ラブ島にいる時に次の滞在地の候補としていくつかのアパートに問い合わせをかけてみたのだが、満室の回答どころか返事が戻ってこない宿も多かった。そんなにいいのか、オパティハ。
人気があるとはいえ地形的にイストラ半島の付け根にあるので、言うならアドリア海の一番奥に近い場所だ。そんな奥まった場所の海が美しいか?という疑問もあったので、今回はリエカに数泊してそこから日帰りで町の雰囲気や貴族が愛した海岸を見に行ってみようではないかという予定にした。
宿のスタッフに「オパティハに行こうと思うのだが」と言ってみると、「それじゃぁリエカからバスに乗ってオパティハまで行き、海岸線沿いをリエカ方面に歩いてヴォロスコまで行くといい」と助言してくれた。ヴォロスコは小さな漁村だが、今じゃぁ感じのいいレストランが集まってプチ人気の場所なんだそうだ。帰りのバスはヴォロスコを通るので、そこで拾えばいいという話だった。
オパティハを通るバス32番は、町中の観光案内所の裏手の大通りを通って私達の宿に近い中央駅前の通りに来る。
バスチケットはバスが通る通り沿いのキオスコ(新聞雑誌や駄菓子を売る店)で買うと一人片道KN13(260円)、バスの中で買うと一人片道KN16(320円)だった。オパティハもヴォロスコも同じゾーンになるので料金は一緒だ。私達は行きに寄ったキオスコのお母さんがヴォロスコならオパティハよりも1ゾーン高いなどとワケのわからん事を言うので復路を買いそびれ、ヴォロスコはとても田舎なのでキオスコもなかったから、バスの中で高いチケットを買う羽目になった。
32番のバスは、オパティハの町中で3回くらい停車して次の町に抜ける。「オパティハに行きたい」と運転手さんに言ったら「オパティハのどこに行きたいのか」と散々聞かれて、とにかくビーチだと答えるとオパティハ最後の停留所、オパティハバスターミナルで降ろしてくれた。もう1つ手前だったら昔の貴族の館を改造したホテルなどが並ぶ通りの真ん中で、それもまた面白かったかもしれない。
バスターミナルの広場に面して旅行代理店がいくつかあるのだが、オパティハでは旅行代理店が観光案内所で配る地図も配布してくれる。ここで地図を入手した。現在地はバスターミナル。ビーチに出て、ビーチ沿いの遊歩道をヴォロスコまで散策しよう。いい感じのビーチがあったら海に入ってもいいし、そのままヴォロスコまで行っておいしいレストランに入ってもいいな。
そんな大雑把な計画でスタート。
バスターミナルの前には貴族の館だったのかなぁ?と思わせる豪奢なホテルがあり、ビーチにはパラソルが並んで雰囲気を出しているのだが、海岸線がコンクリートで固められて味気ないことになっていた。透明度もラブ島から来た私達から見ると「入らなくてもいいかもね」というくらいだった。コンクリートビーチを左手に進んで行くと、海の中から立ち上がる岩に少女の彫刻がある。ここから先はいつものように岩場のビーチになってきた。
所々、かしこまって護岸工事されているのは館ホテルの前だ。途中には美しい建物とフランス式庭園を備えた美しい公園もあるので、そちらに踏み込みながら散策を続けた。
しばらく歩くと、丁度いい大きさの湾にあたる。水も清らかで人も大勢賑わって楽しそうな場所だ。たて看板があるので読んでみると「1900年に中流階級の人のために作られたビーチ」とある。高級リゾート地では地元の人が入れないぐらい高い料金を取っていたので地元民の不満が高まっていった。それを解消するために作られたというのだ。周囲のホテルも豪奢な館ホテルではなく、ちょっと熱海みたいなホテルが建っていて庶民的な雰囲気を出している。今まで歩いてきた高級ホテル前のビーチに比べると、ここの方が水がきれいだというのがいい話だ。
更に歩いていったら小さなハーバーが見えてきて、魚の網が干してある港になった。ヴォロスコに到着してしまったのだ。噂通り、港を取り囲むようにレストランが並んでいて、中にはガラス張りのテラス席のある店などモダンな構えにしている所もある。私達は、こうした港に面したお店ではなく、1本上の道沿いにあるロンプラにも紹介されていたKonoba
Voloskoという店をめざした。Konobaはクロアチア語で「食堂」の意味なので「ヴォロスコ食堂」という簡単な名前になる。そういえば、昨日行った市場近くの店も「リエカ食堂」という名前だった。
ヴォロスコの港 |
ひなびた雰囲気がいい |
モダンなガラス張りのテラス席のある店 |
めざす店KONOBA VOLOSKO |
食堂ヴォロスコは入り口から入ってすぐにカウンターがあり、カウンターの下がショーケースになっていて魚や貝が並べられている。客がここで材料を選んで調理方法を注文すると、目の前の厨房で調理してくれるのだった。
店の外にあるテラス席で食べるのかと思ったら、店の建物の右手の路地の坂を下ると斜面に建てられているので地下一階に相当するダイニングへの入り口がある。こちらがいわゆるレストランエリアだ。
地元のおじいさんが2人のイタリア人を連れてきていたり、イタリア人なんだけれど長く滞在していそうな夫婦が白ワインを片手に料理を待っている。いいねぇ。美味しい物ある所にイタリア人有り。この店は当たりだと直感した。
イカフライ300g(重さで注文する、KN36=720円)、イカ墨リゾット(KN40=800円)、フライドポテト(KN10=200円)、パン(KN3=60円)、水(KN10=200円)でしめてKN99(=1980円)。さきほど港で見たレストランに比べると安い。
素朴ながらどれもしっかりした味でおいしい店だった。
オパティハからヴォロスコまで歩いてきて、やはりヴォロスコ寄りの方が人も少ないし、海の透明度も高かったので、昼食後はヴォロスコの港から少しオパティハに戻ったあたりの、海に入りやすそうな場所に陣取って泳いでみた。
ここは海中で岩が小さなアーチを作っていたりして、思ったよりも多くの魚が泳いでいて驚いた。海の透明度はラブ島には及ばないが、魚が多いのでなかなか楽しめる場所だった。
こうして2時間ほど海水浴を楽しんで午後3時半帰途についた。バス停で待つこと20分くらい。丁度、水着も乾いてきた頃にバスがやってきてリエカまで戻ってきた。
オパティハはなるほど貴族の館などが並んで華やかなリゾートの雰囲気だが、あくまでも美しい海で泳ぎたい私達には不満足な場所だった。1週間の滞在で各アパートに問い合わせをかけたのだが、問い合わせる時期が遅すぎて、どこからも良い返事がもらえなかったのは幸いだった。
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