|
2009.08.20
リエカの町
ほのぼのとしたラブ島からフェリーに乗ってクロアチア第三の都市リエカにやってきた。フェリーを降り立つと、広いハーバーの向こうにラブ島じゃぁ見た事もない大きな建物がゴンゴンと並んで、「さすが都会だねぇ」という雰囲気を出していたのだった。
スーツケースを引きずって、大きな建物の並ぶ大通りを左手に歩いて行くとバスターミナルがある。
今夜の宿泊先は、このバスターミナルから内陸に20分くらい入った場所にあった。クロアチアの他の都市同様、海岸線から内陸へは階段、そして急な坂道を上がることになっている。
階段を上がって海岸線のメインストリートから1本裏手の道に入ると、セピア色のカラーコンタクトを入れたかのように何もかもが色あせて煤けた町並みになってしまった。
「リエカは華やかな観光の見所があるリゾート町ではなく、人々が粛々と生活している産業都市なのだ。」というガイドブックの解説が、到着1時間もしないうちに実感としてわかってしまう、そんな町だった。
突然、標高の高い場所に飛行機で降り立つと、真綿で首を絞められるように徐々に高山病的な気分に陥ってくるものだが、ラブ島からリエカに来るとやや同じような気分になってきた。今までふんだんに見てきた鮮やかな森の緑、海のエメラルドグリーン、広い空のブルーがないので、目が呼吸困難になった気分がしてくるのだ。こりゃぁいかんと、チェックインを済ませた私達は、近所の市場で果物を買いがてら目の保養をすることにした。
近所の市場にはおなじみの桃、リンゴ、バナナ、いちぢくなんかが出ていてホッとする。買ったお店でおばちゃんと写真を撮ろうとすると、「あたしと写真かい?」と喜んでくれるのも楽しかった。町は都会の様相になっているが、人々は温かいみたいだ。
買い物が済んだら、リエカの繁華街に出かけてみよう。
時計台のあるメインストリートは歩行者天国になっていて、500mくらいお店が並んだ場所だった。といっても、昔ながらの商店のようなお店が多くちっとも華やかな感じがしないのが逆に新鮮だった。こんなに華やかそうな通りでここまで華やかじゃないってのもすごい。
時計台を左手にメインストリートを進むと、左にちょっと入り込む路地がある。宿でもらった見所地図によると、この路地にローマ時代の遺跡があるようなのだ。こんな町中に遺跡があるのか?と思いつつ行くと、ガラス張りの近代的なビルのすぐ横に、それらしい磨り減った石のアーチが残っていた。これはリエカで見た中で一番面白かった場所だ。アーチの真下にいると石が落ちてきそうなスリルも味わえる。またこの路地の奥には、円柱形の教会もあって、そこも見所だ。
私達がフェリーを降りた近くには本格的な市場もある。
長方形でパステルグリーンの建物が肉と乳製品の市場で、手前には野菜と果物の露天が出ている。肉と乳製品の市場の建物を出て次の建物が魚市場。やっぱり魚市場の方が圧倒的に買い物客が多く活気があった。この界隈にはカフェやレストランもある。この日は市場エリアの端にあるKONOBA
Rijeka(リエカ食道)に入ってみた。昼の定食をやっていて、メニューは4種類くらいに限られているが、800円くらいでイカ墨リゾットや地元名物のタコとジャガイモの赤ワイン煮などが食べられる。
リエカの一番の観光スポットはバスで行く小高い丘にあるお城と教会だそうだ。しかし、私達は町を見ただけで十分。丘には行かなかった。この近辺だとリエカからバスで30分ほど西に行ったオパティハがビーチリゾートシティだ。明日はそこに行ってみよう。
|