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2009.08.16
ロッシーニ島へのクルージング
クロアチア:ラブ島

 あまりの混雑ぶりに恐れをなし、ロッシーニ島滞在をやめた私達。

 その代わりに、ラブ島からロッシーニ島への1日クルーズツアーに参加して少しだけロッシーニ島を見学することにした。旧市街近くのハーバーから出発するロッシーニ島行きツアーは2つの旅行代理店から出ていた。値段はいずれもKN160(3200円)、お昼ご飯付きにするとKN200(4000円)だ。今までクロアチアで数回ツアーに参加したが、版で押したように同じメニューばかりで面白みがない。しかも価格に対してボリュームが少なくてコストパフォーマンスが悪いので、今回は昼食なしで参加することにした。

 私達が利用した旅行代理店はコマーシャルエリアの観光案内所の並びにある店。日曜日のツアーだけはロッシーニ島だけでなくイロヴィック島に行くのでお徳だと勧められて決めた。

 今日は一体どこに行くのか?あまり内容を把握していなかったツアーなので、朝9時に船に到着してから出ている看板とにらめっこ。

 この会社ではラブ島を中心に色々なクルーズツアーを組んでいて、今日のツアーは赤い線だと思われたのだが、終わってみれば赤い線とも違っていた。

 朝9時半にラブ島を出て、

・イロヴィック島に立ち寄って海水浴
・ロッシーニ島のヴェリ・ロッシーニに立ち寄って自由時間
・オルーダ島ORUDAの下にある小さなパラコルPALACOL島の前で海水浴

 で、午後6時45分にラブ島に戻ってきた。船の乗務員も詳しい行き先を教えてくれなかったし、まぁいい加減なツアーだったけど、海はきれいだったし、サプライズな出来事もあって、おそらく今日の観光客は全員大満足だったと思う。

 以下、時間にそって写真でツアーを紹介したい。

 朝9時半、朝日に照らされて美しい旧市街を出発。まず目指す先はパグ島だと伝えられた。パグ島はラブ島の南側にとても細長く存在する島で、ラブ島に近い先っちょ数キロメートルはワカメのように小さな入り江が入り組んだ形をしている。

 もしかして、そうした入り江の一つに行くのだろうかと期待していたのだが、何のことはない。一番先っちょに少しある町に宿泊している観光客を拾ってツアーに乗せるために立ち寄っただけだった。パグ島のこんな先端に宿泊施設があること、ラブ島からロッシーニ島へのツアーはここからも参加できることがわかったのは収獲だった。目の前の海がとても美しいので、車があったらこういう場所で2〜3日滞在するのも面白そうだ。

 クルーザーの中ではパグ島に到着する前から既にシュナップスが振る舞われていた。ブドウの蒸留酒でラブ島ではドイツ語風にシュナップスと呼んでいるが、イタリア風だとグラッパということになるんだろう。小さなプラスチック容器に注がれた無色透明のシュナップスはほんの20mlほどだが、アルコール度数が高いのでなかなか飲めない。グッと勢いこんで飲み込むと食道から胃袋までカーッと熱くなって、お酒が通過していくのがわかるほどだった。今日は日曜日とあってクルーザーは満席状態。朝からのシュナップスで早くも盛り上がりを見せていた。

 パグ島で人を拾ってクルーザーは一路イロヴィック島へ向かった。洋上に島影が見えてきて、これがロッシーニ島だろう。ロッシーニ島の脇を南下していくとイロヴィック島に到着する。

 ロッシーニ島のこの側面には人が住んでおらず、急な斜面に深い緑の樹木が生え、海岸線は相変わらず岩場だった。クロアチアの島々は本土に面した方が急斜面なので、ロッシーニ島も反対側はもっとなだらかなビーチになっていることだろう。

 途中1ヶ所だけ湾になっている場所があり、そこには車やボートが停められて海水浴している人の姿が見えた。ラブ島のように自転車や徒歩でもアプローチできるかどうかわからないが、できたとしてもここ1ヶ所しかないのは面白くない。ラブ島にはそれこそ無数にこうした隠れ家ビーチがある。

 ラブ島を9時半に出てパグ島で人を拾って、イロヴィック島に到着したのが正午だった。小さな教会の隣にぱらぱらとカラフルな民家が並んでいる村で、レストランと小さな市場のある20mくらいでメインストリートが終わっている静かな所だ。ここでの滞在時間は2時間。ハーバーと反対側のビーチに行くのも魅力的だったのが、時間の都合でハーバーの隣のビーチでお昼ご飯を食べて海水浴した。

 ロッシーニ島へはイタリアからフェリーが出ていると聞く。イロヴィックとロッシーニ間はタクシーボートが出ているのでイタリア人が気軽に遊びに来ているようだった。どちらかというとドイツの風を感じるラブ島に比べると、こちらはイタリアの風が吹いている感じ。中年カップルが大声ではしゃぎまくって、海中からウニを拾って石で割ってみるなんて光景はやっぱりラテン系らしい。

 午後2時に出発したクルーザーは、2時40分にヴェリ・ロッシーニという町に到着。滞在時間1時間だそうだ。ヴェリ・ロッシーニは落ち着いたパステルカラーの建物が小さなハーバー沿いにぎっしりと並んでいる。海からアプローチした私達は、このイタリアの田舎のような可愛らしい風景にまず目を奪われて、クルーザーが停まるまでカメラを向け続けた。


 船から下りて歩いてみると、ヴェリ・ロッシーニはこの目に見えている部分でほぼ終了しているくらいの小さな村ということがわかる。湾をすり鉢の底として、あとはどこに行くにも急な坂になっているから、少し坂を上がるとすぐにハーバーを見下ろすようになり、様々な角度からこの美しい湾の情景を見ることができるのだった。1時間という限られた中で、私達は湾の右に行き、左に行き、存分に景色を楽しんだ。

 アクティブに動くことに興味がない人は、さっさとハーバー沿いのカフェに陣取って、巨大なアイスクリームやパフェと取り組んでいる。そんな過ごし方もロッシーニらしいかもしれないが、私達は上の写真の左手前に回り込んだ海岸で泳いだ。海は急に深くなっているので色合いが美しく透明度もまぁまぁだった。
 
 

 1時間なんてあっという間だ。今日はツアーに参加しているので色々と忙しい。午後3時45分に予定通り船はヴェリ・ロッシーニを出発。このままラブ島に帰るのかなぁと思いきや、最後にパラコル島に立ち寄った。いずれの大きな島からも離れているこの小さな島周辺の海は本当に美しかった。30分の海水浴タイムで、みんな船から海にザッパーンと飛び込んだり、美しい海の中へ素もぐりしたり、単にプカプカ浮いてみたり、好き勝手に海を楽しんだのだった。
 

 今日は色々と盛りだくさんなツアー。イロヴィックのひなびた島の風景、ヴェリ・ロッシーニのイタリア風のカッコいい田舎の風景、そして心から美しいといえる海での海水浴。今日は楽しかったねー、とどの家族も満足気に帰途に向かっていたのに、更に大興奮な出来事が発生した。

 イルカの出現だ。

 最初は遠くの方で跳ねていた数頭のイルカたち。船がエンジンを止めて静かになるとだんだんと近くに出没するようになってきた。船の中の乗客は全員立ち上がって大興奮だった。イルカ君達は遊ぶように群れをなして飛び上がったり、ジグザグに泳ぎ回ったりと芸当を披露してくれたのだった。この近海はイルカの保護地域になっているので、イルカウォッチングツアーも特別に出ているほどなのだが、今日はイルカウォッチング目的ではないのに見られて嬉しい!近くにいたドイツ人のお父さんは超望遠カメラを持っていて、3頭がいっせいに弧を描いて飛んでいる瞬間を捉えていた。私達のカメラでは下の写真が精一杯。それにしても楽しかった。

 そんなわけで、途中10分ほどイルカ停車して午後6時45分にラブ島に戻ってきた。日曜日以外のツアーだとイロヴィック島に行かないかわりにヴェリ・ロッシーニでの滞在が4時間になるそうだ。でも4km離れたマリ・ロッシーニまで遊びに行くには短すぎる時間だし、あのヴェリ・ロッシーニ界隈で4時間も過ごすなら、今日のようにイロヴィック島を入れた方が退屈じゃないだろう。1日のエクスカーションとしてはなかなか面白いツアーだった。

 でも、正直、イロヴィックよりもヴェリ・ロッシーニよりもラブ島の方が海の水が美しい。公共の交通機関あり、レンタル自転車あり、サイクリングロードやトレッキングパスが整備されていて、それに即した地図も用意されている。今日のツアーで逆にラブ島の良さを再認識した。


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