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2009.08.08
西部サイクリングエリアとビーチ探索
クロアチア:ラブ島

 今日もお天気がいい。先日やり損ねたサイクリングコースをやるのにうってつけだ。

 朝7時に起きてお弁当を作り、今度はレンタル用にパスポートもしっかり持って旧市街への山へ徒歩20分。午前9時10分にレンタサイクルで旧市街を出発した。12時間の自転車レンタル料金は一人KN70(1400円)。パンクした場合の新しいタイヤチューブと六角レンチと停車している間に自転車と何かをくくりつけておく自転車ワイヤーを渡してくれた。様々な国で自転車をレンタルしてみたが、こんなに万全な体制で貸してくれる所も珍しい。イースター島なんかで途中で壊れたギアの修理代金まで出させられたというのとは大違いだ。

 今日のコースは島の東部に突き出している大きな岬だ。この岬全体が自然保護区になっていて、車は途中までしか入れない。

 地図で見る岬の下の部分が出入りの激しい小さな湾のたくさんあるビーチなので、旧市街からは、半島を左右につっきる自転車道を中ほどまで進んで@のビーチまで行き、そこから残り3つのビーチを巡って帰ってくるという予定にした。

 @のビーチまでは整備されたオレンジ色の自転車道、@からCを経由してオレンジの自転車道に戻るまでは緑色のトレッキングパスを使う。日々の買い物に旧市街へ行くために私達が利用しているのも緑のトレッキングパスなのだが、あんな石段の山道だと自転車を転がしていかなくてはならない。どんな緑の道なのか不安要素はあるものの、一応このコースで行くことにした。ラブ島の観光案内所ではサイクリングやハイキングをしたいというと、等高線付きの詳細な地図をくれる。かなり良い地図で言わないと出してくれない。

 旧市街から岬の入り口に入ってオレンジ色の自転車道に到達するまでは、上の地図でいう所の白い道。つまり自動車道だ。旧市街を出てからは緩やかに登り、下りを繰り返しながら進む。アスファルトだし下りの勢いで上りがまかなえる程度なので辛くはなかった。ところが、岬に入る手前に九十九折になった急な坂道が1つある。ここだけはどうしてもペダルを漕いで進むことができなくて、ひき押しすることになった。

 岬への入り口はややわかりにくかったが、分岐点と思われる地点で近所のおじいさんに聞いたら、おじいさんもよくわからずに隣のおじさんに聞いてくれた。こういう所、クロアチア人はとても親切だ。岬に入ってオレンジのサイクルロードへと接続する道に入ると途端に林の中を走る、いかにもサイクリングな道になった。ここにも途中に2軒ほどソベ(民宿)があった。私達のように幹線道路沿いに住んでいるのと違ってとても静かだろう。

 走り始めて50分でオレンジ色のサイクルロードの入り口に到達。南京錠のかかったゲートがあって、確実に車は入れない。人と自転車はゲート脇の小さな入り口から入れるようになっていた。

 サイクルロードは道幅がやや狭くなったものの舗装してあるのでとても快適に走れた。多少の上り下りはあるが、ほぼ平坦に走っていた所、岬の中ごろから@のビーチに向かう直線で海に突っ込んでいくように一気に下る。こういう時が自転車に乗っていて一番楽しい瞬間だ。

 坂を下りきった所から少し先に大学の研究所みたいな場所があり、そこから先は自転車では無理そうだったので自転車ワイヤーで木にくくり付けてでかけようとした。ところがレンタル屋が貸してくれた鍵が使えない。はぁ。クロアチア、もう一歩だ。自分達でもワイヤーを持ってきていて良かった。

 研究所から右手に鬱蒼とした木が追いかぶさる砂利道を下っていくと、だんだん@のMaraというビーチが見えてくる。人の声がして既に先客がいるようだった。自転車か徒歩でしか来られない場所なのに先客とは。。。と思って近づくとボートの姿。そうか、貸しボートで楽々来られるという手があったのだ。汗だくで来ているのは私達とイタリア人の老夫婦2組のみで残りはボート組みだった。私達も先客がいるのに驚いたが、イタリア人夫婦は歩いて人のいないビーチを期待して来ていたのか、立ち尽くして海をしばらくながめていたが、泳がずに立ち去ってしまった。気持ちはわかる。私達もこんなに楽々と来ている人をみるとちょっと癪に障る。しかしねぇ、こんなに汗だくなんだし、泳いでもいいんじゃない?

 ということで、さっそく水着になって一泳ぎした。ここまで来ると本当に水が澄んできれいだった。旧市街では美しいエメラルドグリーンだったが、ここは更に美しいコバルトブルー。もっとも海底に海草が生えているので大半がグリーンに見えるのだが。小さな魚もちらほらと見られて、静かな入り江はピクニックにぴったりの場所だった。

 ところで、先に来ていた人の中で一人素っ裸の女性がいた。この女性のボートのメンバーはFKKの人達なのだろう。今日の岬の数あるビーチの中にはFKKビーチもある。飽き足らなくなったFKK軍団が一般ビーチにボートで乗りこんで来たと思われた(下の写真の家族は全員水着着用の家族です)。FKKの存在については知っているし、うっかり近くを通ってしまったこともあるが、同じビーチで鉢合わせするのは珍しいなぁとこの時は思っていたのだが、ラブ島はFKKと一般ビーチがもうごっちゃになっている場所もあって、こんな光景が珍しくなくなっている事を後から知るのだった。思わずFKKデビューしちゃいそうな気分になる。

 最初から素敵なビーチでゆっくりしたくなったのだが、あと3つも予定のビーチがある私達は1時間ほどで次の場所に行くことにした。

 次のビーチの名前はPlanka。道を進んで行くと「プランカへ1.6km」という看板のある分岐点まで来たので進んで行くと海を目の前にして行き止まりになった。藪の中の道を数メートル進んで海辺まで出てみたのだが、荒々しい岩場でビーチではないし人もいない。どうやら表示が間違っているようだった。ここの海の色はそれはそれは美しかったが、波があって人もいなくて入るのは危険そうだった。右手を見ると湾になっているようで、そちらが正しいPLANKAビーチのようだった。

PLANKAの表示に従って脇道に入る。

1.6km先は行き止まり。ここがビーチか?

誰もいない岩場。表示間違いだったのだ。

これが正しいPLANKAビーチ。

 再び1.6kmの道を戻り(しかも上り坂だったんだよね)、本線から来た道を少し遡るとPLANKAビーチに行けそうな側道が見つかった。側道というよりも林の中にかすかに人が踏んだ後が道になってついているという程度で、PLANKAという看板もない。しかし、自転車を林の木にくくりつけて歩いて行くと再びボートが集まるビーチを見つけることができたのだった。

 先ほどのMARAビーチに比べると浅瀬が続いて水の色もあまり美しく見えない。今一つだなぁと思いながらも昼食時になっていたので砂利ビーチに座ってサンドイッチを食べたのだった。

 食後に湾を右手に周りこんでいくと、水の色が徐々に美しい色に変化して小さな桟橋のある場所に到着するとあっと行きを飲む光景になった。光の加減によって同じ湾がこんなに違った色に見えるなんて!

 コバルトブルーの浅瀬、岩陰にちらほらと泳ぐ小魚、ここにも出現しているFKKの皆さんなどを楽しみながら1時間半を過ごしたのだった。


 次のビーチに向かう道は、まず登り道だった。登りきった所から、今いたPLANKAビーチが見渡せる。人工的にえぐったかのようにきれいに長方形になった湾のコバルトブルーの水に白いボートが浮かび、その向こうに緑の森が見える。

 時刻は午後2時。ほんの10分前までつかっていた水がもう恋しくなるくらい猛烈に暑かった。

 次のARMATAビーチへは20分で到着した。

 今まで2つのビーチと比べると更に遠浅で、砂利がどこまでも続いているようなビーチだった。今まで3つの中では一番魅力に欠けるとも言えた。しかし、炎天下を汗だくになって自転車を走らせてきた私達には恵みの海。どぶーんと浸かってクールダウンする気持ちよさったらない。


 水の中で存分に体を冷やしてから、午後3時に最後のビーチに向けて出発した。

 走り始めるとすぐに真夏の犬のような気分になった。暑い、アツイ、アヅイ・・・。このまま走り続けたら不機嫌になりそうな予感がむくむくと沸き起こってきた。そんな時に車が入れないようにするゲートに到着した。ところが今回は自転車も入れなくさせるようでゲート脇の入り口はご丁寧にも階段になっている。ゲートの外に自転車を駐輪してあるのが見られた。

 別のゲートで自転車が入れるようにしておいて、ここで締め出すというのは矛盾しているよなぁ。自転車を担いで階段を乗り越えてた頃、気力の消耗がピークに達しようとしていた。

 そんなわけでCのビーチへと続く道と幹線道路に戻る道への分岐点に来た時、私達は迷うことなく幹線道路への道を選んだ。Cのビーチは今回は削除。残念だけど体力的に無理そうだ。

 ここから先は山の中を走る道となり海はすっかり見えなくなった。未舗装のガタガタする砂利道は轍の間に草がぼうぼうと生えている。青い空にぽっかりと雲が浮かび、目の先と左右は深い緑の森だった。

 聞こえるのはじゃんじゃん、じゃんじゃんと鳴く蝉の声と時々聞こえる鳥の声。夏休みの絵日記の中に入り込んだ気分がした。

 海岸から幹線道路へは緩やかながらずっと登り道だった。途中に表示がないながら勘で行けそうな道があったのでそちらに進むと、予想した通り近道。こんな手を使いながら岬の自然保護区の入り口まで戻ってきた。Bのビーチから40分かかった。

 ここから旧市街まで舗装された自動車道でほぼ下り。自転車を引き押しした大きな坂をしゃーっと下り、海沿いの道をしゃーっと走り、何て気持ちがいいんだろうか。下り大好き!

 来る時には40分かかった道のりはたった15分で帰れてしまった。

 レンタサイクル屋で自転車と預かっていた装備を返却してパスポートを受け取って終了。

 近くのアイスクリーム屋で今日のサイクリングを無事に終えたことを祝してアイスで乾杯だ。

 私達が行ったビーチ以外にも、この岬には多くのビーチがある。同じアパートにいるドイツ人家族は地図でいうと右から4番目のパラソルマークのビーチに行ったそうだ。リゾートホテルがあり、車でアクセスできるので大勢の人で賑わう場所だそうだが水質は割りときれいだと言っていた。ラブ島の中でもこの岬は特に透明度が高いようだ。


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