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2009.07.29
観光地としてのザダルの優先順位
クロアチア:ザダル

 ザダルの旧市街は海に突き出してローマ遺跡もちょっと残る雰囲気のある町。

 実はダルマシア地方には同様のキャッチフレーズで有名な町がいくつかある。私たちが今回訪れた中では、スプリット、シベニック、ザダルと近い距離に3つもの町が挙げられる。その他にもプリモシュテンなんていうのもある。

 今後の行動予定を考えるとザダルに宿泊せざるを得なかったので、ザダル観光ということになったが、結論から言ったらそーんなに素敵ってわけでもない。もし上記いずれかの町の1つしか行く時間がないというなら、私はスプリットに行くだろう。と、のっけからザダルに対して辛口なんだけど、私たちが訪れた時期は無料の野外コンサートあり、ザダル出身者による「海のオルガン」という現代アートあり、おいしいカットビザの店ありと悪いばかりでもなかった。

 ぶらついたザダルの町をスナップで紹介したい。

突き出た旧市街は他の半島の根元以外にも橋で渡れる。

橋を渡って城壁をくぐると旧市街。

今年の夏の目玉、ホセ・カレーラスのコンサートは既に終了。
でも教会にポスターが燦然と輝いていた。

中心地となる広場に面した教会。裏手にはローマ遺跡の柱が
立っていたりする。

広場の一辺には土産物屋が並ぶ。

広場裏手のローマ遺跡らしい柱の残る風景。

旧市街を抜けて海に到達。護岸工事されていてせまい縁に
へばりついて海水浴している。

クロアチア人は水球が大好き。ここにもコートが。

半島の突端は幅広い階段状になって海に入りやすい。
この階段状の下には何本ものパイプが埋め込まれている。
パイプに入る海水の水圧で音を出すオルガンになっているのだ。
「海のオルガン」と呼ばれるこの作品はザダル出身の芸術家に
よるものだそうだ。

通路にポコポコあいた穴から音が聞こえる。
波の強さによってより音量が変わり、不思議な和音を作り出して
いた。

 ザダルの旧市街をぶらぶらと歩いていたら、観光案内所で日本人女性を見かけた。久しぶりに遭遇した日本人ということもあって声をかけたら、家族でクロアチア旅行をされている在フランスの一家だった。

 お茶に誘ってフランスでの暮らしのこと、クロアチア旅行の情報交換などさせてもらって楽しい時間を過ごした。

 そんなこんなで夜9時から始まる屋外無料コンサートの時間も近くなり、午後8時に会場となる中心地の広場にいってみると着々と準備が進んでいる。

 今日のコンサートはステージ前に席が設けられていて、着席してお酒を飲みながらみたい人は有料。その周囲で立ち見あるいは地べたに座って見るなら無料ってことになっている。私たちはもちろん無料。遺跡に腰掛けて準備を見物していた。

 テーブルにはクロスがかけられ、グラスや飲み物が置かれていく。こういう作業を手伝っているのがコンパニオンの女性達なのだが、衣装がものすごくセクシー。お尻がようやく隠れるかどうかというミニワンピースの裾はレースになっていて確実に下着が透けて見える。ま、暗いからそんなに見えないけど。大きく開いた背中からVの字に地肌が見えるし、テーブルに何かを置こうと前かがみになるとパンツが丸見えになる。こういう衣装を着せることから今夜のコンセプトはキャバレーなんだろうなぁと思われた。

 キャバレーといっても日本のじゃなくってヨーロッパの社交場としてのキャバレー。集まってきたお客さんはドレスアップした人が多く、見知らぬ同士で同じ席になっても卒のない会話で社交的な雰囲気を作り出していた。ヨーロッパではこういう場面をよく目にする。音楽コンサートの場、特にオペラやオーケストラの演奏会は最上級の社交界をややアッパーな庶民でも疑似体験できる場を提供しているので、音楽そのものよりも「社交的な雰囲気」を楽しみにきている人を見かけるのだ。クロアチアではスプリットのクラシックコンサートに続いて2度目の目撃になるが、「社交」目的の比率が高いような気がするなぁ。この後ザグレブで滞在している時に聞いた「クロアチアでは洋服にアイロンをかけていないとかなり見下される」という話や、一緒に滞在していたクロアチア人の立ち居振る舞いと言動を見ていると、この国の人々はかなりヨーロッパの貴族的な部分に憧れていて外見や立ち居振る舞いを重視すると感じられる。そういえば町を歩いていても、アジア人のように「私、可愛いでしょ」タイプよりもツンと上を向いて「いい女」を気取った若い女性が多い。クロアチアのダルマシア地方は背の高い男女が多いので、そいういうのが似合ってしまうというのもある。

 コンパニオンの衣装を見てクロアチア人の傾向に思いを馳せていたら、日も落ちてコンサートが始まった。

 人が様々に入れ替わったジャズコンサートだったが、どの人もかなり聞かせる。後でテレビでも放映されていたのを見返したら、この夜のエンターテナー達は他のテレビ番組にも頻繁に登場する有名人ばかりだった。あっらー、レベルの高いコンサートだったのねぇ。

 国民的人気歌手のオリバー・ドラゴイェビッチの無料コンサートも聴けたし、今回はジャズの有名シンガー達を無料で見られたし、こういう点に関しては庶民に寛大な所があるのはクロアチアで気に入った点だ。と今書きながら思ったのだが、自分達はお金を支払っても庶民には周囲で無料で見せてあげるという構図も貴族的だ。彼らの優位性を満足させる演出に一役買ってしまっているのかもしれないが、ま、無料は無料だもんねー。懐を痛めずに楽しむ側が私達には似合っている。


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