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2009.07.21
コルナチ国立公園へのツアー
クロアチア:ヴォディチェ

 シベニックからバスで20分という場所にあるここヴォディチェの旅行代理店ではクルカ国立公園へのツアーとコルナチ国立公園へのツアーを目玉商品にしている。コルナチ国立公園は北部ダルメシア地方の海に浮かぶ島々にあり、ポコポコと海に浮かぶこれらの島の間をクルーズして1つの島にある海水の湖で泳いで帰ってくるという内容のツアー。お昼ごはん付きで一人KN300(=6000円)だ。

 ツアーを宣伝するポスターは上空から海に浮かぶ美しく緑の島々を撮影したものばかりで、クルーザー上からの撮影写真はない。泳ぎに行くという湖も上空からの写真で水辺での写真がない。たぶんクルーザーから見た景色は面白くなく、湖は近くで見るとそんなに美しくもないんだろうなぁと予想していったら、まぁそんな感じだった。

 今日のコースは左のような感じ。小さな
島の間を縫うように進んで行く。途中で岸壁のように島の側面がそそり立っている場所があって湖に到着するまででは、唯一そこがハイライトと言える場所だった。

 ツアー会社の方もそんな事はじゅうじゅう承知しているようで、船にのって直ぐに強いお酒のシュナップスを皆に振る舞ってまずは景気づけする。後で知ったが、シュナップスを振る舞うのはクロアチアのツアーでは一般的な事だそうだが、この時はツアーがつまらないから振る舞ったのかと思っていた。

 席はテーブルをはさんで6人が座れる構造で、おのずと見ず知らずの参加者同士が打ち解けやすい雰囲気になっている。お昼ご飯にはワインもつけて、生バンドを呼んで音楽を奏でるなど、景色主眼ではなく1日ダルメシアの風景の中で洋上ピクニックをお楽しみくださいというメッセージを繰り出しているので、観光客としてはこれはこれで楽しかったということになるだろう。それが評判を呼んでか、今日のツアーも満席に近い状態だった。


クロアチア人先生と旦那さん
 私たちの席にはフランス人カップルとクロアチア人カップルが座った。最初はぎこちない感じだったが、クロアチア人女性が先生をやっているということから各国の平均給与や物価の話、クロアチア国内の見所の話などじょじょに盛り上がっていった。見逃したらいけないという景色もないからゆっくりと会話を楽しめる。シュナップスが出てすぐに生バンドが出始めたので夫は2階のデッキ席に偵察と撮影に出かけた。やがて1階にやってきた生バンドの前にはちびっ子撮影姉妹が登場して周囲の微笑を誘っていた。

  
 

 午前9時に出発して1時間半後の10時半過ぎ頃から、大きな岩の横を通りずぎるようになった。おしゃべりにも音楽にも飽きてきたころに島々が現れ始めるのが丁度いいタイミングだ。通り過ぎる島はだんだんと大きな物になり、午前11時10分頃に通り過ぎた岩が一番大きな絶壁を持つ島だった。おお、これはちょっと見所だねぇ。皆デッキに出たりしてカメラを構える。岩がだんだんと近づいてきて、ついに岸壁の真横を通って迫力を感じている真っ最中に船内アナウンスが入る。「えー、お食事の時間となりますので皆様船内に戻って席にお着きくださーい」。

 ったく、なんで今なんだよー、もうちょっと見たかったのにぃと文句をいいながらも食べ損ねたら大変だと皆船室に戻ったのだった。ツアーのメニューはサバのソテー、キャベツのサラダ、パン。各テーブルにはカラフェで白ワインが置かれていて、カラフェはお代わりもしてくれた。サバは通常1本なのだが夫のは小ぶりだったせいか2本。どうもクロアチアのクルージングツアーはついているらしい。

 昼食が午前11時15分という早い時間から始まったのにはわけがある。次の目的地、海水の湖に12時半に到着するからだった。湖といっても一部が切れているから海水になっているのだろう。上空から見るととても美しい(写真で見ただけだが)。フェリーを降りてからは午後3時まで2時間半の自由行動となった。

 湖への道のりは5分ほど。ここはクロアチアの他の場所と違って砂のビーチだと聞いてきたのだが、砂といってもとても細かい粒でつまり泥土になっている。長く浸かっているとお肌にいいという話もあって泥をすくって腕や顔や足に塗りつけている人もいる。海流があまりないので水が温められていつもよりも水温が高いのも人気で、水の中につかって長くおしゃべりを楽しんでいる老人達もいた。ツアーはヴォディチェからだけでなく、シベニックからザダルまでの様々の沿岸の町から来ているために、この湖はイモ洗いのようになっていた。泥で濁っているとはわかっていても、どうにもあまり入る気になれなくて、私たちは体験的に水に入って終了とした。

 湖ではなく船の停泊している側の方が水の流れが速いので、砂がたまらずに相変わらず岩のビーチになって水温が低いが流れている水はきれいだった。こちら側にはレストランが並び、ここで食事をすることになっているツアー客用の大量のBBQがおいしそうな煙をあげていた。ツアーの食事も色々あるようだ。レストランの間から山側に登っていく道があり「展望台」の案内板が立っていたので見に行ってみると、島の反対側に出る場所だった。コルナチの島々は本土に面した方がなだらかな坂で、反対側は切り立つ断崖絶壁になっている。展望台に出てみると左右に切り立った岩が見えて、今日一番美しい景色が見られた。
 

 この断崖絶壁のふもとで泳げたら、上空からコルナチを見るのと同じくらい満足感が高いだろうなぁと思ったものの、ふもとまで降りる道も時間もないし、本土に向いた側ではないので海流があって危ないかもしれない。残念だが上から見るだけで満足するしかなかった。

 午後3時、フェリーに戻ったらあとは一路ヴォディチェを目指した。午後6時ちょい前に到着したら3時間もかかっていたのだが、私は昼食時に白ワインを飲みすぎてこの時間をずーっと寝ていたので全く記憶がない。時々目が覚めて残っている意識としては、皆、生バンドで踊ったりしていたようなしていないような。

 コルナチへのツアーはよく飲んで、よくしゃべって、よく眠る。これが楽しむ秘訣のようだ。ま、正直、無理やり行かなくてもいいツアーって事ですね。


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