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2009.07.17 Vol.2
笑えるワインラベルとばあちゃんのワイン
ヴォディチェという観光ベッドタウンに到着して早速スーパーに行くと、面白い名前のワインを発見。「IKAN」と「MATAN」だ。どちらもおっちゃんの絵が書いてあって、鍬をかついでどこかに行きそうなのに「行かん」。ワイングラスを片手にまだ飲んでないけど、もう「待たん」。ってな想像で一人で大うけしてしまった。小ネタでした。

クロアチア沿岸部ではつつうらうらワインを生産しており、クロアチア人もワインには自信を持っていて勧めてくる。だから、最初の頃は興味を持って仔細に選んでみたものの少量生産のためか値段が高く、800円のワインを買ってもスペインの400円よりも香りが立たない、味が薄い。どうにも満足ができなくて買う気力が薄れてきていた。
そんな気分でここヴォディチェに到着したところ、通り沿いに「Wine、Vino」とペンキで手書きされた看板が見える。お、これはプライベート・ワイナリーじゃないか?クロアチアではご家庭に気持ちのいいテラスを作ってぶどう棚で木陰を作るのだが、家庭でワインを作っていないのかなぁとかねてから思っていたのだった。ある日、この看板を出している一軒を訪ねてみた。
私たちが滞在している家と同じように、この家も一階を母屋にして2階から上の2フロアーをアパートにして旅行者に貸している。家の敷地に入ると、広い庭の向こうにある家の1階テラスで寛いでいたばあちゃんが立ち上がって手を振ってきた。
ばあちゃんに「ワイン、ヴィーノ?」というと、ついて来いというジェスチャーで家の中ではなく家の裏手にある納屋へと私たちを導いた。
大きな南京錠を開けると中は雑然としていかにも納屋風なのだが、ワインカラーの液体が入ったプラスチックの樽や空のワインボトルが転がっていてワイナリーと言えなくもない。
買う前にまず試飲させて欲しいというと、ばあちゃんは「もっともだ」と深くうなずきコップになみなみと赤ワインをついでくれた。値段を聞くとペットボトルに1リットル注いでKN20(400円)だという。これが意外にもおいしかった。800円のワインよりもずっとうまい。パッケージに入ると物が高くなる傾向のこの国では使い古しのペットボトルに入れるという所がポイントなのかもしれない。他にも白ワインとシュナップスというブドウの蒸留酒を試飲(といっても全部なみなみとつがれている)させてもらってすかっかりいい気分になってしまった。
さぁ、どーするね。とばーちゃんが言う。
赤ワインがとてもおいしかったのでペットボトルで1リットル買うことにした。こんな雑然とした場所だが試飲させてもらったワインはどれもピカピカのステンレスの大きな容器に入っている。ばーちゃんはそこら辺に転がっていたペットボトルを取り上げて、まずは水でじゃじゃっとゆすいでステンレスの容器からワインをついでくれた。
ワイナリー、ワインというと少し気取って歴史を聞き、最新の機械を入れた設備を見学し、飲み方作法の後にやっと飲めるというワイナリーに慣れていた私たちには、このあまりに地酒風な対応が面白くてたまらなかった。
50クーナ札しかないので差し出すと「何だったら2本買う?」とちゃめっけたっぷりに言ってきた。いやいや、とりあえず1本でいいですからちゃんとお釣りをください。
ばーちゃんはドイツ語しか話せないからと英語が話せる娘を連れてきて、シュナップスの宣伝をさせた。シュナップスに一番自信があるらしい。次はシュナップスを買うかね?とウィンクしてくる顔がまたキュートだった。ワインもばーちゃんも味のあるワイナリーだった。
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