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2009.07.17 Vol.1
シベニックへちょい遠足
クロアチア:ヴォディチェ

 世界遺産のSt James教会のあるシベニックへはヴォディチェから市バスで20分。バス代は片道一人KN13(=260円)だ。クロアチアの陸の交通機関はフェリーに比べると短距離も長距離も割高だ。

 バスの終点はシベニックのバスターミナルだが、途中で大勢の人が降りた停留所で私たちも下車。東西に細長い町の北端を走るバス通りの町の真ん中辺で降りたことになる。ここから海沿いの通りに出て観光案内所で地図をもらって散策開始だ。観光案内所では日本語で書かれたB4版の50ページはあろうかというカラー刷りの美しい冊子を無料でくれた。コルチュラ島で生まれたといわれるマルコポーロを主軸にクロアチアを紹介した本で、こんな立派な冊子を無料で配布しているなんて凄いなぁと驚いた。

 しかし、この後にプリトヴィッツェ国立公園に行った時も感じたことなのだが、クロアチアのこうした観光配布物はガイドが付いた短期の団体観光客を意識した物が多い。自由旅行者にとっては叙情的なパンフレットよりも実際的な案内地図の方が100倍ありがたい。にもかかわらずプリトヴィッツェでは国立公園内の地図リーフレットが存在しておらず、歩き回るには立て看板をじっと睨んで頭の中に入れてから歩かざるを得ない。一方でプリトヴィッツェの美しい場面のカラー写真とこの国立公園の素晴らしさや存在意義を書いたリーフレットは7ヶ国語もで用意されているのだ。このマルコポーロの冊子も素晴らしいことは素晴らしいのだが、あまりに詩的でわかりづらいし、何よりも重すぎて私たちには不向きなプレゼントだった。結局、ざっと目を通してプリトヴィッツェの宿に置いていくことになった。あのプリトヴィッツェのおじちゃんの宿に次の日本人旅行者が来てこの冊子を楽しんでくれることを望むばかりだ。

 さて、シベニック。旧市街は細い路地が迷路のように入り組んでいて、しかも段差があるのでちょこちょこと階段や坂道があり、路地も建物をくり貫いたトンネルのような場所もあって歩いていて面白い町だった。
   

 世界遺産の教会は周囲を建物に囲まれた敷地にあり、全体像をカメラでとらえるのが難しい場所に建っていた。

 中庭の端から登る階段の踊り場くらいからぎりぎりこんな写真が取れるなぁとカメラを構えたら、踊り場に面したアートギャラリーの店が出しているお尻出し人形がどうしても入ってしまう。ま、これもシベニックの思い出。

 「お尻出し人形と世界遺産」だ。

 左の写真で教会の左部分、人間の頭よりもちょっと高い場所に帯のようにごつごつと並んで見える場所がある。ここには71人の顔の彫刻がついていて教会を半周ぐるりと取り巻いている。

 15世紀の実在した市民がモデルになっているそうで、1当時のシベニック市民の顔が見られるというのも面白い趣向だ。

 内部で言えば、レンガや木の支えなしに石だけで作られた教会としては世界最大というのがポイントなんだそうだが、ちょいと覗いて見た限り普通の教会と変わらなく見えてしまう。まぁ、よくわからないということです。

 この世界遺産の外側にある石のベンチに腰掛けてお昼ご飯のサンドイッチをぱくついた後は、シベニックの町を一望できる丘の砦に行った。丘までの階段沿いには赤い屋根の家々がびっしりと立ち並んでいる。砦(入場料KN20=400円)からは想像した通りに足元から下の海までびっしりと赤い屋根が見える美しい景色だった。さっき訪れた教会は赤い屋根の中に埋もれるように見えていた。

 砦から下って町中に戻る。午後1時半のシベニックは暑くけだるく人影も少なく、家の影で足音を忍ばせてあるく猫か、細い路地でいちゃつく地元カップルくらいしかいない。素敵に飾った白いパラソルのカフェでさえ一人も客が入っておらず、古い建物だけがしんとしてあるのは、ある意味この町にふさわしく感じられた。
 

 ほんじゃ、私たちも帰りますか。シベニックとヴォディチェ間のバスはそんなに頻繁にあるわけではない。午後2時のバスは町中にあんなに人影がなかったにもかかわらず、ほぼ満席の状態だった。やっぱり皆、シベニックは半日午前中観光で十分だってことだろうなぁ。


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