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2009.07.07
対岸のオレビッチOrebicでハイキング
クロアチア:コルチュラ

 オレビッチは本土から突き出した細長いペルイェサックPeljesac半島にある町だ。半島内でも特にオレビッチには広い砂のビーチがある。砂のビーチがほとんどないクロアチアでは特殊なケースだ。このビーチは南ダルマシア地方で一番とも言われているとガイドブックにあった。

 この半島とコルチュラ島は非常に近づいていて、コルチュラタウンからオレビッチまではほんの2.5kmしか離れていないために、コルチュラ島が防波堤のようになって半島のコルチュラ島側には気持ちのいいビーチがたくさんできているんじゃないかなぁ。このビーチも気になるし、オレビッチには961mの山があって、その頂上から見るダルマシア地方の島々という景色も見てみたかったので、1日のうちに数便行き来しているボートに飛び乗ってオレビッチ日帰り観光にでかけた。

 片道KN12(240円)のボートチケットは船内で販売される。オレビッチまでは本当に近くて15分で到着してしまう。こちらの方がコルチュラ島よりもわずかに気温も水温も高いそうで、そのせいか水の色もコルチュラとはまた異なっているように見える。

 背後に高い山を背負っていて、山と麓の緑と町の家の赤い屋根と海という色合いが海というよりもヨーロッパの高原の湖畔の町のような情景を作り出している。目に映る清々しさとは裏腹に、午前10時にしてひざしは強く既にアイスクリーム食べてもいいんじゃない?ってな気分になってくる暑さだ。

 ハーバーからずーーーっと右手に1km歩くとインフォメーションがあった。もっと近いと思っていたから遠く感じたなぁ、この1kmは。

 インフォメーションまでの1kmは海沿いの道で、コルチュラと同じように石を積み上げた鄙びた建物が左手に並んでいて、海沿いにはやしの木があって南国の雰囲気がいい感じ。ビーチは砂利ビーチだけれど、なるほどコルチュラに比べると遠浅で子供連れにはうってつけだ。南ダルマシア一番といわれる砂浜ビーチはインフォメーションよりも更に先にあるので、日が高くなりすぎる前に山に上って、暑くなった午後からはビーチでゆっくりして夕方の便で戻ろうという計画を立てた。ところがインフォメーションでもらった山までの地図を見ると町を逆戻りしてから上に登る道になっていてかなり遠くて、インフォメーションの情報では頂上まで4時間かかるだろうという話だった。既に午前10時半になっていたので頂上まで行くのは難しいだろうが、行ける所まで行ってみることにした。


 インフォメーションから1時間15分歩いた時点で教会に到着。途中等高線を垂直に登るような坂がきつかったが、あとはまぁまぁの上り坂でそんなに大変でもなかった。教会の前に展望ポイントがあり、そこからは既に眼下にコルチュラの旧市街が見え、遠くにはポコリポコリと浮かぶ島が見えてダルマシアの雰囲気が見てとれる。足元には濃く薄く緑の森があって、その先に下で見ていた時とは違った魅惑的な色の海が広がっていた。汗がダラダラと額を伝って、今すぐにでもあの海に飛び込みたい気分だった。
 

 でも、もう少し目線が上がった場所まで行ってみたい。ということで先に進む。ここまでは舗装道路で車も走れる道だったが、途中から右に折れる道からは未舗装となった。最後の農家でおじちゃんが作業していたので「山に登ってくるね」というと「水はたっぷり持っているかい?」と聞かれた。見ず知らずの外国人に対しても家族のような温かみのある言葉をかけてくれたクロアチア人老人に励まされて更に進む。この農家から道は細く急な登り道になっていく。この道で正しいのかと不安になるが、道中にはトレッキングマークが石や木のペイントされているので正しいらしい。道は時々平坦になって一息つかせてくれるが、後はほぼ登りでひいこら言いながら歩いていった。

 やがて午後0時20分、歩き始めて2時間弱の地点で視界がパーッと開ける場所に出た。左から右まで森に遮られることなくオレビッチのある半島とコルチュラ島の間に横たわる海が見渡せる。残念ながら雲が出てきてクリアーな視界ではないのだが、それでも十分に登ってきた成果が感じられる景色だった。お腹すいた、暑い、水が足りない。色々な条件もあって、ここが今日の山登りの終点ってことでお弁当を開いてお昼ご飯とした。いやー、気持ちいい。歩いている時は暑い暑いとばかり思っていたが、歩かずにここに座ってサンドイッチを食べていると涼しい風が吹いてどんどんと体の火照りがおさまっていった。


 左右に広がる海峡の眺めを楽しんでから下山を始めたのは午後1時だった。

 お昼ごはんを食べて休憩している間に、私たちが登ってきたのとは逆方向から人が3組くらいがやってきて、私たちが登ってきた方向に向けて歩いていっている。もし頂上まで行ってきたとすると、この人たちは朝7時や8時くらいから登り始めたということになるだろう。私たちももう少し早くくればよかったなぁ。

 下りは登りよりもずっと楽だ。せっかく涼しくなった体も炎天下を歩いているとすぐに火照ってきて、私たちはとにかく海へ、海へと下りを急いだ。

 来る時に声をかけてくれた農家を通り、舗装道路に出たら左手の教会に向かうのではなく右手の村に向かい、途中から左折するとまっすぐに海に出られる道が地図にあった。それに従って一直線に海まで来たら48分で下ってきてしまった。早い。

 一番近くの泳げそうな場所を探して、とにかく海に入るとシュワーッと泡になって昇天しそうな気持ちの良さが体を突き抜けた。これこれ。夏のハイキングは歩いてすぐに泳げるというのが最高に楽しいのだ。この楽しさは去年のヨーロッパキャンプで南フランスのマルセイユ近く、カランクという場所で知った。しかもカランクもここもゾクゾクするような美しい色の海で、熱くなった体を美しい海に浸してクールダウンする快感は一度味わったらやみつきになる。コルチュラでこの体験ができるとはあまり考えていなかったので、余計に嬉しかった。

 さてオレビッチで残す見所は砂浜ビーチのTrstenica。インフォメーションを通り過ぎて更に更に歩いて行くと広い湾になった砂浜ビーチが見えてきた。満ちているのかそんなに広くない浜辺にぎっしりと人が並んで寝転がっているて、人気の高いことがうかがえた。しかし、岩に足をひっかけて怪我することなく、急に深くなってあわわと泳がざるをえない事態にならずにゆったりと水につかっていられるという点では砂浜のビーチはいいのだが、あまりに多くの人がいるので砂が巻き上がって透明度がかなり悪い。このビーチよりは途中の岩場だがもっと透明度が高い小さな場所の方が私には魅力的だった。

 今日はたくさん歩いたのでもうお腹が減ってしまった。近くのレストランで「本日のメニュー」から小魚のフライ(KN25=500円)とビール200ml(KN6=120円)と水1リットル(KN20=400円)を注文した。この量のフライで500円とは安いし、魚が新鮮でとてもおいしかった。いいレストランが見つかってよかったなぁ。

 ということで、山登り(途中までだけど)と海を存分に楽しんでオレビッチの日帰り旅行は大成功。満足して帰った。


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