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2009.06.28
魚市場に光明が見えた午前、午後から泳ぎに行く。
昨日からキッチン付きの宿に移動して自炊生活が始まったのだが、最新型の大きなスーパーはそこはかとなく品揃えが薄いし、肉も野菜もチーズもワインもスペインから来た私たちには同じか高く感じる物価。おまけに買ったピクルスは味付けが酸っぱすぎる、オリーブは苦い、チーズはチーズもどきの製品でチーズでさえないという有様で、昨日の夜はこれからどーしたらいいんだとしみじみと食事をしたのだった。
一夜明けて今日、「そうだ、魚市場があるじゃないか!」と思い立った私たちは朝から1.5km離れた魚市場まで歩いて行くことにした。
魚市場は屋根のある建物の中に7〜8軒が店を出しているもので、外の敷地では野菜や果物も買える。魚の値段は一番安いスープ用の魚といわしで1kgあたりKN20(400円)、サバはKN30(600円)、イカはKN60、大きな魚はもっと高いが、骨付き豚肉ロースがKN50(1000円)以上もすることを思えば魚はずっと安い。そうか、クロアチアの人は魚を食べているのか。昨日から思っていた物価の高さの謎が解けた気がした。クロアチアは東欧の中でも観光客が多くて発展しているとはいえ、スペインよりも平均所得が低いはずなのにあんなに物価が高いのはどうにも納得がいかなかったのだ。しかし、この魚の値段、そして多くの家が庭で家庭菜園を行っているのを見ると半自給自足で暮らしているということがわかってきたのだった。
とにかく安くて新鮮なたんぱく質資源が見つかってホッとした。昼用にいわし、夜用にスープ用雑魚を買って意気揚々と宿に戻ったのだった。写真の量で300円なら悪くない。今日は半分を食べて、残りは別の日に使うことにしたから今日のお昼の魚は2人で150円になる。これでやっと自炊への光明が差してきた。外食だとピザ1枚とビール500mlで1000円にもなるから大分食費を削減できるし、バラエティーに富んだ食事ができそうだ。
7月前だけれどドブロニクの日差しはかなり強くて、そうでなくても昨日から歩いてあのエメラルドグリーンの海に入ってみたくて仕方なくなっていた私たちは、午後から早速最寄のビーチに行ってみることにした。
Lopadという地区にあるこの家から一番近いビーチは、Lopad半島の付け根の南側にあるホテル付近だと聞いて歩いて行くと10分くらいでめざすホテル前に到着。ホテルの左手の細い道を降りて行くとホテル用のビーチの隣にブイの浮いた一般用かと思われる場所があるのだが、ビーチって感じじゃない。アプローチできる半径1mくらいの場所以外は岩が切り立って寛げる雰囲気がないのだ。岩を乗り越えて向こう側に行けばもっと開けているかもしれないと、岩を乗り越えても同じように切り立った岩が続くだけ。うーむ、何かおかしいと思いつつも美しい海の色と気温の高さに耐え切れずここで海に浸かった。
しかし、海に浮かびながらもここが目的地じゃないっていう思いが沸々とこみ上げてきた。泳いでいる目の前には岬が突き出ているってことは左手には小さな湾の奥があるはず。下ってきた岩をもう一度よじ登って、来た道を今度は右手(湾の奥)に向かって歩き出した。ちょっと獣道風でどこまで行けるかわからないような道だったが、やがて歓声が聞こえてきて眼下に見えてきた風景はまさに「ビーチ」。ここだったのね。
幅150mもないだろうビーチの左側は砂利ビーチだが右側はやや砂のビーチになっている。砂のビーチの方にはちゃんとしたカフェレストランがあって、白いパラソルの下のビーチベッドの貸し出しも行っている。左手の岩壁には洞窟があって、洞窟内に泳ぎにいったり洞窟周辺の岩から海に飛び込んだりする子供達がたくさんいた。右手には水球のコートがあって青年たちがゲームを楽しんでいる(これから目にすることになるがクロアチアでは水球がとても盛んで水球コートを頻繁に見かける。)。さっき間違えて行った場所とは打って変わって、こちらは正しく陽気に盛り上がっていた。
一昨日、旧市街のハーバーで見た海の水も割合きれいだと思ったが、ちょっと郊外のこんな所はもっときれい。気温は高いが水が冷たいので入るとすぐに体の熱が取れるクロアチアの海での初水泳はなかなか気持ちが良かった。
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