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2009.05.18
ポルトガル一番の大学町、コインブラ
ポルトガル:コインブラ

 リスボンからコインブラまでは250km程あるので朝9時前に出たが、夫の豪速ドライブで11時頃には到着。時速170kmの威力は凄い。

 早く到着できたので、午後からはゆっくりとコインブラを見学しに行くことができた。郊外のキャンプ場からは町中にバスが出ている。ヨーロッパはどこでも大概そうなのだがキャンプ場から町中へバスが出ていて、一度キャンプ場に到着したらバックパッカーと同じように公共の交通機関で動けるというケースが多い。ヨーロピアンのキャンパーはキャンピングカー利用者も多く、キャンピングカー利用者はお年寄りが多い。キャンプ場からキャンプ場への移動は可能でも小回りのきかないキャンピングカーでは町中に出にくいし、自転車に乗るのも億劫だという要望に応えてバスが出ているのだろう。

 ということで、お年寄りではないが豪速運転で疲れてしまった夫の要望でバスを待っていたのだが、一向に来ない。じーーーーーっと待っていたのだが、最初にしびれを切らしたのが当の本人の夫だった。運転者が車で行こうというのだから私は依存ない。コインブラの町中まで車で行くことになった。これが後に夫の歯痛、微熱を引き起こすストレスになるとも知らずに。

 コインブラは人口10万人の都市。ポルトガルにしちゃぁ多いほうだ。しかも有名なコインブラ大学があって若者の町でもある。道はそんなに難しくないのだがここにコインブラに至るまでの1週間、豪速で走り続け、リスボンの町中の複雑な立体交差をこなして、今日再び豪速でコインブラまで来た夫にとって、若者がヒューヒュー走るコインブラの街を車で走るのは限界だったらしい。観光はしたもののキャンプ場に戻ってきてから奥歯がしくしくと痛くなり、翌日は休養して歯痛が止んだものの体力が落ちているのに食べ過ぎて体力を失い、翌々日にはついに微熱が出てしまった。だからコインブラの観光はこの日の午後の市内見学のみ。コインブラの近郊にはローマ遺跡の残る場所や国立公園が2つあったが、それらは全てパスして次の町ポルトに向かうことになったのだった。ストレスというのは本人が自覚しない所で蓄積していくのが怖いし、それに対して体はSOSを発するものなんだなぁ。

 とまぁ、そういう事の顛末があったのだがコインブラを見学している時はまだ歯痛もあらわれずに無事に観光をすませることができたのだった。

 コインブラはMontego川に向かう斜面にできている町で川沿いの低い場所は比較的新しい町で斜面の上の方が古い町、その中心にあるのがコインブラ大学だった。下の方の駐車場に車を納めて坂を上っていくとTorre de Almediaを通りかかる。かつてはムーアの砦であり後にポルトガルの王たちの砦となったこの町は城壁に囲まれていたのだが、城壁の数箇所にゲートウェイとなる見張り門があり、その1つがこのアルメディア門。今は博物館になっていて(無料だった!)、見張り塔の中から敵が通ると石を落としたという穴や昔のこの辺りの地形の模型を見ることができる。
 
上から石を落としたという穴は、後から下にまわって見上げてみたのだがどこかよくわからない。これは敵にとっては恐ろしい。
  
このゲートから大学に上る道が一番景色がいいらしい。上り傾斜は厳しいが確かにラビリンスっぷりがよく味わえる楽しい小道だ。


学食でもやっぱりエッグタルトがある。
 コインブラ大学は今も大学として使われている施設なので普通に学生がいる所を勝手に観光するようだ。私たちも勝手に学食に入って「ふーん、コインブラ大学生はこんな物を食べているんだぁ」とか、トイレで今時のお洒落女子大生が念入りにお化粧しながらおしゃべりしている様子をながめた。

 って、コインブラ大学の観光の見所はこういう所にあるわけではない。

 大学の正門から入った広場にコの字型に続く建物に正しいコインブラ大学の観光ポイントが集まっている。


 一番左手にあるのは立派な図書館。これは有料で見学できるのだが見学用のチケットを正門近くのどこかで買って来い、次の見学はいつからだからと面倒な話だったので見学はパスしたが、他の見学者が出てくる時にちらっと見えた内部は、足元から10mくらいまでぎっしりと本が壁を埋めるものすごい事になっていた。ガイドブックによると30万冊収納されているらしい。



 真ん中の左手に立つのが18世紀の時計塔。ロンプラによると「cabra(やぎ)」というニックネームがついている塔だそうだ。というのも、この塔の授業の終わりを告げる鐘を合図に、威張り腐った上級生が1年生に襲い掛かり、いたぶってさらし者にするという風習(?)があり、それを避けたい1年生はヤギのように家にぴょんぴょんと飛んで帰る風景が見られることから来ているんだって。

 今でもその風習は続いているのだろうか、残念ながら目撃することはできなかった。



 真正面にはSala dos Capelosという建物がある。優雅な階段を従えたこの建物も威厳がある。この広場をぐるりと見回しただけでこれだけの歴史的建築物があるのだからコインブラ大学がいかに名門かわかるじゃないか。





 最後に右手の立派な門をくぐると大学の外に出る。ここから左手にまわりこむと教会がいくつかあって、ゆるゆると坂を下りながらまた下の町に戻っていくことができた。

 私たちもかつて大学町と言われる場所に住んだことがあった。町を歩いている人が若いと華やいだ雰囲気になるし、大学が主催する様々なイベントに近辺の住民も参加できるから大学町に住むのは楽しかったなぁ。大学祭でチアガールの発表会を見に行ったり、外国人留学生による日本語スピーチ大会の前座に応援団がでてきたりして、よくわからないけどエネルギーあふれる感じがよかった。

 ほんの数時間訪れただけでは感じられなかったが、この町もそういうエネルギーにあふれているんだろうなぁ。
  

 下の町のメインストリートは所々に上の町に上がっていける小道があるのがアクセントになっている通りで、テナントとして中に入っている店は決して古くはないのだろうが建物がクラシックなのでノスタルジックな空気を放っていた。

 特に観光客に向けた土産物屋の店もなく普通の町なのだが、1つ目を引いたのが立て続けにカフェで見かけるおいしそうなお菓子。これは今までに見た事がない。しかも、地元の人がカフェのテーブルでみんなこれにかぶりついているとあっちゃぁ食べないわけにはいかない。ということで、私たちもここでティータイムだ。

 大学のある辺りからキャンプ場に戻る道中は新市街で住宅街の中に大きなショッピングモールのある場所がある。こういう所を見ると、さっき見ていたコインブラの旧市街が夢のように思われてくる。思えばリスボンもそういう印象だった。リスボンの観光地区ばかりを歩いていると、ノスタルジックで発展することを拒否している空気があるが、郊外のキャンプ場の周囲は新しいビルがどんどんと建ち、大型スーパーのAuchan、大型スポーツショップのDecathlon、大型家具チェーンのIkeaなどが集積する一大ショッピングエリアがある。そういう場所に行くと、ポルトガルも時代の流れに乗って発展してるんだなぁということを感じられる。

 キャンプ場を利用すると両方を見ることが多いので偏った町の印象にならないというのは良い点だろうと思う。

 ショッピングセンターのスーパーでお買い物して今夜はカレーライス。出発時にバルセロナのフィリピン人ショップで買っておいた秘蔵のS&Bカレールーを使うのだ。体が参っている時は和食に限る。


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