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2009.01.10
トーレ湖まで、そして湖畔もグルーッと散策
昨日、挫折に終わったトーレ湖までのトレッキングの続きをやろう!今日もパン屋でサンドイッチを購入し朝8時35分に出発。
チャルテンの町は明るい太陽に照らされていい感じだ。昨日と同じ場所で野ウサギに出あって最初の展望ポイントに到着したのが午前9時。昨日厚い雲で覆われていた空には青空がのぞいていた。とはいえ、肝心のセロ・トーレは雲に覆われている。うーむ。この先進むべきかどうか。雲の上のあまりに明るい青空を見ていると、そのうちにセロ・トーレにかかっている雲も晴れてくるような気分がしてきて、期待をこめて先に進むことに決定した。
チャルテンの町からセロ・トーレの足元にあるトーレ湖までの道のりは小山を登っては下り登っては下りというのを4回繰り返した後に平原を長く突っ切って最後に小山を登って到着する。これをあらかじめ頭に入れておかないと、どうしてせっかく登ったのに下るのかという義憤が高まってストレスフルなトレッキングになるので知っておいた方がいいと思う。1つ小山を登るとそこが展望ポイントになっていて、確実にセロ・トーレに近づいているのを確認できるのが楽しかった。歩いている道中は左手のセロ・ソロがぐんぐんと近づいてくるのが楽しみ。単純に風景が美しいだけでなく、何かに近づく達成感があるというのは歩き甲斐があるものだ。
氷河湖からドウドウと流れる川の脇道を歩くようになったらもうトーレ湖までは近い。「湖まであと10分 Lag
Torre10」という表示が出てから最後の小山をあがると湖が見えてくる。湖の左奥にはグランデ氷河、右手にセロ・トーレ山がありフィッツ・ロイに次ぐ人気の展望スポットだ。湖に到着してのは午前11時ちょっと過ぎなので、チャルテンの町から2時間半かかった。ペースとしてはまぁまぁいい時間だった。
あー、しかし。ここまで歩いてきたのだが期待とは裏腹にどうしてもセロ・トーレの雲が晴れない。山の上以外はぴっかぴかの晴れなのにぃ。ここで景色を見ながら水を飲んだりして小休止。予定ではお昼ご飯を食べてから湖の周囲を右手方向に歩こうと思っていたが、お昼ご飯にはまだちょーっと早い時間なので、先に湖散策をすることにした。
トーレ湖までのトレッキングコースは地図に描かれた道で割合整備されているのだが、ここから先の湖沿い右手方向に歩いていく道は途中まで点線で、その後には何も線が描かれていないのに展望ポイントのマークだけが記述されている。
日本人旅行者でこの展望ポイントまで行ったという人がいたので、どうやら素人でも行けるようだとここに来る前に聞いていたし、観光案内所でも行けると聞いてきたので、何の迷いもなく私達は歩き始めた。
しかし、やはり地図にない道というのはわかりにくい。途中までは湖からぐーっと持ち上がった斜面の尾根のような道を歩いていけばよかったが、途中からは瓦礫の斜面に幾筋かの道があり好きなように行ける。というと聞こえはいいが、どこをちゃんと歩いていいかわかりにくいようになっている。
私達が行った時は昼近くでちらほらと人がいたので、そういう人を目当てにして先に進んだ。上の右の写真で樹木が茂っている一番下の左端まで行けて、そこからは真正面に氷河が見えた。氷河を渡る風を正面から浴びるので歩いて火照った体はすぐに冷やされる。わー、涼しい、気持ちいいと思うのは10分くらいでだんだんと寒くなって持ってきた衣類を全て身につけることになった。氷河は上空の雲が影を落として暗くなった所と太陽の光を浴びて青く輝く部分のコントラストが面白く、ゆったりと変わっていく景色は飽きることのない天然アートだ。
一番氷河に近い場所でお昼ご飯を食べて景色を堪能して戻ることにした。最後の方はかなり登ってきたので帰りは下り坂で楽ちん。振返るとセロ・トーレが見えているが、やはり頂上は雲に隠れてしまって全貌は見えない。「トーレ」はスペイン語で「塔」という意味だからタワーのように見えるはずなのだが。今日は氷河にフォーカスを置こう。湖沿いを戻る道すがらからの氷河の眺めもなかなか良くて、同じような角度と分かっていながらも何度も写真を撮影してしまった。
湖をぐるっと回って最初の位置に戻るとアメリカ人らしき団体観光客が来て、辺りに座りこんで寛いだり湖畔まで降りて氷塊を近くで眺めたりしている。氷塊の近くに人がいて初めて気づいたのだが、湖畔に流れてきている氷の塊はそれなりに大きなものだった。ってことは、あの湖畔に行くのもかなり下っていかなくっちゃいけないんだろうなぁ。ま、下まで行くのは断念しよう。
午後1時半までここでゆっくりして、さて帰ろうかと歩きだした。湖から流れ出す川沿いに進んで行くと、氷河湖からではなく別の方面から流れている川が左手に見えてきて小さな橋でその川を渡ることになる。この小さな川の水が澄んでいて、飲んでみるととてもおいしい。単なる水なのだがダシがきいているような旨味が感じられる水なのだ。チャルテンのあちこちの川で水をすくって飲んでみたが、この川の水が一番おいしかった。「トーレ湖のキャンプ場では氷河湖から流れる川が近いのだが濁っているので、この川に水を汲みに来るのがいい」と他の人も言っていたが、澄んでいるだけでなく味もいいのに本当におすすめの水だと思った。
再び森の中を抜け、丘を登っては降りてを繰り返して町へと戻る。来る時には気づかなかったが、途中で「Chalten
norte/Chalten centro」という分岐点がある。思えば3年前のトレッキングでは町の北側に滞在しているからとChalten
norteに行ってしまったのが間違いだった。この分岐点からChalten norteに行くと大変に時間がかかる道になる。3年前の過ちを今日始めて認識したのだった。
もう大分町に近づいた午後3時半、それまで何度振返っても雲にかかっていたセロ・トーレが、この時点ですっきりと全貌を見せた。お、遅い。この時間までは待てなかったなぁ。しかし、この地点からはセロ・トーレだけでなくフィッツ・ロイも全貌が見える。両方が一度に見えるポイントってのも珍しいのでそれはそれで良しとした。
午後3時半に振返って「おおお、」と愕然とする私。 |
左に見えるのがセロ・トーレ、右がフィッツ・ロイ。 |
今日のご帰還は午後4時10分。宿に到着するなり「マリアーナー、ビール出してー!」。
で凍ったグラスで冷たいビールをキューッと流し込む。ああ、今日も幸せ。
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