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2009.02.06
ガウチョ祭りの噂を聞きつけて
いつも買いに行く菓子パン屋の壁に「2009年2月6日からガウチョ祭り!」みたいなポスターが貼ってあった。ガウチョというのはアルゼンチンで(ウルグアイもあるそうだが)牧畜に従事する人々を指す言葉で、Wikipediaを読むと「19世紀後半以降、職業、社会階層としてのガウチョは消滅したが」とあるが、今回の旅でチリのプエルト・ナタレスにいる時にも近々ガウチョ祭りがあると聞いたし、エル・カラファテではカウボーイハットにニッカボッカをはいたガウチョとしか言いようのない服装の男性もみかける。消滅したとは思えない。
そのガウチョ祭りのポスターでは男性が荒れ狂う馬に乗っている写真とともに6日と7日が予選で優勝者には300ペソ、8日の本戦で優勝した場合には賞金1000ペソだと書いてあった。どこで行われているのかパン屋のおばちゃんに聞いても「あたしん所じゃlチケットは扱ってない」というばかりで情報が得られない。そこで宿に戻ってご主人に聞いたら、「メインストリートと交わる大きな道をまっすぐ湖に向かっていくと広場があってそこが会場ではないか、3年前にそういう催しに行ったなぁ。」という話だった。3年前?そしてその後、どうしてご主人は行っていないのか、3年に1度なのか、面白くないのか。様々な憶測が頭をよぎったが、とにかく会場の下見にいって更なる情報を集めてみることにした。
会場はすぐにわかった。広場を取り囲むように階段状の座席がしつらえられていたからだ。近くに立っていたおじさんに聞くと夜7時頃からはじまるんじゃないかということだった。まぁ、この情報も確かかどうかはわからない。どうも誰に聞いてもはっきりした答えが得られなくて、どういうことだろうかと思った。
会場に近づいてみると、座席のある広場の手前には炭火焼の屋台が準備をしていて、こういうお店も出るなら楽しそうだ。いやいや、結構面白そうじゃないか。この下見の段階で面白かったのは、そこにいた羊。もしかしたら今日の祭りのために絞められてしまうかもしれないこの子たちの中に異様に大きな羊がいたのだ。体が人一倍大きく歩くたびにもっさもっさと全体が揺れる。毛なのか脂肪なのか。あー、気になる。長く延びた角はグルーッと巻いちゃってるし、あー、その顔は目が小さくて不細工この上ない。年寄りなのだろうか、もっとスリムな羊達に囲まれて大切に扱われているのが幸いだった。
下見を終えて宿に戻る。坂の上の方にある宿に戻る途中の大きな道、ここからは視界を遮るものがないので湖の景色が美しく見えるのだが、この日は特に色合いが美しかった。
さて、夕食を済ませてから午後7時頃に再度会場に行ってみると、昼間はなかったゲートが道路に作られている。そこから先に行こうとすると女性に止められた。入場料金を支払わなければならないんだそうだ。1日のみのチケットで一人10ペソ(=US$2.9)かかるという。てーっきり無料だと思い込んでいた私達はたった300円がどうしても出す気分になれない。2人で600円だもんなぁ。だって何をやるか正確にはわからないし、そんなものにはお金は払えない。
会場に入る手前の左手に人が集まっているので行ってみると、同じような考えの人なのか外国人観光客や子供連れの地元民が湖の入り江をはさんで向こうにある会場に向かって座っている。そうそう、私達もこのお仲間。ということで何か面白そうなことが始まったら入場しようと、ここで待つことにした。
7時半を過ぎると会場のステージから大音量の音楽が鳴らされ始めたが実際には何も始まらない。階段状の席に座る人の人数は徐々に増えているがあまり増えてこない。そして午後8時。さすがに寒くなってきたのと、おそらくあと2時間は何も始まらないだろうという勝手な予測のもとに、私達は退散することにした。
後で会場に行った人の話ではロデオのような事はなく、地元バンドがステージで歌を歌っているだけで、出ている屋台も高かったということだった。入場料金を取って中の食べ物も高いなんて全く行く気をなくす。カラファテの風にのって夜遅くまでステージの音楽が宿まで聞こえてきていたが、二度と行く気がおきなかった。本当はどこかでとびっきり面白いロデオ大会が見られるとよかったんだけど。いや、どこかでやっていたはずなんだ。どーして観光案内所はちゃんとそういう情報を持っていないのかなぁ。ま、たいしたことないんだろうというのが私達の結論だ。
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