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2008.12.31
年末の日本人宿で忘年会!
アルゼンチン:エル・カラファテ

 師走も20日を過ぎる頃から南米の日本人バックパッカーはどこで年末を過ごそうかを真剣に考え始める。せっかく遠く日本を離れてきたのだからパタゴニアの山中で一人テントの中で過ごすもよし、チリ沿岸部のビーニャ・デル・マルの日本人宿でシーフードパーティーしながら花火を見るもよし、ブエノス・アイレスのNHKが入る宿で紅白歌合戦を見るもよし。私達が3年前にパタゴニアを訪れた時はエル・カラファテの外国人が集まる宿で年末を迎えた。宿としてのパーティーもなく、宿泊者が集うこともなく大変に静かというか寂しい年末だった。

 今回はにぎやかに過ごしたいなぁと思っていたところ、エル・カラファテの日本人宿「藤旅館」で年末を迎えることになり、25日を過ぎてからぞくぞくと集まった面々と年末パーティーへとなだれこんだのだった。31日のこの宿の模様を記録に残しておこう。

 朝10時過ぎに買出し開始。エル・カラファテのスーパーは買い物袋がないので買い物袋を持参していく。いつもはメインストリート沿いのスーパーに行くのだが、今日は買う量も多いので丘の上の地元民御用達のスーパーに向かう。荷物が重くなりそうだなぁと話していたら、タンデム自転車夫婦のフミヤさんとナオミさんが「愛車」を出してくれた。

 丘の上に向かって歩いてからふと後ろを振返ると、下で見るのとは違った美しいエメラルドグリーンの湖に見える。スーパーに行くのでなくとも、ここの高さから湖を見る価値はある。

 丘に上がるほどに風は強くなりバタバタと風が吹き荒れる。そんなパタゴニア的な中をみんなで更新してスーパーに向かった。スーパーは年明けの2日から開くのだが、年末年始にお客様を迎える家が多いのか年末のスーパーは恐ろしく混んでいて、しかも恐るべき量の買い物をしている。事前に買うべき物はリストアップしてあったのでレジに向かうまでは早かったが、レジが時間がかかったねぇ。

 準備開始は午後2時半。昨日のうちにメニューは決めていて、各メニューごとに隊長選抜もされていた。各隊長は午後6時半の開始を目指して各自段取りすることになっている。隊長以外の人は全てフリー援助スタッフ。隊長からの要請で様々な手伝いをするっていう感じ。料理だけでなく、エンターテーメント隊長もいた。料理部隊には手をつけずにひたすら夜のクイズ大会に向けてインターネットで調べ物する係だ。こうして、全員がそれぞれに仕事を与え、与えられて大忙しで準備だ。

 予定時間を30分ほど押してしまったが7時前に着席して宴会開始。前菜はコルデロ(子羊)の一口揚げ、砂肝の醤油煮こみ、ズッキーニと玉葱の煮物、厚焼き玉子、トマトとキュウリのサラダ。ニックネームが教授ことマナブさんからの一品料理は豚ポウロウの牛肉バージョン。バックパックで旅行しているのに八角持ち歩いているなんてこの人は凄い。で、ひとまずこれで乾杯してからメインの鳥のから揚げへ。鳥肉3kgくらい買ったかなぁ。揚げても揚げてもどんどんと面白いようにはけていくので揚げ甲斐がある。そのうち席は乱れ、良い乱れ、イケメン大学生を取り合って取っ組み合いの一場面もありながら、なごやかにパーティーは盛り上がっていったのだった。

 お食事が終了したらヨーコさんの主催による「年末クイズ大会ーーー」!ヨーコさんはブエノス・アイレスでクリスマスクイズ大会も行って実績を積んでいるのだ。今夜のクイズのテーマはパタゴニアに関すること。短い準備時間でよくこれだけ調べ上げたものだというクイズがたくさん出てくるのだった。ヨーコさんの「今夜の罰ゲームはオナ族の格好で皿洗いです!」という発表により、クイズ大会はもう洒落ではなく超真剣モード。クイズを出しているヨーコさんも驚く真剣回答ぶりだった。それだけオナ族の格好ってのが皆恐怖だったのだ。オナ族ってのはパタゴニアの更に南に実存していた部族なんだけど、この部族の男性が闘争や祭りの際に素っ裸に横じまのペインティングをして頭に木の筒型お面を被るという装束なのだ。このアバンギャルドな姿は絵葉書として遠くチリのサンティアゴからエル・カラファテ、そしてウシュアイアでも売られていて、この辺りを旅している私達には周知の姿。これになれって、しかも年末にですよー。絶対嫌です。ってことで、真剣に答えた。

 結果、罰ゲーム対象者じゃなくて優勝したんだけどオナ族になりたかったファンタスティックAKIちゃん・アリサさんチームがオナ族になってくれたのだった。素晴らしい!ってゆーか最初からやりたかったらしい。

 そうこうするうちに夜中の0時を合図にあちこちから花火の音がけたたましく響き渡った。クイズ大会も終わってオナ族の撮影会をしていた私達は、慌ててそのまま外に出た。カラファテの花火は市がまとめてあげるのではなく、各家庭が用意した花火だそうだが家庭があげるにしては本当に打ち上げ花火レベルで規模が大きい。しかも至る所で勝手にあげているので何だか危ない。そういう意味でもかなりスリリングな花火大会なのだった。

 真夏とはいえ夜中のカラファテは冷え込む。丁度冷えた体を年越しソバで温められるっていう段取りはいい流れだ。ソバはないのでアルゼンチンのスパゲッティー、タジャリンを茹でてソバがわりにしたのだが、これが又うどんそっくりで旨い。スープは鳥1羽を丸ごと昼間から煮込んだ鳥スープなので間違いなく旨い。こうして朝からどたばたと過ごした年末は鶏がらスープの年越しソバで締めくくって、近年まれに見る盛り上がりの年末となった。



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