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2008.12.21
アルゼンチン湖でルアーフィッシング
エル・カラファテは美しい水色に輝くアルゼンチン湖に面した町だ。この湖で釣りをするツアーを宿で行っているので参加することにした。半日釣りをして、結果がどうであれオーナーの経営する寿司レストランで夕食ということになっている。
ルアーどころか本格的に釣りをするのが初めての私達2人と在アルゼンチン韓国人の子供達二人が今日の参加者。オーナーの島藤さんが車を運転しながらルアー釣りのやり方を最初から丁寧に説明してくれた。プエルト・マドリンもパタゴニアの雰囲気が出始めている地域だったが、エル・カラファテはやっぱり違う。大きな空に様々な形の雲が浮かんでいる中でのドライブはとても気持ちが良かった。
島藤さんはアルゼンチンの国旗デザインはこの景色に基づいているという話をしてくれた。アルゼンチンの国旗は横線で上から水色、白、水色である。これは空の水色、雪山の白、アルゼンチン湖の水色を表現しているのだそうだ。その場所に今自分がいると思うのはちょっと感動だ。
1時間かけてエル・カラファテの町の丁度対岸に到着だ。湖は町のある側から見るよりもこちらから見る方が美しい色合いに見える。近づくと透明度が高いわけではなく、ここもコート・ダ・ジュールのように石がこすれて青い成分が溶け出している湖のようだ。でもまぁ、とにかくキレイ!
車の中で教えてもらった方法で釣りスタート。釣りというとオモリの付いた糸を投げて後はひたすら待つだけ。我慢と忍耐が必要なものだとばかり思っていたら、ルアーってのは忙しい。思いっきり釣竿を投げて水中に入ったと思ったら、すぐにクリクリと手元のリールを巻き上げていく。
エイッと投げてクリクリクリクリ、
エイッと投げてクリクリクリクリ、
エイッと投げてクリクリクリクリ。
はぁー。昔ちょっとだけやってみたゴルフを思い出した。釣りってスポーツだったんですねぇ。エイッと投げてルアー(小さな魚の形をしたオモリ)が水中に届きそうになる前に、リールを撒き始めると水中を小さな魚が泳いでいるようになる。それを餌と間違えて魚がパクッと食いつく。これがルアー釣りなのだ。
石の近くにいる、なんて聞いたからその近くに投げようとするでしょ。でもどこ飛んでるのか全くわからないんだよね、巻き取ってみるまで。それにゆっくり巻かないとルアーが水面をすべって餌に見えないなんていわれたから、ゆっくり巻いたら今度は底の岩や藻にルアーがひかかってとれなくなっちゃう。というわけで2時間でなくしたルアー2個。
釣れないねぇ、と思っていたら夫が興奮しているのが見えた。お、釣れたんだ!興奮しながらそろりそろりと後ろに下がっていったら、コロンと後ろにひっくりかえったが竿は手放していない。島藤さんも加勢してくれて魚を引き上げることに成功した。初めてにしては上出来のトルーチャ。英語ではトラウト、日本ではマス。こいつが今日の私達の晩御飯になるのだ。
韓国人の子供達の方はと見ると、完全に飽きてしまっている。彼らはすぐにルアーを湖底にひっかけてしまってリールを巻く楽しさ(まぁそんなに楽しくもないが)さえもあまり味わっていないのだった。
夫が釣れたことで俄然やる気がわいてきたのは私と島藤さん。場所を変えて投げる方向を変えて何度もトライしたら、今度は島藤さんにもっと大きな魚がかかった。やった2匹目だ。
そして私にもあたりが。持っていた竿にビクビクッと振動が伝わって、あげてみたら10cmくらいの小さな奴。これは湖に戻しましょうってことになり、リリースしたので写真がない。
ということで今日の収獲は2匹。午後7時に店に来るように言われて私達4人はウキウキとお店に向かった。開店したばかりの島藤さんのお店はモダンシックな内装で高級感のある寿司バー。こんなお店でお食事するなんて普段の私達にはあり得ないのでかなり興奮。まだアルゼンチン的には早い時間なので他にお客さんがいない。まずはビールを注文して(これは別途)、釣ったトルーチャをお寿司とお刺身と巻物にして出してもらった。
マスはサーモンに比べると味がとても淡白で上品だった。これかぁ、これを今日釣ったのかぁ、昼間はあの湖で泳いでいたのかぁと思うとなかなか感慨深い味だった。私達のあまりの食欲を気の毒に思ったのか、奥さんは通常は出さないマスのいくらとキャビアのように黒いツブツブの軍艦巻きも出してくれて、お腹一杯になるまで寿司を食べたのだった。
釣りと寿司。これがアルゼンチンのこんな南端の町で楽しめるなんて予想もしていなかったので、とーっても楽しかった。
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